トランスフォーメーション@東京都現代美術館

長谷川祐子さんと中沢新一さんのコラボキュレーションのトランスフォーメーション展へ。
結構期待してたんだけど、正直期待は超えられませんでした。
もちろんボリュームもあるし、出てる作品もバラエティに富んでて作家も豪華。
なんやけど、何かが足りない感じ。んー。
こういう「変身-変容」という大きなテーマで挑むと、どうしても「この人のこの作品は出てるのになんであの人のあの作品は出てへんねやろ?」という雑念が入って純粋に見られなくなります。
例えば土曜日までやってた名和さんの新作なんてまさにこのテーマにうってつけ。
あとJenny Savilleの両性具有シリーズとかね。
それでもいくつか印象的な展示もありました。
多分今回の目玉は表紙にもなってるマシュー・バーニーでしょう。
展示が完璧すぎて思わず笑みがこぼれるほど。クオリティー高すぎる。
180分のクレマスターは無茶!どっかで上映会せぇへんかなぁ?寝る自信あるけど。
石川直樹さんの写真もよかったし、冒頭のピッチニーニはあんな映像作ってるのは知りませんでした。
しかしなによりよかったのはサラ・ジー。
現美でサラ・ジーといえば、カルティエ財団展の時の吹き抜けの展示の印象が強く、今回はどう来るかなと思ってたんですがすごく意表を突かれました。
あの展示は素敵過ぎる!!実際に観てみてください。力のある作家です。
作品の中に今回の来日の航空チケットがあったの見つけてニヤリ。
ちなみにトゥンガの映像は怖すぎて最後まで見れませんでした…。
今回展示に関して広い空間の使い方がすごくまずかった印象があります。
3階の展示とか平面が多すぎて作品数は多いのになんかスカスカな印象。
アトリウムもイ・ブルだけならまだしも3作家も並んでて散漫。
あとやっぱ長谷川さんのキュレーションは作家がかぶります。
ウィーラセタクンや高木さんの映像はなんだか既に食傷気味です。
それともっとジャンルの横断をやってくるのかと思ったけどそこまで今回目立ってなかったです。
及川潤耶さん(同い年!)の音楽が出品されてるくらいでしょうか。
SPACE FOR YOUR FUTUREぐらい暴れて欲しかったです。
まあ、でも見ごたえは十分あるので観に行く価値はあると思います。
サラ・ジー見るだけでもホンマに価値がある。1月30日まで。
あと相変わらず常設がすごい・・・。
コレクションだけであれだけのピピロッティ・リスト特集ができるなんて。
正直本展見ごたえがあったかもしれません。
あっけらかんとすごいことやっちゃってるのが彼女の作品の魅力。よかったぁ。
あと森万里子特集まで。すごい。
この春の「Plastic Memory」で観た山川冬樹さんの作品がまだ展示されてた。今回は時間なくてパスでした。
モナ・ハトゥムの吹き抜けの作品もすごい。
上ではアンデパンダン展展。後半のまさに伝説的な展示がすごい。
んー、次の常設展も楽しみだー。
考えたら本展とこんな常設観れて1300円って安いと思う。映画観たら1800円やもんね。
さて、今回の上京は、90のメンバーの田中の銀座INAXの搬入手伝いでした。
奇跡的に台風も免れ、無事搬入終えられました。
展示は11月1日から24日まで。詳細はこちら。
サーペンタインギャラリーが移転
またまたロンドンからビッグニュース。
ハイドパーク内にあるサーペンタインギャラリーが移転するそうです。
http://www.bloomberg.com/news/2010-09-27/serpentine-is-set-to-beat-hirst-to-hyde-park-space-zaha-hadid-will-design.html
同じハイドパーク内だそうですが、さらに大きなスペースとなるよう。
元軍事倉庫だとか。そんなとこあったっけ?
しかもリノベーションはザハ・ハディド!!
2012年のオリンピックまでに間に合わせるそうです。
なんでもその場所はデミアン・ハーストが彼のコレクションを見せるスペースを作ろうと計画していた場所らしく、それにサーペンタインが競り勝ったんだとか。
んーー、どこにそんな金が。。。寄付らしいですよ。寄付。
文化事業費がガンガン削られてるイギリスですが、それでもテートの増築はちゃんとやるそうですし、まだまだ文化への投資は続きます。
2012年ってことは、パビリオン企画はもしや来年のズントーで終わり!?
ますます行きたいです・・・泣
追記
投稿後に気づいたけど、これ結構前のニュースみたい。9月27日ってなってる。恥!
ハイドパーク内にあるサーペンタインギャラリーが移転するそうです。
http://www.bloomberg.com/news/2010-09-27/serpentine-is-set-to-beat-hirst-to-hyde-park-space-zaha-hadid-will-design.html
同じハイドパーク内だそうですが、さらに大きなスペースとなるよう。
元軍事倉庫だとか。そんなとこあったっけ?
しかもリノベーションはザハ・ハディド!!
2012年のオリンピックまでに間に合わせるそうです。
なんでもその場所はデミアン・ハーストが彼のコレクションを見せるスペースを作ろうと計画していた場所らしく、それにサーペンタインが競り勝ったんだとか。
んーー、どこにそんな金が。。。寄付らしいですよ。寄付。
文化事業費がガンガン削られてるイギリスですが、それでもテートの増築はちゃんとやるそうですし、まだまだ文化への投資は続きます。
2012年ってことは、パビリオン企画はもしや来年のズントーで終わり!?
ますます行きたいです・・・泣
追記
投稿後に気づいたけど、これ結構前のニュースみたい。9月27日ってなってる。恥!
田中真吾展覧会情報
studio90のnewsに田中真吾の展覧会情報を更新しました。
http://www.studio90.info/
僕も搬入手伝いで今週末は東京です。
そんな田中も僕も出してるBIWAKOビエンナーレ2010はまだまだ開催中!11月7日まで。
皆様のお越しお待ちしてます。
関連記事>>BIWAKOビエンナーレ2010@滋賀県近江八幡市内
http://www.studio90.info/
僕も搬入手伝いで今週末は東京です。
そんな田中も僕も出してるBIWAKOビエンナーレ2010はまだまだ開催中!11月7日まで。
皆様のお越しお待ちしてます。
関連記事>>BIWAKOビエンナーレ2010@滋賀県近江八幡市内
NO 5days exhibition "MISSING LINK" @ EX-room

またもロンドンからの友人齊藤泰三氏のシューブランド「NO」の展示会に行って来ました。
場所は表参道にあるEX-room。
地下の展示室では、白紙のA4用紙がばら撒かれ、さまざまな靴が置いてありました。
昨年のデビューから約1年半ですが、すでに個展を開けるほどの靴の量。
どれも凝った技法によって編み出された靴ばかりで見ごたえがありました。
僕は昨夏の1stコレクションしか見にいけてなくて、その後2回分のコレクションを見逃してて、その間にここまでの数を作っていたとは驚き。
1stコレクションAでは、Tシャツやベルトなんかも制作していましたが、今は靴にほぼ焦点絞って作っているようで、特にこの夏に発表されたコレクションCの量が半端なかったです。
その中からいくつかご紹介。
3度目の発表となるコレクションCのテーマは「MISSING LINK」。
靴が存在しない文明。
靴の進化、退化、化石。
靴のPIECE(かけら)が変化した靴。
靴の間違えた復元。
【LACE SEAMED SHOES】

なんと靴紐が縫われています!
靴紐が解けてイライラする心配がない笑
いや、でも普通にかっこよくて、茶色もあるけど僕は黒がお気に入り。欲しい!
【SCAR DERBY SHOES】

こちらは逆に紐がゆるゆるです笑
これは実際靴紐靴ではなく、ゴムが入ってるので履き心地はぜんぜんゆるくありません。
皮もあえて緩く張られてるのがにくいです。
【繭スニーカー】

なんと靴紐がストッキングのような伸縮素材でできてる。
だから履くときいちいち解いたり結んだりせずに伸ばして履ける。
このタイプの靴はかっこいいけど着脱が面倒くさいので便利。
紐が太いので見た目にもかわいいです。結び目もないのもいい。
【指紋スニーカー】

なんといっても今回べた惚れだったのがこの靴。
写真では少しわかりにくいですが、実はすべて指紋で着色されてます!ヘンタイです笑
でも、ほんまにかっこよくて、いいないいなーと言ってたら鶴の一声で買っていただけることに!!
今から届くのがめちゃくちゃ楽しみですyy
色は赤・青・紫・緑・黒があります。僕は黒を選びました。
まだまだありますが、この4つが僕の中で特にお気に入り。
個人的に1stコレクションの【羽化スニーカー】も持ってます。
他の靴の紹介は直接齊藤氏のサイトまで。
NO website>>http://www.noshoes.biz/
UNDER THE FACT OF SHOES(BLOG)>>http://noshoes.exblog.jp/
それにしても、どの靴も創造的で、妥協がなくて、本当におもしろかった。
ファッションの世界って、毎年春夏、秋冬の2回は必ず発表しなければならない、恐ろしいサイクルの中でのクリエーションで本当に厳しいと思う。
スランプだとかなんだとか言ってられない世界。
そんな中で、まだ3回ではあるものの、これだけのものを一人で築き上げてきた友人は素直にすごい。
そして、今回のコレクションの出来が本当にすばらしかった。
おかげで物欲が掻き立てられまくりましたが・・・。
自分もがんばらなければ。とても刺激になりました。
会場には齊藤氏を通して知り合った鞄職人の大久航さんもいらっしゃった。
いつか彼の展示会にも足を運びたいと思ってます。
周りにものづくりの人たちがたくさんいてとても幸せです。
NOの靴は渋谷のB'2ndや代官山のLAND OF TOMORROWで買えます。
詳しくは直接お問い合わせください。info@noshoes.biz
(写真提供:齊藤泰三)
高野台Z邸 by htmn







