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radio90 vol.02


久しく間があきましたが、radio90第二弾をアップしました。
テーマは私、森川穣についてです笑
誰が興味あんねん、って話ですが、まあ少しでも共有できるものがあれば。
ってか、総録音時間が約2時間にも及んでしまってどうしたもんかいね、ってなったんですが、もうほとんど編集することもなくそのままアップしてます。
どうしても暇な時に聞いてみていただけるとありがたいです。
前半では僕の経歴、後半では考えなどです。
ご意見感想などあればスタジオのメールorこちらにコメントいただければ。
よろしくお願いします!

radio90>>http://www.studio90.info/radio90.htm
Mail>>studio90@live.jp

関連記事>>radio90

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マーティン・クリード@広島市現代美術館


夏だ!ビールだ!18切符だっ!
ってことで、18切符の解禁日、またまた日帰り広島旅行です。
目的はそう、マーティン・クリード展!
ちょうど20日が最終日だったんでギリギリの滑り込み。
18切符使おうと思ったらこの日しかなかったという。
もう、この展覧会を見つけた時はかなり興奮しました。
まさか、日本の美術館で彼の個展が開かれるなんて!
企画はやっぱり神谷幸江さん。神です。
でもなにも広島でやらなくったって・・・遠いよ・・・。
おかげで毎度のことながら帰りは頭痛。JRクーラー効き過ぎ。
そして、写真の通り、雨。
ホント電車のダイヤが乱れまくって帰れないかと思った。無事帰れてよかった。
実際次の日は山口あたりでは死者が出る程の大雨。。。恐い。
基本アウェーでは晴れ男なんですが神話が崩れました。

さて、なにわともあれマーティン・クリード展。
去年の森美でやってた講演会ですっかりファンになってしまいました笑
そしてこの展覧会。
もうね、最高でした。行った甲斐ありすぎ。
会場入ってすぐの展示会場と同じカーペットの断片を積み重ねた作品(No.100)見た瞬間から展覧会終わるまで終止頬の筋肉が緩みっ放しでした。
同じ部屋にあるカーテンが自動で開け閉めする作品(No.990)も、壁の出っ張り(No.263)も、紙くず(No.126)も、もうすべてがマーティン・クリードのゆるゆるワールド。
これは1度ハマるとやみつきになる。
そして次の部屋では2001年のターナー賞をものにしたあまりに有名な作品「Work No.227:The lights going on and off」。これはこの展示室独特の照明がぴったり合っててとても美しかった。森美でも再現されてたけど、こっちの方が断然よかった。
その先にはケツのズームイン、ズームアウト映像(No.751)笑
モニターの後ろがガラスで外の風景が見えるんやけど、雷鳴とか鳴り響いてる中でのこの映像はかなりウケる。
これ以降もゲロの映像(No.837)、笑い声のCD(No.412)、またまたでっぱり(No.264)、合板の積み重ね(No.841)、リズムの違うメトロノーム(No.180)などなど、ゆるゆるワールドが地下まで続き、ここまで大規模な展開とはかなり驚いた。
この展覧会の凄さは、この展示会場である美術館の動線の悪さを逆に利用し、どうとでも回れるようになっていて、まるで迷子になるかのように、同じ展示室に出てみたりしながら、とても楽しく回ることができた。こういう動線の使い方もあるのか!と。
彼の作品は、すべてがとにかくゆるい。
高尚な美術なんて糞喰らえと言わんばかりに。
「DON'T WORRY」というネオン管の作品(No.890)が彼のメッセージのようだった。
そして彼の作品の特徴は、すべての作品タイトルがただの数字だということ。
作品に特別な意味を付与することのないよう、彼が考えだしたシステムで、しかもこの数字、ちゃんと時代別に並んでるわけでもなければ、実際No.1は存在してなかったり(あまりに特別すぎるという理由で)、途中数字が飛んでたりして、実際の作品数でもなかったりする。
宮永さんの言葉ではないが、「美術はかならずしも本当じゃなくていい」わけだ。
この展覧会は、あえてひとつひとつを注視するわけでもなく、ゆらゆらと散歩するように回るのがとても気持ちいい。「DON'T WORRY」という言葉が気持ちを軽やかにしてくれる。
ホントに清々しい展覧会で、見れてよかったと思う。
ロンドンでもここまでまとめて彼の作品を見たことはなかったので、非常に貴重な体験でした。んー、広島・・・すごすぎる。
去年のテートブリテンの走る作品も見たかったなー。

ところで今回のカタログに掲載されてる作品写真。
なんと僕の先輩表恒匡氏によるもの。
前回のうちでの展覧会写真も彼に撮っていただきました。
いやー、かっこよすぎっすよー!

