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「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」@愛知県美術館


またもmemeさんのブログで知った展覧会。
18切符も余ってたので行ってきました。
ってか、新潟とか広島とかと比べると名古屋のなんと近いこと!
大阪から片道3時間もかからないなんて。素晴らしいです。
それは置いといてこの展覧会。
愛知県芸で教鞭をとっていた画家櫃田伸也。
彼は優れた画家としてだけではなく、優れた教師としての才能も持ち合わせており、彼の元から巣立ったアーティストは数知れず。
奈良美智を始め、杉戸洋、小林孝旦、渡辺豪、加藤美佳という錚々たるメンツ。
そのメンツが集まって企画されたのが今回の展覧会。
なんかこういう同窓会みたいな展覧会ってすごいいい。
全体の雰囲気もすごく柔らかくて、先生と生徒の豊かな雰囲気が伝わってくるようで、すごく優しい気持ちにさせてくれた。
前半は画家としての櫃田伸也の作品を展示。
櫃田さんの作品は寒色系の使い方が抜群にうまいと感じた。
ここに欲しいなと思う所に絶妙に青や緑が置かれている。
全体としては暖色の方が多い印象だけど、その寒色がかなり決まっている。
戦後から絵を描き続けてる方なのだけど、全く古さを感じなかった。
作品とインスピレーションの元となる資料が一緒に展示されてるのもおもしろい。
また、奈良さんプロデュースで櫃田さんのアトリエの本棚も再現。
学生に無料で貸し出したり、学生の作品を買ったりしてるんだそうな。
んー、いい先生だ。
やはり大学お醍醐味は如何にいい出会いがあるか否かだと思う。
人を変えられるのは結局のところ人でしかないんですよね。
例えば奈良さんなんかは、櫃田さんに落書きの文字がいいと褒められて今に至っていたり、加藤美佳さんの代表作「カナリヤ」のエスキースは捨てられそうになった所を櫃田さんが救い上げたなんてエピソードなんか、すごいなーと思う。
そういうエピソードが満載で、それが今の彼らを作り上げたんだと思うと鳥肌すら立ちそうになったりして、中々こういう展覧会って珍しい。
今の作家の学生時代の作品が見られるのも魅力。
奈良さんも今の要素を残しつつやっぱりまだ余分なもんがついてたり。
そんな前半が終わり、後半とのつなぎに出品者による先生の似顔絵。
奈良さんのめっさかわいい。渡辺さんのは反則です笑
後半。
こちらはそれらの学生の今現在の表現。
渡辺豪さんの映像はすごい。あれはどうやってるんやろ・・・。
加藤さんの「カナリヤ」は何度見ても凄みが。。。
城戸保さんの白黒写真もめちゃくちゃ美しかった。
前半を通した分、後半見慣れてる作品でもいつもと違うように見えた。
人に歴史あり、ってことですね。
これはすごく面白い展覧会。10月25日まで!詳細はコチラ
28日にはこの偉大なるメンバーが全員集合して座談会が行われたんだとか・・・。すごい企画だ・・・。
帰ってきて名古屋市美術館でも展示があったことに気づく・・・orz

ところでこれは来年夏に行われる「あいちトリエンナーレ2010」のプレ企画。
建畠さんプロデュースのこの企画。
出品者がかなり豪華なので期待できそう。
「愛知でやる意味」がちゃんと示されてるかがキーになりそう。
今回の企画はまさに愛知じゃないと意味がなくてとてもよかったです。


ジョゼッペ・ペノーネ@豊田市美術館

本来はこっちがメインだったはずだったんだが・・・。
イタリアの巨匠ペノーネの大展覧会。
そもそもペノーネって特に好きな作家ではないのだけど、まあ、日本で巨匠のこれだけ大きな展覧会は中々見れないので、愛知で他に何かおもしろそうなのがあれば合わせて観に行こうと思ってたら「放課後のはらっぱ」が始まったので行ってきた感じ。
案の定そこまで響くことのなかった展覧会だった・・・。
特に前半はびっくりするぐらい響かない。
ただただスケールフルな作品群が並び、感覚が麻痺してしまった。
でもまあ、これだけの巨匠で新作を次々発表してるのは単純にすごい。
後半はわりと良かった。
茶葉を敷き詰めた展示室は、もっと茶葉の匂いがしてほしかった。
ビジュアルが単純に美しかったけど、やっぱ嗅覚が使いたかったなぁ。
上の階の作品たちは展示がものすごく美しい。
傾斜した木が一本しかない展示室とか神々しい。
ドローイングもかっこよかったし、ブロンズとステンレスの彫刻もよかった。
ブロンズってもはや古くさすぎて、あまり響くことはないのだけど、ステンレスとの対比もあってすごくよかった。
というかまあ、展示室自体が美しいのが大きいと思う。
谷口建築2週連続訪問。
2005年のヤノベケンジ展以来の訪問だったけど、改めて建築に注目するとその美しさが半端ない。ものすごい大きさなのに緊張感が途絶えてない。
今回の展示はこの建築に負う所も多かったんじゃないかな。
久々にこれてよかったです。
同時開催の山田弘和展は、おもしろそうなデザインがたくさんあったんだけど、実際に手に持ったりできなくて残念。こういうのはインタラクティブであってなんぼやと思うんやけど。
ショップで、昔のクリストのカタログが500円という破壊的な安さだったので思わず購入。もう本棚が悲鳴を上げてます。。。



追伸
今月15件も投稿している。
15件を超えたのは2007年10月のロンドン最後の時以来。
珍しく面白い展覧会がかぶりまくった月でしたな。疲れた・・・。
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八木良太「制作と実験」@京都市立芸術大学新研究棟1階立体1教室


八木良太さんの展示を見に京都芸大まで。
八木さんの作品は、2005年の神戸アートアニュアル以降、様々な展覧会で発表されていて、先日まで原美術館で行われていた「ウインター・ガーデン」にも出品されていました。
80年代生まれの作家としては、かなり注目されてる作家さんの1人。
そんな彼が、先日ARTiTのブログで、8月28日から30日までの3日間プライベートな展覧会を開くと書かれていて、これは行かねば!と。
というのも、やはり自分自身ギャラリーや美術館の力を借りずに、自ら発表の場を作ったりしてるので、こうした作家が自ずから動いているのを知ると興味が湧いて仕方がないのです。しかも同年代だし。
それに、八木さんの作品は実際前述のアートアニュアル以降何度も見逃してるので、これを機にまた見てみたいと思ったのもあります。
京都芸大には桂駅からバス。
到着すると、さすがに夏休み。ゴーストタウンと化してました。
ホンマにやってるんやろか・・・と半信半疑に教室に向かう。
新研究棟に着くと一室だけ電気が点いてる。ちゃんとやってました。
入ると、びっくりするぐらいのボリュームで様々な作品が展示されてる!
もっとこじんまりと作品が置いてるだけと思ってたので、これは嬉しい。
作品は写真から映像、インスタレーションまで様々。
まずは床にレコードを割ってパターンにしたインスタレーション。
透明の反転した文書を鏡に写して正像にした彫刻。
その前には映像。
廊下の真中に2つのスピーカーを置き、ひとつは超スローで音楽が流されていて、もう1つは高速で流されている。その音楽をちゃんと聞けるように映像をいじる。すると、スロー再生のスピーカーに合わせると廊下を行き交う人々が高速になり、高速再生のスピーカーに合わせると人々がスローにといった具合。
また、海を背景にメトロノームが映されていて、メトロノームの動きは変わらないのに、背景の海が高速で波打ったり不思議な映像。
天井からはiPodのイヤフォンに蝉の抜け殻が。
奥には円形の画面に、プロジェクターが回転し1つながりの映像を映し出している。これどういう風に撮ったらこうなるのかローテクな僕にはわかりません。
さらに奥には車や道路の点滅を映した映像。
そして壁には、杉本博司の「海景」のパロディと思われる新幹線の車体の青と白を半々で撮った写真作品が笑 プライベートな展覧会ならでは。
あとレコードが牧場になってるのとか、扇風機にレコードつけた作品とか。
とにかくたくさんあってかなり楽しめました。
完全に八木良太展が成り立ってました。楽しかったです。
プライベートなので、作家が常にいて、いくつか言葉を交わしたり。
やっぱこういうのは作家と対面できるのも魅力ですよね。
今八木さんは同大学の博士課程だそうで、これから半年に1回くらいのペースでやっていきたいそうです。明日が最終日なので、時間あれば行ってみるとよいです。

関連記事>>KOBE ART ANNUAL'05
作家HP>>http://www.lyt.jp/

八木さんの代表作氷のレコード!


今日はうちのスタジオのオープニング。
最後の最後に今京都で個展開催中の僕の大好きな作家Uさん来訪!
色々お話聞けて楽しかったです。
皆さんの来訪お待ちしてまーす。

田中真吾「灯に照らされた闇」@ studio90 ♯2


今週に入って早くも秋の気配が漂い始めました。
夏嫌いの僕としてはテンションが上がりっ放しです。
早く終われー、夏。
そして、いよいよ今週末我らのスタジオでの展覧会が始まります。
昨日ほぼ完成しました。
あとは細々した仕上げをするのみ。
僕はもうオープニングを待つのみです♪
今回は鑑賞方法がちょっと独特です。
作品を鑑賞するということをよりアグレッシブに考えたアイディア。
作品の見え方がかなりおもしろいので、是非会場まで足を運んでください。
また写真に収め難い作品なんで体験するっきゃないです。
にしても展覧会する度にギャラリーがメチャクチャになっていく・・・。
次のことは次に考えよう。明日は明日の風が吹く。
僕は今のところ会期中、初日29日と毎週日曜にいる予定。
作家は会期日はずっといます。
中々アクセスの難しい場所ですがよろしくお願いします!

