瀬戸内国際芸術祭2010 4日目(犬島)










瀬戸内最終回ッ!
最後は犬島です。大島はワークショップ中心なのでパス。
この犬島、アクセスが非常に悪いです。
豊島(または直島)から行くか、岡山の宝伝港から行くかしかありません。
豊島からは1日3本の船しかない。
しかもこの島の美術館は16時半に閉まるのに対して、最後の便は15時50分着で、どう考えてもすべて回るのは不可能。
つまりちゃんと回るためにはその前の実質2本しかないのです。
僕らは高松から豊島に渡り、12時50分に到着しました。
着いたら今度は帰りの船を待つ人々でいっぱい!全員乗れるんかな・・・。
ここにいる人たちだけで既に島人口57人は超えてると思う・・・。凄い。
インフォメーションでチケット引き換えて、いぬじまごはん!
ここでも島民のおばあちゃんが働いてた。ええなぁ。
腹ごしらえも済ませていざ出陣です。

精錬所 by 三分一博志・柳幸典



















1909年に操業からたった10年で閉鎖してしまった銅の精錬所。
当時は3000人も住む島だったそうですが、今では57人しかいません。
そんな精錬所が2008年に美術館に生まれ変わりました。
閉鎖後一世紀弱を経たこの建物の跡地も見れるんですが、マジですごいです。
まるでラピュタ。自然と建築が一体になっている。。。素晴らしい。
これは是非見てもらいたいです。本当にすごい。滅茶苦茶感動しました。
こんな場所で舞台とか見れたらいいでしょうね。
維新派はどこでやったんでしょうか?見てみたかったなぁ。
さて、肝心の美術館ですが、個人的には不満だらけです。
三分一さんのリノベーションは、冷暖房を使わず、煙突効果を利用して風を建物内部に送り込み、夏は涼しく冬は地熱効果によって暖かい空間を実現させ、照明も外の光を鏡で反射させることで太陽光だけで成立させた究極エコ建築と言っていいでしょう。
このプログラム自体はおもしろい試みだと思うし、評価されてもいいとは思うけれど、美術館というプログラムに対して全く合ってないんじゃないかと思いました。
まずその煙突効果による風の音が凄まじ過ぎるのと、展示室に行くまでの鏡の反射が、あまりにドラマティックすぎて、すでに中の展示を食っちゃってる。
これが三分一さんのインスタレーションと位置づけられるならまだ見れるけれど、これを美術館建築としてやっちゃってるのはまずいと思う。
美術館は、中の展示物を引き立ててなんぼです。そこには静的なプログラムが必要だし、これだけ動的なプログラムを仕掛けられると中の展示はたまったもんじゃない。なんだか領域侵犯みたいな感じで作家側の視点からすれば非常に不愉快でした。
その点安藤さんの地中美術館は素晴らしいと思う。確かにあれもドラマティックではあるのだけれど、とても静謐な「空間」を生み出している。この三分一さんのやってることは空間へのアプローチとは思えない。残念ながら評価はできません。これが美術館じゃなく、たとえば商業施設とかならおもしろかったかも。
そして、肝心の中の展示もなんじゃこりゃって感じでした。
三島由紀夫の自邸の建具とかを使ったインスタレーションでしたが、そもそもこの島と三島由紀夫の接点が見いだせない。
そして、鏡の部屋みたいなところに連れて行かれるんだけど、そこは普通に暑くて話にならない。もう見る気すら失せてました。
そもそもツアー形式なのが気に食わない。自分のペースで見れない美術館なんて何の意味があるんだろうか。こんな受動的な体験はまっぴら。
精錬所跡地の素晴らしさを体感した後だけに、憤りすら覚えました。
せっかくの精錬所が汚されてしまった。
中の展示が替わればいいけど、恒久展示なので、もう2度と行くことはないと思う。
残念極まりなかったです。

家プロジェクト by 妹島和世・長谷川祐子・柳幸典
F邸














S邸














中の谷東屋
















I邸











僕の犬島での目的はこっち!
妹島和世のオンパレードッ!
これから2012年ぐらいを目処に10数個のギャラリーを作っていくという凄まじいプロジェクトで、そのうちの4つが既にお披露目されてました。
どれも素晴らしくて、妹島さんのボキャブラリーの広さに脱帽。
まずはF邸。
リノベーション型のギャラリーで、元ある構造を大分とっちゃってるので、鉄やらで補強しつつ、極めつけは建物の両端につけた空間。
これがギャラリーとなり、免震構造にもなっているという。
木の質感が滅茶苦茶きれいで思わずうっとりしちゃいます。
そしてS邸。
これは本当に素晴らしい建築。
アクリルを膨らませたりへこませたり、妹島さんお得意の形ではあるんだけど、こうすることで建物としての強度が増すんだって。そして、中は実際すごい温度になってるはずだけど、外から見ることを前提として作られていて、観客を締め出すという思い切った選択をとることで実現している美しい建築。
東屋は、本当に涼しくて助かりました笑
柱の太さが気になるけれど、妹島さんらしさに溢れている。
天井の笠に空が反射してとてもきれい。
小さな穴が開いてて、そこから空気が入るんだと思う。
穴が小さいので雨粒は入らず、天井を伝って流れ落ちる仕組み。多分。
I邸は、建物そのものよりやはり庭が素晴らしい。
環境を建築にしている感じ。妹島ボキャブラリーすごすぎ。
にしても、なんでどれも柳幸典の作品なんやろ?
これも恒久?せっかくなんだから色々替えていったらええのに。勿体ない。
どこも道が狭過ぎて、作業車が入れなくて、ほとんど手作業で材を運んだという話を聞きました・・・。夏にやってたら死にますね。
にしても建築やってる人からしたら天国です。
妹島さんの建築がこれだけ一気に見られるなんて凄過ぎます。
世界的に見ても羨ましいでしょう。日本人でよかった。
中には日焼けで真っ赤に焼けただれた外国人もいました。お疲れさまです。
またすべてのギャラリーが出来たら来てみたいです。
関連記事>>妹島和世「最新のアート・プロジェクトについて」@大阪大学中之島センター