<関連記事>
英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展@森美術館
Martin Creed @ Hauser & Wirth Coppermill

おまけ。
マーティン・クリードがターナー賞を受賞した際のマドンナのスピーチ。

名和晃平講演会「名和晃平の"アート"」@京都精華大学


金曜日に母校で行われた名和さんの講演会に行って参りました。
当日は市内で祇園祭があって、途中その辺を通らなければならなかったので、かなり憂鬱やったんですが、この日のメインは昼に終わってたので、向かう頃には人ごみも大分マシになっててよかったです。祭嫌い。

さて、今回の講演会。ホントに行ってよかったです。
名和さんのこれまで、今現在、そしてこれからのことを名和さん本人が語る3時間強の濃ゆい内容。18時半に始まって、終わったの10時過ぎですよ。おかげで晩飯食いそびれるわ、終バス逃すわで、中々大変でしたが、それでも最後まで聞けてよかったです。

名和さんとは2004年に僕らが学生の頃に講演会のゲストとして呼んで以来のおつきあい。
今回同じ教室で行われてたのであの頃を思い出しました。
初めて作品を見たのは2002年。僕が大学1年生で、名和さんもまだ院生か博士課程の学生時代だったと思います。
当時は現代美術の「ゲ」の字も知らなかった僕でしたが、その時見た作品は記憶の片隅に残り続けてました。
その時の展覧会は京都のマロニエというギャラリーで今でいう「リキッド」の作品を発表されてました。
講演会中にもお話がありましたが、当時のリキッドは今使ってるシリコンオイルではなく、普通に洗剤だったそうです。
洗剤だと泡が均質に出ない上に水面で泡立ってしまうので、もっと均質に泡の出る素材はないかと探しぬいた果てにシリコンオイルに辿りついたそう。
そもそもシリコンオイルというのは消泡剤といって、泡を消す役割を果たす素材だそうです。
それを泡立たせるとどうなるのか。その探究心から実験を重ねてできあがったのが今のリキッドの作品。
学生時代にシリコンオイルを手がける会社に出向いて行って援助の交渉をしに行った時のことなどが講演会中に語られました。
それが結実したのが2004年に今はなきKPOで行われた「Hi-energy field」展。
この展示は僕が当時見てない名和晃平の展示の数少ない例です涙
今銀座のエルメスでもこのリキッド作品は展示されてますね。
このリキッドはメンテナンス等かなり大変だそうなので、展示する機会が中々ないそうです。今までも展覧会で展示されたのは3度ぐらいだそう。貴重な機会です。
新丸の内ビルにもこのリキッドのシリーズが設置されてるそう。観に行かねば。

僕の中で「現代美術っておもしろい!」と初めて思わさせられたのが2003年のStudioJとノマルで同時に行われた展示です。前者では名和さんのアイコン的存在ビーズ、ノマルではプリズムの作品が初めて発表された時でした。
特にプリズムを見た時の衝撃は忘れられません。
ある種僕の人生を大きく変えてくれた展示でした。
それ以降名和晃平という名前を聞く度に確実に展覧会に行くようになって、名和晃平という作家の黎明期にほとんど立ち会ってるといっても過言ではないでしょう。
そんな名和さんと2004年の講演会で直接関わらせていただくようになり、当時は実家にあったアトリエで作品制作のお手伝いをさせていただいたりして、僕の人生において、本当に大きな影響を与えてくださった方です。