(写真提供:中畑昌之)
ロンドンからの友人であり、コンペのパートナーでもある建築家中畑昌之氏の作品。
靍田博章氏とhtmnを設立して行ったリフォーム。
二世帯住宅の若い夫婦が住まう2階をリノベーションしました。
西武池袋線の駅から徒歩15分ほど。
閑静な住宅街で、目印がほとんどなくほんまに着けるのか不安になりつつなんとか到着。
内装のリフォームなので、外見は普通の一軒家と全く同じ。
2階に上がると中畑氏が出迎えてくれる。
まず、全体を占める白の割合に目が行く。とにかく白い印象。
そして天井を見上げると、三角屋根に違和感を覚える。
外の外観と一致しない天井の三角屋根。
これは、屋根裏の空間を利用したトップルーフで、さらに別のしかけも。
屋根の空間と他の空間のあまりの違和感に不思議な気持ちになる。
普通、1つの部屋に1つのトップといった感じだけれど、ここではあえてずらされている。
合計で4つあるその三角のトップは、空間を横断して突き出ている。
これは、住宅という、何年も住み続けるという特徴を踏まえて、あえて何かをズラすことで、飽きの来ないデザインを目指したものということ。
そしてさらに、このトップにはツヤのある白が塗られている。
ここに床の色が反射して、部屋がオレンジに染まる。
方角としては、階段をあがるとまず手前にキッチンがありリビングがあるのだが、こちらが東。
奥には寝室と子供部屋があり、そちらは西。
朝は階段の手前側に太陽の光が入りオレンジになり、奥は青っぽい空間になる。夕方はその逆。
一枚目の写真がまさにその様子を捉えている。
こうして、先に白い空間だと言ったが、時間によって様々な彩りを添えてくれる。
また屋根以外にも領域の横断が随所に見られる。
例えばリビングと、子供部屋を突っ切る机。
リビングと子供部屋の間には旦那さんの書斎があり、リビングでお母さんがテレビを見て、旦那さんが仕事をし、お子さんが遊ぶという三者三様の行動がつながれているような感覚。
また子供部屋と寝室の間の壁には、三角屋根によって出来た隙間があり、お互いのプライバシーは守りながら、お互いの気配を感じることができる。
お子さんの成長に合わせて机も取り外し可能で、ちゃんと間地切ることも可能。
また、書斎は、机を取り払うことで廊下にもなり、空間の柔軟性も確保されている。
こうして見ていくと、繊細な配慮に驚くばかり。
住宅というものは、先にも触れたが、どうしても長い付き合いになるし、時の変化によって空間の使い方も変わってくる。それにちゃんと対応していかなければならないのはすごく難しい。
けれど、逆に、住宅には、手取り足取りしてやらなくても住む人がなんとかしてやっていくといったような、他の建築にはない面白みもあるのかもしれない。
安藤忠雄が「住むことは戦いである」と言っていたり、先日のU-30の講演で大西麻貴さんが、「住宅は、それを使う人も努力してなんとか自分の住みやすい環境づくりに切磋琢磨する必死さのようなものがある」と言っていた。
公共建築とかだと、使用目的も最初から最後まで決められていて、不便さは完全に敵である。
けれど、住宅には何かそれらも抱擁するような柔らかさみたいなものがあって、だから住宅はおもしろいのかもしれない。
こうして、実際に人が住んでる空間に佇んでみて色々考えられました。
ひとつ難をいうなら、既存の梁の色をなんとか残せなかったのかな、ということ。
この梁も白く塗られていたので、聞いてみたら実際ギリギリまで悩まれたとのこと。
ただあまりに汚くて、そのまま残すには難有りだったみたい。
昔の家みたいな丸太のような梁だったら確かにかっこよかったのかもしれない。
いやはや、いい経験させていただきました。
htmnはまだまだ進行中のプロジェクトを抱えているとのこと。楽しみです。
木藤純子+水野勝規 2人展@GALLERY CAPTION

ずっと気になってた岐阜県にあるGALLERY CAPTION。
結構前から名前だけは知ってて、超京都でもすごく存在感を放ってた。
なんといっても所属作家が僕好み。
今京都芸術センターで開催中のPanoramaに出品してる木藤純子さんと水野勝規さんの2人展がやってる。
そして、BIWAKOビエンナーレ開催中の近江八幡からは電車で約1時間で行ける。
ってことで、本日、午前中は友人をBIWAKO案内して、午後から行ってきちゃいました。
JR岐阜駅から徒歩10分弱。
ちょっと閑散とした場所だったけど確かにありました。
住所に伊藤倉庫ってなってるから倉庫なんでしょうか?
その建物の2階がギャラリー。
ギャラリー内は窓がたくさん開いていてとても明るい。いい感じ。
入り口で早速大きな木藤さんの代表作sky potが出迎えてくれる。
大きなガラスの器に水が張られていて、底に空のプリント。
手前と奥に部屋があって、手前は木藤さんの展示。
花の冠と割れたガラス等が展示されてる。相変わらず謎!
窓の際にもガラスが置かれていて、柔らかい光に包まれている。
ギャラリーの方のお話では、引越しの際に2つあったsky potのうちの一つが割れてしまって、しばらく悲しく思っていたのだけれど、これを新しい作品に生まれ変わらせようと前向きに考えなおしてできたのが今回の作品群らしい。
こうした個人的な物語が木藤さんの場合とても重要になってくる。
地元である富山のガラス細工の知人と共同でガラスを溶かして様々なものに生まれ変わらせる。
中には木藤さんが作ったビー玉のような玉もあって、中に灰を混ぜたりして不思議な模様が浮かんでいる。
花の冠は、そのpotの底の大きさと同じ輪っかなのだそう。説明ないとわからん!
でも、こういう見えないところをさりげなく込める木藤さんの作品はやっぱり好きです。
説明を聞く前と聞いた後で全然見え方が違う。
かと思えば、窓際に置いてた色とりどりのガラスは、この物語に関係なく、海で集めてきたものらしい笑
こういう深読みもできちゃう凄まじい振り幅の作品群です。
奥の談話室みたいなところには、虹で見せてた版の作品もあった。
奥の展示室では水野さんの「monoscape」の連作。
モニターが床に整然と並んでいて、その前の椅子に座って見る、というより眺める。
とてもシンプルな展示でしたが、じっと見てられるのが水野さんの映像の魔力。
明るいところで映像を見せるのはやっぱりいいですね。気分も晴れる。
そんなこんなで初CAPTION体験。もっと前に来とけばよかった!
この展示は11月27日まで。
ギャラリーのYさん、ご説明ありがとうございました。
丹波国分寺跡アートスケープ@京都府亀岡市内数カ所
山岡敏明さんが出品してる「丹波国分寺アートスケープ」に行ってきました!
それにしてもすごい場所でした。。。。

もうバス降りてフッと笑いが出ましたもん。
でもまあ、こういうのはへっちゃら慣れっ子です。
ちゃんと看板も出てるし何も迷うことなし。
迷うことなく山岡さんの展示会場、国分寺本堂へ。。。。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・



ジャジャーーーーーン!!!!



す、すごい・・・。
ここまで本当の意味でデカいグチックは初めて。
しかも寺の本堂というすごいロケーション。
いつもは不自然な作品前の線がものすごく自然。
この線のこっちとあっちで俗と聖がくっきり分かれてる感じ。
ここまで場所に合ってるとは驚き。
床からグチックが盛り上がってるというもの。
現場には山岡さんもいらして色々説明していただきました。
うーん、これは観に来た甲斐があった・・・。
真夏にへーこらしながら召喚してらしたみたい。お疲れ様です!
初日の朝一で行ったので、他の森太三さんの作品とかまだ準備中でした。
ランタンを水田に浮かべるというもので、今週の夜間ライトアップで本領発揮のはず。
ここは、世界的に有名なアール・ブリュットの「みずのきアトリエ」がある場所。
今回のイベントはその交流も含めたもので、古い民家にそこの作家さん山崎孝さんの作品が展示されてました。
詳しくはこちらで>>http://6120.teacup.com/nantan_art/bbs
うーーん、本当にすごい場所でした。
個人的にグチックと寺の共演見れただけで満足。
今週金土日で終了です。
ちなみに亀岡駅からだと、2時間に1本しかバスがありません・・・。
あまりおすすめはしませんが、どうしてもお急ぎの方でご覧になりたい足のない方に裏技。
これはチラシに書かれてない方法です。僕はこの方法で行きました。
まずJR千代川駅まで行きます。そこで9時25分発のバスが出てます。
最寄の国分バス停には9時41分に着きます。
会場までは徒歩5分強といったところ。
外から見られる作品が多いので、開場は10時からですが、その前でもいくらかは見れます。
で、10時17分発の千代川駅行きのバスに乗って帰路、という怒涛のコース笑
ただ、これだと亀岡駅周辺に展示されてる山岡さんの映像作品が見れません。
途中下車もありですが、僕はあまりに時間がなく見れませんでした。
YouTubeにアップしてくださってるので、興味のあるかたはそちらで。
GUTIC STUDY photoesquisse kameoka01 02 03 04 05 06
<関連記事>
山岡敏明「GUTIC STUDY」@studio90♯1 ♯2 ♯3 ♯4
山岡敏明 @ Gallery H.O.T
山岡さんは今日から神戸、来週から大阪と立て続けに展覧会を開催。すごいなぁ。
表恒匡・中村裕太「裏山とタイル」@ギャラリー揺

銀閣寺近くの哲学の道にあるギャラリー。
手前の「みつはし」は知ってましたが、その奥もギャラリーだったとは。
今回は先輩であり、いつも素晴らしい写真を撮ってくださってる表さんの展覧会。
中村さんは同じく精華の陶芸の先輩です。
にしても表さん、SANDWICHや他の撮影の合間に作品作りとはすごい。
今回は、様々なガラスにマウントした裏山の写真。
写真というフラットな画面にテクスチャーを与えている。
ガラスのパターンが写真を歪めていて、窓越しに風景をみているようでした。
なぜ裏山なのか等の説明は欲しかったですね。あれは実家なのかな?
今回はこの二人展としてとてもまとまりがあって良かった。
中村さんはいつものタイルの作品だし、どちらもとてもドメスティックなモチーフ。
そしてどちらも工芸的な要素が入り込んでいて、美術と工芸、聖と俗の関係がおもしろかった。
こちらは今月31日まで。25日(月)は休廊。
FLATLAND ― 絵画の力 ―@ @KUA

京都市立芸術大学(京芸)のギャラリー。
今回は全員京芸を卒業した平面作家のグループ展
中には精華の先輩の北条貴子さんと前田明子さんが出てました。
今回北条さんの絵を久々に見たけど、ものすごくよかった。
彼女の京芸の博士論文が確かモネの光を主題に書いたものだったように記憶しているのだけれど、ますます「絵画の光」の描き方が鮮明に成っている気がした。
前田さんのは、芸術センターの「now here, nowhere」展で見た女性の後ろ姿。
他にもmuzzやeNartsでの個展も記憶に新しいロバート・プラットさんも出てた。
全体的におもしろかったのが、キャンバス上で、ものごとが解体されているという点。
また、色がものすごくたくさん使われているという点。
前述の3人もそうだし、中岡真珠美さんや横内堅太郎さん(この人も京芸だったとは!)なんかもそう。
それぞれがその前で何分でも立ち止まっていられる強度を持っていました。
そんな中で小柳裕さんの絵は異彩を放ってました。
ジュートという麻のような荒いキャンバスに描かれた枯れていく花のタブロー。
完全に具象を貫いていて、この中では逆に目立っていたように思います。すごく不思議な絵。
中々楽しめる展覧会でした。11月7日まで。
今京都では京芸創立130年を記念した行事がいくつか開催されています。
「美術遊歩」というイベントもそのひとつで、京都内の画廊がそれぞれ京芸出身者の展覧会を開催中。
んーーー、京芸強いなー。他大学出身者は正直肩身せまいです。。。
それにしてもすごい場所でした。。。。

もうバス降りてフッと笑いが出ましたもん。
でもまあ、こういうのはへっちゃら慣れっ子です。
ちゃんと看板も出てるし何も迷うことなし。
迷うことなく山岡さんの展示会場、国分寺本堂へ。。。。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・



ジャジャーーーーーン!!!!



