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水都大阪2009


文化不毛の地大阪が開催する文化の大イベント。
最近大阪のカルチャーシーンは悲しいニュースでいっぱいです。
最も大きいのはサントリーミュージアムの閉鎖決定ですが、他にもgrafが東京に行っちゃったり、僕の最も好きなギャラリーがギャラリー営業をやめちゃうかもしれんかったり、ちょっと前やけど関西のアートシーンには欠かせなかった雑誌Lマガジンの休刊とかKPOや大阪芸術センターの閉鎖とか。。。
大阪は文化に置いて47都道府県の中でも劣等生中の劣等生だと思います。
やっぱね、金なんですわ、金。金が全てなんですわ。
文化みたいな時間だけようさんかかるもんにかまてる暇なんてないんですわ!
ってことなんかな、やっぱり。寂しい。
そんな大阪が重い腰上げて始めたのがこの「水都」というイベント。
まあ、どんなもんかいな、とあんま期待せずに観に行ったんですが、思ったより規模がでかくてびっくりしました。
何と言っても中之島全体を使ってるのがすごい。
スタッフもかなりの数雇ってるみたいやし。ボランティアかな?
とりあえず中之島公園にあるもの紹介します。

芦澤竜一「水辺の文化座」



建築家芦澤竜一氏による舞台とか。
建築家知らんかったけど結構良かった。
近くで屋台とかやってたけど、あの小屋達もそうなんかな?

井上信太「サファリパークプロジェクトin中之島」

結構長い動物の行列。いいなー。

淀川テクニック「金チヌ」

京都芸術センターで見たやつの堂島川バージョンかな?

ヤノベケンジ「ラッキードラゴン」

寝てた笑
火を噴くのは限られた数日だけらしい。ってか明日らしい。がーん。
意外と小さい。

とまあ、中之島公園内はこんな感じ。
この水都で僕のお目当てはこちらより、昨年までの「大阪カレードスコープ」を引き継いだ「水都アート回廊」。そちらはこんな感じ。

ヤノベケンジ「トらやんの大冒険」@アートエリアB1


ヤノベケンジ「ジャイアント・トらやん」@大阪市役所

もはや「水都」ってかヤノベケンジ祭。
さっきのラッキードラゴンもそうですが、完全に飲み込んじゃってますね。
アートエリアB1は中之島線なにわ橋駅内にあるギャラリースペース。写真はスペースの外なんですが・・・。「メガロマニア」の頃の作品が多数展示されてて懐かしかった。
目玉は「ジャイアント・トらやん」でしょう。売れっ子ですね。
さすがに役所で火は噴かないでしょうが・・・。
中之島図書館にも作品がありましたがこじんまりしてました。

河口龍夫「関係-大阪」@日本銀行大阪支店


河口龍夫「関係-大阪」@芝川ビル

「水都」にちなんで水に関する作品。
この人の作品正直よくわかんないです。。。

今村源「茸的熟考」@適塾

最もこの「アート回廊」で素晴らしかった展示。
というより、ようやくここに来られた!って感動がまず大きいです。
司馬遼太郎の「花神」を読んで以来行きたいと思いつつ行きそびれてた場所。
主人公大村益次郎が通ってた医学校。福沢諭吉も在籍してたことで有名。
医学校といっても、蘭学者緒方洪庵の私邸で、とてもすばらしいお家でした。
中庭とかメチャクチャキレイ。
ここで幕末の最先端の授業が行われていたと思うと胸が熱くなりました・・・。
今村さんの作品は、その雰囲気を全く邪魔することなく、ふわふわとたゆたうような、相変わらず仙人のような作品たち。中庭の上空を覆う針金や、逆さま人間、シダ、椎茸など。今村さんならではの展示ですね。
なにせ場所が凄過ぎるだけに、ここでやるのは並の作家じゃ務まりません。
さすがです。
そういや昨年カレードスコープ回ってる時にこの辺りでお見かけしたけど、下見やったんかな?って街中でも作家の顔を感知する僕に引かないでくださいね。
今村さんは母校の立体の授業で教えられてた方なんです。