そんなこんなでこの犬島を最後に僕の芸術祭ツアーは終了!
宝伝港経由で無事家路に着きました。
どの島も違った魅力があって、本当に楽しかった。
途中熱中症になったりしたけど、それも含めて思い出です。
こうやって思い出も一緒にパッケージングしてしまう芸術祭のあり方は、本当に素晴らしいと思います。アートは体験なんだと改めて身に染みました。
移動は船のみという越後妻有よりも過酷な条件にも関わらず、各島には島民を遥かに超える観客が押し寄せていて、アート好きな人ってこんなにおったん?とびっくりしました。なんでも開催一ヶ月を待たずして10万人以上の来客があったそうです。凄ッ!
これらの島々には、日本の近代化の闇を負わされた島が多くあります。
豊島の産業廃棄物問題然り、犬島の衰退、大島のハンセン病患者の隔離。
それらの歴史も踏まえた上で、この島々に感謝の念も込めて光を当てる。
本当に素晴らしいプロジェクトだと思います。
もちろん、島民以上の人々が訪れるわけですから、問題も多々発生していると思うし、作品の設置に関しても揉めている箇所もあると思います。
すべての人が賛成だとは到底思えません。
だけど、僕はやっぱりこの芸術祭は素晴らしいと思いました。
島民の人が生き生きと働いてる姿を見たり、親切に触れたり、心が洗われる思いでした。
今回ビエンナーレともトリエンナーレとも言ってないので今後の行方が気になります。
是非また開催して、新たな思い出作らせてほしいです。
でもまあ、豊島には西沢さんの美術館見に行くし、何かとお世話になりそう。
芸術祭は関係ないけど、大三島には伊東さんのミュージアムもできるしね。
瀬戸内海は波も穏やかでとても美しい景色。これぞ日本の宝です。
そんな場所で芸術祭が開かれるということ。これは世界に誇れるイベントです。
あーーー、楽しかったなーーー!

最後にアドバイスとしては、時間のない人は大島、男木島、小豆島は切ってもいいかも。あと犬島も建築に興味がない限り芸術祭中にわざわざ行かなくていいかもです。
女木島は福武ハウスがあるし、豊島も会期中しか見れない良作も多いし、直島は芸術祭チケットで見るとお得なのでこの3島は必須かな。


明日(9月5日)の日曜美術館はこの瀬戸内国際芸術祭特集ですよ!要チェック!
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2010/0905/index.html

香川県庁舎 by 丹下健三

またまた小休止。丹下さんの初期のマスターピースの登場です。






























香川県立体育館 by 丹下健三



































いやぁ、素晴らしかった!1日延ばした甲斐がありました。
最近は現代建築ばかり見てたから、久々にモダニズムの傑作を見ました。
やはり当時の建築が持つ強さというのは今見ても魅力的。
完全に時の振るいにかけられて残っている強さです。
代々木以前ということで、まだコルビュジエの影響が垣間見えます。
県庁舎はユニテを、体育館はロンシャンの教会を想起させる。
それでもただのパクリに終わらせない丹下さんの表現力に脱帽。
県庁舎は働いてる職員が羨ましかったです。
中の壁画は猪熊源一郎によるもの。外の庭園は誰なんかな?
市民の憩いの場としても機能していて、未だに生き生きしていました。
隣の新市庁舎は丹下さんの息子の仕事。息子あかんなぁ。
体育館は正直使い心地はあまり良くなさそう・・・。
あの天井の圧迫感は半端ないです・・・。
そして何故か体育館にクーラーがついてない・・・暑い!!
どちらもそこまで大きな建築ではないんですが、数字では測れない大きさを感じます。
今の建築にない、本当に強い建築。香川県すごいなあ。
またモダニズム建築を見て回りたくなってきました。
時間があったら関西の村野藤吾辺りを見て回りたいです。
あー、ええもん見たなぁ!
関連記事>>丹下健三

瀬戸内国際芸術祭2010 3日目(高松・豊島)






午前中は美術館に回しつつ島巡り再開ッ!
「芸術祭フリー乗船2日券」(¥3500)を買いました。
当初は3500円を上回ることはなかったのですが、1日延ばして残る豊島と犬島を別々に回ることにしたので、2日間で5100円もかかることが判明。このパス買った方が断然お得です。皆さん慎重に計算して買いましょう。
高松港では大巻伸嗣の【2】「Limited Air:core」が見られます。
前の晩着いた時も見ましたが、やっぱり青空の下で見た方がキレイ。
オープニングに行われた【90】「Memorial Rebirth 2010 Setouchi」も見たかったな・・・。この作品は横トリ以来見逃し続けてます。
ちなみに高松港には他に椿昇の作品もありますがパスしました。

さて、豊島です。
豊島は芸術祭期間中なんと無料バスが島内を回ってくれてます。
東回りと西回りがあるので駆使して回りましょう。
僕らはまず西回りで唐櫃港へ。

【20】オラファー・エリアソン「ビューティー」
早速オラファーです。
原美でも見た、霧に光が投射されて虹が出る作品。
倉の中では水はけ抜群のアスファルトが床に敷かれてました。
もう少し広い所で見た方がこの作品は映えると思います。
個人的に近くで見るより離れて見た時の方がきれいです。
ぎりぎりまで場所と作品が決定されてなかったことを思うと、オラファーは悩んだ末にイマイチいい案が浮かばなかったと勝手に推測してます。
これは芸術祭が終わっても見られる恒久作品。


【33】クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」
世界中で心臓音を集めているボルタンスキーのプロジェクト。
これはボルタンスキーの死後も続けられる作品で、ボルタンスキーの並々ならぬ意志を感じます。海を臨む抜群のロケーションに建物まで建てちゃってます。
部屋は2つに分かれていて、1つは部屋に鏡が無数に貼られていて、豆電球が鼓動の音とともに点滅している。でもこれラファエル・ロサノ=ヘメルの作品と諸かぶりなんじゃないかと思う。あっちの方がインタラクティブ性があるし、作品の強度としてあっちの方が強いと思う。どちらかというとこういうインスタレーションより、世界中の心臓音をアーカイブしているという事実が重要。それらの音はもうひとつの部屋でパソコン上で場所と人を決めて聞くことができます。今のところ、パリと日本ぐらいでしか集めていないが、既に1万を超えている。
1500円で自分の心臓音をレコーディングしてCDに焼いてくれるということでやってもらいました。越後妻有の時は機械が故障していてできなかったので。うれしい。
もちろんこれも恒久作品。
グランパレの作品もよかったし、来年のヴェニスパリ館も楽しみ。








続いて西回りバスで清水前へ。
【19】青木野枝「空の粒子/唐櫃」
作品自体はいつもの青木さんだが、この芸術祭の中で最も物議を醸している作品のひとつ。なんでもこの作品の立ってる場所が問題のようです。事実はどうかわかりませんが、詳しくはこちらで。


【21】安部良「島キッチン」
地元のおばあちゃんたちも手伝って作ってるカレーはあっさりで美味!
新鮮な野菜の天麩羅も最高です。
これは芸術祭後なくなっちゃうのかな?惜しい。
島キッチンセット食いたかったー!