田中真吾「灯に照らされた闇」
studio90>>http://www.studio90.info/
2009年8月29日(土)ー9月27日(日) 13:00-20:00
土日のみオープン(9月21-23日は要予約)

DM希望の方はstudio90@live.jpまで住所と名前を明記してメール下さい。


また同時期に同期、先輩、後輩の展覧会が京都で開催。
合わせてご覧になってみてください。

Kyo-ko(麻生祥子、井上結理)「MOTHER」
2009年9月1日(火)ー9月12日(土)
11:00-19:00 (最終日は17:00まで) 日祝休
石田大成社ホール・ICB
京都市中京区丸太町通小川西入ルITPクリエイターズビル2F・3F
tel:075-211-9151/fax:075-211-9133
URL:http://www.j-kyoto.ne.jp/ishida_hall/


佐野えりか「The one not seen」
2009年9月4日(金)-9月13日(日)
13:00-20:00(最終日は18:00まで)月休
立体ギャラリー射手座
京都市中京区三条小橋東入るフジタビル地階
tel/fax : 075-211-7526
URL : http://www.galleryiteza.org

Double Fantasy 韓国現代美術展 @ MIMOCA


お盆の更新が終わったと思ったらまた遠征です。
今回は丸亀と岡山。
まずは丸亀。今韓国の若手を紹介する展覧会が行われてます。
韓国の現代美術は、今や急成長を遂げてます。
話を聞いていると多分日本なんてとっくに追い越されてるんじゃないでしょうか。
日本より遥かに美術の導入の遅れた韓国は、その遅れ故に、導入した当初から近現代美術の波を受けて、感受性がどちらかと言えば近現代美術寄り。
多くの日本人が未だに印象派信奉なのは、やはり導入時のある種の洗脳がそうさせてる部分があると見ていて、スタート地点で何に触れるかが如何に重要か思い知らされます。
なので、韓国での現代美術のステータスは日本のそれより格段に上。
アジアで最初にビエンナーレを始めたのも韓国でした。1995年にその最初の光州ビエンナーレがスタートし、1999年には釜山ビエンナーレもスタートしています。越後妻有が2000年。横浜トリエンナーレが2001年スタートというのを考えると、やはり韓国は進んでいます。(ところで幻の東京ビエンナーレなんてのがありましたがあれは何だったんでしょう?)
そんな韓国でも、やはり第一世代、ナム・ジュン・パイクやリーウーファンのような人たちは、国自体が貧しかった為に他の国での活動を余儀なくされました。
それに続く第二世代、イ・ブルやスゥ・ドーホーなど続々と国際的に活躍する作家が増えてきて、さらに今第三世代が地元韓国から世界に向けて作品を発信している状況です。
そんな第三世代を紹介するのが今回の展覧会。
ゲストキュレーターにナンジョウアンドアソシエイツの北澤ひろみさんを迎え、今まであまり紹介されてない若い世代の作品がたくさん見られる展示になってます。
さすが南条事務所出身の方だけあって、キュレーションにそつがないです。
まずタイトルの「ダブル・ファンタジー」。
この展覧会の軸を見事に言語化した言葉だと思います。
全体として現実と虚構が混ぜこぜになった作品をチョイスしていて、見ながら「ダブル・ファンタジー」という言葉がどんどん染み込んでくる感覚があります。
そして、作品のクオリティがどれも高い。
荒々しい作品がまったくなくて、すごくクリーンな印象。
なので、これが実際の今の韓国現代美術だとは思えません。
これは国の名前を冠するすべての展覧会に言えることですが、あくまで数数多有る流れの1部を切り取ったものでしかないので、それがその国のすべてとは決して言えません。でも確かに森美術館の「チャロー!インディア」や「アフリカ・リミックス」なんかは、あれだけの数が揃って、数人のキュレーターがリサーチした展覧会なら、ある程度の国の形も見えてきそうなもんですが、今回のような小さな空間(2階も企画展示になればいいのに)で、キュレーターが1人、作家が15名のみのっていう展覧会の場合は特にその国の美術として見るというよりは、ひとつのキュレーションとして見るべきです。
今回はタイトルの「ダブル・ファンタジー」を軸に見て行くとおもしろいです。
出品作家で気になった作品をいくつか。
入口にもあったジ・ヨンホの古タイヤで作られた動物の彫刻。
フォルムからマテリアルまでメチャクチャかっこいい。
ごちゃごちゃしたコンセプトが邪魔だと思う。
ユン・ジョンミの子供とその持ち物を写した作品はすごくおもしろい。
男の子と女の子が、それぞれ青いものとピンクのもので囲まれている。
それらすべてが彼、彼女らの持ち物ってことに驚かされるし、これはその子供の趣向というより、完全に親が買い与えた結果のもので、親の願望が垣間みられる。
男の子=青、女の子=ピンクという固定概念。
日本人の子供が全員太陽を赤で塗る感覚に似ている。
他の国の子供達は太陽を黄色で塗ります。
イ・スギョンの金継の立体はめちゃくちゃ美しい。
ずーっと眺めていたいぐらい。フォルムも素晴らしい。
あとはアン・ジョンジュの映像もおもしろい。
中国の衛兵交代の映像をリミックスして音楽のように映し出す作品。
いかようにも見られ、いかようにも楽しめる幅がいい。
KDK(キム・ドギュン)の建築写真は凄い。
夜中に長時間露光か何かで撮影された建築は、どこかのっぺりしていて、陰影がはっきり。まるで絵画のような表面に驚かざるを得ない。
銀座ディオールやこの丸亀の美術館を写した写真は美し過ぎます。
やはりこの美術館は美しい。
いつ来ても建築学生がいて、壁やら手すりやらをなで回してます笑
にしても谷口建築ってそのメンテナンスの行き届き方が半端ない。
SANAA建築とかすぐ汚れちゃうのに、この美術館も全然年月の経過を感じさせず、去年できたばかりと言われたら信じてしまいそうなくらい美しい。
やっぱ谷口さんの建築はすごいなー、って話反れちゃいました。
以上、そんな感じ。
韓国の美術には、中国や日本のようなセルフ・オリエンタリズムな作品があまり見られないのがいい。
というかそもそも韓国でそういった作品を作ろうと思ったらどんな風になるんやろ。
キムチ?チョゴリ?それもインパクトにかけるなー。
韓国の美術は、マイナスがすべてプラスに転じてる気がする。10月12日まで。

ところでこの美術館で務めてらした敏腕キュレーターの植松さんが昨年から国立国際に移られたそうで、この美術館の最大の魅力である独自の展覧会がちゃんとこれからも魅力を放つのか心配。実際これは!と思う展覧会も昨年から減ってる気がする。今回もゲストキュレーターさんやし。
話は変わるけど、この日街はお祭りでこの美術館が大変なことになってた。

あとさらにどうでもいいけど、この近くに平野美術館だったか名前ど忘れしたけど、変な建物にある変な美術館見つけてしまって、入ったら人が誰もいなくて、聞いたことない作家の作品ばかりが並べられてあって、すごく気持ち悪かった。しかも何故か作家全員スペイン人。スペインと丸亀とどういう関係?謎は深まるばかり・・・。


彦坂敏昭展@大原美術館
毎年若手作家を招いて、元児島虎次郎のアトリエで行われるアーティスト・イン・レジデンス。過去には津上みゆきさんや、町田久美さん、三瀬夏之介さんらがこのアトリエを借りて制作しました。そして今年は昨年のMOTアニュアルや、shiseido art eggで発表した彦坂敏昭さんが選ばれました。なんと僕と同い年の1983年生まれ。焦るわぁ笑
同い年ってこともあって、やっぱ同世代の表現は気になるのでその報告展を観に岡山まで行ってきました。
shiseidoは見逃しましたが、昨年のMOTアニュアルで見た作品は、何かのイメージをパソコンなどを使ってこれでもかというぐらい解体して、それを版画にするみたいな作品で、すごくフラットな印象があったのだけど、今回本館の最後の展示室に飾られたそれらは、色んなテクスチャーがあって、MOTの時に見た印象とまたがらっと変わりました。
天井高のスペースを活かした大画面。
3つでひとつみたいな作品だけど、つながってないようにも思える。
図像はあまり変わってないものの、色も増えて、とにかく表情豊かになってる。
MOTの時とどっちがいいかはちょっと判断がつきづらいけど、作家があのアトリエで過ごした時間の豊かさのようなものが伝わってきてとてもよかった。
実は児島虎次郎のアトリエというのは、当時のまま残していて、電気もガスも通っていません。なので、頼れるのは日光のみ!日が沈んじゃうと何もできなくなるのです。
作家は毎朝早起きして早く寝る超健康的な生活リズムに自ずとなっていき、自然の細かな差異にまで敏感になったりするのかも。
実際津上さんも、毎朝アトリエまで向かう道のりが楽しくてたくさんスケッチして、こないだの国立新美術館で発表されたニ十四節気の連作がうまれたり。
今回彦坂さんは携帯電話やインターネットも滞在期間中断ったそうです。
展示室も天窓から降り注ぐ自然光のみにされてたのがとてもよかった。
9月6日まで開催中。
この日はこれまた大原美術館がお祭り騒ぎになってて、年に1度の子供が美術館で遊んでいい日みたいになってて、展示室の床にテープで落書きしたり、絵と同じポーズで写真撮られたり、なんだかほんわかムードでした。