ロンドンに行ってから疎遠になって、名和さんの作品をもっと冷静に分析できるようになって、一時期ちょっと距離を置いてたことも正直ありました。
特に最近の企業とのコラボレーションに関して疑問に感じていました。
昨年末のBEAMSのショッピングバッグは、初めて電車の中でそれを持ってる人を見かけて、ショックでした。名和さんの作品が消費されてるのが見ていて辛かったんです。
ユニクロのTシャツもよくわからないというか、どうしてそこまで消費されることにむしろ積極的になってるのか、とずっと追いかけてきた作家だけに納得がいかなかったんです。
(余談ですが、会場にそのユニクロのTシャツを着てる集団がいて、何かと思ったら今名和さんが教えてる京都造形の学生達でした。なんか宗教みたいで恐かった・・・。)
その問いにも今回答えてくださって、そこで出た答えってのが、「アートを世に広めるのもアーティストの大きな役割であって、それに抵抗するのは20世紀的な考えで、今やインターネットで作品の画像なんかも簡単に見られる時代なのだから、そこは割り切りたい」といった答えでした。
前者のアートを広めるという考えには大きく賛同しつつ、後者はちょっと首を縦に振りづらい感じがしました。やっぱ情報として消費されるのと、ものになって消費されるってのは、質が違う気がするんですよね。でもまあ一般に広めるにはそういうやり方しかないのかな。難しい問題です。

それでも今回の講演会を聴き、やっぱ名和さんかっこいいなーと改めて思いました。
今回僕が一番聞きたかった、新たなアトリエ「SANDWICH」に関しても後半たっぷり聞かせてくださいましたが、これはすごいです。
京都の宇治にある元サンドイッチ工場を建築家とコラボしながら作り上げて行くプロジェクトなのですが、最終的にはただのアトリエだけではなく、ここでセミナーを行ったり、アーティストや建築家のレジデンスも行ったりと、ただのスタジオの枠を超えた存在になるそう。
ここまで大きな視野で活動されてるのはちょっと意外でした。
やはり、海外で活動されたりする中で、日本のアートシーンの遅れに名和さんなりに考えるところがあったようで、近年台頭してきた北京の存在なんかも影響してるそうです。このままでは日本が周回遅れどころではなくなってしまう、と。
そこで、日本の特に若手を少しでも支援したり育てて行くことができたら、と考えだしたのがこのプロジェクトで、全て自費でまかなってるそう。
奇しくもこの講演会の日は株式会社SANDWICHが登録された日だそう。
(7月17日で、1が7にサンドされてるってんでこの日を選んだらしい笑)
このアートバブルで名和さんもその恩恵を与えられ、それを守りに入るのではなく、攻めに使うという姿勢は本当に凄いことだと思います。この浮き沈みの激しいアートシーンの中で、5年後10年後のことまでわからない中でのこの決断。もう頭が上がりません。
自分でも無謀だと仰ってましたが、それでも日本のアートシーンに賭けたいのだという名和さんの情熱が伝わってきて感動してしまいました。
一時は拠点を海外に移すことも考えたそうですが、それではいつまでたっても日本は変わらないといことで、3年程前に京都を拠点にアトリエを構え、このSANDWICHに至る経緯が聞いてて胸が熱くなりました。
これほどまでにアクティヴィストだったとは。
熱い人だとは知ってましたが、今回の講演会ではさらに更新された感じです。

最後に、「アートはなぜまわりくどいのか」と聞かれた学生が言葉に詰まった経験を名和さんに語った場面で、名和さんは「まわりくどいとは思わない。自分も自分が見せたいもの、やりたいことを最短距離で表現してるつもり。言葉では余計まわりくどくなるからアートにしている」というようなことを仰ってたのがとても印象的でした。

今回その前の土日に学生とワークショップを通じて制作された作品が、録音用の防音の部屋に展示されてて、これもおもしろかったです。
発泡スチロールを抽象的な形にして、その上から蝋を塗って独特のマチエルに仕上げた彫刻群。SCUMシリーズに近い作品ですね。制作過程はコチラ
今回名和さんも初めてのことづくしで楽しかったと仰ってましたが、防音室という緊張感で満たされた室内での展示は、何か独特の雰囲気が漂っていてちょっと恐かったです。室内で見るより、部屋の外からガラス越しに見た時の印象が強い。何か実験室で培養してる生物を見てるような感覚。
この作品が今後どう展開していくのか楽しみ。
講演会内でも、新しいステップとなるような作品とかスライドで見られてよかったです。それらの作品はこの9月にノマルで行われる展覧会で見られそう。
どんどん前に前に進んで行く名和晃平というアクティヴィスト。
これからどんな展開をしていくのか、目が離せません。
エルメスの展示も早く見たい!9月には観に行きます。