【23】藤浩志「こんにちは藤八十郎」
展望台からの景色が最高。


【24】J・カーディフ&G・B・ミラー「ストーム・ハウス」
越後妻有の時の方がよかった。島の人が見に来てたのがうれしい。恒久作品。


【26】内藤礼/西沢立衛 豊島美術館
10月17日のオープンまで外観しか見れませんがすでにすごいです。
天井は完全に穴で雨とか全部入ってくる。
内藤さんの作品のイメージ画像わかりにくすぎ笑
また出来たら見に来ます。多分春頃かなぁ。
ロケーションも最高です。
これ見るために【14】森万里子は諦めました。もう既に2回観た作品やし、恒久作品なので、美術館の完成と合わせてまた観ます。














【15】塩田千春「遠い記憶」
あいちでは作品の質の低下に触れましたが、これを見て安心しました。
ってか、ナマ言ってすんませんでした!やっぱ塩田さんすごい。
この芸術祭中僕が最も感動した作品はまちがいなくこれです。
今までの窓の作品と確実に違うのが、窓の出自です。
これまで東ベルリンの窓ばかりを使ってましたが、今回はこの豊島中から窓を集めて作っています。記憶という塩田さんのテーマと、この島の記憶がぴったり合致して、元小学校のこの空間の時空を歪めています。
また、窓のトンネルを抜けた先の緑の借景も美しく、美的にも優れている。
東ベルリンの窓とは違って、色んな種類の窓があるので、前者が冷たい印象だったのが、今回のはとても温かい雰囲気。
光にシフトしていく塩田さんの萌芽を感じる素晴らしい作品でした。
どうやらこれは恒久作品じゃないみたい。んー、残念。


























近くの【18】スー・ペドレーの作品はよくわかりませんでしたが、【17】クレア・ヒーリー&ショーン・コーデイロの「残り物には福がある。」は個人的にツボ。
全く関係ない家の古道具と恐竜の化石が不思議とマッチしてました。
家の周りには発掘したテイの堀跡まであって、とても楽しかったです。
これも恒久ではないので是非芸術祭期間中にご覧になってください。
作家さんのHPを発見。どれもおもしろく、これから注目のコンビです。
Claire Healy & Sean Cordeiro>>http://www.claireandsean.com/







あと港の周りの【11】トビアス・レーベルガーはよくわからず、【12】木下晋の空間は、今度僕が参加するBIWAKOビエンナーレの会場にそっくりだったので、勝手に頭の中でシュミレーションしてました。

そんなこんなで豊島終了!
この芸術祭で回った島々の中でダントツおもしろかったし美しかった。
恒久作品も多いし、福武さん的にはこの島を第二の直島にしようとしてるんかな?
直島ほどソフィスティケートされてない感じがすごいよかったんですが。
あと、青木さんのとこでも挙げましたが、やっぱり問題はありますよね。
島の人々とアートがこれからも共存できる道を探っていって欲しいです。
美術館完成したらまた来ます!
ちなみに豊島は以前不法投棄の問題で汚名を被ってしまった島ですが、その名が示すように、本当に自然豊かな美し過ぎる島です。どうか、またこの豊かな島の復権にアートが貢献できますように。

東山魁夷せとうち美術館 by 谷口吉生
















ここで芸術祭は小休止。
せっかく高松来たので香川の建築を見て回ろうということになって、急遽1泊増やしました。
まずは谷口吉生の東山魁夷せとうち美術館。
以前18切符を紛失という大失敗をして行けずじまいでした。
高松から坂出駅に行き、そこからバス。
このバスが中々出てなくて、帰りは時間の都合上タクシー。
これ行くだけで2000円くらいかかってしまった・・・。
でも、そこは谷口さん。やっぱりその価値はあります。
2005年開館とのことですが、昨日出来たみたいな美しさ。
豊田も丸亀もそうですが、谷口さんのすごさはそこですよね。
どれだけ年月が経っても美しいままそこにあり続ける。すごいことです。
この建築のファサードは豊田と同じ(?)石とコンクリが採用されています。
瀬戸内海を臨むそのロケーションにすっかり溶け込んでました。
中のカフェからは瀬戸内海が真正面にお出迎え。
真横を瀬戸大橋が通ってますね。
バックヤードにはこの地方お馴染みオリーブの木が植えられてました。
中では今千住博の展覧会が開催中。
会場入ったら蛍光塗料を使った青白く光る滝が展示されてました。最初青白く光ってるだけの時はオッと思いましたが、なんかピンクがかったライトが途中からつきだしてげんなり。
ここの展示室は2階まで吹き抜けで豊田に似た感じ。
2階では多分液晶絵画に出てたのと同じ屏風型の液晶作品。
あとは東山魁夷の常設で3点だけが飾ってあって終了。
あまりに小さくてびっくりしました・・・。
東山魁夷だけだったら金返してほしかったところです。
18切符なくしててよかった。。。
丸亀も行こうか悩みましたが時間がなくて断念。
美術館建てさせたらこの人の右に出る人はいませんね。MoMA見てみてぇ!!
ちなみに芸術祭のパスを見せると割引があります。他にも丸亀、高松市美術館なども割引があるみたい。
他に高松にはイサムノグチ庭園美術館もありますが、こちらは火・木・土しか開いてない上に、このご時世に往復はがきでのみの予約制。しかも入館料2100円!強気すぎる・・・。いつか行ってみたいとは思ってます。いつか・・・。

<関連記事>
東京国立博物館・法隆寺宝物館 by 谷口吉生
広島市環境局中工場 by 谷口吉生

瀬戸内国際芸術祭2010 2日目(直島・男木島・女木島)




2日目!この日は3島回るので早速修羅場です。
とりあえず直島はレンタサイクルで回ることに。太陽燦々。焼けるわー。
まずお馴染み地中へ。もう4回目だけど何度来てもいい。
てか、この芸術祭のチケットはかなりお得。
この直島だけで十分に元がとれます。素晴らしい。
僕は前売りで買ってたので更にお得。うれしいな。
ちなみに僕らが行ったのは9時半でしたが、すでに行列ができてました。
今までここまで行列が出来てるのは見たことがない。恐るべし芸術祭!

さて、今回の直島の目的はI?湯と新たにオープンした【10】李禹煥美術館。
地中から李禹煥までの道でなぜか自転車入れてもらえなかった!
仕方なく乗り捨てて、美術館のあるとこまで徒歩。とほほ。







前庭の高いコンクリポールが象徴的。
安藤お得意の焦らすような動線を回って入口へ。
入った最初の作品の鉄板に即行足跡がついてた!最悪や・・・。
あと、ホワイトキューブの壁のザラザラ感が気になる。
決して良いようには働いてないと思うんやけど・・・。
壁に直接描いたドローイングも、際が荒くなってたし。
部屋のプロポーションがおもしろかったです。

その後結局全部バスで回ることにしました。チャリ意味ねー・・・。
ベネッセサイトでは、12時からのツアーに参加しました。
これは芸術祭中必ず参加しておいた方がいいです。
10時、12時、14時、16時から始まります。
集合場所はベネッセハウスショップ前で別途300円かかります。予約不要。
ベネッセハウスに泊まらない限り見れない作品がたっぷり見れます。
特に杉本博司のオンパレードには度肝抜かされました・・・。





