大舩真言「Principle」 @ neutron
東京に引き続き、待ちに待った大舩さんの京都での個展。
氷雨降りしきる中、なぜか「傘がない」状態で行ってきました。
今回はどんな展示で魅せてくれるのか。
大舩さんの展示はいつも楽しみで、期待を裏切られたことがない。
今回も案の定すばらしい展示でした。
京都にある本家neutronはカフェとギャラリーが隣接していて、その境はガラスで仕切られてるのみ。
ギャラリーからはカフェが覗けて、カフェからはギャラリーが覗ける。
その分ガヤガヤしていて、大舩さんのような静謐な作品には一見不向き。
カーテン閉めちゃって、カフェと切り離しちゃえば楽なんやろうけど、そんなことしたら負けでしょ。
今回もきっちりカーテン閉めずに展示していました。
まず照明が結構落とされている。作家持込の照明もあるらしい。
そして作品の展示方法が秀逸。
メインとなる半円形の作品は壁からにょきっと突き出している。
まるで壁の向こうにはさらに半円があって、一部しか展示室に出てきてないような。
すごく異様なんだけれどすごく自然。
たまたま大舩さんがいらっしゃって、どうやって展示したのか、と話を聞くとやはり大変だったらしい。
なんせ、搬入業者3社から断られたらしいから笑
完全に重力無視してるみたいな展示ですもの。
で、その道の大物に頼むことができたそうで、なんとか完成したのだとか。
ってか大舩さんのネットワークの広さに脱帽。なんだその道の大物って。
それからとても小さな作品もちらほらと。
よく見るとカフェの方にもあって、ギャラリーだけ見てると気づきません。
その小さな作品の力がこれまたものすごくて、あんな小さな画面にすら宇宙を感じる。
そして、僕が思わず釘付けになったのが、入って正面の作品。
画面と比べやや大きめの額にはいったその作品は壁と微妙に離れている。
その浮遊感がものすごくて、平面とわかっていながら不思議なパースペクティブを感じる。
「目を奪われる」という表現がぴったりくるくらい、しばらく目が離せませんでした。
どれもこれもがすさまじい力を持ってる作品たち。
そして、大舩さんの天才的なインスタレーション感覚。
一体どんだけ引き出しもってはんねやろ・・・。
こうした展示は、やはり作品に力がないとできることではない。
力がないと、ただ気をてらってるだけに見えてしまう。
大舩さんのミクロコスモスな日本画があってこそのすさまじいエネルギー。
彼の作品を見たその後は中々他の作品を見る気がしない。
今回、作品一つ一つのパワーがすごすぎて、ヘロヘロになってしまった。
これからもどんな宇宙を見せてくれるのか。本当に楽しみな作家さんです。
あー、春のパリの展示も見たい!
大舩真言展「Principle」
neutron http://www.neutron-kyoto.com/
2009年2月17日-3月1日 11:00-23:00 23日(月)は休廊 最終日は21時まで
公募京都芸術センター2009@京都芸術センター
毎年行われている、公募展示。
昨年は宮永さんがすばらしい展示を披露しましたが、今年は、選出者に、劇作家・演出家の平田オリザ氏を向かえ、井上唯さんと2人組みユニットclipperが選出されました。
まずギャラリー南のclipperの展示。
入ったらいきなり人がいて、ぶつかってもうて、すんません!って言ったら実はそれは人じゃなくて、天井からぶら下がった人型のクッションみたいなので、それが満員電車のようにひしめき合ってた。
奥から係の人が「どうぞー」と言ってるのがシュールでおもろかった笑
奥には映像が投影されてて、謎だったのが、なぜか走ってる車からの映像が流れてること。なんで電車じゃなくて車?よくわからないまままた人ごみに混じって出口へと向かいました。
続いてギャラリー北の井上さん。
井上さんは前の僕のアトリエでの展示にも来ていただいてたので、今回どんな作品かと思って結構期待して扉をオープン。すると床には膨大な砂が敷き詰められててびっくり。
