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乾久美子「最近の作業について」@神戸芸術工科大学


宮永さんに引き続き同日同大学で行われた特別講義。
こっちは建築学科の講義ですね。
宮永さんのが14時半から17時過ぎぐらいまで。
乾さんが18時半から20時半まで。
この大学に6時間以上もおったことになる・・・。
最後の方は疲れ過ぎてウトウトしてました。ごめんちゃい。

乾さんの建築って実はひとつも見たことがない。
というのも、乾さんは2000年に独立して以来、最初の4年程は、建物の外装や内装のお仕事がメインで、建築単体でのお仕事はここ数年のこと。
それに住宅などがメインなので、あまり目にする機会がないんですね。
外装のデザインはいくつか見たことがあります。
銀座のディオールに梅田のヴィトン(もそうですよね?)
でも実際どんなことを考えてらっしゃる人なんだろう、と興味が湧いて、宮永さんと同じ日ってこともあってほとんど無知識で潜入しました。

しかし元々関西の方ってのもあってか、滅茶苦茶話がうまい!
もうぐいぐい引っ張られて行くようにわかりやすく説明してくださって、そんなに建築の知識がなくてもついていけるんじゃないかしら。
美術作家と建築家。
同じ日にこの2つの職種の人の話を聞いて、やはり話の仕方にこれほどまでに違いがあるのかとある種貴重な体験でした。
やっぱ建築家の人ってプレゼン勝負みたいなところあるからいやがおうにも話はうまくなっていくんやろうか。
聴いてて思わずなるほどと手を打ってしまう。

最近の仕事のいくつかを見させてもらった。
アパートメントI、スモールハウスH、ハウスK、フラワーショップH、浅草観光センター、そして外装内装のお話をいくつか。
印象的だったのは、建物の窓から見た風景の写真が多いこと。
あまり建築家の作品写真でここまで内側からの景色(それも特に美しいとかではない)を見せるのも珍しい気がする。
そしてどれも建物の外観としては自己主張が少ない。
あくまで主役は周囲の環境。
なんだか乾さんの作品って都市に溶けて行く鏡のようだ。
けっして周囲を乱すこともなく、ただぽつんっと静かに建っている。
こういう建物って逆にすごく難しそう。
乾さんはその解に辿り着くまでのアプローチをするするとシステマティックにお話してくださったけれど、そこに辿り着くまでの道のりは果てしなく困難を極めたんだろうなというのが想像できる。
スモールハウスHのお話の時、乾さんは「切り捨てるのではなく、すべてを受け入れたかった」という発言をされていたけれど、この言葉は乾さんの作品すべてを表しているよう。
こういう肯定から入っていく姿勢ってのはとても清々しい。
一気に好きになってしまった。
ということで、今まで買ってなかった、INAX出版から出てる乾さんの「そっと建築をおいてみると」を購入。これで、藤本、石上、西沢と全冊コンプリート。次は是非平田晃久さんでお願いします。
さておき、この本もすごく肯定の色で溢れている。
乾さんの文章はとても心に入ってくるいい文章だ。
かたっくるしい言説抜きで語られる建築家の血の通った言葉達がこの本にはたくさん収められていて一気に読み終えてしまった。
今度東京行った時はとりあえずアパートメントIを観に行きます!

ところで文章の感じが青木さんの感じに近いと思ったら、乾さんは青木事務所出身なんですね。んー、どっちも言葉の選び方が抜群にいいんだな。


ちなみに宮永さんのレクチャーが終わって、乾さんのレクチャーが始まるまで時間があったので図書館でレムのDVDを観ました。でもあんなに長いと思ってなくて、残念ながら途中でタイムアップ。。。あー、買ってみようかな。誰か持ってる人貸して。

宮永愛子特別公開講義「はるかの眠る舟」@神戸芸術工科大学


ご無沙汰してます。
いつの間にやら前回の更新から一ヶ月近く経ってますね汗
特に何やってたってわけじゃない、ってか特に何もなかったから書かなかっただけなんですが。。。先月はほとんど何も見てません。関西からも出てませんし。
いつも見に来てくださってる方々、失礼しました。
今月からまた面白い展覧会やイベントが始まったりするんで色々更新できるかと。