谷村美術館 by 村野藤吾








「東の丹下 西の村野」
と呼ばれていたかは謎ですが、丹下さんとよく並べられることの多い近代建築の巨人村野藤吾。近年再び村野ブームが巻き起こってます。
そしてそんな彼の遺作と呼ばれる作品がもしかしたらもう見られなくなるという話をmemeさんのブログで知り、これは行っておかねば!と。
この美術館自体は1月で閉館してしまったそうなんですが、あまりに閉館を惜しむ声が多かったため、8月1日から16日の間だけ特別オープンしたんだそうです。この美術館自体は以前Casaで特集があったので知ってましたがまさか閉館してたとは・・・。
チケットを買って中に入るとまず美しい開廊が迎えてくれます。
角を丸くした荒々しい壁面。
そして見えてくる美術館。
見てください、このヌメッとした感じ。気持ち悪いですね。
そして前の白砂。
シルクロードに浮かぶ砂漠の遺跡をイメージしたのだとか。
どうしてこんな形なのか?
その答はこの建物の内部にあります。
中に入ると、さらにヒダのような有機的な壁面が印象的。
木彫彫刻家の澤田政廣による仏像が展示されてます。
そして、順路通り進むと、展示室から次の展示室の仏像が見え、また次に進むと更に次の。。と言った感じで、仏像に誘われるように進んで行けるんです。
この体験は中々幻想的で、はたまたひだの向こうからいきなり人が現れたりして、ものすごく不思議な体験ができます。
内部から作り出される外部。やるなぁ・・・。
村野さんの仕事は今の伊東さんらのやっている仕事に通じるものがあると思う。
特にこのヒダの感じ。
当時の建築界といえば、モダニズム建築が旺盛の時期。
そんな中で村野さんは有機的な建築を次々生み出していきました。
時代と逆行するような孤高の存在。
時代に流されることなく己の道を貫いたからこそ今の再評価がある。
かっこよすぎます。
時代に流されないもの作り。
村野さんの作品からはそんなエネルギーが満ち溢れている。
残念ながらこの美術館はこの日を最後に再び眠りにつきます。
どうか、取り壊されないように切に願います。
日本は価値あるものをどんどん壊していきますからね。
今後この美術館がどうなっていくのか。ちょっと気にしておきたいです。
こちらのブログで内部の写真も見れます>>中年とオブジェ

ってことでお盆の旅終了!
帰りは18切符で9時間かけて家路につきましたとさ。しんど。

塩田千春「流れる水」@発電所美術館


妻有から富山へ。
戦友の実家が富山だったので、宿泊させてもらう。
夜には素晴らしい料理の数々でもてなされる。癒されました。
そして次の日朝一で向かいましたは発電所美術館!!
なんか毎年恒例になってきてるなー・・・。4度目。
この日は偶数日の為バスの運行なし。タクシー利用。皆で乗れば恐くない。

なんだかもう見慣れた感のあるゲートをくぐり拝観料を払う。
でも内心ドキドキが止まらない。
こんなにドキドキさせてくれる美術館は日本でここだけです。
入口あたりから作品の一部が見える。
ベッド、30台。
それらが高い天井から地上に向かって扇形になだれている。
んー、かっこいい。
椅子に座って「あの時」が来るのを待つ。
静寂に包まれる美術館。
たまにどこかから雫の落ちる音が聞こえてくる。
外からは蝉時雨。
山本基さんの時もそうだったけど、蝉の声がより現実から離してくれる。
ぶら下がったベッド達を眺めていると黄泉の国に誘われているかのような感覚。
にしても永い沈黙。
んーまだかなぁ。
しびれを切らして2階の展示。
正直2階の作品にはあまり魅力を感じられない。
数点のドローイングと数点のオブジェ。
特にドローイングは、確実に塩田さんの得意な所ではない気がする。
オブジェもなんだかわざとらしさが見えて何も感じない。
そんなことより2階から見るベッドの様の美しいこと。
360度眺めまくる。
それでもまだ「あの時」がやってこないので、この美術館の特徴の1つであるホールを覗いたり発電所の装置を眺めたりしてたらついにやってきたーーー!!
天井からシャワーが勢いよく放水される。
これは、すごい。
しかもそれが10分以上続いてもう何がなんだか。
いきなり美術館はスコールがやってきたような轟音に包まれる。
裏からの眺めがおすすめポイント。
ベッドからしたたり落ちる水が本当に美しい。
2階からもいいね。ベッドにあたって砕ける水。
水の色んな表情が見える。
そして放水停止。
水がベッドから滴り落ちて、やがて再びあの沈黙が訪れる。
いやはや、もう凄いの一言です。

今回印象的だったのは、ベッドの白さ。
受付に置いてあるドキュメント的な写真にも塩田さんがベッドを白く塗ってる様が写し出されてましたが、確実にこれまでとは違う。
昔ケンジタキで発表された同じくベッドとシャワーの作品(今回の展覧会イメージにもなってるやつ)では完全にベッドが錆びてて、もっとおどろおどろしいいんですよね。
やはりこれは塩田さん自身が母になった変化でもあるのかもしれません。
塩田さんの作品を評する時によく使われる単語「不安」。
それが今回の作品にはあまり感じられませんでした。
流れる水は命の水。
なんだか希望のようなものすら感じる神々しい展示。
会期も延長されたようなのでまだの方は是非。必見です。
こちらのブログで写真がたくさん見られます>>Art Lover Blog


塩田千春「流れる水」@発電所美術館
2009年5月30日(土)~9月23日(水・祝)
9:00~17:15(最終入場は16:45まで) 月休 祝日の場合は翌日休



にしても塩田さんの発表が凄まじい。
金沢・富山・新潟と北陸制覇して、東京、ロンドン、そして来週からはスイス!
どういうスケジュールになってるんやろ・・・。

<関連記事>
塩田千春「精神の呼吸」@国立国際美術館
塩田千春「沈黙から」@ 神奈川県民ホール
大西伸明 「LOVERS LOVERS」@発電所美術館
内藤礼「母型」@ 発電所美術館

越後妻有トリエンナーレ2009 3日目(十日町・川西エリア)


最終日!!
川西エリアの[77]関口恒男作品に行ったらなんと豚汁と握り飯とキュウリの浅漬けと穫れたてトマトのサービスが!!地元の人たちがたくさん作ってくださって僕らに無料で振る舞ってくれました。いやー、嬉しい。
こういう地元の人々の温かさに触れるのもこの祭の醍醐味です。

朝旅館の人に別れを告げ、最後の戦場へ。
この日はまず我が母校の[13]京都精華大学「枯木又プロジェクト」へ。
これが遠いのなんのって・・・。
母校ってよしみがなかったらこねーよ、なんてことはなく、単純に僕の好きな森太三さんが出てたのでどっちにしろ行かねばならず。



森さんは紙粘土を使ったお馴染みの「Sky Mountains」をこの旧小学校の2階に。
ひんやりとした足から伝わる触感が気持ちいい。
あとは、先生や学生がなにやらしてて、完全に地元民になってた笑
旧枯木又小学校を後にして今度は[9]旧東下組小学校へ。
今回のトリエンナーレの特徴は、こうした使われなくなった民家や小学校を使ったプロジェクトがかなり多いということ。

特に書くこともないので、そのままお次は[7]うぶすなの家。
ここは様々な陶の作品が展示されてて食事もできます。
一通り見て近くの[8]古郡弘「胞衣 みしゃぐち」へ。
これが半端なくよかった。。。すごいです。





前回2006年に作られたようなのですが、まるで古代遺跡。
植物達が自生して、凄まじいオーラを放ってました。
「神聖」という言葉がしっくりくるようなサンクチュアリー。
すごく居心地がよくて、いつまでも浸っていたかったです。
このトリエンナーレの中でもかなり上位に来る作品。必見。必体験。
続いて[3]ドミニク・ペロー。
鏡面の屋根が動くっぽいんやけどどのタイミングで動くのか謎。

続いて川西エリア!
冒頭の関口恒男の作品で虹を鑑賞し、食事を頬張り、奥の[76]柴山昌也の家の象りを見たりしながら、やはり目指すはナカゴグリーンパークの「光の館」!











行ったらちょうど屋根が動く瞬間!!急げ!!
部屋に着くと写真3枚目のような有様・・・。
皆寝転がってその瞬間を見守る。宗教だね。
寝転がって空を鑑賞。畳の上で見上げる空の青さ。ええなぁ。
内部も色々鑑賞。
あああああ、泊まりたい!!!
ここは宿泊も出来るんです。
宿泊者のみ体験できる光る風呂体験や朝焼け鑑賞大会。
トリエンナーレ期間中は予約でいっぱい。
絶対リベンジします。
タレルの空間に泊まれるなんて世界でここだけではないでしょうか。
冬の雪に埋もれた「光の家」も綺麗やったなー。

そして再び十日町へ。
最後の作品は[50]R&Sie建築事務所の「アスファルト・スポット」。
駐車場が隆起しまくってます。





2003年の作品ということですが、僕はその翌年2004年に新潟を襲ったあの地震を思い出してしまいました。すごく暗示的な作品。最初それ以降に「地震の記憶」として作られたものだと思ったので、制作年を見て驚きました。
炊き出しの地元民の方々も話してくださいましたが、あれ以来新潟の人々は地震にとても敏感になってらっしゃって、車のガソリンは常に満タンにしておくなど、備えを常にしてらっしゃるそうです。奇しくも僕らが訪れた数日前に静岡を震源とする地震があって、ちょうどその話にもなって、新潟も微弱ながら揺れたそうなのですが、もう敏感過ぎて震源がどのあたりかまでわかるんだとか。そんな話も相まってこの作品は制作時とはまた違ったコンテキストを背負った作品なのかも知れないと思うと不思議な感じがしました。
でも全然ネガティブな感じがしなくて、むしろ風景に新たな豊かさを付け加えてるようで、すごく好感の持てる作品でした。最後の最後が良作でよかった。
3日間走らせっ放しの車ともお別れ。ホントにありがとさん。

駅についたら、また地元の方々がお茶とお菓子を出してくれた。
本当に温かい。また絶対来ます!