「観念の形」と苔のインスタレーション「苔の観念」や、「光の棺」と、建築シリーズ、松林図が配された緊張感に満ちた空間は必見。
ガイドの方の説明によると、まず「苔の観念」は元々その彫刻だけ置いてたそうだが、新たに苔を生やして、コンクリの壁を土壁にしたそう。中は熱が籠って凄まじい温度だそうだが、その苔は熱に強く、逆に水に弱いそうな。色んな苔があるんですね。
「光の棺」の空間では、わざわざこのインスタレーションの為に照明を取り払って、外の光もすりガラスドアでシャットアウトして、場所を大胆に変更したそう。
杉本さん安藤さんの建築嫌いなんかな?
まあ、すばらしい空間でした。
帰りに、須田さんの作品もあったりして、宿泊客との格差を感じました。。。

ちなみにこのホテルとショップをつなぐ開廊には、【8】テレジータ・フェルナンデスの壁のインスタレーションがお披露目されてます。壁を青く塗って、その上に1万5000個のガラスキューブが設置されてる。しょっちゅうそのガラスキューブが盗まれるらしくて、僕らがそのツアーをやってる30分の間にも一個盗まれてた!大変やなぁ。。。

続いて時間がなくなってきたので、家プロジェクトかベネッセミュージアムかの選択を迫られ、バスの都合上ベネッセミュージアムへ。
どうやら家プロジェクトのタレルは入場2時間待ちとかだったらしいので選ばなくてよかった・・・。
やはり芸術祭の影響でかなり人が多いです。
それでもお盆前よりは人が減ったというんだから驚き。
全部見るなら1日はかけた方がよさそう。
ベネッセミュージアムでランチを済ませて、地中美術館に戻りチャリを奪還。
宮浦港に戻り、コンビニで堅揚げポテチを買う。これが後々悲劇を生むことに・・・。

15時15分の船に乗り、男木島へ出発!
かなり小さな船で、波が荒くて途中絶対ジャンプしてたと思う。

男木島に着いて早速一通り見て回る。ここでの滞在はなんと1時間半笑
で、もう暑さのピークと疲労のピークが限界で、さらにこの島は鬼のような坂道が特徴で、ほとんど意識朦朧の中作品見てました・・・。そんな感じで見てたので感動どころか、記憶にも残ってません、すんません・・・。そんな中でも写真だけは撮ってたみたい。















もう頭痛がこの時点でやばくて、バファリンを飲んだりして女木島行きの船を待つ。
船が来て乗船したら、忘れ物に気づいてダッシュで取りに行く。
このダッシュがとどめで、船に戻った時には経験したことのないほど強い頭痛に襲われて、もう立てなかった・・・。死ぬ・・・。
女木島に着いたら、とりあえずトイレへ。
そしたら案の定吐いてしまいました。食ったポテチが全部出る出る<汚い
完全にこれ熱中症ってやつですよね?
船の中で全然汗が止まらなくてやばかったです・・・。
テレビで散々騒がれてるけどまさか自分がなるなんて・・・。
皆さんも気をつけてください。

ということで女木島です。
女木島は終わりの時間が20時半までなので、最後に持ってこい。
なんとか体調も回復してきたので、アート巡り再開ッ!
夕方には潮風が気持ちよくて、再開した時には暑さの峠は超えてました。
で、まずはなんといってもこの島の目玉【37】福武ハウスへ。

ここでは、一流ギャラリーが集結して、アートフェアさながら。
森村さんはどんどんすごい方向に向かっている・・・。
SCAIの石上直樹の展示が個人的に好きでした。
ジェームズ・コーハンからはなんとビル・ヴィオラ。
映像は相変わらず素晴らしいけど、元小学校であるこの教室のコンテキストを完全に無視した展示でちょっとげんなり。
それにしてもこの福武ハウスで一番の衝撃は杉本博司の新作でしょう。
最初それが杉本さんだと気づかずに見てて、知った時の衝撃たるや・・・。
杉本さんどうしちゃったんでしょう・・・。熱中症?
色んな意味で「ロストパラダイス」な作品。
実際に見てもらって皆さんの感想聞いてみたいです・・・。
しゃべるシャベルか・・・。

お次は期待の【38】レアンドロ・エルリッヒ。
金沢のプールの人ですね。
かなり期待してたのですが、正直相当がっかりな作品でした。
こんなんの為にこれだけ手間のかかった展示・・・。残念過ぎる。
さらに残念だったのは、ここに併設されてるレストランの品が、行った時にはほとんど品切れで、うまいと評判だったパスタを食べれなかったこと・・・。
寂しく直島で買っておいたパンを食しましたとさ。

あと、【39】の行武治美の作品は必見。
相変わらず鏡を使った作品だけど、ものすごく美しい。
昼間はどんな風に見えるのか見てみたいです。






そんなこんなで女木島も終了!
ハードだった・・・てか吐いたし。
さすがに1日3島はキツい。皆さんゆとりを持って回りましょう。
帰りは高松へ。せっかくなので遅めの夕食讃岐うどんで締めました。

瀬戸内国際芸術祭2010 1日目(小豆島・直島)








行ってきました!瀬戸内国際芸術祭ッ!!
2泊3日の予定が急遽3泊4日に延長して色んなもの見てきましたよ。
まずは1日目でございます。
大阪港からさんふらわあ号に乗って目指すは小豆島。
芸術祭のチケットを提示すると割引してくれました。
今見たら9月以降はほとんど運行してませんね・・・汗 コチラ
船は想像してたより遥かにでかくてびっくり。温泉までついてましたよ。
船なんて普段乗らないんでテンションあがりまくりました。
そこから3時間ほどかけて小豆島到着。闘いの火蓋は切って落とされました。

船が着いた坂手港からバスで土庄本町へ。
目指すは【60】のスゥ・ドーホー。
着いて降りるが、早速どう行けばいいかわからなくなる。
地元の人に聞いてみる。
そしたらなんとそこまで車でのっけてってくれるとのこと!マジすか!
ありがたく乗っけてもらっちゃいました。
その方は愛知からこの島に嫁がれたばかりだそうで、まだ島に慣れてないとのこと。
このブログ見てはないと思いますが、この場を借りて御礼申し上げます。
こういう温かい人とのふれ合いも芸術祭の醍醐味です。
そして作品無事発見!