す、すごい・・・。
ここまで本当の意味でデカいグチックは初めて。
しかも寺の本堂というすごいロケーション。
いつもは不自然な作品前の線がものすごく自然。
この線のこっちとあっちで俗と聖がくっきり分かれてる感じ。
ここまで場所に合ってるとは驚き。
床からグチックが盛り上がってるというもの。
現場には山岡さんもいらして色々説明していただきました。
うーん、これは観に来た甲斐があった・・・。
真夏にへーこらしながら召喚してらしたみたい。お疲れ様です!
初日の朝一で行ったので、他の森太三さんの作品とかまだ準備中でした。
ランタンを水田に浮かべるというもので、今週の夜間ライトアップで本領発揮のはず。
ここは、世界的に有名なアール・ブリュットの「みずのきアトリエ」がある場所。
今回のイベントはその交流も含めたもので、古い民家にそこの作家さん山崎孝さんの作品が展示されてました。
詳しくはこちらで>>http://6120.teacup.com/nantan_art/bbs
うーーん、本当にすごい場所でした。
個人的にグチックと寺の共演見れただけで満足。
今週金土日で終了です。
ちなみに亀岡駅からだと、2時間に1本しかバスがありません・・・。
あまりおすすめはしませんが、どうしてもお急ぎの方でご覧になりたい足のない方に裏技。
これはチラシに書かれてない方法です。僕はこの方法で行きました。
まずJR千代川駅まで行きます。そこで9時25分発のバスが出てます。
最寄の国分バス停には9時41分に着きます。
会場までは徒歩5分強といったところ。
外から見られる作品が多いので、開場は10時からですが、その前でもいくらかは見れます。
で、10時17分発の千代川駅行きのバスに乗って帰路、という怒涛のコース笑
ただ、これだと亀岡駅周辺に展示されてる山岡さんの映像作品が見れません。
途中下車もありですが、僕はあまりに時間がなく見れませんでした。
YouTubeにアップしてくださってるので、興味のあるかたはそちらで。
GUTIC STUDY photoesquisse kameoka01 02 03 04 05 06
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山岡敏明「GUTIC STUDY」@studio90♯1 ♯2 ♯3 ♯4
山岡敏明 @ Gallery H.O.T
山岡さんは今日から神戸、来週から大阪と立て続けに展覧会を開催。すごいなぁ。
表恒匡・中村裕太「裏山とタイル」@ギャラリー揺

銀閣寺近くの哲学の道にあるギャラリー。
手前の「みつはし」は知ってましたが、その奥もギャラリーだったとは。
今回は先輩であり、いつも素晴らしい写真を撮ってくださってる表さんの展覧会。
中村さんは同じく精華の陶芸の先輩です。
にしても表さん、SANDWICHや他の撮影の合間に作品作りとはすごい。
今回は、様々なガラスにマウントした裏山の写真。
写真というフラットな画面にテクスチャーを与えている。
ガラスのパターンが写真を歪めていて、窓越しに風景をみているようでした。
なぜ裏山なのか等の説明は欲しかったですね。あれは実家なのかな?
今回はこの二人展としてとてもまとまりがあって良かった。
中村さんはいつものタイルの作品だし、どちらもとてもドメスティックなモチーフ。
そしてどちらも工芸的な要素が入り込んでいて、美術と工芸、聖と俗の関係がおもしろかった。
こちらは今月31日まで。25日(月)は休廊。
FLATLAND ― 絵画の力 ―@ @KUA

京都市立芸術大学(京芸)のギャラリー。
今回は全員京芸を卒業した平面作家のグループ展
中には精華の先輩の北条貴子さんと前田明子さんが出てました。
今回北条さんの絵を久々に見たけど、ものすごくよかった。
彼女の京芸の博士論文が確かモネの光を主題に書いたものだったように記憶しているのだけれど、ますます「絵画の光」の描き方が鮮明に成っている気がした。
前田さんのは、芸術センターの「now here, nowhere」展で見た女性の後ろ姿。
他にもmuzzやeNartsでの個展も記憶に新しいロバート・プラットさんも出てた。
全体的におもしろかったのが、キャンバス上で、ものごとが解体されているという点。
また、色がものすごくたくさん使われているという点。
前述の3人もそうだし、中岡真珠美さんや横内堅太郎さん(この人も京芸だったとは!)なんかもそう。
それぞれがその前で何分でも立ち止まっていられる強度を持っていました。
そんな中で小柳裕さんの絵は異彩を放ってました。
ジュートという麻のような荒いキャンバスに描かれた枯れていく花のタブロー。
完全に具象を貫いていて、この中では逆に目立っていたように思います。すごく不思議な絵。
中々楽しめる展覧会でした。11月7日まで。
今京都では京芸創立130年を記念した行事がいくつか開催されています。
「美術遊歩」というイベントもそのひとつで、京都内の画廊がそれぞれ京芸出身者の展覧会を開催中。
んーーー、京芸強いなー。他大学出身者は正直肩身せまいです。。。
バーネット・ニューマン展@川村記念美術館

注目のバーネット・ニューマンの日本初個展に行って来ました!
もう去年のロスコがあったので、まちがいはなかろうということで。
今回東京駅から美術館まで直通のバスが登場して超便利になりました。
片道1300円(Suica利用で1250円)と、電車で行くより少しだけ高いですが、便利さは格別。
東京駅から10:55発一本のみなのでお見逃しなく。一時間ちょっとで着きます。
八重洲中央口からとなってましたが、正しくは北口よりさらに北にバス停があります。
駅降りたらすぐやろと見越してたので焦りました。
にしても乗ってたの僕合わせて3人だけだったんですが、これから先大丈夫かな。。。

さて、まずはコレクション展。
驚きはカルダーの展示室。
なんと壁と天井が水色!
それに赤いかれのモヴィール彫刻がすごくマッチしてます。
床のデザインは少しやりすぎな感もありましたがおもしろかったです。
そして、なんといってもここはアメリカ近代美術の宝庫。
ポロックに始まり、アルバースにライマン。
何度見ても圧巻なのがステラの作品群。
ここにあるものだけでステラの変遷が踏めます。
そして、今回ニューマンと同時に楽しみだった部屋へ・・・。
そう、ロスコルームです。
前回のロスコ展の時は閉まってましたからね。
入り口が二つあって、とりあえず右側から。
これはすごかった!!!
以前のロスコルームはホンマにダサくていやでしたが、今回は文句なし。
床は黒い木で仕上がってて、なんといっても壁が絵に合わせて折れ曲がってる!
7枚ある絵画に対して、7角形の部屋。
ソファーもそれに合わせた畿科学のソファー。
あえて言うなら壁の質感がもう少しマットでもよかったのでは、というところか。
ロスコの絵に360度囲まれる体験。すばらしいです。
そして、肝心のニューマン展。
今回はそのためにニューマンルームは閉鎖。
入るとロスコ展と似たような構成。
まず椅子が置いてあって、一枚の絵画。
赤い画面の真ん中に一本の白い線(ジップ)が入っている。
ロスコの時もそうやったけど、ものすごい強い絵が最初に来ている。
次の展示室は初期のまだまだ迷走期ともとれる抽象画。
しかし、先ほどの一枚目が1949年に描かれたのに対して、これらは1946年。
たった3年であそこまでたどり着いたのか!という驚き。
さらに次の部屋は版画の部屋。
すっかり色面で構成するやり方が板についてきた模様。
そして一番大きな展示室には、晩年の作品たちが並ぶ。
さらにその次には今回のメイン、「アンナの光」が出迎える。
これは母アンナの名を冠した横幅6mにも及ぶ彼の代表作。
それがここの所蔵ってのが恐ろしい。
しかしやはり先にニューマンルームでの展示を見てしまっているのでそれほどの感動もなかった。
やっぱりあの部屋はこの絵の為だけに設計されてるとあって、格別。
なんだか小さくなってしまった印象すら受けた。
また、全体的にも、初期の抽象からジップの登場をつなぐ作品がなくて、いきなりこのスタイルに行き着いてしまった感があるのが残念。
まさにミッシングリンク。
あとで画集を見たら、やはり、少しずつジップの姿が登場してくる時期があって、その誕生の瞬間というのはロスコもそうだけど、感動するし鳥肌がたつ。
そこらへんをなんとかカバーしていただきたかったです。
最後の映像は長すぎて10分ほどで退散。
なんでミニマルな表現する人ってよくしゃべるんやろ笑
それにしてもタイトルがすごくかっこよかった。
「存在せよ(BE)」 「原初の光」「夜の女王」「名」「そこではなく、ここ」など等
それらのタイトルも大きくキャプションされてるのがよかった。
タイトルってすごく重要だと思う。
期待ほどではなかったけれど、すごくよかったです。12月12日まで。
ロスコルーム観に来るだけでも価値がありますね、ここは。
ちなみに帰りの東京駅行きバスは15時半ぐらいだったのだけど、そこまで時間つぶせず電車で戻りました。
関連記事>>マーク・ロスコ 瞑想する絵画 @ 川村記念美術館
名和晃平「synthesis」@SCAI THE BATHHOUSE