まとめ

越後妻有トリエンナーレ。
行ってみて改めてこれは世界に誇れる日本のアートシーンだと確信しました。
行くまでは少し疑いの目もあったんです。
やはりこの規模の大きさはどうなんかな?という。
だって、総面積760k�(東京都以上!)に370の作品郡ですよ。
同じようなイベントにドイツのミュンスターで10年に1度行われる彫刻プロジェクトがありますが、こちらは自転車で回れる規模なんですね。
ここまでの規模のものって世界でも中々例がありません。
ましてや都市部ではなく敢えて地方の田舎での開催。
やはりこの地方でやるということがこのイベントの最大の魅力で、アートとの出会いも去ることながら地元民との交流がものすごくうれしいんですね。
やっぱりアートと人々の生活って密接につながってるものだと思うんです。
なんかアートって神格化されすぎちゃって、一般には近寄り難いもの、現実離れしたものっていうイメージがあるけど、そういうものでは決してなくって、日常に溢れてるものだと思うんです。まあ「日常こそアートだ」とまでは言いませんが。
アートを神格化させる1つの要因に美術館という施設がありますが、日本はこの美術館が他国に比べてダントツで多い。そこまで日本人ってアート好きやったっけ?ってくらいの勢いなんですが、これはただのステレオタイプ的な考えで、とりあえず手に負えないものは箱に入れておけみたいな考えがあるんじゃないでしょうか。
今回のトリエンナーレには美術館というものがありません。
代わりに使われなくなった民家や小学校を利用したり、はたまたほとんどの作品が野外にあったりします。そしてそれらが見事に魅力を放っている。
20世紀に登場したホワイトキューブの終焉を見た気がしました。
やはり、均質より個性を皆求めているんだな、と。
その点でもこのトリエンナーレは個性的だし、広がりつつあるグローバリゼーションの波に平気で拮抗するローカリゼーションの底力が凄まじかったです。
日本のトリエンナーレといえば、もう1つ横浜トリエンナーレがあります。
はっきり言うと、もう横浜はやめた方がいいと思います。
全然個性がないし、世界に向けて日本もとりあえずなんかやらなきゃ的な雰囲気がありありと感じられちゃうんですよ。
世界と同じようなことをやっても、誰がわざわざこんな極東の島国までやってくるんだ?ってことをもっとよく考えないといけません。それならヴェニスや他のビエンナーレに行くのが常識でしょう。
でも越後妻有は世界でここでしか見れないんです。
実際、こんな地方でやってるにも関わらず都市部で行われてる横浜より動員人数が多いという話もありまして、しかも妻有の場合、皆ほとんど最低1泊はしてるんですよ。それでこの人数はすごい。
実際行った時も車の数の多さにびっくりしました。
少し暴力的な面も否めないし、すべての地元民が賛成してるとは決して思えないけど、でも地方の活性化に役立ってることは間違いないです。
そしてリピーターが多いのもこのトリエンナーレの特徴で、そこまで毎年作品の入れ替えがあるわけでもないのに行こうと思えるのは、純粋に皆こうした体験を求めている証拠なんだと思います。
発起人の北川フラムさんが、都市部の若者を中心に結成したボランティア集団こへび隊の活動を見て、田舎が都市の人間を必要としてる以上に、都市が田舎を必要としてることがわかって驚いたといったようなことを仰ってましたが、それは真実なんだと思います。
このトリエンナーレは明らかに時代と逆行した考えに基づくお祭りです。今の流行はショッピングモールやシネマコンプレックスというように、そこに行けば何でも揃うというのが主流で、こんなおもちゃ箱をひっくり返したような広い範囲に散らばった作品をわざわざ新潟まで観に行くという、途方もない行為は時代の流れからするとあまり好まれないもののはずなんですが、それでも皆えらい思いをしてまでやってくるのは、便利さだけでは済まされない人間の生理みたいなものすら感じられて、なんだか希望が持てちゃいます。
このトリエンナーレがずっとずっと続くことを僕は心から願ってます。
でもやはり最大の弱点はあまりに北川さんの負担が大き過ぎるということ。
2000年に始まったこのイベントですが、ずーっと北川さんが引っ張り続けています。
作品の選定もほぼ一人でやっちゃってるし、そろそろ次にバトンを渡す準備を始めないと、北川さんも決して若くないのだから、と勝手な心配をしています。
ミュンスターもこの40年間1人のディレクターがやっていて、そろそろ世代交代の声が叫ばれている所で、今後お互いどうなるのか不安と期待が入り交じります。
そして気になったのは、やはり北川フラムという人間がやってる以上、彼が関わる他のプロジェクトも似通り始めているということ。
今回もアートカレードスコープと同じ作家が何人かいましたが(むしろカレードスコープは妻有の作家を何人か招待したもの)、来年から始まる瀬戸内海国際芸術祭にもボルタンスキーを始め、同じような作家がエントリーされています。
この妻有での成功は、他の地方でも注目されていて、実際新潟市の方からもオファーがあり実際北川さんが手がけて現在開催中ですが、これらがあまりに普及すると、お互いの個性が相殺し合わないかと危惧しています。
個性から始まったはずなのに、いつの間にか均質になってしまう。
これほど悲しいことはありません。
こうした地方のアートイベントが増えるのは大変喜ばしいことですが、お互いがいい方向に共存できるように、何か手だてを考える必要があると思います。
ところで、artscapeにこのトリエンナーレに関する記事が出ています。コチラ
少し偏った記事ですが、村上隆と北川フラムの対比などおもしろい部分もあるので、興味のある方は読んでみてもいいと思います。



最後にこれから行く人にいくつかアドバイス!
今回のトリエンナーレは9月13日まで開催してます。
10月3日から11月23日までの期間で秋の芸術祭も開催するようですが、概要はまだ発表されてないようなので詳細はわかりません。
なので、行けるなら今やってる期間中に行くのがいいかと。
まず最初のポイントは拠点をどこに置くか、です。
僕らは十日町を拠点に動き回りました。
十日町は駅周辺にも旅館が多いし、レンタカーも借りれます。
なので十日町がおすすめ。
駅ではパスを販売してるので、そこで予め買っておきましょう。
そして服装はなるだけ身軽に。靴はサンダルがベスト!
交通手段は、バスやら自転車やらありますが、なんといっても車が便利。
僕らは駅前にある地元の美雪レンタカーで借りました。1日¥5250。ナビつき。トヨタもありますが、調べたらこっちの方が安かったので。
ただし、ナビはあまり役に立たないというか、目的地設定をどうしたらいいのか悩みます。なんせそこら中に作品が散らばってるわけですから・・・。
駅で作品マップが100円で売られてるので買っておくとよいでしょう。
あと、美術手帖別冊のガイドブックはマストバイです。
買ってしばらくその広さに呆然として5日ほど放置しましたが笑
だって、東京都以上の面積ですよ?作品数370ですよ?
明らかに僕のスケールを上回ってました・・・。
でも気を取り直して研究を進めると、ある真理に行き着きます。
それは、「如何に見るか」ではなく、「如何に見ないか」です。
ここ重要。線引いときます。
370すべての作品を見ようと思ってはいけません。
全部見ようとするならそれこそ最低一週間は必要でしょう。
ルーブル美術館の見方とおんなじ。
モナリザ、ニケ、ミロのヴィーナス以外はつけたしでオッケーなのです。
ということで、まず必ず見たい作品をピックアップしておきましょう。
そして、その道沿いにないものは、よっぽどでない限り容赦なく切り捨て御免。
段々切り捨てるのが快感になっていきます(ぉ
そして導きだしたのがこの黄金比ッ!

これを作品のバイパス手術と呼んでました。
この手術の結果、かなりの数の作品は削られましたが、まあ仕方ないってことで、旅の内容は2泊3日で決定。結果的には1日目と2日目入れ替わってますが。
そしてこれがまたびっくりするぐらい計画的に回ることができまして、予定してた作品はすべてコンプリートできました。車とか運転できないんで、作品を見てきた経験からくる勘で練り上げた計画でしたが、見事でした。我ながらすごい。野外にある作品はいつでも見れるけど、屋内のは10時~17時半までの間しか見れないのですが、ちゃんと毎回17時半ぎりぎりに終えられてましたし。
天気にも恵まれました。予報ではほとんど雨やったんですが、ちょっと降ったぐらいで、基本的に晴れてて、そんなに暑くもなくちょうどよかったです。やはり僕の晴れ男神話は続いているようです・・・。
皆さんもこれらの方法でうまく回ってください。
ちなみに十日町市内の作品はほとんど見てません。見ないでいいと判断したわけですが、キナーレの温泉は行ってみてもいいと思います。
最後の最後に僕が見た中でマストな作品をピックアップ。参考になれば。
[8]古郡弘「胞衣 みしゃぐち」(十日町)
[23]アントニー・ゴームリー「もうひとつの特異点」(十日町)
[24]石塚沙矢子「うかのめ」(十日町)
[28]J.カーディフ&G.ビュレス・ミラー「ストーム・ルーム」(十日町)
[31]行武治美「再構築」(十日町)
[38]福武ハウス2009(十日町)
[50]R&Sie建築事務所「アスファルト・スポット」(十日町)
[63]ジェームス・タレル「光の館」(川西)
[90]瀧澤潔「津南のためのインスタレーション つながり」(津南)
[147]まつだい雪国農耕文化村センター(松代)
[214]鞍掛純一・日本大学芸術学部彫刻コース有志「脱皮する家」(松代)
[215]同「コロッケの家」(松代)
[223]越後松之山「森の学校」キョロロ(松之山)
[232]塩田千春「家の記憶」(松之山)
[234]C.ボルタンスキー+J.カルマン「最後の教室」(松之山)
[240]マリーナ・アブラモヴィッチ「夢の家」(松之山)
僕もまだまだ見てない作品があるので今度来たらまた補完したいです。
今週23日のNHK日曜美術館で特集があるのでそちらもチェックです!

さて、旅はまだもう少し続きます・・・。

越後妻有トリエンナーレ2009 2日目(十日町・中里・津南・松之山エリア)


2日目。
トリエンナーレは何度も建物の中に入ったりするので靴の脱着が大変。
なのでサンダルがベストシューズなのです。
僕はサンダルだったのですが、友人2人が靴で参戦してて、どっちも1日目でその大変さに気づき駅前の100円ショップでルイ・ヴィトンよろしくなアナグラムサンダルを購入して2日目にのぞみましたとさ。

さて、この日は4つのエリアを巡る壮大な旅。
まずは十日町の南を攻める。
早速道間違えて、見る予定のなかった[25]の小川次郎の作品などを見る。
そして[24]の石塚沙矢子の「うかのめ」。

米粒が天井から床に張られた糸にくっついてます。
家の中にあったと思われる食器や家具までもが浮かんでます。
どこかで見たことあるなと思ったら 大阪アートカレードスコープ の作家だ。
米は炊いてその米の粘着で貼付けている。
と思いきや、普通にボンドらしい。くっつきが悪いらしい。そこだけ残念。
でも概して良作。

そして本日の見所1のアントニー・ゴームリー!