ネットのひとつひとつが人型です。
潮風で手前が銀色になってましたが、とても美しい作品。
早速いい作品が見れました。必見!
とまあ、浸る余裕もなく次へ。バスを逃すと大変な目に遭います。
次は【61】の河口龍夫と【62】の粟田宏一の作品を観に常磐橋前へ。
河口さんの作品何度見てもわかんない。
粟田さんの作品は、労作だけど、少し見飽きた感が・・・。
と、ここは少し物足りない感じ。
バスやら船やらの関係で、なんとここで小豆島終了ーーー。
話題の王文志のドームとか見てみたかったけど駄目でした。しゃあないっす。
小豆島は今回の芸術祭参加島の中で最大ですが、作品数は少ないです。
場合によっては削ってもいいかも、といった印象。
でもスゥ・ドーホーはやっぱ見ても良いと思います。
バスですが、芸術祭会期中は芸術祭線という特別な路線が出てます。
芸術祭線に関しては700円のフリーパスが発売されてますが、僕らは結局2回しか乗ってないので使いませんでした。3回以上乗るならお得。
そんなこんなで、土庄港へ向かい、15時35分の宮浦港(直島)行きのフェリーに乗り込む。これはめちゃくちゃ小さくてびっくり。そしてこれがなんと最終便。早ッ!

直島に到着。4回目!2年半ぶり。
SANAAの海の駅を改めて堪能してから宿へ。人が多い・・・。
宿はLittle Plumさんを利用しました。
宮浦港から近いし、なんといってもI?湯のま隣!
ドミトリーで4人部屋ですが、3000円はお得。
この日入ってた人は皆いい人でご飯一緒に行ったり、次の日一緒に回ったりして、ドミトリーの魅力を楽しみました。てか日本でドミトリー泊まったの初めてかも。
ちなみに晩飯は、この宿がやってるカフェレストランにて。いけました。
レンタサイクルもやってるので次の日の自転車も予約。
カフェにはやたら梅佳代の写真集が置いてて、この宿の名前も梅が着いてるし、もしかして彼女の親戚なんではという話まで出て、直接聞いたら、オーナーが梅好きなだけで、梅佳代も梅だから集めてるんだそうです笑

さて、この日の直島メインはなんといっても【4】I?湯です。初体験。
ぶっとんでるけど気持ちよかったー? 脱衣所が寒い位クーラー効いてた笑









といった感じで1日目は穏やかに終了。
夜のカボチャは恐かったです・・・。

島にサンクスが出来てた!22時には閉まるけど・・・。

<関連記事>
直島スタンダード2@直島
直島 再々訪

靭公園の住宅 by 安藤忠雄








瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。
途中軽く熱中症に見舞われたり、色々大変でしたが、無事回れて生きて帰って来れました。楽しかった!
で、これからブログ更新地獄が待ってるんですが、瀬戸内更新行くまえにその前日に大阪をチャリでうろちょろしてたら見つけた安藤の新作をご紹介。
靭公園という変な名前の公園の真隣に建つ住宅。
こないだの情熱大陸でも紹介されてましたね。
真後ろが公園の緑という都会の中にありながら恵まれた環境。
バックは蚊にさされまくりながら気合いで緑に分け入って撮りました汗
なんか久々に安藤建築見た気がする。
最近の安藤さんの大きなプロジェクトは好きじゃないですが、こうした小さなプロジェクトは結構好き。でも改めて直島の安藤建築たちは素晴らしかったです。

実はこれ、国立国際の束芋展観に行った後に、そのままstudioJの碓井ゆいさんの展示を観に行く途中でこの公園通ってふと思い出して見つけました。
ちなみに束芋展は、皆さんが仰る通り、横浜よりこっちの展示の方が決まってますね。動線の死んでるこの美術館をうまく使ってる方だと思います。ちょっとわかりにくいところもあるけど、それでも上出来です。展示もびしっと決まってました。
最初の「団地層」の寝転がってってのはやっぱり無理があったと思います。
碓井さんのは、絵付けした陶器を割って見せた作品。
何かが起こった後の余韻や物語を感じさせる良作でした。
その晩は、国立国際でWANDERING PARTYと束芋のコラボ舞台を見たくて、チケット並んだんですが、目の前でソールドアウト!ガッシュ!
偶然来てた知人に「これ滅茶苦茶おもしろいよ」と言われた直後に完売のアナウンス。
あーーー、見たかったなーーーー泣
でもまあ、ロビーで投影していた「輪郭線」は見れたしよしとしよう(つよがり)
にしても束芋は今ノリにノッてますね。
挿絵を手がけた「惡人」は映画で話題やし、何と言ってもヴェニス日本館代表決定!
最終選考では他に塩田千春案と田中功起案が残ってたそうですが、個人的には田中功起案が一番おもしろいものになったのではと思います。
とはいえ、束芋も束芋でおもしろそうなので期待大ですね。観に行けませんが。
関連記事>>束芋「断面の世界」@横浜美術館

あいちトリエンナーレ2010


土曜日に始まったあいちトリエンナーレ2010に行ってきました!
今週はこれを皮切りに色々アートな一週間を過ごします。イエイ。
8月更新ほどんどなかったんで、これから巻き返しです。

さて、まずはお馴染み18切符で名古屋駅へ。
地下鉄栄駅で降りてオアシス21の草間さん(写真上)を鑑賞。
そして愛知芸術文化センター前の草間彌生xプリウスも鑑賞。

センター内吹き抜けでは松井紫郎氏の巨大バルーン彫刻がお目見え。
かっこいいけど素材感が安っぽすぎるのが難点。



10階でチケット引き換えていざ中へ。
登山博文の絵画から、蔡國強のドローイングまでざっと見る。特に感動はなし。
ハンス・オブ・デ・ビークでようやく足が止まる。
これはジオラマを組み立てて風景を作っていく映像なんだけど、白黒の映像が美しいのと、音楽が素晴らしいのとで、とても「巧い」映像だと思った。映像作品っていかに観客に足を止めさせるかが肝だけど、これは見事に成功していて、気づいたら会場内にはたくさんの人々が釘付けになって見ていた。僕も結局最後まで観てしまった。良作。
次のファン・アラウホの精密すぎる雑誌の模写は必見。
ライトの帝国ホテル特集の雑誌を模してるのだけど、何でライト?と思ったら愛知県にそういやライトの帝国ホテルのある明治村があるんだった。
ここ一段床が上がっていて皆けつまづいてた。僕もそのうちの1人。要注意!
続くジャン・ホァン、三沢厚彦+豊崎秀樹と大掛かりな作品が続く。
その先の志賀理江子の部屋は良い意味で恐かった。なんだろうあの感覚。
続いて8階へ。
イマイチ順路がわかりにくく、途中で見逃していないか不安になった。
気になったのはソニア・クーラナのパフォーマンス映像。色んな場所でただ寝転がっているだけのパフォーマンスなんだけど、来ている衣服がぼろぼろでホームレスさながら。鳩が群がって大変なことになってる映像もあった笑 見様によってはコミカルだし、シニカルだし、不気味でもあるその振り幅がとても気に入る。なんか来日して実際にそのパフォーマンスをやるという話を聞いた。見てみたい!!
あとは、シドニーでも見たツァン・キンワの文字が蛇のように床を這う映像インスタレーションも相変わらず気持ちよかった。(シドニーの時は天井やった)
お目当ての宮永さんのインスタレーションは相変わらず美しかった。
でも今ひとつ物足りなかった。なんでかと思ったら、このトリエンナーレを回っていくうちにわかっていくのだがそれはまた後で。
係員の人が「作品が塩で出来ていますので触らないでください」と注意していたが、その説明ではナフタリンの作品まで塩で出来ていると勘違いするお客さん続出な気がする。というか実際「へぇ、すごい、これ塩でできてるんだって!」と興奮気味に話すお客さんを目の当たりにしてしまった・・・。確かに塩に見えなくもないのが難。塩とは回りに張られた糸に付着している堀川の塩のことです!
あと12階ではコンペで通った企画展が開催中。ちょっとよくわからなかった。
そんなこんなで芸術センターを後に。所要約1時間。早!
ここでタオルを落としたのが大失敗でした・・・。