やなぎみわ「婆々娘々!」@国立国際美術館


やなぎみわ「婆々娘々!」展に行ってきました。
これ何と読むかというと「ぽーぽーにゃんにゃん」って読むらしいです。
なんかもうハジけまくってますね。

やなぎさんは特に好きってわけでもないんやけど、2004年の丸亀で行われた「少女地獄極楽老女」展以来国内で行われた個展はほとんど観てる。2005年の原美の展示も大原美術館での展示も、そしてこないだの写美での展示も。
2004年の丸亀の展示は素晴らしかった。
やなぎさんの中でもある種金字塔的な展覧会だったんじゃないかと思う。
エレベーターガール以降次のステップに足をかけた意欲的な展覧会。
作家の「女性像」をこれほど豊かに表現した世界があるなんて!とびっくりした。
そこで発表されたのが今回も出品されてる「マイグランドマザーズ」と「寓話」シリーズ。

この展覧会も「マイグランドマザーズ」でスタート。
同シリーズのほぼ全作品が展示されてる。
でも正直このシリーズ引っ張り過ぎじゃない?とも感じる。
前回写美で見た時はこれしかなかったので少々食傷気味。
僕はもう何回も見てしまってるので少々飽き飽き。
まあ、それでもおもしろいはおもしろいんですがね。
この作品を撮影してるメイキング映像も展示されてあっておもしろかった。
ってかやなぎさんもはやシャッター切るのは他人なんですね。
やなぎさんはカメラマンの横で様々な指示を出してました。
写真家の定義は広い。

久々に見てとても新鮮だったのは「寓話」シリーズ。
展示も壁を黒く塗ってすごいダークな雰囲気。
「グランドマザーズ」とは対極なイメージ。
もうね、子供とか見たら泣いちゃうんじゃないかってぐらい怖い。
最初に展示されてたテントウーマンの写真怖過ぎ・・・泣
このおどろおどろしさがたまらんのです。

そしてラストの部屋では今ヴェニスでも発表され、今回の表紙にもなってる最新作「ウィンドスウェプト・ウィメン」。ヴェニス同様凄まじい大きさのプリントが写真立てに入れられてどーんと5点ほど展示されてる。
もう、これ初めて展覧会プレスで見た時は衝撃でした。
「失うものは何もない」って感じですね笑
張り乳萎え脚の女性と垂れ乳張り脚の女性が激しく乱舞。
連れと美術館にも関わらず涙出るぐらい爆笑してしまいました。。。
そして極めつけが映像。
テントの中に投影されてて、荒野を脚の映えたテントがさすらう。
砂浜についたらさっきの写真の女性が出てきてこれまた乱舞!!
散々踊り尽くしたら、何事もなかったかのようにテントに戻りまたさすらう。
僕はもうこの映像の方にやられてしまいました。
家の近所とかにこのテント現れたらどうしようという想像が・・・笑
最後の部屋は笑いなしでは過ごせません。
いやー、やなぎさんすごいわ。マジで尊敬する。

今回の展示は2000年以降のやなぎみわの活動を総括するような素晴らしい展示。
これは是非見に来た方がいいですね。
下ではルーブル展がやってて、土日はちょっと人多いですが、420円とお得です。昨年の塩田千春+モディリアーニ、シュテファンバルケンホール+ゴッホのように、この美術館お得意のB1Fでの現代美術+B2Fでの古典という企画ですね。おかげで普段現代美術観ない人もついでに観に行けるし、現代美術の方は古典の方で金とれるから安く観れるしいいことづくしです。学生なんて130円で観れますからね。
前回の杉本博司といい、国立国際がんばってます。
やっぱ植松さんが丸亀から移ってきた影響ってのはあるのかな?
あとはこの美術館自体なんとかなれば・・・。建築駄目過ぎ。美術館のくせに動線悪過ぎですからね。特にB1F。奥まで行ったらまた引き返さなあかんとか萎えます。そういう点で杉本さんはちゃんと考えてスムーズな動線を確保してましたね。さすが。
しかし暑い!辿り着くまでの汗だくになります。。。
今回初めて美術館前のgrafのカフェでランチした。冷静パスタうまー!

