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鬼石多目的ホール by 妹島和世








































前回群馬近美の田中功起展見た時に近かったので見に行こうと思いつつ、時間の都合で見れなかった妹島さんによる鬼石多目的ホール。
今回友人が車出してくれてたのと、SUMIKAの後また田中さんの講演聞きに群馬近美に来たってことで行ってきました。いやー、やっぱ車って便利。ヨコミゾさんの富弘美術館かどっちにしようか、って言ってたんですが、時間を考えると確実に富弘は無理ってことで鬼石に。富弘は車じゃないと中々難しかったんで行っときたかったんですがねー。
今回鬼石も日の入りが危うかったんですが間に合いました。
冬だったらアウトやったなー。
SUMIKAの時(午前中)に降ってた雨も午後にはやんで、この時はとても美しい夕日を眺めながらこの美しい建築を拝めることになりました。
さて、鬼石。こう書いて「おにし」と読みます。
昨夏ロンドンから帰ってきた友人が行って最高だったと語ってたので結構期待してましたが、またしても期待を遥かに凌駕する素晴らしさ。
彼が「SANAAの建築は風景をより美しく見せる」と言ってましたが本当にそうで、周りの山々などがこのガラスに映り込む様は本当に美しい。
そしてなんといってもこのホールはガラスの曲面が入り組んでて、ガラスがガラスに反射して虹みたいな色が映ったりして、なんとも複雑な様相。
さらにその午前中の雨によって出来た水たまりに虹が映りこんだりして大変なことになってました。
ノヴァルティスの時もそうやけど、妹島さん(或はSANAA)の建築って、写真で何枚撮っても撮り飽きないというか、すごい風景が撮れちゃうので結局凄い枚数撮っちゃってることになる。今回も然りで、すごい枚数載せてますが、これもほんの一部です。
なによりよかったのが、市民の人たちが楽しそうにこの施設を利用してるのが見れた事。正面の芝生では少年達が野球やってたり、体育館ではご夫人方がダンスの練習してたり、この町にすっかり溶け込んでるのがよかった。
こういう現代建築ってどうしてもこんな田舎に置くと浮いちゃうことってあるんですが、この建築はすっかり風景になってましたね。
ただ、野球ボールがガラスに当たって大破しないか心配でしたが。
見に行けてよかったです。

SUMIKA project ♯2

SUMIKAパヴィリオン by 伊東豊雄











伊東さんによる今回のメインパヴィリオン。
東京ガスの敷地内にあって、ガスキッチンで料理も出来るそうです。
まるで木の下にいるような感覚になれる温かな空間です。
今回も独特のアルゴリズムにより生成された幾何学がポイント。
その幾何学構造が木でできてるのが今回の大きな特徴ですね。
ただ、いつものようにファサードの面一がイマイチ効いてなかったりして、伊東さんの建築としては完成度的にどうなんかな、と。
それにサーペンタインの焼き直しみたいな感じやし、その上あの建築を超えてないし全体的に残念な感じでした・・・。
さて、その伊東さんですが、なんと4月7日の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で特集されます!個人的に、プリツカー賞に合わせてきてるんじゃないかなんて深読みしてるんですがどうでしょう。あーもうすぐ発表やー。

コールハウス by 藤森照信













ファサードには焼杉が貼られていたり、壁は東京ガス社員によって塗られていたり、手作り感溢れる藤森さんらしい建築です。
中は洞窟を意識して、床と壁の境が45度の傾斜がついてます。
なんといっても真中に立ってる独特の柱と、暖炉がポイントですね。
全体的に部屋が狭いので中々写真に収められませんでした。撮っても必ず人が写ってたりで、ここに載せられるものは残念ながらリビングメインで。
子供部屋に続く、ほぼ垂直の梯子とか、茶室とかもあったんですが。
今回改めて藤森建築の空間の不思議さを感じました。なんといっても元々が建築史家であり、建築教育を正当に受けてないので、模型も設計図もなし!とりあえず空間を大まかに決めるという独特の建て方が不思議な空間感覚を生んでるんでしょうね。
東京ガスの敷地内にそれぞれの模型を展示してる場所があるんですが、藤森さんのだけ様子がおかしいですから笑 あれは建築模型じゃないです、完全に。

そんなこんなのSUMIKA体験でした。
雨だったのが残念でしたが、それぞれの住まい方の提案がフィジカルに体験できたのがやっぱよかった。今後これらの建築はどうなってくんだろう。

SUMIKA project ♯1

今回の最大の目的、SUMIKA project。
東京ガス主催で、伊東さんが総指揮を務め、「プリミティブな暮らし」をテーマに掲げ、伊東さんを含め4人の建築家による、新たなる住まいの形を提案するというもの。メンバーは藤森照信、西沢大良、藤本壮介という熱過ぎるメンツ。
しかしなぜか一般には2日間しか公開されないというので、必死になって予約をして観に行ってきました、宇都宮まで。
まずは前半戦、西沢さんと藤本さんの建築からご紹介。

宇都宮のハウス by 西沢大良











SANAAの西沢立衛のお兄ちゃん大良さんの建築。
なんといってもこの圧倒的な存在感の屋根がポイント。
この屋根は、家の中に光を取り入れるためのもの。
光が朝はベッドに、昼はキッチンへと移っていく為、時計などなくても、太陽の光によって生活リズムを掴めるというシステム。まさにプリミティブです。
壁はドアで開閉できるようになってて、春とか気持ち良さそう。
中にはなぜか芝生が。。。これぞ中庭。
正直今回のプロジェクトの中では最も住みやすそうな家。
ただし、建築としてはいくつか疑問が残ります。
まずなんといってもこの屋根。
この存在感はおもしろいとは思うのですが、トリックのわかる手品を見せられてるような感じがして、ちょっと冷める。ここまで屋根が強調する必要ってあるのか?
あと形。実はちょっと凹んだりして歪な形をしているのだけど、中にいてもそれほどわからないし、この形が家のシステムにどの程度影響を与えてるのかが謎。
家の内部の明るさが気持ちいいだけに所々惜しい所があります。

House before House by 藤本壮介





















実は今回最も楽しみにしていた建築。
大良さんの真横に建てられていて、ドアを開けるとすぐです。
積み木のように、箱を上下に無造作に積み上げていったような建築。
まるでアスレチックです。
当日は生憎の雨だったので中々大変でしたが楽しかった!
ドアを開けたらいきなり外とか、外かと思ったら中とか。
靴脱いだり履いたりが面倒くさかったけど・・・。
建築でここまで梯子を多用してるのも珍しい笑
お風呂が埋まっててちょっと入りたい。
一見住みにくそうやけど、慣れたら案外オチャノコサイサイかも。
インターフォンどこにつけんねんとか色んな問題もありそうやけど。
ただ、白ってのがやっぱ気になる。
立衛さんの森山邸ともかぶっちゃうしね。
それでもやっぱ藤本さんは今一番気になる建築家です。
INAX出版から出た本でハマったのだけど、キレキレです。
大分の住宅も見てみたいし、武蔵美の図書館も出来たら即行かなくちゃ。
あー、おもしろい人がたくさんいるのは本当嬉しい。
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