昼飯にせっかくなので味噌カツ丼を食う。あんまおいしくなかった泣
腹ごしらえも終えて続いて名古屋市美術館へ。

着いた頃には汗だく。泣きそう。
まずは1階から。早速オー・インファのお香を使ったインスタレーションに感動。お香の粉で文字を作っているんやけど、会期中その文字を伝ってお香が焚かれ続けている。視覚的にも嗅覚的にも美しい作品。
そして吹き抜け部分では、塩田千春の血管を思わせる赤い液体の通ったチューブのインスタレーション。資生堂の椿会展で見せていた映像の中の管がインスタレーションになって登場です。
実はこの前に近くのケンジタキの塩田千春展にも行ってきました。
ここでは鞄を使った新作インスタレーションを発表。
瀬戸内でも発表してるし、勢力的すぎる発表に度肝抜かされるのだけど、正直彼女の作品の精度が最近目に見えて落ちているように感じてしまう。こちらの感性が変わってしまったのか、それともただ見慣れてしまっただけなのかわからないけれど、昔まで感じていた有無を言わさぬあの圧倒感を近作には全く感じなくなってしまっている。結婚もされて、かわいいお子さんも生まれて、彼女を覆い続けていた不安から開放されてしまったから?そうだとするとあまりに悲し過ぎる。その開放から放たれる光にシフトした作品を見てみたいです。瀬戸内もこの秋の建仁寺の展示も期待してます!
ところで、この吹き抜けの奥に、カプセルホテルみたいなインスタレーションがあったのだけど、今見取り図見てたら載ってないんですがどういうこと?あれ誰の作品やってんやろ・・・。
その逆側のトム・フリードマンの展示観てたら、某アートブロガーさんに出会う笑
彼女は日曜にも行っていて、休日は凄い人で作品を落ち着いて観れなかったそうな。
色んな情報もらいつつ2階へ。2階は特筆すべき作品はなかった。
地階へ降りると島袋道浩の個展みたいになってた。
そしてこれがすごくよかった。なんか一貫してる強さみたいなのを感じた。
愛知の知多郡南知多町篠島をテーマにした展示。必見。
常設展も観たが、結構いいもの持ってて見応えありました。

続いて近くの二葉ビルへ。ここでは梅田哲也の展示が開催中。

相変わらず独特の世界観。
シャッターが開くという話を聞いたんだけどこの日は調整中。残念。
ちゃんとことが起こる瞬間まで忍耐強く待ちましょう。

さて、長者町エリア。ここがこのトリエンナーレの難関・・・。

会場が散在しているので、観るのが大変。
この炎天下には完全に不向き。皆さん秋に行きましょう。
見所はスターネットジャパンビルの渡辺英司のインスタレーション。すごいです。

あと、ビルの外壁とかにも作品があったりして、これこそ今回のトリエンナーレのテーマ「都市の祝祭」にぴったりだと思いました。えびすビルPART1の壁面の大山エンリコイサムのウォールペインティングは必見。

旧玉屋ビルの作品はどれもよかった。
山本高之の子供が自分の作った地獄の説明をしている映像もシュールでよかったし、小栗沙弥子のガムの包み紙で壁を覆った作品もよかった。青田真也のひたすら磨いていく彫刻もそれが空間にまでおよんでいて見応えがあります。
あと、路上で野犬と軍鶏とコブラとサソリとタランチュラが喧嘩しまくってる壮絶な映像があったんやけど、あれ誰の作品やったんやろ・・・。てっきり文化センター8階でライオンとかが路上にいる写真を展示していたアデル・アブデスメッドの作品と思い込んでたんやけど、地図には表記されてない。確かエルメ長者町で観たと思うんやけど。曖昧。
他には中愛株式会社地下の戸井田雄の「時を紡ぐ」という作品が素晴らしかった。
会場に入ると、本当に何もない空きテナントって感じなんやけど、しばらくすると暗転して、床に像が浮かび上がる。像と言っても具体的な形ではなく、その床に刻まれた傷が青白く発光してものすごく幻想的。これが本当に今までついてきた床の傷をなぞっているのなら素晴らしいと思う。どちらにせよ美しい作品。
他には僕の先輩の佐藤建博の作品もあるのだけど、制作中だった。残念。
この長者町には会場がなんと20カ所以上もあるので大変でした。ふー。

ここで最後の納屋橋会場に行くのだけど、もう暑過ぎて歩けそうにないので、トリエンナーレ中チケットがあれば無料で乗れるベロタクシーを利用させてもらった。各会場を言えばどこでも回ってくれて、風がものすごく気持ちよかった。名古屋駅からも出ればいいのに。



納屋橋会場は元ボーリング場跡でものすごくインフラが整ってた。

ここは映像が中心だけど、中でも小泉明朗の作品は素晴らしかった。
普通の街中で1人の演者が台詞を独白。
その演技にどんどん拍車がかかってきて、最初は無視していた回りの人々も段々無視できなくなってくる、その異物感が観ていてドキドキした。
あと、梅田宏明の目を閉じて鑑賞する映像は、水戸芸の「REFLECTION」展で観た宇川直宏の映像に近いものを感じた。要するにやはり目を閉じて鑑賞するのはまだまだ無理があって、これは芸術ではなく単なる刺激だと感じた。
スタッフさんの「目を閉じてご覧下さい」という言葉がおもろかった笑
楽しみにしていた楊福東の映像が機械の調整で観れなかったり、「老人ホーム」で有名なスン・ユァン+ポン・ユゥの作品も機械の調整でちゃんとした作品として観れなくて残念。後者は上に取り付けられたバルコニーの奥から本が飛び出してくるという作品らしい。観たかった!
あと、小金沢健人の作品見逃してたことに気づいた!ガッシュ!

全部見終えて、会場前の堀川沿いを歩きながら、文化センターで宮永さんの作品を観ながら覚えた違和感を思い出した。
そして、彼女は文化センターではなく、こちらの会場で展示した方がしっくりくるということに気がづいた。なぜなら、展示されていた塩はこの堀川から精製された塩だったので、この川から出来るだけ近い会場で展示した方が説得力を増すのである。
そう思いながら歩いていたら、なんと納屋橋の袂に宮永さんの作品が!!!