他にも朝日新聞ビルの元永定正・中辻悦子の作品や、大阪証券取引所ビルの大久保英二の作品なんかもありましたがよくわかんなかった・・・。
あと、中之島線の換気口にあるはずの祐成正徳の作品も見当たらなかった。まあこっちは常設だからいつか見つかればいっか。
とまあ、チャリこぎながらせこせこ回ったわけですが・・・。
やっぱ去年の方がよかった・・・orz
ってのが正直な感想。
とりあえず展示場所はぐっと減ったし、作家も減った。
ヤノベさんや河口さんといったベテランが数カ所で展示してたり。
民間の場所が減り、役所関係が増えたのはすごいことですが。
あのお堅い方々にアートなんてわかるんでしょうか。
まあ、それは成果と言えそうですが、規模の縮小は痛いです。
せっかくおもしろい企画なんだからずっと継続してほしいですが・・・。
冒頭にも書きましたが、大阪はアート不毛の都市です。
東京に次ぐ日本第二の都市でありながら、アートに関しては下から数えた方が早い。
「関西のアートシーン」というとそれは京都のことです。
大学がそもそも少ないということもありますが、それにしてもです。
なので、カレードスコープはその不毛の地の中でも輝かしい存在なんですよね。
いっそ開き直って、大阪は美術館を持たずに街中で随時展覧会起こせばいいんじゃないかな、とすら思います。刹那的に移り変わって行く感覚ってのは大阪人気質に合ってる気がしますし、維持費が要らないってのは大きい!どうでしょう、橋下さん。
ってまあ、大阪近美の創設は決まってしまったんですが。。。
大阪。僕の故郷なので是非がんばってほしいです。

関連記事>>大阪・アート・カレイドスコープ2008


草間彌生「増殖する部屋」@Six

ミナミにあるコムデギャルソン大阪が新たに増設したギャラリースペース。
この不況に喘ぐファッション業界で孤高の地位を占める川久保怜。
どんどん攻めて攻めて攻めまくる姿勢は凄まじ過ぎます。
そして第一発目の展示が草間彌生!
やはりドットつながりなんでしょうか笑
会場は案の定ドットに包まれてました。
ブラックライトに照らされた蛍光の色とりどりなドット達が会場を埋め尽くします。
家具やテレビ、胸像やらありとあらゆるモチーフが水玉模様。
奥にはペインティングとミラーを使った無限水玉作品。
目新しさはないものの、どっぷり草間ワールドを体感できます。11月8日まで。
ちなみに10月12日まで、ギャルソン京都店ではシンディ・シャーマンの展示があるんやって。これも時間あったら観に行きたい。
これにかこ付けてTシャツ買っちゃいました★


P&E 2009@ARTCOURT GALERY

毎年行われてる公募による展覧会。
第一期と第二期があり、今回は第二期。
知り合いの作家、山岡敏明さんが出品されてたので。
前半はあまりひっかかるものはなく、とりあえず廊下の山岡さんの作品へ。
ドローイングと映像。
ギャラリーの地下から「グチック」なる黒い塊が現れるという設定。
映像は中庭を映したものなのだが、リアルタイムで黒い塊が合成されてる。
なんだかシックスセンスのようで、自分には見えないが現実にそれが存在しているような、虚実があやふやな世界観がさらにパワーアップしてる。
ただ、ガラスに張られたシートはなんかもっといい方法があったんじゃないかなと正直思いました。中から外を見せないためとのことですが、隣は違う作家のためにあけなきゃいけないし、って感じがわかっちゃうので、グループ展でそれは難しい気がしました。
奥の部屋はがちゃがちゃ感がとてもよかった。
中でも真中の坂本千弘さんのラテックスで出来た有機的な超ロングドレスとその側にあった城崎郁恵さんのガラスを引っ掻いて描いたと思われるこれまたドレス。
最初同じ作家かと思ったら違ってびっくり。
どっちも有機的で名和さんを思わせるような作品でした。
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