やなぎみわ「婆々娘々!」
国立国際美術館
2009年6月20日(土)ー9月23日(水・祝)
月曜休館(ただし7月20日、9月21日は開館。7月21日(火)は休館)
開館時間:10:00-17:00、金曜日は19:00(入館は閉館の30分前まで)
毎月第一土曜日はB1Fの展示は無料!
http://www.nmao.go.jp/japanese/b2_exhi_beginning.html

日曜美術館「やなぎみわ 成熟する女性像」 7月26日(日) 9:00~9:45放送!
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0726/index.html


<関連記事>
やなぎみわ「マイ・グランドマザーズ」@東京都写真美術館
53rd Venice Biennale Japan Pavilion



先月も含め大阪で見た展覧会を一括で。
といってもアートコートとパンタロンだけですが。

Art Court Frontier ♯7 @ Art Court Gallery
ACG eyes 3 : 国府理 -ROBO Whale- @ Art Court Galley
西山裕希子「鏡のすき間」 @ PANTALOON


今回で7回目となるACF
キュレーターや批評家、作家、コレクターに関西の若手を推薦してもらうという企画でこの企画内容自体はおもしろいのだけど、こうも続くともうそこまで「未開拓」はないやろ、と。
やはり第1回がすごすぎただけに以降見劣りが。
特に昨年はちょっと厳しかったと思う。
友人が出てたので観に行ったけど、それだけ。
前半見事に全部写真でもうわけわかんなかった。
今年もあんま期待せずに観に行ったけど去年よりかさすがによかった。
というよりヴァラエティーに富んでたのが救い。
岡本太郎賞も受賞した若木くるみの作品でスタート。こちらは榎忠氏ご推薦。
実際太郎賞展で見た時は不快極まりなかったけど、今回はまだ観れた。ってか本人おらんかったからかな?憧れの榎忠に近づこうと努力する乙女心。
他にも見たことあった作家さんがいたんで、落ち着いて観れた。見たことない作家ばかりだとこっちも評価することもできない。やっぱ作品は何度か観ないとわからないのです。
例えば樋口明宏さんの蛾に着彩した作品はMA2で何度か見たことがあったり、柳澤顕さんも静岡の「風景ルルル」展で見たことがあったり。
初見で気になったのは上の写真でもちらっと映ってる山添潤さんの石彫。古典的といえば古典的なんやけど、石の表情がフラクタルというか、すごい。これ実際に彫ることでこうなるのか、元々こんな石なのか。後者なら萎える、がその可能性も多いにありうる。
木村宗平さんの線のドローイングも美しかった。
ACFはこんな感じ。8月1日まで。
これの前の前(?)にやってた国府理さんの展示は、以前大阪カレードスコープに出品されてたロボホエール。吹き抜け空間にででんと置かれてて中々の緊張感。今回砂に埋もれてなかったけど、その分ディテールが観れてよかった。展示終了。
パンタロンの西山裕希子さんの展示は中々面白かった。アートコートやニュートロンでも何度か展示されてて、その時見てた印象とまたがらっと変わってて、同じ作品でも展示空間が変わるとここまで印象が変わるのかと驚き。
このパンタロンの展示が今まで見た西山さんの中でもっともしっくりきてた気がする。扱うテーマがすごくドメスティックなのでこの元長屋という空間との親和性がいい具合。
彼女の平面は半分壁紙的な要素があるので、平面作品を見ているという感覚がちょっと飛んでしまうというか不思議な感覚に誘ってくれます。やっぱパンタロン見逃せない。
ちなみに今やってる展示はあんまりでした。作家のマスタベーションというか。。。見ていてとてもしんどかったです。でもやっぱパンタ(略)
ところでこのパンタロンのある中津が最近おもしろいことになってます。下町の古い町並みを残しつつ、カッティングエッジなデザイン事務所が軒並み連なってる。パンタロンの前も建築事務所やし、商店街入口付近にも新たなデザインギャラリーが!こん時はグラフィックデザインの展示がしてました。中津は要チェックエリアです。