約4年半ぶりとなる名和さんのSCAIでの展示。
来年の現美の展覧会も控えますます脂の乗ってる作家。
その4年半前はお手伝いさせて頂いてましたが、すっかりビッグになられました。
4年半前・・・来た時東京は大雪に見舞われ谷中が大変なことになってたのを思い出します。
今回は大きく手前と奥に分けて展示。
手前側ではドローイングを。奥では彫刻を展示。
まず入って驚かされるのが、そのドローイングのインスタレーション。
すさまじい量のドットが描かれていて、モアレを起こさせます。
このインスタレーションは本当にすごかった・・・。
元々僕は名和さんのドローイングが大好きなんですが、こういう形で見たのは初めて。
スタッフの努力も垣間見えます・・・。
また奥の彫刻ではなんとビーズの作品に変化が。
素材はいつもの鹿の剥製なんだけど、何かがおかしい。
何がおかしいって、顔がふたつ・・・2頭がくっつけられてる!
今回のタイトル「synthesis」には合成という意味があって、まさにコピペするように、2頭がかぶさって、ビーズによって合成されてる。
以前にも名和さんは、剥製というのは型が決まっていて、そのパターンにあわせて皮を貼り付けているだけ、とおっしゃってましたが、まさに同じポーズの鹿が組み合わされてる。
また、左右の壁にも頭の剥製があり、こちらも2頭。
入って右側のなんか、どういう風にくっつけてるのか、不可思議なフォルムでした。
最初DMで観たときなんか変やな、と思って気づかなかったのですが。
正直実物見るまで、そんな不自然なことしちゃったらコンセプトとかゆがむんじゃないの?と少し懐疑的だったんですが、実際に実物を目の前にすると、めちゃくちゃ「強い」んですよね。
有無を言わさぬ強さがあって、名和彫刻が新たな局面を迎えているように思いました。
名和さんの作品ってやっぱりきれいすぎるところがあったり、コンセプトが精密すぎたりで、そういうのに縛られてる感も年々拭えなくなってる感がありました。
でも、去年のエルメスでの個展で、そういうしがらみにある種終止符を打ったんじゃないかと。
あの展覧会は、改めて、Liquid、Beads、Scumと、今までのシリーズを総括することで、第一幕の終わりを示していたんじゃないかと、勝手に推測。
今回の展示が第2幕に向かって新たな一歩を踏み出している気がします。
ただ、やはり外と内がまだ整合性がとれてない気がします。
そこをうまくつなぐ糸口が見えれば、また新たな彫刻を見せてくれそう。
来年の現美ホンマに楽しみです!
SCAIでの展示は今月30日まで。
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名和晃平「L_B_S」@エルメス銀座
名和晃平講演会「名和晃平の"アート"」@京都精華大学
名和晃平「GUSH」@SCAI THE BATHHOUSE
オラファー・エリアソン展@Gallery Koyanagi
ここ最近の小柳さんのラインナップがすごすぎる件。
だって、須田悦弘、束芋に続くこのオラファーですよ。しかも次は池田亮司。
東京住んでたら毎回通っちゃいますね。
ちなみにこのオラファー展はほとんど観た事ある作品。
奥の岩の写真と、影の作品(黒バージョン、カラーバージョン)など。
一番奥の部屋の映像は、多分こないだベルリンでやった個展の時の作品。
でっかい鏡をサイドに張ったトラックを走らせて、その模様を映している。
ってか、これ事故になりかねないけど大丈夫だったのかね?
金沢とか見ちゃった後だとやっぱ物足りないですね。今月28日まで。
ちなみに名和さんがSCAIで個展した4年前の記事にオラファーの原美の個展も載ってる。
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Olafur Eliasson 'Colour activity house' @ 金沢21世紀美術館
オラファー・エリアソン「あなたが出会うとき」@金沢21世紀美術館
Olafur Eliasson 'SUNSPACE FOR SHIBUKAWA' @ HARA MUSEUM ARC
Serpentine Pavilion 2007
小池一馬/牡丹靖佳展@hpgrp GALLERY 東京
6月のMA2での個展でファンになった牡丹靖佳さんと小池一馬さんの2人展。
小池さんは半分に割れたモアイ像みたいなのが床に置かれてるインスタレーション。
モアイ(仮)の中から海の音が流れていました。
正直小池さんの作品はよくわからなかった。
ポートフォリオ見たら絵も描かれている彫刻家みたいだ。
一方牡丹さんは相変わらず素敵過ぎてたまらなかった。
4枚のMDFに直接描かれた油彩。画面の前には絵から零れ落ちたような色とりどりの木片が転がってる。
少し離れた所に小作一枚と、その反対の壁に青を画面の半分ぐらいまでさっと塗ったような小作。
ギャラリーの方曰く、小池さんが今回の2人展をやるにあたり、海のイメージがあって、牡丹さんに海の絵を描いてほしいとお願いしたら、そんな簡素な絵が生まれたんだそう。すごい!
奥からこの展示全体をイメージしたこれまた小さな絵を持ってきてくださったのだけど、これが物凄くよくて、展示してないのはもったいないくらい!ホンマにほしくなった。買えばよかった。
これから追いかけていきたい作家の一人です。この展示は今月24日まで。
石塚沙矢香展@INAXギャラリー
越後妻有や大阪アートカレードスコープで拝見した作家さん。
今回は樹脂(?)の上に割れた茶碗やコップが置いててそれが会場に浮かんでいるというもの。
樹脂の上に奥意味はあったんでしょうか?ちょっとがっかり。
ポートフォリオ見てたらすごくおもしろいことやってる。これから楽しみ。今月28日まで。
この次はstudio90メンバーの田中真吾展です。月末また手伝いにきまーす。
石上純也展「建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」@SHISEIDO GALLERY

会期ギリギリの滑り込みで行ってきました、石上純也展@SHISEIDO
噂には聞いていたけど、これは本当にすごい展覧会。
会場に模型が全部で56点展示されている。
どれもこれまでの「建築」の概念を覆すようなシロモノのオンパレード。
ひとつひとつ挙げていけばキリがないが、中でも地球を一周する橋にはびっくり!
まっすぐどこまでも延ばしていって最終的に地球を一周してつながる。
その軸力のみで橋は浮くので柱のない橋が完成する、というもの。
あと、大気圏を突入するんじゃないかという高さのスカイスクレーパー。
資生堂のあの高い天井の上まで伸びてました笑
家の中で雲を作って雨を降らせるとか、海を繰り抜いて都市を作るとか。
この人の脳の中は一体どうなんってんじゃい!エイリアンです。
でも、すごく突飛ではあるものの、なんだか懐かしい感じがするんですよね。
こういうことって子供の頃色々空想してなかったっけ?
無理無理と一笑に付すことはとても簡単だけど、別に無理だってええやん。
不可能だっていつか可能になる日が来るかもしれんやん。
そう思わせてくれる微笑ましい展覧会。
あの行き切っちゃってる感覚がとても気持ち良いのです。
カタログが1月にできるそうなのでぜひ欲しいです。
ひとつひとつの模型の細かさもすごかった。
グランパレのプロジェクトは是非見てみたかったです。
来年はロンドンでも個展があるらしい。
建築はまだ全然建ってないけど、この人を見てるとそれはそれでありな気もしてくる。
すごい人です。
関連記事>>KAIT工房 by 石上純也
藤本壮介展「山のような建築 雲のような建築 森のような建築」@ワタリウム美術館

同じく建築界の鬼才藤本壮介の展覧会。
「山」「雲」「森」というテーマを挙げながら各フロアを明快に分けるキュレーション。
1階で荷物を預けて2階へ。
2階では、透明な筒を組み合わせることで、壁となり家具となり門となるインスタレーション。
初期のPrimitive Future Houseを思わせるようなプログラム。
あれ実際座れたのかな?組むのがとても大変そうでした。
3階は棒に突き刺さった模型たちが所狭しと並んでます。こりゃ荷物持って通るのは無理だわ。
この棒が人に当たる度に揺れて恐ろしかった。
石上さんの展示を見たあとだったので、なんとなく白ける。
あの説明文章のつけ方は本当であれでよかったのだろうか?
藤本さんの強みであり弱みであるのは、それらが実際に建ってるところ。
それが模型の説得力を増すと同時に、建っているという事実が、模型に孕んでる夢を萎ませている。
それってどういうことなんやろ、と自分でも疑問なんだけど、例えば、東京アパートメントの模型を初めて見た時にすごく感動したのに対して、実際建ってみると、あの時の感動は微塵も感じられなくなってしまった。逆に未だに建つことのないPrimitive Future Houseは、模型であることの意義がすごくあると思う。
石上さんの場合は、建ってないことが強みになってる。
なんだか矛盾しまくってるけど、そこをどう乗り越えるかが2人にかかっています。
4階は都市のインスタレーション。1人通るのがやっとな細い道を通過しながら見る。
これはあまりに現実感がなさすぎてよくわからなかった。
この展覧会は来年の1月16日まで延長されたみたいです。まだの方是非。
会期中チケットは何回でも有効。
ってかこの美術館久々に来たけど狭すぎ!
マリオ・ボッタの日本唯一の建築なんやけど、これは完全に失敗してますね。
動線がエレベーターのみって!ありえない。
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武蔵野美術大学 美術館・図書館 by 藤本壮介
東京アパートメント by 藤本壮介
SUMIKA project ♯1
第24回UBEビエンナーレ公開審査
去る10月17日に第24回UBEビエンナーレの模型審査が行われました。
今回はなんとUSTREAMによる公開審査。
審査員は以下の方々。
中原佑介(国際美術批評家連盟日本支部会長)
酒井忠康(世田谷美術館長)
澄川喜一(島根県石見美術館長)
斎藤郁夫(山口県立美術館学芸専門監)
浜田剛爾(青森公立大学国際技術センター青森館長)
南嶌 宏(女子美術大学教授)
岸 桂子(毎日新聞東京本社学芸部記者)
久保田后子(緑と花と彫刻の博物館長・宇部市長)
主にPART1では挨拶等が収められ、PART2では具体的に作品が選び出されます。
なんとここで僕の作品「此方」が5票も集めていてびっくり。うれしい限りです。
そして、PART3では改めて実物制作20点を絞り込み。
8分ごろに手前に映ってるのが僕の作品。
またいつかご紹介します。
にしても、審査生々しすぎる・・・。
The 24th UBE Biennale Model Exhibition part 1
The 24th UBE Biennale Model Exhibition part 2
The 24th UBE Biennale Model Exhibition part 3
今回はなんとUSTREAMによる公開審査。
審査員は以下の方々。
中原佑介(国際美術批評家連盟日本支部会長)
酒井忠康(世田谷美術館長)
澄川喜一(島根県石見美術館長)
斎藤郁夫(山口県立美術館学芸専門監)
浜田剛爾(青森公立大学国際技術センター青森館長)
南嶌 宏(女子美術大学教授)
岸 桂子(毎日新聞東京本社学芸部記者)
久保田后子(緑と花と彫刻の博物館長・宇部市長)
主にPART1では挨拶等が収められ、PART2では具体的に作品が選び出されます。
なんとここで僕の作品「此方」が5票も集めていてびっくり。うれしい限りです。
そして、PART3では改めて実物制作20点を絞り込み。
8分ごろに手前に映ってるのが僕の作品。
またいつかご紹介します。
にしても、審査生々しすぎる・・・。
The 24th UBE Biennale Model Exhibition part 1
The 24th UBE Biennale Model Exhibition part 2
The 24th UBE Biennale Model Exhibition part 3
第24回UBEビエンナーレに実物大制作入選しました。

