オラファー・エリアソン「あなたが出会うとき」@金沢21世紀美術館




オラファーは完全に神になりました。
すごくよかった。本当によかった。終了までにもう一度行こうと思います。
こんな展示が日本で見られるなんて・・・アートラバーとして感激の極みです。
これは確実に必修科目ですね。これ見ないと卒業単位落とします。
テートやブレゲンツの展示と、近年のNYでの滝やサーペンタインパヴィリオンなんかを比べると、最近精度落ちてきてるよなーと内心思ってましたが、今回の展示見て改心しました。ごめんなさい、オラファー様。あなたはやはり神でした。
オラファーがこの美術館のためだけに企画した特別な展覧会。巡回はなし。
実際この美術館をめいっぱい使ってて、回りながらとてもゾクゾクした。
もう言葉になりません。レビュー放棄です。もっと早くに行ってればよかった。
強いて言うならやっぱ「Your atmospheric colour atlas(あなたの創りだす空気の色地図)」がすごかった。最初もっと濃い霧を想像してて、自分が虹に包まれる感覚を味わいたかったのに、とちょっとがっかりしながら奥に進んで振り返った時の感動が忘れられない。これは自分というより他の観客が虹に包まれていくのを見る作品なんだと思う。虹に消えてはまた現れる様が美しすぎた。
また、円の部屋を利用した「Your watercolour horizon(水の彩るあなたの水平線)」もすさまじい強度。美しい。
水の姿を捉える「Object defined by activity(動きが決める物のかたち)」もすごい。
今回の展覧会の作品には’Your'という単語が多く使われている。
展覧会のタイトルにも使われてるし、ここから今回のオラファーの気持ちが伝わってくる。
当初朝一の人が少ない時間帯に一人で作品を独占してやろうと思ってたんだけど、後述する「菅木志雄展」に先に行ってしまったのでそれはかなわなかった。
でもそれは思いがけず大当たりで、これは人が多い時に行った方が絶対にいい。
なぜなら観客がいてこそ成立する作品がほとんどだから。
特にこの美術館は老若男女問わず様々な人が訪れるので、彼らの笑顔が作品に花を添える。
特に子供はおもしろがってどんどん作品に「参加」していく。
ショップでまだこの展覧会の図録が出来上がってなかったので(絶対買います!)、代わりにDVDを買った。ガーディアンのアートレビュアーとのインタビューに、「君は最近のアートでは珍しい'pleasure'という言葉を使うね」という指摘があって、オラファーが「そのとおり。僕の作品ではfeelingがもっとも大事なんだ」と答えてました。
この言葉どこかで聞いたことあるなぁ、と思ったらクリストとジャンヌも同じようなこと言ってるんですね。「わたしたちのアートで一番大事なのはjoyです」と。
アートは人を笑顔にしてなんぼの商売だと彼らから学べますね。涙。
ちなみに、僕と同じスリットを使った作品「Less light horizon(微光の水平線)」は微妙でした。というかクオリティが・・・どうしたんだオラファー?
あの作品と今回の僕の作品とたまに比べられたんですけど、共通点スリットってだけやん!あれ覗いても殺風景な風景しかないし、構造丸見えやし・・・。あれはそこから漏れる光を見る作品なんであしからず・・・。
なんにせよ早くも今年一番の展覧会です。
常設では村山瑠璃子さんのあの布の大作にびっくりした。あれはすごい。
あと須田さんの展示が普通に落ち葉とまざってた笑
ってか考えたらここカプーアもタレルもあるし、もうすぐオラファーのコミッションワークもできるみたいやし(最後の写真)、神の殿堂と化してる・・・。すごいなー金沢。うらやましい!
<関連記事>
Olafur Eliasson 'SUNSPACE FOR SHIBUKAWA' @ HARA MUSEUM ARC
Serpentine Pavilion 2007
STUDIO OLAFUR ELIASSON : An Encyclopedia
菅木志雄「在るということ」@金沢美術工芸大学アートギャラリー

こないだ京都の小山さんとこで見た作品がめちゃくちゃかっこよくて、ちょうど金沢でも展覧会してるってことだったので行って来た。
感想は・・・オラファー見ちゃったらねぇー・・・。
旧作より近作の方が断然かっこよいです。