乾久美子「最近の作業について」@神戸芸術工科大学


宮永さんに引き続き同日同大学で行われた特別講義。
こっちは建築学科の講義ですね。
宮永さんのが14時半から17時過ぎぐらいまで。
乾さんが18時半から20時半まで。
この大学に6時間以上もおったことになる・・・。
最後の方は疲れ過ぎてウトウトしてました。ごめんちゃい。

乾さんの建築って実はひとつも見たことがない。
というのも、乾さんは2000年に独立して以来、最初の4年程は、建物の外装や内装のお仕事がメインで、建築単体でのお仕事はここ数年のこと。
それに住宅などがメインなので、あまり目にする機会がないんですね。
外装のデザインはいくつか見たことがあります。
銀座のディオールに梅田のヴィトン(もそうですよね?)
でも実際どんなことを考えてらっしゃる人なんだろう、と興味が湧いて、宮永さんと同じ日ってこともあってほとんど無知識で潜入しました。

しかし元々関西の方ってのもあってか、滅茶苦茶話がうまい!
もうぐいぐい引っ張られて行くようにわかりやすく説明してくださって、そんなに建築の知識がなくてもついていけるんじゃないかしら。
美術作家と建築家。
同じ日にこの2つの職種の人の話を聞いて、やはり話の仕方にこれほどまでに違いがあるのかとある種貴重な体験でした。
やっぱ建築家の人ってプレゼン勝負みたいなところあるからいやがおうにも話はうまくなっていくんやろうか。
聴いてて思わずなるほどと手を打ってしまう。

最近の仕事のいくつかを見させてもらった。
アパートメントI、スモールハウスH、ハウスK、フラワーショップH、浅草観光センター、そして外装内装のお話をいくつか。
印象的だったのは、建物の窓から見た風景の写真が多いこと。
あまり建築家の作品写真でここまで内側からの景色(それも特に美しいとかではない)を見せるのも珍しい気がする。
そしてどれも建物の外観としては自己主張が少ない。
あくまで主役は周囲の環境。
なんだか乾さんの作品って都市に溶けて行く鏡のようだ。
けっして周囲を乱すこともなく、ただぽつんっと静かに建っている。
こういう建物って逆にすごく難しそう。
乾さんはその解に辿り着くまでのアプローチをするするとシステマティックにお話してくださったけれど、そこに辿り着くまでの道のりは果てしなく困難を極めたんだろうなというのが想像できる。
スモールハウスHのお話の時、乾さんは「切り捨てるのではなく、すべてを受け入れたかった」という発言をされていたけれど、この言葉は乾さんの作品すべてを表しているよう。
こういう肯定から入っていく姿勢ってのはとても清々しい。
一気に好きになってしまった。
ということで、今まで買ってなかった、INAX出版から出てる乾さんの「そっと建築をおいてみると」を購入。これで、藤本、石上、西沢と全冊コンプリート。次は是非平田晃久さんでお願いします。
さておき、この本もすごく肯定の色で溢れている。
乾さんの文章はとても心に入ってくるいい文章だ。
かたっくるしい言説抜きで語られる建築家の血の通った言葉達がこの本にはたくさん収められていて一気に読み終えてしまった。
今度東京行った時はとりあえずアパートメントIを観に行きます!

ところで文章の感じが青木さんの感じに近いと思ったら、乾さんは青木事務所出身なんですね。んー、どっちも言葉の選び方が抜群にいいんだな。


ちなみに宮永さんのレクチャーが終わって、乾さんのレクチャーが始まるまで時間があったので図書館でレムのDVDを観ました。でもあんなに長いと思ってなくて、残念ながら途中でタイムアップ。。。あー、買ってみようかな。誰か持ってる人貸して。

宮永愛子特別公開講義「はるかの眠る舟」@神戸芸術工科大学


ご無沙汰してます。
いつの間にやら前回の更新から一ヶ月近く経ってますね汗
特に何やってたってわけじゃない、ってか特に何もなかったから書かなかっただけなんですが。。。先月はほとんど何も見てません。関西からも出てませんし。
いつも見に来てくださってる方々、失礼しました。
今月からまた面白い展覧会やイベントが始まったりするんで色々更新できるかと。