来年山口県宇部市で開催される第24回UBEビエンナーレに実物大制作入選しました!
前回は模型入選止まりでしたが、今回リベンジ果たしました。
いやはや、自信はありましたが、いざ通ると嬉しいのと不安とで複雑な感じ。
なんせ野外彫刻なんて初めて作るんですもの。
なんとか頑張りたいと思います。
ビエンナーレ自体はなんと来年で50周年!!
そんな節目の年に出品できるのは光栄です。
審査員も中原佑介さんをはじめすごく豪華。
そんな方々に選んでいただいたのはとても嬉しい。
昨日はそんな審査会の様子がUStreamで生中継されたらしい。恐ろしい時代や。
なんにせよ、支えてきてくださった方々に感謝。
がんばっていいもの作り上げてみせます。
ちなみに今日から全応募作品(363点!)の展示が始まっています。
第24回UBEビエンナーレ
http://www.ube-museum.jp/
応募作品展
2010年10月18日(月)-11月7日(日) 10:00-17:00 会期中無休
ときわ湖水ホール
山口県宇部市大字沖宇部254番地 ときわ公園内
tel /fax : 0836-51-7057
第24回UBEビエンナーレ
2011年9月24日(土)-11月13日(日) 9:00-17:00 会期中無休
ときわミュージアム彫刻野外展示場
山口県宇部市大字沖宇部254番地 ときわ公園内
tel /fax : 0836-37-2888/0836-37-2889
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UBEビエンナーレ'09@ときわ公園等
コンペ
mori's blog閉鎖のお知らせ
突然ですが、これまで僕の日常を綴っていたmori's blogを閉鎖することにしました。
元々制作のことを中心に書こうと思って始めたのですが、制作中の作品に関してあまり人にお見せするのが得意な人間じゃないし、特に大したこと書けるような日常を送ってるわけでもないので、このまま2つ並行して書く意味もないかな、と何度か思ってたこともあり閉鎖を決めました。
だからといって、吐露したいことは日々あるので。。。
twitterを始めました!
まさか、この僕がtwitterを始めるなんて・・・。
正直twitterには相当の偏見があります。
そもそもmixとかtwitterのなんか内輪な感じが好きじゃなくて、今まで避けてきました。
でも、日常の刹那を書き記すツールとしてはやはりtwitterは有効なんじゃないかと考え直しました。
ただし、この内輪な感じの抵抗は未だにかなりあります。
なので、申し訳ないけど、実際会ったり携帯でやりとりするような友人は一切フォローしません。
あくまで、僕の日常の吐露と、情報収集に終始します。
窮屈な考え方ですいません。
こんなんでよければ、フォローしてやってください。
このブログの更新情報もツイートしていきます。
ちなみに今のところPCでのみつぶやく予定です。
携帯(iPhone)でやりだすとキリがなくなりそうなので・・・。
あまりライブ感ないですがそこんとこもよろしくお願いします。
http://twitter.com/#!/MoriMino
mori's blogの閉鎖に辺り、制作のことや、思ったことをこちらで書くことにします。
今までの分もいくつかこちらに移しました。
これらはInfo moriカテゴリーにて。
ここまでやってきて、ようやく、「観る自分」と「作る自分」が少しずつ一致してきた感覚があります。
以前まではその2つの自分に少し距離があって、ここで同時に書くには違和感があったのですが、今になって、その2つがここで同居しても自分の中で違和感がなくなってきたのです。
これからまたこのブログもいい意味で成長できたらと思いますので今後もよろしくお願いします。
元々制作のことを中心に書こうと思って始めたのですが、制作中の作品に関してあまり人にお見せするのが得意な人間じゃないし、特に大したこと書けるような日常を送ってるわけでもないので、このまま2つ並行して書く意味もないかな、と何度か思ってたこともあり閉鎖を決めました。
だからといって、吐露したいことは日々あるので。。。
twitterを始めました!
まさか、この僕がtwitterを始めるなんて・・・。
正直twitterには相当の偏見があります。
そもそもmixとかtwitterのなんか内輪な感じが好きじゃなくて、今まで避けてきました。
でも、日常の刹那を書き記すツールとしてはやはりtwitterは有効なんじゃないかと考え直しました。
ただし、この内輪な感じの抵抗は未だにかなりあります。
なので、申し訳ないけど、実際会ったり携帯でやりとりするような友人は一切フォローしません。
あくまで、僕の日常の吐露と、情報収集に終始します。
窮屈な考え方ですいません。
こんなんでよければ、フォローしてやってください。
このブログの更新情報もツイートしていきます。
ちなみに今のところPCでのみつぶやく予定です。
携帯(iPhone)でやりだすとキリがなくなりそうなので・・・。
あまりライブ感ないですがそこんとこもよろしくお願いします。
http://twitter.com/#!/MoriMino
mori's blogの閉鎖に辺り、制作のことや、思ったことをこちらで書くことにします。
今までの分もいくつかこちらに移しました。
これらはInfo moriカテゴリーにて。
ここまでやってきて、ようやく、「観る自分」と「作る自分」が少しずつ一致してきた感覚があります。
以前まではその2つの自分に少し距離があって、ここで同時に書くには違和感があったのですが、今になって、その2つがここで同居しても自分の中で違和感がなくなってきたのです。
これからまたこのブログもいい意味で成長できたらと思いますので今後もよろしくお願いします。
東京2010_vol.4
今年4回目の東京に行ってきます。
とてもいいペースです。
が、なんと今月もう一度行かねばなりません。
そして来月ももう一度。しかも日帰り。
今年はそれで終りにしたいです。
行き先の備忘記。
石上純也展@SHISEIDO GALLERY
オラファー・エリアソン展@Gallery Koyanagi
石塚沙矢香展@INAXギャラリー
名和晃平展@SCAI THE BATHHOUSE
藤本壮介展@ワタリウム美術館
小池一馬/牡丹靖佳展@hpgrp GALLERY 東京
「CITY2.0--WEB世代の都市進化論」@EYE OF GYRE
バーネット・ニューマン展@川村記念美術館
あぁ、ニューマンめっちゃ楽しみ!!!
でもメインはこれ。
石神井公園の家内覧会 by htmn
NO 5days exhibition "MISSING LINK"@EX-room
友人の発表です。
htmnの中畑氏は僕と何度かコラボレーションしてる建築家。
彼の建築がついに見れる!楽しみです。
NOは友人齋藤泰三が手掛ける靴のブランド。
個展の形で様々な靴が見られるのはとても嬉しい。
買えたら買いたいけど、今金欠なんで・・・。
また追って報告します!
とてもいいペースです。
が、なんと今月もう一度行かねばなりません。
そして来月ももう一度。しかも日帰り。
今年はそれで終りにしたいです。
行き先の備忘記。
石上純也展@SHISEIDO GALLERY
オラファー・エリアソン展@Gallery Koyanagi
石塚沙矢香展@INAXギャラリー
名和晃平展@SCAI THE BATHHOUSE
藤本壮介展@ワタリウム美術館
小池一馬/牡丹靖佳展@hpgrp GALLERY 東京
「CITY2.0--WEB世代の都市進化論」@EYE OF GYRE
バーネット・ニューマン展@川村記念美術館
あぁ、ニューマンめっちゃ楽しみ!!!
でもメインはこれ。
石神井公園の家内覧会 by htmn
NO 5days exhibition "MISSING LINK"@EX-room
友人の発表です。
htmnの中畑氏は僕と何度かコラボレーションしてる建築家。
彼の建築がついに見れる!楽しみです。
NOは友人齋藤泰三が手掛ける靴のブランド。
個展の形で様々な靴が見られるのはとても嬉しい。
買えたら買いたいけど、今金欠なんで・・・。
また追って報告します!
Serpentine Pavilion 2011
ピーター・ズントーに決定!!!!!!
http://www.architectsjournal.co.uk/news/daily-news/zumthor-to-design-serpentine-pavilion/8606904.article
あああああぁぁぁぁ。。。
前回の記事で「当分ロンドンへは行かなくてよさそう。」なんてほざいた罰が早速あたりました、、、。
行きたい!!!
これを機に本気でズントー巡り熟慮中、、、。
ロンドンへはオリンピック終わるまで行きたくなかったんですが。
てか今回発表早過ぎません?
誤報希望で、、、。
<関連記事>
Peter Zumthor
Pritzker Prize 2009
Serpentine Pavilion 2009 by SANAA
Serpentine Pavilion 2009
Serpentine Pavilion 2008
Serpentine Pavilion 2007
伊東豊雄
http://www.architectsjournal.co.uk/news/daily-news/zumthor-to-design-serpentine-pavilion/8606904.article
あああああぁぁぁぁ。。。
前回の記事で「当分ロンドンへは行かなくてよさそう。」なんてほざいた罰が早速あたりました、、、。
行きたい!!!
これを機に本気でズントー巡り熟慮中、、、。
ロンドンへはオリンピック終わるまで行きたくなかったんですが。
てか今回発表早過ぎません?
誤報希望で、、、。
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Peter Zumthor
Pritzker Prize 2009
Serpentine Pavilion 2009 by SANAA
Serpentine Pavilion 2009
Serpentine Pavilion 2008
Serpentine Pavilion 2007
伊東豊雄
The Unilever Series:Ai Weiwei'Sunflower Seeds' @ Tate Modern
テートのアイ・ウェイウェイの展示が始まったみたいです。
一億粒以上の陶磁器で出来たひまわりの種。
オラファーの太陽が種になって落ちてきた!って感じ。深読み?
ここ最近のこのシリーズの中ではいい線行ってますね。
少なくとも去年・一昨年よりかは断然いい。
でも、行きたい!見てみたい!ってほどではないかなー。
茂木さん流に言えば、心に傷がつかない。
なんか無難にまとめてきたなーって感じがします。
今ロンドンはFriezeウィークで活気づいてるみたいです。
カプーアのケンジントンパークでの展示やガゴーシアンのタレルなど。
リッソンのアブラモヴィッチもおもしろそう。
でもやっぱ去年のカプーアの回顧展ほどのインパクトはないな。
当分ロンドンへは行かなくてよさそう。
さて、来年のこのシリーズは誰がやるんやろう、って気が早すぎ?
<関連記事>
The Unilever Series 2010
The Unilever Series 2009
The Unilever Series 2008
Doris Salcedo @ Tate Modern
Carsten H�ller @ Tate Modern
Rachel Whiteread "EMBANKMENT" @TATE MODERN
「ようこそアムステルダム国立美術館へ」 by ウケ・ホーヘンダイク
新たに「Other」カテゴリーを増やしました。
ここでは、美術・建築以外のアートを紹介します。
パフォーミングアーツもこちらにまとめました。
読んだアート系の本とかもここに記すことにします。
そして今回紹介するのは映画。
アートに纏わるものや僕が独断でアートだ!と認めたものを書いていきます。
さて、昨日は梅田のガーデンシネマで「ようこそアムステルダム国立美術館へ」を観てきました。
東京上映から約2ヶ月遅れての上映。
こういう映画は大体東京が先行してずるい。
大阪といえど所詮地方だと思い知らされる。
大阪でやったら観ようと思ってたので、1000円になる水曜を狙ってゴー。
内容は、2005年から始まったアムステルダム美術館の改修工事を巡ってのゴタゴタ。
これがまたややこしくて、なんだかんだで未だにオープンできてない状況みたい。
ヨーロッパは特に市民権が異常に強いので、こういう古いものをいじる時に大変な労力が必要。
市民が反対すれば、もちろん工事はストップするし、計画がおじゃんになることもざら。
フランスとかかなりキツそう。
だからこそ古い街並みが残されてきたというのもあって、一長一短。
映画としては、リズムがとてもよくて、すごく見やすくて好印象。
流れてくる音楽とかもよくて、最後まで楽しく見れました。
昔見た、ルーブル美術館やエルミタージュの映画は結構疲れた記憶があります。
館で働く人々の情熱や、苛立が非常にリアルに伝わってきました。
そして、皮肉なことに、工事が難航すればするほどこの映画はおもしろくなる。
市民の反対、建築家とのトラブル、館長の辞任、入札をめぐる駆け引き等々。
ここがドキュメントのおもしろいところで、現実を撮っているので、筋書きが監督本人にも読めない。
監督も当初は、なんとか苦難を乗り越えてオープンに漕ぎ着け皆で涙、みたいな映画を撮ろうとしてたんじゃないかな?
それが現実はそんなに甘くなくて、館長が辞任する辺りなんかは見ていてえ!ってなった。
そして映画のラストは結局未だに建ってませんというオチ。
厳しいですね。
映画の途中で、日本の金剛力士像を買い付けにやってくるシーンがあって、実際購入まで漕ぎ着けるんだけど、日本人としてすごく複雑な気分になりました。
こういう歴史的なものが国外に未だに流出することがあっていいのか?と。
少し前にアメリカのオークションで運慶の彫刻が出品されて、またも日本の宝が海外流出かとなり、結局日本の企業が競り勝ったということがありましたが、どうなんでしょうか。
それとも金剛力士像なんて腐るほどあるからいいのか?
この辺りちょっと詳しく知りたくなりました。
担当者が少年のような無垢な目をして力士像を迎えてるシーンはちょっとぐっときたけど。
無関心な日本人の元にあるより、こういう人の手元にあった方が力士たちも幸せなのかな。
あと、改修工事中の建物って、なんであんな魅力的なんでしょうか。
剥がれた壁、むき出しのレンガ、埃まみれの床。
もういっそこの状態で展示したほうがかっこよくね?って思うのは多分僕が現代美術好きだから。
ああ、誰かこういう「途中段階」をうまく完成形に持って行ける建築家はいないもんかね?
こういう現代美術館ができたらすごくカッコいいと思う。
それにしても、館内でも近現代美術の肩身の狭さを思い知った。
映画の中でも「20世紀の展示なんて本当に必要?」という議論が普通に交わされてて唖然。
文化に寛容なオランダでこれなんやから、日本はどんだけ肩身狭いんでしょうか。。。はぁ。
あー、オランダ行きたい!レンブラントの「夜警」観てみたいな。
次は「ハーブ&ドロシー」で。
大阪は12月まで待たなあかんらしい。
またもガーデンシネマ。。。
テーマ : 映像・アニメーション
ジャンル : 学問・文化・芸術
BIWAKOビエンナーレ2010@滋賀県近江八幡市内