ホワイトキューブに展示されてた同昨の写真が公開されてたけど、今回は空き家になった古民家を使ってて断然こっちの方がいい!!
針金と思ってたけどロープで出来た人型。写真ではわかりませんかね。。
いやぁ、さすが力あります。
ところで、冒頭で靴の話しましたが、ここで僕らの前の客が普通に土足で入っていきやがって、床が汚れてしまいました。常識でわからんもんかね。非常識な行動はやめましょうね。

駅の方角に戻って、国道沿いに面したこれも使われなくなった古民家(元歯医者)を使った、[28]ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーによる「ストームルーム」へ。

これはかなり楽しいです!
家の中で嵐が起こってます。
窓の外は大雨。雨漏り。雷鳴。轟。停電。
でもなんで舞台裏を見れるようにしちゃったんやろ。一瞬興ざめ。
なんしかすごくいい作品ですね。

続いてさらに南下して[31]行武治美の「再構築」へ。



こちらもカレードスコープで見た作家。
小屋に丸い鏡が貼付けられてあって、風でちょっと揺れてすごく綺麗。
中に蝶々が飛んでてさらに幻想的でした。

中里エリアへ突入。
このエリアはほとんどすっ飛ばしました。
見たのは[119]山本想太郎の「建具の庭」、[123]ケース・オーエンスの「ストーン・フォレスト」、[122]リチャード・ウィルソンなど。
特に報告すべき点なし。

そのまま津南エリア。
ここではなんといっても[90]瀧澤潔の「つながり」が最高でした。
元繊維工場を利用した、清々しいインスタレーション。
1階は蝋で固められたTシャツ達が明かりとなって並び、奥にはハンガーの滝。
2階では一点外の明かりが気持ちよく入り、風が天井のてぐすを揺らす。
すんごく気持ちよかった。良作!
その後マウンテンパーク津南に向かう。
BBQやキャンプなどしてる人々でにぎわう牧歌的風景。
注目は[94]蔡國強のドラゴン現代美術館だろう。山奥に登って行くと登り窯がそれ。中では馬文が墨汁のインスタレーションを行っていたけどよくわからなかった。実際に窯として使われてるのか周りの草が真っ黒になってたのがちょっとかっこよかった。
あとは色々見たけど特にいいと思ったものはないのでスキップして松之山エリアへ。

山道をくねくね。登ったり下ったり車さんホントありがとう。
ここは見所たくさんのエリアです。
まずは大厳寺高原へ。
[247]村岡三郎氏の「SALT」。



タイトル通り中には17tもの塩がぎっしり!
真中にガラスが突き刺さっててスピーカーが。
制作された2000年にはスピーカーから町の音が流されたそうで聞きたかったなぁ、などと思いを馳せる。相変わらず荒々しさの中に緊張感漂うかっこよさ。
その横には[251]スラシ・クソンウォンの8mの大きなブランコが。思わずハイジの気分でこぎまくりました♪
でも注意書きに「乗らないでください」と書かれてた。
そんな阿呆な!
皆無視して乗りまくってました。
ここで時間もできたので遅めの昼食。ラーメンをすする。

またまた車を飛ばして迷いまくってなんとか辿り着いたのは[240]マリーナ・アブラモヴィッチの「夢の家」!





宿泊可能な「作品」。
ここも1度泊まってみたいなー。
宿泊者は、ハーブの浮いた風呂で体を清め、もこもこスーツに身を包み、棺桶の中で眠ります。そしてその中で見た夢を「夢の本」に綴っていくのです。
「夢の本」は実際に読むことができて面白かったです。
果たしてこの棺桶の中で安眠できるのかは疑問ですが・・・。

そんな「夢の家」も後にしてお次はキョロロ!



手塚貴晴+手塚由比による建物。
テートモダンを思い出しちゃう。
上から見ると蛇のようにうねってて中々面白い形。
錆びた外観がかっこいい。
塔の上まで登ることができる。階段で!疲れた・・・。
中や外をうろちょろして次の目的地へ。

今回の注目作の1つ[232]塩田千春「家の記憶」。





いやぁ、素晴らしかった!!
家中黒い糸で覆い尽くされてます。
蓑や古道具が糸で重力を失ってる様は圧巻。
「Trauma」シリーズがインスタレーションになったような感じ。
いやぁ、やっぱやってくれますね、塩田さん。

そして最後は[234]クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマンによる「最後の教室」で本日のノルマフィニート!
もと小学校をすっかりボルタンスキーワールドへ。世界唯一のボルタンスキー美術館といっても過言ではないでしょう。



暗い展示が多く、僕のカメラではほぼ真っ黒な画像しか残せませんでした・・・orz
体育館には干し草が敷き詰められて、ベンチが置かれ扇風機が回ってる。
裸足で歩くとめちゃくちゃ気持ちいい。
奥の光に向かって歩く廊下。壁には真っ黒な額縁。恐い。
階段上ると古着が積み重ねられたボルタンスキーの代表作が。
2階の理科室(?)の心音のライトはすごい迫力。
でもこれラファエル・ロサノ=ヘメルの作品とかぶってない?
他の教室は机や椅子が積み重ねられその上に白い布が。意味深。
3階はガラスの棺桶にライトが入ったインスタレーション。
んー、お化け屋敷と言われればそれまでやけど、なんか不思議な体験。
会場では来年瀬戸内海で発表されると思われる心音の作品の為に、1000円払うと自分の心音録音してもらえるってんで登録しようと思ったら機械の故障・・・畜生!
ということで2日目も予定通り終了!
我ながら完璧な計画や!

夜は十日町のキナーレ内にある温泉で天国へ。

越後妻有トリエンナーレ2009 1日目(十日町・松代エリア)


越後妻有トリエンナーレに行ってきました!
4度目の夏。初参戦です。
前回2006年はちょうどロンドンに行ってしまっていたので。

7時に東京を出て、十日町に着いたのは10時。
そこからレンタカーを借りていざ出発!
まずは十日町の西エリアを攻めます。
[32]のヒグマ春夫作品を経て[33]の田島征三の作品へ。
閉校した真田小学校全体を使ったわんぱくな作品。


早速体力消耗。先が思いやられる・・・。
そして「本日の見所」その1、[38]の福武ハウスへ。

ここはベネッセの会長兼このトリエンナーレの総合プロデューサーも務める福武總一郎氏が手がけるアート空間。ここも元小学校で、ここに日本を代表する7つのギャラリーと中国、韓国のギャラリーが集う。2006年スタート企画。
今回なんといってもケンジタキから出てた渡辺英二の「蝶俯瞰図」が絶品。
図鑑から蝶の姿を切り抜き、スペースである教室の天井いっぱいに貼付ける。
まるで世界中の蝶がこの妻有に集合したような。
あと、小柳のヘレン・ファン・ミーネの作品も音楽室と楽譜台に立てかけられた写真作品ってのがすごくよかった。見応え抜群。

ここで昼食。野菜カレーをいただく。
幾分か体力も回復させて次の[37]の小林壮の「空地小屋」へ。





ピラミッド小屋に入るとびっくり。
穴を掘って、さらに真中は深い穴が続く。
その穴には何やらスライドが投影されてて、それがこの作品の肝らしいけど、僕はそれよりやはりこの穴自体に興味津々。
大雨で崩れることはないの?
どうやって掘ったの?
いやぁ、なんか自分のやりたかったことに近くてちょっと悔しい。

さて、旅は続いて松代エリアに突入。
ここは、「越後妻有トリエンナーレと言えば」的な作品が密集してる。
例えば[150]の草間さん。


[147]のイリヤ&エミリア・カバコフ。

僕はこの文字も塔のように建ってるんだと思ってて、最初冒頭の写真のような棚田の風景を見た時は焦りました。やっぱ危険だから取り外されたのか!と。でもこれは文字越しに棚田の風景を見るという作品だったのですね。理解理解。

でもなんといってもMVRDVの農舞台でしょー!!(見所2)









これぞMVRDV!と言った建物。
この宇宙船みたいな建物の中に入るのがとても興奮する。
そういやここのレストラン美味しいって聞いてたんだ!
と思ったけど席待ちでいっぱいだったので前もって食べてて正解。
我々に立ち止まってる暇などないッ!
最後の写真は川口龍夫の「関係ー黒板の教室」。
部屋全体が黒板で落書き可能。楽しい。
ちなみにこの周りはホントに作品が密集してるので一気に見れます。

一通り見て、松代の西端まで走る走る。
途中の作品も次々車から目視。
そして辿り着いた先は本日の見所3[214]「脱皮する家」!





家全体が彫って彫って彫られまくってます。
まだまだ余白があるので、これからも彫られ続けるんでしょうか。
脱皮下駄なんてのも登場。3000円で販売中。
裸足で歩いた時の気持ちよさが半端ない。
2階で横になって危うく眠りそうになりました。。。
お次は隣の[215]の「コロッケの家」。





金属が吹き付けられた家。
「脱皮する家」が彫るというマイナスの行為ならこっちはプラス。
全身メタリックな家は、これまた気持ちいい感じ。
そんな家達ともおさらばして、来た道を一端引き返し北へ。
[199]リチャード・ディーコンなどの作品もどんどん目視。
[198]川俣正のアーカイブ施設に立ち寄る。
川俣さんならではのアプローチで意外に楽しい。
[200]クロード・レヴェックの作品や、[202]マーリア・ヴィルッカラの作品などを見るがあまり心に響くものはなく。
最後は[201]のみかんぐみでフィナーレ。
後半よくわからんかったけど、なんとか一日目計画通り終了。
2日目につづく!!