これは地図にも載っていないので発見は偶然。
でもなんか自分の想いと宮永さんの想いがシンクロしたようですごく嬉しかった。
やはり彼女も場所と作品の関係について、その必要性を感じていたのではなかろうか。そしてその気持ちがこの作品に現れているのではないだろうか。
塩は野外だと雨風で流れてしまうので、代わりに桶に鏡が張ってあったり、ナフタリンの作品が展示されていた。これは必見です。

そんなこんなで真夏のあいちトリエンナーレ鑑賞終了!!
暑かったーー。何?の汗を流したのかしら。疲れた。
総評としては、星3つといったところ。
確かにひとつひとつの作品はいいのも多かったけれど、この名古屋という街で行われる必然性をほとんど感じませんでした。
「都市の祝祭」と銘打つならば、もっと街中に展開すべきだったと思うし、結局ほとんどが建物の中に収まってしまっているのは残念すぎる。
正直最初からそこまで期待していなかったものの、少しは良い意味で裏切ってくれるんじゃないかという仄かな期待もあったんですが、特に裏切られることもなく、大体予想の範囲内。
横浜もそうですが、これからここまでのお金をかけて続けていく意味あるんでしょうか。
実際スタッフも街中にたくさん配備されていたり、すごくお金がかかっています。
だけど、ベロタクシーの運転手さんも言ってましたが、全然市民に認知されてないらしい。
もっと市民に還元できるような、豊かな芸術祭になってほしいです。
でもそれも都市の中では難しいように思う。
都市には選択肢が溢れ過ぎていて、切迫感が欠けている。
越後妻有が成功しているのは、この切迫感が重要なんだと思う。
来年は横浜です。もう観に行くのはよそうと思っていたのだけど、先日発表された内容で、なんと僕の大尊敬するキュレーターの逢坂理恵子さんがディレクターとのこと!これは観に行かねばなりません・・・。横浜美術館の館長でもあるので、連動して美術館でも何かやってくれるに違いありません。前回は「源氏物語絵巻展」でしたからね笑 楽しみにしておきましょう。

帰りに名古屋駅内の松坂屋でまたも草間彌生発見。
草間で始まり草間で終わる。。。



ちなみに僕の場合凄い早さで回ったら、10時に見始めて3時過ぎには見終わりました。
いくつか観れない作品があったり、夜にしか観れない作品もあるけど、泊まりで観る程あるかってわけでもないので微妙なところ。来月から豊田市美で始まる石川純也展とセットで行くなら泊まりがけは十分に価値があります。僕は12月に行く予定。もちろん18切符でッ!
あと、西野達や池田亮司、高嶺格など期間限定でしか観れない作品もあり。鬼!
さらにこのトリエンナーレの目玉は後半に行われるパフォーミングアーツです。
すべての公演が豪華過ぎ!全部観たい!名古屋人羨まし過ぎ。
なので、上の評価は正当な評価とは言えないかもしれません。
百聞は一見に如かず。素晴らしい作品も多いので観に行く価値はあると思います。
10月31日まで。是非涼しくなってから行くことをおすすめします。

ガラパゴス

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土曜日は淀のスタジオでトークがあって、studio90も参加しました。
90代表の田中氏はガチガチに緊張して、喋り方がなぜか標準語笑
画像の不備があったりして、90的には大失敗のプレゼン。
トーク中も対した存在感もなく終わってしまった・・・。
まあ、あのメンツですもの。しゃーないしゃーない。
トーク自体はアトリエについての興味深い内容でした。

先日のオープニングレセプションといい、今回のトークといい、改めて思い知ったのが、今の京都の熱と我々(少なくとも僕)の熱の差でした。
京都は今アーティストの活動拠点として日本で最もアツい場所です。
ここ5年、いや、3年ほどで劇的に変化しました。
これまでは、東京と比べてアートシーンも貸し画廊中心のしょぼいものでしたが、コマーシャルギャラリーが京都に出て来たり、アートフェアが始まったりと、アートインフラが少しずつ整備されてきていて、ますますアーティストが住み良い環境になってきています。
また、オープンアトリエや今回の京都藝術のような、作家主導の活動にも注目が集まり、東京からも多くの関係者が訪れるようになりました。
一方で、良くも悪くも「ガラパゴス状態」だったこの土地が、それらを取り巻く膨大な情報という開拓者によって侵略されつつあるな、とも感じます。
僕らが学生だった頃は、東京以外は話にならない、みたいな感じだったので、もう皆開き直って好き勝手やってるといった印象がありました。
それ故に、他にはない面白い作家が続々と出て来て、まさにその過程を目の当たりにしていました。その成果が現れたのが2003年のアートコートギャラリーで行われた「アートコートフロンティア」という展覧会だったように思えます。
それ以降しばらく停滞が続き、前述の通り、この3年程で京都のアートシーンの地殻変動とも言うべき現象が起こりました。
数年前のアートバブルの影響も手伝って、学生たちは「流行」を追い求めるように、似たような作品が卒展で並ぶなんてこともありました。そして実際にそれらの作品は青田買いの対象となり、いきなり香港のオークション会場に並んだりもしたのです。あっぱれ。
今はアートバブルも落ち着き、前程酷くはないですが、それでも面白い!と心から思える作品に出会える機会は圧倒的に減りました。
それに反して盛り上がる京都熱。
京都は元来閉じられた街です。
京都にいて思うのが、すべてこの街の中で完結してしまっているということ。
僕は正直その空気が息苦し過ぎてあまり京都を好きになれません。
その閉じられた円環の中で、今、皆が一致団結して、この京都をアートシーンの中心とするべく動き出しています。少なくとも今回の京都藝術はそういう動きに見えます。
でもそんなこと本当に可能なんでしょうか?
京都の人たちって未だに京都が日本の首都だと思ってる風があるんですが、今の京都のアートシーンに関してもそんな感じがします。
元々京都の人たちって京都から外に出たがらない人が多いので、この街で一生活動が続けられることに越したことはないんでしょうね。
でも、やっぱ日本の中心は東京で、それ以外は地方です。
さらにアートシーンの中心はやっぱり欧米なんです。
こんなこと今更いうまでもないことなんですが、今の京都見てたらそのことを忘却しているような感すら受けて、ちょっと恐くなってしまいます。
ロンドンから帰って来て、今のstudio90で活動して2年半経ち、こうして京都藝術にも参加させていただいてますが、正直京都も限界かな、と思い始めてます。
今回のイベントの様子を見ていて、「終わりの始まり」を感じてしまいました。
とりあえず、studio90としては、建物を5年契約でお借りしているので、あと半分、2年半は僕らなりの活動を地道に続けさせていただきたいと思っております。
ただ、それ以降僕自身京都に留まり続けるかに関しては、今の時点ではノーです。
これだけ動きの激しいアートシーンなので、また2年半後はどういう状況なのかはわかりませんが、今の状況が続くようであればあまり希望は見いだせないように思えます。
また、京都の中でも小さな渦ではあるけれど、いくつかのおもしろい動きが多発してるのも事実。メインの渦に流されず、それらの渦と連動して僕らも小さな渦を作っていけたら面白い道が開けるのではないかとも思います。さてどうなることやら。