さて、更新再開1回目は神戸芸術工科大学で行われた宮永愛子さんの講演会。
この大学は、以前にも北川フラム、イチハラヒロコ、やなぎみわ、束芋、そして昨年は塩田千春さんを招き、作家による特別講義を毎年開いてる大学。
昨年の塩田さんの講義は本にもなってますね。コチラ
にしても遠かった・・・。
三宮から地下鉄。去年のB'zのライブ以来や。
当日は曇っててそこまで暑くなかったのがよかったです。
さて、宮永さんのお話。
もう宮永さんは今飛ぶ鳥を落とす勢いでノリに乗ってる旬な作家。
今年に入って京都府文化賞を受賞されたり、今年最初に資生堂ギャラリーで行われた展示が評価され、art egg賞を受賞されました。
毎度毎度度肝を抜くぐらい美しいインスタレーションを披露してくれて、僕もかなり宮永ワールドにハマってるファンの1人です。
まずお話は講演会のタイトル、そして先日のミズマでの展覧会タイトルにもなってたこの「はるかの眠る舟」という言葉に関して。
特に「はるか」ということ。
宮永さんの感覚では「はるか」と言う言葉に「永遠」を感じるそうです。
似た言葉に「永久」という言葉がありますが、この2つにどういう違いがあるのか。
宮永さんは「永久」というのは変わらずにずっとある状態のことで、「永遠」というのは変わり続けるがそこに確かにあり続けるという説明をされてました。
宮永さんの作品はナフタリンや塩、音といった、儚く消え行く作品を作り続けていて、一見「永遠」と言う言葉から遠くかけ離れているかのようですが、宮永さん自身はその「永遠」を信じ続けているからこそこれらの作品を作り続けていられるんだな、と冒頭から感慨ぶかく聴いてました。
また印象に残ってるのは「アートはすべて本当のことじゃなくていい」という言葉。
それはこの講演会すべてにしみいったような内容でした。
宮永さんの言葉の中には抽象的な言葉がたくさん出てきます。
多分聴講してる学生の半分くらいはちんぷんかんぷんな場面もあったかと。
残念ながら講義中に話し声や何度も席をたって会場から出て行く学生も何人かいましたが、やっぱこういうのに慣れてないと仕方ない気もしました。
でも、その抽象性こそアートの魅力であり、作家の真の言葉なんだと思います。
「本当じゃないこと」ってのは嘘であるということではなくて、宮永さん自身が等身大で語ってらっしゃる真摯な言葉で僕にはとても好感を与えてくれました。

話のメインはこれまでの作品のことでしたが、僕としてはやはり宮永さんの作品はほとんど見てるといっても過言ではないし(京都時代から見てました!)、知識として知ってる部分もあったので、その辺はまあなんとなく聴いてたのですが、やはり裏話というか、宮永さん自身の口から語られるってのが、雑誌などの字面だけでは伝わらないこともたくさんあってよかったです。
例えば京都芸術センターで発表した「漕法」のエピソードとその写真。
その時同時に行われてた宮永さんの実家での展示「景色のはじまり」。
今思えばなんで観に行かんかったんやろ・・・と激しく後悔。。。orz
また、最後に僕の質問で見せて頂いた、エジンバラに滞在していた頃の話や写真達は宮永さんの体験を追体験しているようでとても有意義だったと思います。
あまり宮永さん自身エジンバラでの出来事を語られることが少なかったように思って、実際講演会中もそこで考えたことなんかは話しても、そこで具体的に何をしていたのかという話が出てこなかったので思い切って質問しました。
アイスランドの凄まじい白い世界。
オーロラ。(オーロラって宮永さんの作品みたいですよね)
いい体験してきたんやな、と思わせてくれる写真達でした。

今後は海外での発表が多数控えてるとのこと。
観に行けたら行きたいけど遠いなー。
これからも追いかけていきたい作家の1人です。

<関連記事>
宮永愛子「はるかの眠る舟」@MIZUMA ART GALLERY
ARTIST FILE 2009 @国立新美術館
宮永愛子「地中からはなつ島」@資生堂ギャラリー
お釈迦様の掌@ARTCOURT GALLERY
宮永愛子「漕法」@京都芸術センター
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