大巻伸嗣「絶・景 真空のゆらぎ」@TWSshibuya


今回もたくさん展覧会を見ましたが、最も度肝抜かされた展覧会。
この会場自体初めて行ったんですが、日本でここまでの展示ができるのか!と。
大巻さんの作品自体凄いと思うけどここまでさせたギャラリーが凄い。

まず、入ると砂のような黒い粒子のピラミッドがあります。
しかしそれは人の手が加わったというより自然に作られた形に見えます。
階段で2階に上がると信じられない光景が・・・。
そこには凄まじい量のその黒い粒子が積層されてる。
まるでウォルター・デ・マリアの作品を思い起こさせます。
そしてこのギャラリーに来たことある友人の一言。

「あれ、ここって吹き抜けちゃうかったっけ?」

そうなんです、今回の為にわざわざ吹き抜けを埋めてるんです。
しかも、結構な重さを支える為に仮設といえどかなりの強度が必要なはず。
木製パネルをはめ込んだだけじゃ無理でしょ、多分。
これを実現するには半分工事に近いことをせなあかんかったはず。
そして、奥の方が逆ピラミッドに凹んでるのを見てハッとします。
下のピラミッド。
あれは天井の穴から落ちてきた粒子が作り上げた形だったのか!と。
まるで砂時計のように落ちる粒子。
オープニングではその落ちる様が鑑賞できたようで、全員防塵マスクと眼鏡を着用してその落ちる様を見ていた様子。いいなー、見たかったなー。
でも、穴を塞いだわけではなく、今は重みで落ちてこないだけで、揺れたりするとたまに落ちて来るそうです。すげー。天井ごと落ちてこないことを祈ります。
んーー、まさに「絶景」。
ちなみにこの黒い粒子。
ゴミを燃やして出来るスラブだそうで、今回の展覧会は環境問題にも言及した展覧会で、今回大巻さんが1年かけてリサーチした報告展のようなものらしい。
また、奥の部屋にもこのスラブが敷き詰められていて、なんと小さな池のようなものまでお目見え。。。すごいの一言。
1つは舟が浮かんでいてカモメの映像が流されてる。
まるでゴミの島から街を眺めてるような体験。
さらに奥には焼却炉の映像が水面に映ってまるで黄昏時の空のよう。
いやはや、「絶景」。
大巻さんは、いつも身近な素材でまったく別の世界に連れてってくれるけど、今回もまた度肝ぬかしてくれました。ホントにいい展覧会だと思います。

大巻伸嗣「絶・景 真空のゆらぎ」
トーキョーワンダーサイト渋谷
2009年8月1日(土)-11月8日(日)
11:00-19:00 月曜休 (祝日の場合は翌火曜日休)



名和晃平「L_B_S」@エルメス銀座
早く行きたい早く行きたいと思ってた展覧会。
もう、色んなブログ等で紹介されてて、もう観に行った気にすらなってた笑
多分今東京でやってる展覧会の中でも抜群の人気でしょう。
入ってすぐのエルクのBeadsは噂には聞いてたけど本当にでかい!
あんな水晶みたいなのがよくくっついたな、と素直な驚き。
このレンズ・ピアノの作り上げた空間にとてもマッチしてる。
建物のセル状のガラス格子がビーズのセルに取り込まれる様は美しさの極み。
Scumシリーズも今までとは全く別の展開。
具象化した発泡ウレタンはすごく細かい粒子で、定着するまでの過程をこないだのレクチャーで聞いてたのでマジマジと見てしまった。
でも一番感動したのはLiquidのシリーズ。
あんなに生々しい動きをするなんて。
名和さんの彫刻の概念を覆す最もアグレッシブな作品だと思います。
いつまででも見ていたい世界観。お見事です。9月23日まで。
しかしなんでこのエルメスのギャラリー公式サイトないんやろ・・・。


「neoneo展 Part1[男子]」@高橋コレクション日比谷

何かと話題の高橋コレクションの新スペース。
先日上野の森で高橋コレクション展が開催中に草間彌生展がやってて、観に行こうかと思いましたがパスして、今回のは中々面白そうだと思って観に行きました。
その先日の展覧会に出品されてた作家よりさらに若手の男性作家をフィーチャーした展覧会。「ネオネオ・ボーイズは草食系?」と題されてましたが、なんかまさにそんなタイトルがぴったりというか、なんかぐいぐい攻めてるって感じの作品はなかったです。
でもその感じがなんだか微笑ましくて、中々楽しめました。
会場全体にアンニュイな雰囲気が漂ってる感じでこれだけヴァラエティーに富んだ作品が並んでおきながら、全然雑多な感じがなかったのが印象的。
注目の佐藤允や彦坂敏明等の僕と同世代の作家の作品も見れたし、特に最初の谷口真人の作品にはやられた。透明なアクリル板に絵の具がこれでもかってもられてるんやけど、奥の鏡で見ると、ただ凡庸な少女が映ってて、セル画の要領なんだがばかばかしくて笑ってしまった。
あと入口の田中功起さんの作品が相変わらずいい。ってかこれをコレクションしてる高橋さんって相当変人だと思う笑
いやー、10月から始まる女子展も楽しみ。こっちは肉食系?
男子展は10月18日まで。入場料300円要りますが安いもんです。


「Stitch by Stitch」@東京都庭園美術館

この流れでオペラシティの鴻池朋子展に行きたかったのだけど、時間の関係でお盆期間中は8時まで開いてたこの美術館へ。学生の頃1回来たことある以来だ。
「刺繍」をテーマにした展覧会。
着いたらちょうどギャラリーツアーがやってて、奥村綱雄さんの作品解説がされてるところだったので聞いてみる。
初めて見た作家やけど、今回ダントツでおもしろかった。
「夜警」と題されたその作品。
美術好きならまずこのタイトルを聞いて思い出すのはレンブラント。
でも、これは実際この作家がバイトでやってる職業。
なんとこの人、夜間の警備員やりながらひたすら刺繍してるんです笑
刺繍といってもものすごい細かさでびっくり。
一時間で縫える面積が驚く程小さく実際に展示された作品たちがどれだけの時間かけられたのか考えると気が遠くなってしまう。
これがまさにこの作家の糸、もとい意図で、時間を作品化してるんやって。
サイズも他人に怪しまれないようブックカバーサイズ。
にしても刺繍が細か過ぎてディテールを見られると明らかにおかしい人だ笑
実際刺繍してる作家の写真がかなり笑える。
このネタでロッジがコントしてる映像を一人で妄想してました、すいません。
あとは色々出てましたがなんかピンとこなかった。
手塚愛子さんも、なんであんな具象的な像に手を出してしまったんだろう。
せめて布のパターンとかにしたらいいのに・・・。
清川さんの作品も絶対造花より生花にした方がおもしろいのに。
そして、この展覧会を見た多くの人がいってるように、青山悟さんの不在はこの展覧会に大きな痛手を残してる。彼はミシンを使ってるからだめなのか?手じゃないとだめなのか?少なくとも「手作業」を押し出してる展覧会ではないように思えましたが。9月27日まで。


飴屋法水「3人いる!」@リトルモア地下

最近燃えてる「舞台を観よう!」キャンペーンの一環。
今回は作家の飴屋法水氏が演出する舞台。
行った日がちょうど最終日だったので思い立って当日券購入。
とても小さな劇場でなんかアングラな感じでいい感じ。
でもなんかちゃんと舞台しててびっくりした。
作家がやる舞台なのでもっとアートなのを期待してたんだけど。
こないだ高嶺さんのとは大違い。
でもまあ、内容としては楽しめました。
ドッペルゲンガーのように、自分と名乗る他人が現れて、その自分は他人には見えなくて、みたいなすごい複雑な設定で、出演者の3人とも別の自分がいるってことになってて、その3人が交互に入れ替わるもんだから、途中まで整理して観てるんやけど、全然わからんくなって、まあいいやってなって、そのわけわからなさを楽しんでました。
多分出演者もこんがらがってるような節があって、後で考えるとあれあそこであの台詞はおかしかったよなーなんて思うけどそれもこれもどうでもいい。
混乱が楽しかったです。
出演者は12日間の公演中毎日違って、内容もすこし違うみたい。
僕の時は男・女・外人の組み合わせでした。
ogawamaさんのブログでは途中で飴屋氏のパフォーマンスがあったらしい。
見たかったような見たくなかったような・・・出血ですか?
他はどんなやってんやろ。
もっと色んなパフォーマンスが見たい!


ARCHITECTURE JAPAN 2009
再来年ポンピドゥーで開催される日本の建築展に先駆け、いくつかのギャラリーが合同で企画した建築展。
TARO NASU青山|目黒はお盆休みで休んでたのでそれ以外を鑑賞。
TARO NASUは1度行ってみたいんやけど結局いつも行けてない。。。

まずはこの展覧会のプラットフォームを果たすGYRE
伊東さんのアメリカでの美術館やら隈さんのABCビルやら色々展示されてるが、雑多過ぎてよくわからない。菊竹さんの海上都市のプレゼンは手書きでちゃんとレタリングされてるのに感動したり。

気を取り直してギャラリー小柳へ。
ここでは「石上純也+杉本博司」展がやってます。
2人が絡んでたらメチャクチャおもしろいな、と思ってたんやけど、2人まったく別々で見せてます。絡んでたらもっと話題になるか。
杉本さんは今までの建築作品の模型や写真を中心に展示。
建築シリーズの「サヴォア邸」の作品なんかも展示。
「海景」作品は護王神社の模型を覗くとホントに直島と同じ風景が!
石上さんはKAIT工房の模型が圧倒的な美しさを放ってました。
2人ともグッゲンハイムNYのプランを出してたけど、これ何かのコンペ?
杉本さんは建物そのものをカメラに見立ててました。
石上さんのプランは相変わらずメルヘン。花畑にキリン・・・。
次回小柳は杉本さんの新作展。こっちも期待。