もし、これを見て不快に思われている方がいらっしゃるようなら本当に申し訳ないと思います。
でもやはりこれが今の京都に対して僕の思っている正直な気持ちです。
ご理解頂きたいのは、これは京都藝術に対する批判とかでもなく、ただひとつの意見です。
こういう意見もあるんだ、と是非多様性を認めて頂ければ幸いです。
今回これを書いたのは、僕なりの小さな小さな警鐘です。
皆が同じ方向向いて直走ってろくなことはありません。
特に日本人はその傾向が強い民族なので、今の京都がそうならないことを祈るばかりです。

テーマ : アート
ジャンル : 学問・文化・芸術

トークイベント「アーティストが制作の現場に求めるものとは?」


8月21日に淀にて行われるトークイベントにstudio90から田中が参加します。

トークイベント
「アーティストが制作の現場に求めるものとは?」
日時: 8月21日(土)19:00~21:00
会場: 淀
司会: 矢津吉隆(淀)
パネリスト: 児玉真人(G Art Studio+ULTRA FACTORY)、田中真吾(studio90)、田中英行(Antenna)、名和晃平(SANDWICH)、北條裕人(淀)
淀website: http://yodostudio.com/

徳田卓也「遠くを眺める」@studio90♯3


今週号のぴあ関西版に紹介されました!
関西の方はチェックお願いします。
ギャラリー始めて2年。
少しずつ社会に認知されつつあるような気が、します。

ところで今週末は作家の徳田君は来られません。
代わりに土曜は田中が、日曜は僕がお留守番してます。
皆様のご来場お待ちしております。

徳田卓也「遠くを眺める」@studio90♯2


昨日からstudio90では徳田卓也「遠くを眺める」が始まりました。
今回も初日前日までギリギリの作業・・・。
直前までオーストラリアに行ってたこともあって、かなりキツかったです。
でも、手前味噌ですが、素晴らしい空間に仕上がりました。
studio90初の完全ホワイトキューブ、さらに明るい展示!笑
これまでがイレギュラー過ぎましたね。
今回の場合は、シンプルに「見せること」を追求した結果でした。
少しだけ紹介すると、徳田君は、僕らの1つ下で、学年的には2つ下。
僕自身はそこまで交流がなかったのですが、大学院まで進学したこともあり、同じ大学院を卒業した田中と交流が深く、しばしば彼の話題がスタジオ内でも出ていました。
彼は僕の中で「奇跡の人」です。
どこが「奇跡」なのかというと、今の時代に珍しい程の実直な人間性。
そして彼の性格が反映された、とても素直な絵画たち。
対象にまっすぐ向き合いながら、日々繰り返されるその制作作業は、もはや生活の一部となっていて、彼の目を通したこの世界がストレートに画面に張り付いているのです。
描かれているモチーフは決して珍しいものではなく、彼の棲む篠山の風景に存在する、切り株や牛、トラックや神社の境内等々。
これまでただ作り続けることに心血を注ぎ続けて来た彼ですが、今回は僕らから是非それらを「見せる」ことを考えてほしいというオファーを出しました。
田中功起さんのポッドキャストで、キュレーターの保坂さんとの対談中「作家とは何か?」という話が出てて、保坂さんが「見せるとか見せないとか関係なくものを作り続けている人」という考えを述べて、最近の作家さんは展覧会のオファーなどによって「見せること」を前提としている職人タイプの人しかいないのではないか、という話も出ていました。
そういう意味ではアウトサイダーアートなんかがまさにそれに当たりそうなんですが、やはり作家として自覚しているしていないという点で異なってくるのではないかと思います。
そういう点でも徳田君はまさに保坂さんのいう「作家」なのでは、と思えます。
特に今回は日々のスケッチを多く展示しているのですが、それらは当初見せるつもりで作っていないという理由からかなり徳田君自身見せることに抵抗を感じていました。
しかし、だからこそ、そこに宿る力というものがあって、僕らにはとても魅力的で、何度か交渉し続けて、徳田君の方でも心境の変化があり、積極的に見せていこうということになりました。
もちろんそれが良いことだったのか悪いことだったのかはわかりません。
しかしそれをどっちに傾けるかは徳田君自身にかかっているはずです。
今回の展示が徳田君にとってどういうものになるのか。
個人的にもすごく楽しみです。
会期中徳田君自身も在廊しているので、来られたら是非お話してみてください。
その実直さはすぐ伝わると思います笑
今滅茶苦茶焼けてて、どうしたん?って聞いたらスケッチ焼けだそうです!
日々続くそれらのスケッチは会期中もガンガン増加中・・・。

ところで、気づけばうちのスタジオ始まって以来8月は必ず展覧会やってます。
正直気候があまりによくないので今年は避けようという話でした。
実際徳田君の展示も10月頃を予定して進めていたのです。
しかし、Antennaの田中さんから「京都藝術」という企画があって、それに参加してほしいというオファーを頂いたのです。
京都市全体を使ったアートイベントで、ギャラリーや美術館、アーティストのスタジオやお寺など、様々な場所を使ったイベントです。
それは是非参加させて頂きたいということで、前倒しで今回に至った次第です。
なので、今回展示室に隠されていた窓を開放し、クーラーを着けました!
これで夏の展示もへっちゃらです。
うだるような暑さの京都ですが、クーラー効かせてお待ちしてます。
関連企画で土曜の夜に浴衣でご来場の方にはうちわがプレゼントされます笑
あと、21日に淀にあるスタジオでトークイベントがあり、studio90から田中が参加。
色んな意味でアツい夏になりそうです。
今日は名和さんのアトリエSANDWITCHでOPパーティーです!

徳田卓也「遠くを眺める」
2010年7月31日(土)~9月5日(日)
15:00~22:00 (8月1日(土)は18時まで)
土・日のみオープン
期間中作家在廊予定
http://www.studio90.info/


京都藝術
会期:2010年8月1日(日)~8月29日(日)
会場:京都各所
時間:会場によって異なる
website:http://www.kyotoarts.com/


あともういっちょメンバー泉の展覧会のお知らせ。
明日が搬入。どうなることやら・・・。
泉洋平『月の標本』
2010年8月3日(火)-8月15日(日)
11:00-23:00 (最終日は21:00まで) 
会期中無休
neutron kyoto http://www.neutron-kyoto.com



なんと、今回の徳田卓也展の告知が8月9日発売のぴあ関西版に写真付きで載っけてもらえることになりました!!
関西の方は是非手にとってチェックお願いします。
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