会期も半分ぐらいになってしまったので、いい加減自分の展覧会の記事を。
といっても、自分が出してるので客観的には書けません。
本当は10日の大舩さんのイベントと絡めて書きたかったのですが、電車に乗り遅れるという大失敗をして行けず、さらに連絡がうまく行き届かず待たせてしまうという大失敗まで起こしてしまいました。
本当に重ね重ね申し訳ありませんでした。深くお詫び申し上げます。
さて、このビエンナーレに関して少し。
まず、これはビエンナーレではなくトリエンナーレである、という事実から笑
このイベントは2001年から始まりました。
最初は大津にあるびわ湖ホールのホワイエの片隅で展示が始まったそうです。
そしてその3年後、2004年から場所が近江八幡に移りました。
それから2007年、今年2010年と、すでに4回目の「トリエンナーレ」。
なぜ未だに「ビエンナーレ」と呼んでるのかは謎ですが、BIWAKOのBとBIENNNALEのBを合わせたかったんじゃないかというのが僕の予想です。おおらかにお願いします。
昨今増え続けるビエンナーレ、トリエンナーレですが、越後妻有が2000年、横浜トリエンナーレが2001年開催だということを考えると、このBIWAKOは古株に当たると思います。
そしてこの名前の由来ですが、よく近江八幡と琵琶湖って結構離れてるのになぜBIWAKOって名前が付いてるの?と聞かれます。
単純に滋賀といえば、というのもありますし、当初は湖岸にあるびわ湖ホールで始まったというのもあります。でも、実は昔の琵琶湖は今より広く、近江八幡の方まで広がっていたという事実があります。
昭和の農地開拓の一環で、一部が干拓されてしまったのです。
だから、BIWAKOという名前は近江八幡に移ってからも継承されているということですね。
そんなBIWAKOですが、他のところと違うのは、自治体や企業主導ではないということでしょうか。
具体的には、中田洋子さんというディレクターの方の情熱ひとつで動き出しました。
彼女は滋賀県出身で、近江八幡のことを知った時、どうしてもここでやりたいと思ったそうです。
近江八幡というのは、織田、豊臣の時代に最も栄えた街で、かつての城下町でもあり、当時は琵琶湖も近かったこともあって、流通が盛んで近江商人と言われる商人文化が花開いた場所でもありました。
そんな街もいつしか豊臣の世も終わり、少しずつその隆盛は衰退していき、昭和の干拓事業でとどめを刺されたような形になりました。また、瓦産業で有名だったこの街も、近代化の影響で、瓦の需要も減り、工場などもどんどんストップしてしまいました。
そんな中推し進められる近代化の波は、この街の風景を一変させ、古い街並みは少しずつ駐車場などのスペースにとって変わられつつありました。
そんな風景を目の当たりにした中田さんが、アートの力でそれを食い止めたいと考えたのです。
置き去りになってあばら家寸前の民家を使ってアートの展示。
そういう建物がこの街には溢れています。
なんせ築100年越えがほとんど。中には300年以上というものまであります。
持ち主もどうしたらいいのかわからずにいるのが現状で、アートを通じて、人がその家を往来することで、また眠っていた家に活気がもどってくる。
また、それらの残ってる家々というのは、ほとんどが元豪商の家で、すごくいい木材が使われていたりするので、崩れずにそのまま残っているケースが多いんです。
それでも畳や障子は傷み放題だし、補修は大変。
これが自治体とかが動いてるならまだ話はスムーズなんですが、如何せんお金がない。
近所のいらない畳を集めたり、かんぱを募ったり、地道な努力でここまでやってます。
今年の愛知や瀬戸内なんかと比べると雲泥の差です。
それでもやっぱり情熱というのはここまで人を動かせるんだという感動があります。
最初に現地視察で訪れた際、ほんまに使えんの?と思ってたところでさえ、蓋を開けてみれば立派に蘇っている。まさにビフォーアフターです。
そういった古民家再生という要素も含んだアートイベントなんです。
是非風光明媚な近江八幡の風景と共に楽しんでいただければ幸いです。
出品者なのでえらそうなこと言えないですが、いくつかおすすめ作品を列挙します。
(番号は会場のナンバーです)
3 野田幸江@前田邸
とりあえず場所が凄まじすぎます。
その中で、石に描かれた作品がすごくよかった。
4 大舩真言@尾賀商店
この場所に合わせたサイズの日本画。
入ってくる光の変化に呼応する如く、刻々と変化する画面は必見。
水の張られた器は、大舩さんの作品の美しさを反映しています。
5 田中真吾・ヴェラ・ローム@カネ吉別邸
藤田邸の真横。
アトリエメンバーの田中の繊細すぎる作品です。絶対触れないでください笑

そして、僕がこのビエンナーレで最も好きな作品。
フランスの作家のヴェラ・ロームさんによる彫刻。倉の空間と絶妙にマッチ。
木を折って、アクリル樹脂で補完している。美しい。
藤田邸で彼女の以前の展覧会カタログが800円で売ってたので即購入しました。

6 藤居典子・森川穣@藤田邸
僕が展示してます!
ここはストアもあって、出品作家さんのグッズなども買えます。
チケットはここでも購入可能です。
藤居さんの作品は、MDFに直接描かれた鉛筆画。凄まじい精度で描かれています。
僕のは階段を登って覗き込む屋根裏部屋の作品。
物置として使われていて、その荷物に紛らわせるように配置しています。
光の中には実際この庭から採取された雑草が入っています。

7 杉浦慶太@西川邸(離れ)
以前CASHIで拝見した写真作家さん。ゲイサイでも賞をとってます。
真っ暗な写真ですが、今回特に写真と言われてもわからないかもしれません。
夜の琵琶湖の湖面ですが、とても美しいです。
8 青木美歌@幸村邸
今回最も人気のある作品ですね。
ガラスでできた作品ですが、それらが深海のようにこの家に漂っている。
神秘的な空間に誘われます。

9 永沼埋善@旧中村邸
今回の建物の中で最も古い会場。築300年以上!
そして中庭はなんと小堀遠州によるもの!!!すごすぎる・・・。
色々ありますが、永沼さんの自重で回り続けるこの作品はいつまででも眺められる良作。

10 アンテナ@澤田倉庫
めちゃくちゃ広い空間をうまいこと埋めてる。
近江八幡の風景が光の粒となってる。アワヤさんの音楽がすごくいい。

11 藤井秀全@小田邸
今や飛ぶ鳥を落とす作家。
本当に美しい作品です。素晴らしい。

13 福森創@瓦常工場
すさまじく大きな空間。見ごたえという点ではここが一番だと思う。
たくさんの作家さんがだしてますが、現在大阪芸大生の福森くんの作品がすごくいい。
ステンレス板をうがっていくことで出来上がる像。気の遠くなるような作業。

とりあえずこんなとこでしょうか。
独断と偏見で列挙してみました。
会場自体は全部で15ヵ所ありますが、全部回るのはキツイという方は参考までに。
1日で回りきれる量ではありますが、中々疲れます。
駅前でレンタサイクル500円で借りられるそうなので、晴れた日はそれが一番おすすめ。
http://www.ekiren.com/EKIRIN/
JR近江八幡駅からバスの場合は、北口降りて6番の停留所で長命寺行きに乗って大杉町まで。
バスの時刻表はこんな感じ。