続いて清澄白河のギャラリーコンプレックスビルへ。
大学時代に行ったっきりで案の定一瞬迷った。
普通の運送会社のビルなのでわかりにくい。
hiromiyoshiiでは「生成の世代」と題して、藤本壮介さんや中村竜治さんのような今ぐいぐいキてる70年代生まれ以降の建築家をピックアップしてます。
にしても作品解説もなく、いきなり模型だけ見せられても・・・って感じ。
藤本さんとか前もって知ってるからいいけど、他の建築家はほとんど知らなかったりして前知識がないと中々むずかしいです。
あと、何気にアートの展覧会も普通にやっちゃってるのが謎。
タカイシイでは、ギャラリー自体は閉まってるものの、平田晃久さんの新作照明「Flame frame」が見られます。
メタルな炎を讃えた様な複雑な照明。
数あると中々の迫力。平田さんは伊東事務所出身の人です。
この照明は年末まで展示されてるそうです。
そして横綱小山登美夫ギャラリー「建築以前・建築以後」と題して鈴木布美子さんのキュレーションの元、会場設計を西沢事務所が手がけ、出品建築家も、菊竹清訓, 伊東豊雄, 妹島和世, 西沢立衛, SANAAという恐ろしく豪華な内容。4世代にまたがってます。(伊東さんは元菊竹事務所出身、妹島さんは元伊東事務所出身、そして西沢さんは元妹島事務所出身)
かなり見応えがありました。素晴らしい展示です。
まず6階のSANAAのローザンヌの模型は素晴らしいです。
確か妹島事務所観に行った時廊下に落ちてたやつもローザンヌだったような。
いやぁ、この建物はホント竣工が楽しみすぎる。
7階。西沢さんのHOUSE Aの凄まじい量の模型は圧巻。
1つの建物に一体何個の模型が存在するんだ。。。
妹島さんの犬島でのプロジェクトは初めて見た。相変わらずすごいことになってそう。
伊東さんのノルウェーでの図書館のプロジェクトを紹介。
プロフェッショナルで見た模型やドローイングが生で見れる!
気が遠くなる作業だ。。。
そしてなんといっても凄いのが菊竹さんの「海上都市計画」。
こういうことを今やると鼻で笑われそうだけど、これを本気になってやってた時代があったということに感動を覚えるし羨ましく思う。
もはや歴史的価値すらある模型や映像。
映像では実現に向けてのプレゼンがすごい迫力で迫ってくる。
そんな映像を見てたら外からなにやら聞いたことがある声が。
気になって外に出るとなんと長谷川祐子さん!!!
相変わらず早口で小山さんになにやら話しかけてました。
近くに東京現美があるからしょっちゅう来はるんやろか?
妹島さんと一緒にプロジェクトやってることもあるしね。

ところで、最近出た伊東さんの本西沢さんの本がアツい。
伊東さんのは海外の本で、日本のamazonで買ったら最初1万近くしたので、またイギリスのamazonを利用させてもらった。でもその直後にいきなり下がって、1000円ぐらいしか得しなくなった。まあ得してるからいいんやけど。でもさらにこないだジュンク堂で6000円で売ってたのを見た。それでも数百円は得してるんだい。
この本は写真が満載でしかも初期の作品から最新の作品まで網羅されてて、今出てる伊東さんの本では一番いいんじゃないかと思う。なんで海外からなんだ。そしてこの本はすぐに日本語訳されて出そうな気がする・・・。実際文書寄せてるのもDana Buntrock以外は伊東さん本人と五十嵐太郎、山本理顕氏やし・・・。坂さんのも日本語訳のが出てるしなー。出たらまた買ってしまいそうで恐い・・・。
装丁がMIKIMOTOの穴とせんだいが合わさってかわいい。
西沢さんのは対談集。西沢さんはいちいち天才すぎるので、一人の文章だと普通に何言ってるのかわからない時があるのでこういう対談の方が向いてる気がする。
原さんの研究家のような西沢考察から、伊東さんのたまにドキッとするような鋭い言葉、妹島さんとの改まった対談など、かなり内容が濃いが、藤本壮介さんとの対談が一番おもしろい。
建築だけでなくエコ問題とかにも及んでて、すごく興味深い。
とにかく豪華な内容。おすすめです。

ファーレ立川&ミューザ川崎

お盆アート合宿から無事帰還しました。
これから続々とその成果をアップしていく予定。地獄だ。

さて、まずは東京。
出発当日の朝静岡で地震発生。
おかげで東名高速が一部崩落してしまって、高速バスが出発するのか危ぶまれましたが、なんとか中央高速を通ってなぜかオンタイムに到着できました。
そして真っ先に向かったのが立川。
ここには北川フラム氏が手がけた野外彫刻プロジェクト「ファーレ立川」があります。
ビルの立ち並ぶ中に100以上の彫刻が紛れてます。
全部見てたらキリがないのでいくつかピックアップ。

フェリーチェ・ヴァリーニ「背中合わせの円」

ある角度から見ると真円になるオプなアート。
結局写真は真円にならず・・・orz

藤本由起夫「耳の椅子」

椅子濡れてて座れずじまい・・・orz

アニッシュ・カプーア「山」

マジでカプーア?微妙・・・orz

マリーナ・アブラモヴィッチ「黒い龍―家族用」

体を壁にとりつけられた大理石に押し付けます。
何気にファーレ立川で一番好きやったかも。

レベッカ・ホーン「禅庭のためのエネルギー・バロメーター」

松の木にぶら下がる円錐。これもよかった。

ドナルド・ジャッド「無題」

普通に通り過ぎかけてしまった。。。
ジャッドの遺作らしい。

まあ、こんなとこでしょうか。
他にも川俣正、宮島達男、ジョゼフ・コスースなどの作品もあります。
にしても、正直このプロジェクトは成功と言えるのか疑問です。
まず作品があまりに風景に埋没しすぎてるのが気になりました。
風景に溶けているというより埋没といった方が僕の印象。
あまりに存在感がないんですよね。
普通これだけの作品があったら、なんだか街の様子が異常な感じになるようなものなのに、ほとんど作用してないというか、ほとんどの人々は無視状態。
言われてみればあるね、といった感じ。
そして、作品の質感が似通ってる気がしました。
野外彫刻なので風雨に耐える必要性から、素材はかなり絞られてくるとはいえ何だかいつも面白い作家も凡庸に見えてしまいました。
そんな中アブラモヴィッチとホーンはまだ自身の作品スタイルをほとんど崩すことなく設置できてるので見ていて満足感が得られました。
都市と彫刻という問題を考えさせられるプロジェクトですね。
ファーレ立川 http://www.gws.ne.jp/tama-city/faret/faret.html



お次は川崎駅に隣接のミューザ川崎へ。
ここにもいくつか現代彫刻が置かれてます。
まずは手前が鴻池朋子、奥が土屋公雄の作品。


しかし最大の目的はなんといってもアニッシュ・カプーア!





いやぁ、やっぱカプーアはこうでなくっちゃ!
ファーレのは一体何だったんでしょう・・・。
これで国内のカプーアの常設は全部制覇!のはず。

ミューザ川崎 http://www.shimizuoffice.com/japanese/public/project/muza/muzatop.html


お ま け

ファーレ立川にあった注意書き。シュールだ。。。

田中真吾「灯に照らされた闇」@ studio90

大雨、地震、竜巻と自然の脅威をもろに感じる夏ですが皆さんお元気ですか?
この夏もstudio90にて展覧会を開催します。
今回もまたまた力の籠った展示ですので、遠いですが是非お越し下さい!
期間中は常に作家が在廊しています。
僕はいつ行けるかわからないので、僕に会ってやろうなんて希有な方はその旨お伝えください。できるだけ日にち合わせますんで。
DMご希望の方はお名前と住所を明記の上studio90@live.jpまで。
発送は16日以降になりますのでご了承ください。
なお、前回に送付された方や来訪者には既に配布済みです。
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田中真吾「灯に照らされた闇」
studio90>>http://www.studio90.info/
2009年8月29日(土)ー9月27日(日) 13:00-20:00
土日のみオープン(9月21-23日は要予約)

Shingo Tanaka 'Lightning Darkness'
29 August - 27 September 2009 13:00~20:00
Open on Sat, Sundays.
Appointment only on 21,22 and 23 September.


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さて、明日から僕はバイトのお盆休みに入ります。
あと数分で夜行バスで東京へ!って東名高速崩落!?
大丈夫。うん、大丈夫。
雨にも風にも負けません。
来週には帰ってきます。
帰ってきたら怒濤の更新ラッシュや!

堂島リバービエンナーレ2009@堂島リバーフォーラム


昨日から始まった堂島リバービエンナーレに行ってきました。
あまり告知を見ないのでそれほど認識されてないかもなんですが、ディレクターに森美館長の南条史生氏、キュレーターに僕の尊敬する窪田研二氏を迎えての結構豪華な展覧会。僕もこの5月ぐらいに窪田氏にお会いした時に初めて聞かされました。
今年は水都ももうすぐ始まりますし、国立国際ではやなぎみわ展がやってるし、アート大阪もやるのでこの界隈は中々アートイベント盛りだくさんです。

さて、それでどんなもんかいねという感じで行ってきましたがかなり見応えありです。
元々南条さんの手がけた第1回、第2回のシンガポールビエンナーレから26作家が選ばれ、言うなれば「おいしいとこどり」の展覧会。
シンガポールまで行かんでもその気分が味わえます。
特にアジア系の作家が多く、今まで知らなかった珍しい作家の作品がたくさん見れます。
その中から好きだったやつをいくつかピックアップ。
なんと撮影オッケーだったので写真も合わせて。

リー・キーボン「バチェラー:二重の理論」

一番好きだったのはこの作品。
青い水槽の中で本がたゆたってます。
これがめちゃくちゃ綺麗でうっとりしてしまいます。
本はルドヴィヒ・ヴィトゲンシュタインの「論理哲学論考(1921)」。
西洋哲学が今や方向性を失っているという比喩が含まれてるそうです。
そんなコンセプト抜きにしても単純に美しい良作。

セルジオ・プレゴ「裁判所21号法廷」

爆発を数十台のカメラで360度から撮影し、それをつなぎ合わせた映像。
まるで彫刻のような煙がメチャクチャかっこいい。
これも政治的な何かを含んでるみたいやけど、そういうのはもういい気がする。
かっこよければいいです。

シュー・ビン「魔法の絨毯」(手前)
アルフレド&イザベル・アキリザン「アドレス(プロジェクト:アナザーカントリー」(奥)


一番大っきな空間にあるヴィジュアル的にいい感じの2つ。
特に奥の「アドレス」は、出稼ぎ労働者が家族に送る様々なものを積み上げて出来た家で、すごくカラフルなのに哀愁に満ちた作品だった。