さて、更新再開1回目は神戸芸術工科大学で行われた宮永愛子さんの講演会。
この大学は、以前にも北川フラム、イチハラヒロコ、やなぎみわ、束芋、そして昨年は塩田千春さんを招き、作家による特別講義を毎年開いてる大学。
昨年の塩田さんの講義は本にもなってますね。コチラ
にしても遠かった・・・。
三宮から地下鉄。去年のB'zのライブ以来や。
当日は曇っててそこまで暑くなかったのがよかったです。
さて、宮永さんのお話。
もう宮永さんは今飛ぶ鳥を落とす勢いでノリに乗ってる旬な作家。
今年に入って京都府文化賞を受賞されたり、今年最初に資生堂ギャラリーで行われた展示が評価され、art egg賞を受賞されました。
毎度毎度度肝を抜くぐらい美しいインスタレーションを披露してくれて、僕もかなり宮永ワールドにハマってるファンの1人です。
まずお話は講演会のタイトル、そして先日のミズマでの展覧会タイトルにもなってたこの「はるかの眠る舟」という言葉に関して。
特に「はるか」ということ。
宮永さんの感覚では「はるか」と言う言葉に「永遠」を感じるそうです。
似た言葉に「永久」という言葉がありますが、この2つにどういう違いがあるのか。
宮永さんは「永久」というのは変わらずにずっとある状態のことで、「永遠」というのは変わり続けるがそこに確かにあり続けるという説明をされてました。
宮永さんの作品はナフタリンや塩、音といった、儚く消え行く作品を作り続けていて、一見「永遠」と言う言葉から遠くかけ離れているかのようですが、宮永さん自身はその「永遠」を信じ続けているからこそこれらの作品を作り続けていられるんだな、と冒頭から感慨ぶかく聴いてました。
また印象に残ってるのは「アートはすべて本当のことじゃなくていい」という言葉。
それはこの講演会すべてにしみいったような内容でした。
宮永さんの言葉の中には抽象的な言葉がたくさん出てきます。
多分聴講してる学生の半分くらいはちんぷんかんぷんな場面もあったかと。
残念ながら講義中に話し声や何度も席をたって会場から出て行く学生も何人かいましたが、やっぱこういうのに慣れてないと仕方ない気もしました。
でも、その抽象性こそアートの魅力であり、作家の真の言葉なんだと思います。
「本当じゃないこと」ってのは嘘であるということではなくて、宮永さん自身が等身大で語ってらっしゃる真摯な言葉で僕にはとても好感を与えてくれました。

話のメインはこれまでの作品のことでしたが、僕としてはやはり宮永さんの作品はほとんど見てるといっても過言ではないし(京都時代から見てました!)、知識として知ってる部分もあったので、その辺はまあなんとなく聴いてたのですが、やはり裏話というか、宮永さん自身の口から語られるってのが、雑誌などの字面だけでは伝わらないこともたくさんあってよかったです。
例えば京都芸術センターで発表した「漕法」のエピソードとその写真。
その時同時に行われてた宮永さんの実家での展示「景色のはじまり」。
今思えばなんで観に行かんかったんやろ・・・と激しく後悔。。。orz
また、最後に僕の質問で見せて頂いた、エジンバラに滞在していた頃の話や写真達は宮永さんの体験を追体験しているようでとても有意義だったと思います。
あまり宮永さん自身エジンバラでの出来事を語られることが少なかったように思って、実際講演会中もそこで考えたことなんかは話しても、そこで具体的に何をしていたのかという話が出てこなかったので思い切って質問しました。
アイスランドの凄まじい白い世界。
オーロラ。(オーロラって宮永さんの作品みたいですよね)
いい体験してきたんやな、と思わせてくれる写真達でした。

今後は海外での発表が多数控えてるとのこと。
観に行けたら行きたいけど遠いなー。
これからも追いかけていきたい作家の1人です。

<関連記事>
宮永愛子「はるかの眠る舟」@MIZUMA ART GALLERY
ARTIST FILE 2009 @国立新美術館
宮永愛子「地中からはなつ島」@資生堂ギャラリー
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宮永愛子「漕法」@京都芸術センター
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