チケットは駅の観光案内所か、会場である天籟宮か藤田邸、または白雪館で買えます。
その際に地図ももらえますので、地図を片手に回ってみてください。
地図がない場合はチラシの裏にも簡単な地図が描かれています。
チラシは駅構内にも置いてあります。多分。。。
それでは11月7日までですが、よろしくお願いします!!
BIWAKOビエンナーレ2010“玉手箱-Magical World”
9月18日(土)~11月7日(日) 火休
一般1000円 市民500円 大高中800円 市民400円 リピート料金 一般700円 大高中500円
※コンサート等別途料金あり。
※「市民」は近江八幡市在住または市内各学校通学者。購入時に身分証明・学生証提示が必要。
※リピート料金を希望する際は、前回来場時のチケットを提示すること。
近江八幡市旧市街地
http://www.energyfield.org/project/index.php
以下のブログでも詳しく書いていただいております。
小吹隆文 アートのこぶ〆
文化ブログ
こころのスケッチブック
Life is Art
ご意見ご感想あればお待ちしております。よろしくお願いします。
梅佳代展「ウメップ」@HEP HALL
まずはこちらを御覧ください。
この凄まじいゆるさのエネルギー!
正直僕はあまり彼女に興味はありませんでした。
作品はいくつか知っていましたが、果たして普通のスナップと何が違うの?っていう。
例えば川内倫子さんの場合なんか、一目見ただけで川内さんの写真だという要素があります。
それはスクエアサイズであったり、あの川内さんが撮ると世界がすべて柔らかくなってしまう感じとか。
でも梅佳代の場合、どれも日常を切り取った、言わば「普通」の写真です。
彼女が如何にして木村伊兵衛賞まで受賞し、世に認められるようになったのか。
しかし、この夏、直島で泊まったドミトリーのレストランになぜか梅佳代の写真集が全部揃っていたので、パラパラめくりつつ、瀬戸内に帰ってきてもなんだか気になってしまいました。
そしてなんとなく「梅佳代」で検索したら出てきたこの動画・・・。
もう完全にノックアウトされました。
そして、なんとなく彼女の写真の魅力もわかるようになりました。
つまり、彼女の写真には彼女が写っているんです。
実際的に写っているのではなく、彼女のこの人柄が彼女の写真すべてにそのまま反映されているのです。
これって中々すごいことで、ただシャッターを切るという機械的な作業の中に心を込めて、それが印画紙に染みこんでしまってるんですね。
そして、タイミングよく、梅田のど真ん中で梅佳代の写真展が開催されたので見に行きました。
会場は結構な人が入っていて、見ると、ほとんどの人がニヤニヤしている。
写真から伝染するこの梅佳代ムード。
会場全体がゆるいです。変なカラオケとか流れてます。
どの写真も彼女のいたずら心や、あのキャラクターが反映されている。
以前田中功起さんのポッドキャストで、キュレーターの保坂さんが出られた時に、保坂さんが、やっぱりなんだかんだで、皆が興味あるのは作品じゃなくて作家本人の方なんだよ、というような話をしていて、まあ、少し言い過ぎにしてもハズれてはないな、と思いました。
彼女のこのゆるさがあってこそのこれらの写真。
子供から大人まで心を許してカメラの前で無防備な姿をさらけ出してしまう。
すごく楽しい展覧会でした。
正直これを見ているとき心穏やかではなかったんですが、それでも少しゆるみました。
なんだか救われた気がしました。
最後の映像は必見。おじいちゃまが梅佳代と思ってとっておいた新聞記事が全くの別人の記事だったことが判明しておい!と突っ込んでるやつとか笑
いやぁ、素晴らしいです。
展覧会は今週金曜15日まで。詳しくはこちら。
あー、こないだの「徹子の部屋」見たかったあ!!!
マン・レイ展「知られざる創作の秘密」@国立国際美術館

逆に眉間にシワを寄せ続けて見た写真家マン・レイの展覧会笑
これだけ一気に彼の作品を見れる機会って中々ないので、すごく期待していた。
マン・レイがやったことって、デュシャンに匹敵するぐらいすごい足跡を美術史上に残してるはずなんだけど、あまりはっきり見えてこない。
どうしてもデュシャンが前に出てきて、マン・レイが影になってしまうんですよね。
人生も似ていて、彼も晩年はチェスに勤しんでいたみたいやし。
そんな影になってる部分が照らされる絶好の機会だったんです。
でもやっぱりむずかしかった・・・orz
どう理解していいのか難解過ぎる。
唯一後半のカラー写真は素晴らしいと思えたけど、他は本当にわからなかった。
珍しく音声ガイドが貸出してたんだけど、借りればよかった。
なんだかすべてが実験状態のまま、結実することなく終わってる感じがした。
これが作品です!といったものが正直ひとつも見当たらなかった。
生涯をかけて実験に明け暮れた人生だったのかな、と勝手に想像しました。
でもこの展覧会のいいのは、ちゃんと彼の人生に沿って展示が進むところ。
NY時代から始まり、パリ時代、LA時代、そして最後のパリ時代。
後半LAに行ってたのは知らなかった。ずっとパリにおったんやと思ってた。
彼の人生を辿るように歩いていけるのはすごいよかった。
途中の実験映画は完全に寝てしまいましたが笑
にしても奥さんもぶっ飛んでる。最後のドキュメンタリーで奥さんが証言してるんだけど、彼女のメガネがありえん・・・。芸術家の妻って感じだ。
この展覧会は11月14日まで。
むずかしいけど、彼の作品をこれだけ一挙に見られるまたとないチャンスです。
そしてなんと文化の日である11月3日は全館無料で見れます。お見逃しなく。
常設では館勝生さんの作品が展示してあって泣けた。
彼の絵はやっぱり素晴らしい。
パッと会場見渡しても彼の絵に視点は止まってしまう。
惜しい人を亡くしました。
隣にあった法貴信也さんの作品もよかった。
舟越桂、棚田康司、シュテファン・ヴァルケンホールが並んでるのはすごかった。
この凄まじいゆるさのエネルギー!
正直僕はあまり彼女に興味はありませんでした。
作品はいくつか知っていましたが、果たして普通のスナップと何が違うの?っていう。
例えば川内倫子さんの場合なんか、一目見ただけで川内さんの写真だという要素があります。
それはスクエアサイズであったり、あの川内さんが撮ると世界がすべて柔らかくなってしまう感じとか。
でも梅佳代の場合、どれも日常を切り取った、言わば「普通」の写真です。
彼女が如何にして木村伊兵衛賞まで受賞し、世に認められるようになったのか。
しかし、この夏、直島で泊まったドミトリーのレストランになぜか梅佳代の写真集が全部揃っていたので、パラパラめくりつつ、瀬戸内に帰ってきてもなんだか気になってしまいました。
そしてなんとなく「梅佳代」で検索したら出てきたこの動画・・・。
もう完全にノックアウトされました。
そして、なんとなく彼女の写真の魅力もわかるようになりました。
つまり、彼女の写真には彼女が写っているんです。
実際的に写っているのではなく、彼女のこの人柄が彼女の写真すべてにそのまま反映されているのです。
これって中々すごいことで、ただシャッターを切るという機械的な作業の中に心を込めて、それが印画紙に染みこんでしまってるんですね。
そして、タイミングよく、梅田のど真ん中で梅佳代の写真展が開催されたので見に行きました。
会場は結構な人が入っていて、見ると、ほとんどの人がニヤニヤしている。
写真から伝染するこの梅佳代ムード。
会場全体がゆるいです。変なカラオケとか流れてます。
どの写真も彼女のいたずら心や、あのキャラクターが反映されている。
以前田中功起さんのポッドキャストで、キュレーターの保坂さんが出られた時に、保坂さんが、やっぱりなんだかんだで、皆が興味あるのは作品じゃなくて作家本人の方なんだよ、というような話をしていて、まあ、少し言い過ぎにしてもハズれてはないな、と思いました。
彼女のこのゆるさがあってこそのこれらの写真。
子供から大人まで心を許してカメラの前で無防備な姿をさらけ出してしまう。
すごく楽しい展覧会でした。
正直これを見ているとき心穏やかではなかったんですが、それでも少しゆるみました。
なんだか救われた気がしました。
最後の映像は必見。おじいちゃまが梅佳代と思ってとっておいた新聞記事が全くの別人の記事だったことが判明しておい!と突っ込んでるやつとか笑
いやぁ、素晴らしいです。
展覧会は今週金曜15日まで。詳しくはこちら。
あー、こないだの「徹子の部屋」見たかったあ!!!
マン・レイ展「知られざる創作の秘密」@国立国際美術館

逆に眉間にシワを寄せ続けて見た写真家マン・レイの展覧会笑
これだけ一気に彼の作品を見れる機会って中々ないので、すごく期待していた。
マン・レイがやったことって、デュシャンに匹敵するぐらいすごい足跡を美術史上に残してるはずなんだけど、あまりはっきり見えてこない。
どうしてもデュシャンが前に出てきて、マン・レイが影になってしまうんですよね。
人生も似ていて、彼も晩年はチェスに勤しんでいたみたいやし。
そんな影になってる部分が照らされる絶好の機会だったんです。
でもやっぱりむずかしかった・・・orz
どう理解していいのか難解過ぎる。
唯一後半のカラー写真は素晴らしいと思えたけど、他は本当にわからなかった。
珍しく音声ガイドが貸出してたんだけど、借りればよかった。
なんだかすべてが実験状態のまま、結実することなく終わってる感じがした。
これが作品です!といったものが正直ひとつも見当たらなかった。
生涯をかけて実験に明け暮れた人生だったのかな、と勝手に想像しました。
でもこの展覧会のいいのは、ちゃんと彼の人生に沿って展示が進むところ。
NY時代から始まり、パリ時代、LA時代、そして最後のパリ時代。
後半LAに行ってたのは知らなかった。ずっとパリにおったんやと思ってた。
彼の人生を辿るように歩いていけるのはすごいよかった。
途中の実験映画は完全に寝てしまいましたが笑
にしても奥さんもぶっ飛んでる。最後のドキュメンタリーで奥さんが証言してるんだけど、彼女のメガネがありえん・・・。芸術家の妻って感じだ。
この展覧会は11月14日まで。
むずかしいけど、彼の作品をこれだけ一挙に見られるまたとないチャンスです。
そしてなんと文化の日である11月3日は全館無料で見れます。お見逃しなく。
常設では館勝生さんの作品が展示してあって泣けた。
彼の絵はやっぱり素晴らしい。
パッと会場見渡しても彼の絵に視点は止まってしまう。
惜しい人を亡くしました。
隣にあった法貴信也さんの作品もよかった。
舟越桂、棚田康司、シュテファン・ヴァルケンホールが並んでるのはすごかった。
U-30@ODPギャラリー