ジョシュア・ヤン「超ひも論理の不可能性[カラフル]」

気の遠くなるような「一筆書き」。
単純に凄い。

写真撮ってないけど、他にも三日月と一緒に生活する人々を撮ったレオニド・ティシコフの「プライベート・ムーン」や、プールで出来た島の福田龍朗による「Infinite Island」など、写真作品が結構よかった。スーパーで売ってるようなプロダクトの名前を組み合わせて文章にしてたファハド・モシリ&シリン・アリアバディ「スーパーマーケット営業」もよかった。
でもなんといっても映像の数が圧倒的に多かった気がする。
特に政治的なテーマが濃くて、ちょっと辟易した部分も。
今回の副題が「リフレクション:アートに見る世界の今」なので、そうした作品を敢えて選んできてるんだろうけど、それだけにビジュアルが美しい作品が純粋に好感が持てた。
政治的でも合田誠の「日本に潜伏中のビン・ラディンと名乗る男からのビデオ」は笑えたからよかった。
今回久々にこういう重いテーマの展覧会を見た気がする。かなり内容が濃い。
でも、わざわざ堂島でやる意味があるのかイマイチよくわからない。
ビエンナーレなので2年後にまたやるのかもしれないけど、その時はどういう方向で行くんやろか。今回の展覧会ならわざわざ堂島を冠する必要もないし、むしろ「シンガポールビエンナーレ報告展」ぐらいでもいいような気がする。
なんしかこれからどうなっていくのか見守っていきたいです。

堂島リバービエンナーレ2009「リフレクション:アートに見る世界の今」
堂島リバーフォーラム
2009年8月8日(土)ー9月6日(日) 11:00-20:00 会期中無休
http://www.dojimariver.com/topics/index.html

高嶺格「Melody?Cup」@伊丹アイホール


今日は淀川花火♪
ってことに全く興味がない僕は高嶺さんの新作パフォーマンスを観に伊丹へ。

最近パフォーミングアーツに興味があります。
ピナ・バウシュ、マース・カニングハムとダンス界の巨匠が相次いで亡くなり、改めて観ておかなきゃならないものがあるんだと思い知らされたのが大きいです。
このジャンルはやはり人間が主題なので、他の芸術と比べて、残すというのが難しいように思います。より「生もの」な感じがするんですよね。
ということで同時代のものをできるだけ観ておこうと私燃えております。
といっても超初心者なのでどれを観ていいかわからないもの。
なので、まずはアートに関連する公演は観ておこうと。
こないだの塩田さんが美術を手がけた「タトゥー」しかり。
そして今回は作家の高嶺格氏。

正直高嶺さんの作品ってよくわからない。
以前大学に講演に来てくれはったけど、話聞いてもわからない。
そして今回の舞台もよくわからなかった。
でも、確かに感動しちゃったんですよね。
すんごくシンプルなセット。
ブルーシートのプールみたいな大きな溝で繰り広げられる色々。
このブルーシートというチープな素材があそこまで美しく見えるなんて!!
何度も涙腺が潤むような美しさを見ました。
全体としては多層的過ぎてとりとめもないのでひとつひとつ取り上げませんが印象に残った場面のみ抜粋。

まずパフォーマーはタイ人5人、日本人7人の計12名。
全員がプロではなく素人。
それでも完全に人間から動物に変化するような狂気が見えた。
初っ端から叫んだり喚いたり笑い散らしたり凄まじいパフォーマンス。
リズミカルな音にのたうち回るパフォーマー。唖然。
日本人とタイ人がそれぞれの発音で色んな言葉を発する。
「ドラえもん」
「ドレェメン」
途中ふくよかなタイ人の美女に質問コーナー。これは要ったのか?
後半がすごかった。
ブルーシートの中を泳ぐ人々。
ブルーシートをつまんでランドスケープを作り出す女。
タイ人と日本人の禅問答。
ブルーシートが炎に変わる。
真っ赤なライトに染め上げられたシートが大きく膨らみ波打つ。
客席からハープを持った女が登場。
軽快にブルーシートの波に飛び乗る。
ブルーシートが海へと一変。
最後はストロボ。
パフォーマーが一人一人顔に白いペンキを塗りもののけに変わる瞬間。
この演出はヤバい。
最後はとっても爽やかにブルーシートの中で踊り狂うパフォーマーたち。
カーテンコール。

んーー、言葉にしても何も伝わらない。。。
やっぱりパフォーマンスは生もの。
ハマりそうです。
誰かおもしろいのあれば教えてください!


追伸
今回ユース料金で観れた!
25歳以下はユースやって。
来月でマイユースが終わる・・・。

<関連記事> 高嶺格

テーマ : 観劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

内海聖史「ボイジャー」@eN arts


内海さんの京都での個展のオープニングに行って参りました。
昨年から内海さんのブログで京都の某所で個展をすると書いてあったので、どこかと思ってたら円山公園内にあるeNartsとのこと。ここは空間が複雑で、毎回空間をすごく意識される内海さんがどう展開するのか開催前からとても楽しみでした。
まず入口から「十方視野」のひとつかと思われる中サイズの作品がガラス越しに。
すごい細かい絵の具のドットが鮮やかな色彩を放ってます。
さらに入ると「三千世界」のような小さな正方形がいくつか。
よく見ると何度か色を重ねられて、ミニチュアリヒターのような感じ。
そして今回のタイトルのイメージの球に絵の具が張り付いたような立体。
惑星直列のように、いくつかの色彩ボールが並べられてました。
さらにその横にはクレヨンを使った新しい渋めの小作品がいくつか。
奥には「色彩の下」のような、壁を埋め尽くすような大作。
さらに地下へ続く階段の上の壁には「三千世界」の小さな絵がふたつほど。
地下のブラックキューブは薄暗く、壁に赤いドット絵画があるのがわかる。
目が慣れてくるにつれて全貌が露になるけど、これは入った瞬間のわけのわからなさがいい。
僕が最も気に入ったのは和室。
黒の重層的な平面作品と、壷の中に絵の具が重ねられてる作品。
インスタレーションとしてもすごく凛としていていい感じの緊張感。

ざっとこんな感じなんですが、正直ここまで幅のある作家だったのかと驚きました。
内海さん自身もこの空間では実験的な展開をしていると語ってましたが、新展開がいくつもあり、これは内海さんファンなら必見の展覧会まちがいなしですね。
「ボイジャー」というタイトルもすごく新しい。
今まで、作品の状態をそのまま表すようなタイトルを付けてらっしゃった内海さんですが、今回すごく詩的情緒溢れたタイトルだな、と最初タイトル聞いた時から思ってました。
この展覧会は内海さんの個展でも通算20回目の個展だそうで、何か記念碑的なものがありそう。
様々な展開が様々な空間に飛び散っていて、色んな国を旅するように見られてとても心地よい空間体験でした。

内海さんと是非お話したかったけど、ひっきりなしにお客さんに対応されてたので最後まで話す機会を逃してしまった・・・orz
この展覧会はあと1回は観に行く予定なのでいらっしゃったら是非お話してみたい。
にしてもホント内海さん今年に入って大忙し。
今年だけで5個目の個展だそうで。
残念ながら先日のスパイラルとアンドウの個展は見逃してしまいました。。。
今回の新展開が今後どう展開して行くのか楽しみでなりません。

ところで今回フランスアート界底辺日記のkanaさん(とそのお友達お二方)と一緒に見させてもらいました。
kanaさんはとても愉快な人で、でも言葉の端々に鋭い視点が絡んでくるので喋っててとても楽しい。昨年小生の個展に来て頂いて以来仲良くさせてもらってます。今月末にはまたフランスに帰られるとのことですが、また1度くらいお会いしたいです。フランス行ったら色々お世話お願いしますとこの場を借りてお願いしてみる。


内海さんといえば、先日のスパイラルでも発表された「色彩の下」。
幅17m、縦4m近くあるこの文字通り大作は、内海さんの代表作のひとつ。
2004年に下北沢にあるMACAギャラリーで発表され、その後も何度か展示されてます。
僕もその後に大阪のアートコートギャラリーで行われた個展で、この「色彩の下」を見たのが初の内海体験。あの時の衝撃は忘れられません。
そんな「色彩の下」の制作を追ったドキュメンタリーが存在してることを知ったのは先日。
いつも内海さんの作品を追い続けてるlysanderさんのブログ
いつも密かに読ませて頂いてるんですが、その存在を知った途端に見たい!と思い、ブログに紹介されてるリンクに飛び、即メールをさせて頂きました。
それが山﨑梨真さんという現在NYで映像に携わってる方。
メールをしたら、わざわざNYから届けてくださいました。
待つ事一週間弱。
89分という長さを忘れさせてくれるような衝撃的な内容。
インタビューも音楽も一切なく、ただただ内海さんが40枚ものキャンバスと格闘(そう、本当に格闘といった感じ)の様子がつぶさに映し出されています。
あの大きな絵画をどのように制作したのか、初めて見たあの時から疑問でしたが、狭いアパートで、ズラしながら、たまに電気にぶつかりながら、黙々と作業なさっていて、すさまじい集中力です。五ヶ月も!
画面から鬼気迫る何かが伝わってくるようでした。
最後は展示の風景でエンディングです。
このドキュメンタリー自体に興味を持った私は、梨真さんにどういう経緯でこのドキュメンタリーを撮る事になったかを聞いてみると、本当に「運命」というものを感じられない偶発的な事象がいくつも重なって、今もこの世にあの作品の出自が残っているというわけでした。
具体的にはどこまで触れていいのかわからないので、あまりここで詳しくは書きませんが、とにかくあの作品は残されるべくして残されたんだな、と思わざるを得ません。
作品がこの世に生まれてきた運命性のようなものをこのドキュメンタリーを見ながらひしひしと感じてしまいました。
この度は本当にありがとうございました。>梨真さん
その存在を教えてくださったlysanderさんにも感謝です。

Color on Colors
監督/撮影/編集:山﨑梨真
89分 / 撮影2004年/編集2005年 /日本語/日本

さーて、次「ボイジャー」いつ行こう。

内海聖史展「ボイジャー・Voyager」
eN arts
2009.08.01(土)~ 08.30(日) 金土日のみオープン。他の日時は応相談。
open 12:00 - 18:00
京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側
TEL:075-525-2355


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