今大阪はデザインが熱いです。
10月に入って、立て続けにデザインイベントが乱立。
先日まで開催されたインテックスの「LIVING & DESIGN」や名村造船所跡地で行われた「DESIGN EAST」。
昨日からパンタロンやgrafが連動してオランダデザインを紹介する展覧会「Hoi!」など。
そして来春には中之島にデザインミュージアム「de_sign_de」がオープンするとのこと。
うーん、アートの方もがんばっていただきたいものです。
そんな中、20代の若手建築家7人を集めた「U-30」展に行ってきました。
20代の建築家。単純に考えてすごい話です。
建築はアートと違って、一人ではどうにもならない大プロジェクトです。
建物を建てるには、まず依頼主がおらなあかんし、大きなお金も必要だし、コネクションだって重要。
そんなことを20代の若さでなし得ることが可能なのか?
そもそも建築学生とかって何をモチベーションにしてるのか謎。
だって、実作を作れないんですよ?
せいぜい模型やCGモデル止まりですよね。
正直僕だったら耐えれないです。
それを考えるとアートって気楽やな、って思います。
そもそも依頼主がいなくてもいいんですもん。
頼まれなくても自分が創りたいものを創りたい時に創ればいいんです。
お金がなくったって、やろうと思えばできる。
でも建築って絶対無理でしょ。ダンボールハウスとか?
そのモチベーションのもって行き方がどう向いてるのか不思議で仕方がない。
そんな不思議な人達のモチベーションを垣間見れるのが今回の展覧会でした。
展覧会の印象としては「誠実さが滲みでた展示」といった印象。
建築というものをどう捉え、自分はそれに対してどうアプローチしていきたいのか、ということを、展示を通してまっすぐに訴えかけてるという感じ。
ただ、悪く言ってしまうと、地味。
「20代」という言葉から連想される「若さ」が全く感じられませんでした。
むしろ老練してる感すら受けました。
なので展覧会としては、ちょっとサービス精神に欠けるな、と正直思いました。
でもまあ、この人達はあくまで建築家であって、アーティストにあらず。
建築家としてもまだまだ歩き出したばかりの人たちにそこまで求めるのは酷というもの。
むしろまっすぐに伝えようとする誠実さは評価に値するでしょう。
少なくとも先日の「建築はどこにあるの?」よか断然いいです。
その点で言えば、最も好印象だったのは大西麻貴の展示。
この人は去年東京現美での展示を見たけど、それは全然よくなかった。
何か美術館ということを意識しすぎて、美術「っぽい」ものを作ってしまった感がありました。
今回は今手がけている「二重螺旋の家」というプロジェクトを紹介する展示。
見せ方もすごくよかったし、コンセプトも明快で、とてもおもしろかったです。
谷中に建つ予定の家で、路地が家に巻きついたような建物。
奇抜なんだけど、全然奇抜に見えないのがすごい。力のある人だと思いました。
あと、藤田雄介さんの作品もよかった。
都市模型が置いてあるんだけど、それは架空の都市で、自分の実際に手がけた家のあり方が周囲の建物にまで伝染していくという様が表現されてます。
また、radで知り合った大室佑介さんの作品は、模型ではなく、実際の作品を展示しています。
具体的には「百年の小屋」という作品で、4つの木製の小屋が展示されています。
その小屋は持ち運びが可能で、実際に様々な場所に設置し、大室さん自身が住まわれたのだとか。
その生活の痕跡がその小屋の中に残されています。
ただ、ちょっとわかりにくい部分が多々あって、ビデオでもあればな、と思いました。
あと展示で損してたのは、増田信吾・大坪克亘と西山広志・奥平桂子の2ユニット。
前者は実際はもっといいはずなのに、伝わってこない歯がゆさがありました。
逆に後者は、一見魅力的なんだけど、その先に目指すものが何なのかが見えてこなかったです。
そして、残念ながら、インスタレーションをやってた米澤隆さんと岡部修三さんは、ちょっと展覧会意識しすぎちゃったよなーという印象。建築家がインスタレーションやるには相当難しいと思う。むしろちゃんと建築を見せた方が絶対いいです。
全体的にはそんな印象。
さて、そんな展覧会ですが、先週の土曜日と昨日行われたシンポジウムが相当豪華。
先週は五十嵐淳、藤本壮介、平沼孝啓、三分一博志、塩塚隆生の5人+五十嵐太郎。
そして昨日はなんと伊東豊雄さんです!!
予定があったんですが、午前中に切り上げて行ってきましたー。
シンポジウムの構成は、伊東さんの講演が1時間、展覧会出品者のプレゼンが1時間、伊東さんと出品者のディスカッション1時間の計3時間でした。
まずは伊東さんの講演。
内容は自分の20代・30代の頃の話と、これからの若い人たちへのメッセージ。
20代は菊竹事務所でコキ使われまくって大変だったという話。
人生で最も働いた時期だそうで、これで自分の20代は失われたと笑
独立し、仕事がなくて悶々とこれからの建築を考えていた頃の話など。
そして、来年竣工の「伊東豊雄ミュージアム」の話では、これからの建築教育のあり方を述べられました。
自分の建築を続けるのと同時に、これからは後継の育成を図りたいと。
そこで、東京とそのミュージアムで「伊東塾」を開き、主に東京では建築学生と、ミュージアムでは小学生たちとのワークショップを通じて、自分の建築観や、ものを作る悦びを伝えていきたい。
そもそも学生自体が、冒頭でも述べたように、建築そのものを建てる機会がないですもんね。
その機会を自分が小さなものでもいいから与えてやることができるならと立ち上がったわけです。
もの自体をつくらずにコンピューター上だけで作業してると、どうしても頭でっかちになっちゃいますしね。
建築は特に空間が要なので、自分の五感でその空間を感じ取る必要があります。
そしてそもそも子供の時期に建築に触れる機会を作るのも大きな狙いです。
考えたら確かに学校の授業に図画工作はあっても建築はないですもんね。
これらの「伊東塾」構想のきっかけは「くまもとアートポリス」の委員長を務めたことや、福岡のぐりんぐりんで学生たちとフォリーを作るワークショップだったようです。
くまもとでは藤本壮介という逸材にバンガローを建てさせる機会を作れたし、福岡では、今回出品してる大西麻貴さんも参加していて、学生が如何に実際の要求をどう解決していくかを議論できたのが刺激になったよう。
実際の建築を建てるには、様々な法規や安全性が問われてくるもので、100%思い通りにいくことはまずありません。その中で自分がどう解決し、また、それらの弊害を乗り越えることで、当初計画していたものよりももっと良いものが作れることがあるということ。そういうことって実戦じゃないとわからないですもんね。
また、人の意見を聞くことがどれだけ重要かということ。
「座高円寺」の際に、当初は四角い鉄の箱だったのが、公聴会の際におばさんが「こんな鉄の冷たい箱はいや」と言われたことが影響して、今のテント小屋のような形になった話などを披露しました。
最後に自分の目指す「強い」建築の話をして、若い人々へのメッセージを伝えました。それが以下の5つ。
・誰のために建築を作るのかを考えよ
・フラストレーションやコンプレックスを大切にせよ
・素直に心を開け、そして気持ちを表情で示せ
・独りよがりにないか確認せよ
・世界は広い。海外で働こう
この中で妹島さんを例に出して話してるのが興味深かったです。
妹島さんは、事務所にいる頃から、論理的にものごとを説明するのが苦手な人だったけれど、好きか嫌いかだけは、誰よりもはっきりしていて、だからといって独りよがりにならず、独立した当初は、自分の建物について様々な人に意見を聴きに回ってたそうです。さすがに伊東さんのとこまでは来なかったそうですが笑
そうした態度が今の妹島和世を作っているんだと思いました。
今の人は、感情を押し殺すのが得意になってしまっていて、嫌と思っても表情に出さないのが危険だと。
それに関して今回、伊東さんがこの展覧会に向けて「洗練の先にあるものは何か -若い人々へのメッセージ-」という文章を寄せてらっしゃって、冒頭の文章にこの世代の印象を述べてらっしゃいます。
建築家を志す若い人々と接すると、大方はとてもスマート、かつクールである。口角沫を飛ばすような議論にお目にかかることはまずない。いくらこちらが攻撃をしかけても、軽く受け流されてしまう。若い割りにはやけに大人、というか成熟している印象を受ける。これは複雑な社会のなかで幼い頃から他者を傷つけたり、他人とトラブルを起こすことを回避する術を身につけて育ったからであろう。
これは、僕らの世代に関してある程度言い得てる文章だと思います。
昔学生の頃、先生が僕らに対してこう言いました。
「若さとは従順であることではない。抗うことや」
でも、僕らの世代にこれが当てはまるのかは疑問でした。
散々抗ってきた前の世代の末路を見てしまっているし、インターネットの普及により、今の世代の人々はより信じやすい体質になっているようです。
上の世代の人たちの若い頃には、まだ未来に希望がありました。
でも今、それがあると言い切ることができるでしょうか?
希望がある時に悪態をつくのは簡単です。
でもそれがない時。これ以上悪態なんか付いたって仕方が無いじゃないですか。
それを如何に肯定できるかが、やっぱり要になってくるような気がします。
草食系なんて言葉が現れて久しいですが、それらが大きな力になることを僕は信じています。
話は少しそれましたが、第2部出品者のプレゼン。
建築の人のプレゼンってそういえば生で初めて見た。
そして、プレゼン能力の差が歴然としていた。
大西さんのプレゼンがダントツでうまかった。
簡潔だし、感情的だし、聞いてて楽しかったです。
それに比べて他の方々のプレゼンはお世辞にも聞いてて心地いいもんでもなかった。
ただ文章を読んでるだけの人もいるし、まとまってない人もいるし。
まあ、経験がものを言うもんだと思うけど、プレゼン命と言っても過言ではない建築の世界でこれは通用するのか?
大西さんはその点、学生時代にコンペを勝ち続けてきた貫禄のようなものがあってすごかった。
せっかくおもしろい作品作っててもそれを伝えられなきゃ勿体無いっす。
過去作でおもしろかったのは、展示で損をしていると書いた増田信吾・大坪克亘と西山広志・奥平桂子の2ユニット。
前者の作品は、いくつか人を対象にしていない建築があって、それってすごいと思った。
北海道の岬に建つ「たたずむ壁」は海鳥と植物の為の「建築」。
今回出品してる「ものかげの日向」なんて、物置ですからね。
伊東さんはそれに対して勿体無いとおっしゃってたけど僕は好きです。
一方後者の淀川河川敷の芦を踏み慣らすだけで形成される「舞台」は美しかったし、それをなんのてらいもなく「建築」と言ってのける感覚に驚いた。
この2ユニットは、これからどう建築をしていくのかすごく興味深かったです。
最後のディスカッションは、ディスカッションというより合評だった笑
結構辛口に伊東さんが突っ込んでるのに、のらりと交わすあの感覚。寄稿文通りですね。
この合評の中で、伊東さんが「pre architecture(建築の前の建築)」という言葉を使ってました。
最近の若い人達に多い傾向で、建築のピュアな概念だけを切り取ったような「作品」を作る人が増えた。
これはこれでおもしろい傾向だけれど、実際の建築は「構造」「形」「ルール」が密接に絡みあって、そんなピュアなものばかりを作っていては、海外では絶対に作れない。日本より様々なことがスムーズに動かないし、施工もずさんな場合が多い。そんな中で戦っていくには、もっとタフに現実を見続けなければならないと。
それはその通りだと思います。
しかし実際に石上純也なんかみたいに、ニュータイプな建築家が出てきて、あの人もう実際の建物建てる必要がないんじゃないの?ってぐらいに展覧会の依頼が殺到している。
これってどうバランスを取るのか難しいですよね。
あと大西さんはやっぱり絶賛されていて、藤本壮介よりも上だとまで言ってた笑
藤本さんに関して、伊東さんは日本で信頼できる3本の指に数えられる建築家の一人だとまで評価してるのだけど、彼の建築は、建築というよりそのpre architectureだと。
確かに藤本さんの建築を実際に見ると、どう見ても1/1モデル。
模型で見たときの感動の方が実際の建物を見た時の感動より大きいのは問題ですよね。
そういう現実の建築のノイズをどう取り込んでいくかが建築の醍醐味だという話。
とてもおもしろかったです。
そんなこんなの3時間強。がんばって観にいけてよかった!
この展覧会は明日の11日まで。
U-30 official website>>http://www.aaf.khaa.jp/u30/
<関連記事>
建築はどこにあるの?@東京国立近代美術館
「パブリック・スペースプロジェクト 大西麻貴+百田有希」
ついでに、藤本さんの手がけたユニクロ心斎橋。人多すぎて入れん。。。


あと、さらについでに安藤忠雄の世界最小建築、神戸コロッケ。コンクリじゃない!