その日は雨で、ぬれた靴でこの上を歩くと・・・と躊躇しつつ、そんなこと言っても始まらないのでがんばって入りました。案の定砂まみれでしたが。
真ん中に彼女の作品の織がぶら下がってて、幻想的な空間。
ただ、どっちにも言えるのだけど、演出過剰な部分が目立って、ちょっと作品を純粋に見ることができなかったのが残念。そこは選出したオリザさんが舞台やってるのが大きいのかもしれないけれど。
悪くはないですが、残念ながら感動にはいたりませんでした。
畠山直哉 「光のマケット」@タカ・イシイギャラリー京都
2階に上がるとほの明るい作品たち。
裏に仕込まれた蛍光灯で美しくやさしい光を放つ写真家畠山直哉の過去のシリーズ「光のマケット」。
都市の明かりを撮り続けたそれらは、とても美しい存在感。
普段見慣れてるそれらの明かりがすごく特別なものに見えてくる。
やっぱ畠山さんの作品はすごい。
オープン最初は小山が大きなスペースを使ってたけど、今回小山は奥のスペース。なるほど、こうやって二つのギャラリーが共存してるのはおもしろい。
その小山ではこちらも写真家塚田守の写真展。
正直何をとってるかさっぱりわからなかったので、なんとも言えないんだけど、でもその気持ち悪さみたいなのが逆に興味を引くものがあった。何が写ってるのかわからない方がおもしろいんかな。でも知りたい。
仮面越しに写真を撮ったシリーズも気持ち悪かった。
1階では小山のショップ兼ギャラリー。
こっちのギャラリーではイギリスのYBAの一人サラ・ルーカスの写真展。
彼女の何がいいのかさっぱりわからん。だれか教えてくれ。
高橋匡太「Roomers」@MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERYpts/w
出町柳から京都駅近くまで移転した新生ヴォイスのお披露目展。
にしても、最近オープンするギャラリーはことごとく看板が小さい。
展覧会やってます的な看板もないし、ドアに小さくギャラリー名が載ってるぐらい。
今回も案の定通り過ぎてしまった。見つかってよかった。
で、その新生ヴォイスの第一弾が、十和田市現代美術館でもコミッションワークを手がけるなど、めきめき実力を上げきてる高橋さん。十和田のは日没後だったので、見れませんでしたが。
いつもは野外で光を使ったパフォーマンス的な作品を手がけてるので、ギャラリー内でどう見せるのかと思いきや、新しい天井高のある広いスペースを有効に使った数台のプロジェクターによる映像インスタレーション。
2人の男女の影が交互に現われたり消えたりする。
まるで人のいないコンテンポラリーダンスを見てるかのよう。
個人的には好きな作品でした。
ちなみに、ヴォイスには入り口入ったところにもうひとつスペースがあるのですが、そちらのスペースの作品は素通り。見なくていいです。
氷雨降りしきる中、なぜか「傘がない」状態で行ってきました。
今回はどんな展示で魅せてくれるのか。
大舩さんの展示はいつも楽しみで、期待を裏切られたことがない。
今回も案の定すばらしい展示でした。
京都にある本家neutronはカフェとギャラリーが隣接していて、その境はガラスで仕切られてるのみ。
ギャラリーからはカフェが覗けて、カフェからはギャラリーが覗ける。
その分ガヤガヤしていて、大舩さんのような静謐な作品には一見不向き。
カーテン閉めちゃって、カフェと切り離しちゃえば楽なんやろうけど、そんなことしたら負けでしょ。
今回もきっちりカーテン閉めずに展示していました。
まず照明が結構落とされている。作家持込の照明もあるらしい。
そして作品の展示方法が秀逸。
メインとなる半円形の作品は壁からにょきっと突き出している。
まるで壁の向こうにはさらに半円があって、一部しか展示室に出てきてないような。
すごく異様なんだけれどすごく自然。
たまたま大舩さんがいらっしゃって、どうやって展示したのか、と話を聞くとやはり大変だったらしい。
なんせ、搬入業者3社から断られたらしいから笑
完全に重力無視してるみたいな展示ですもの。
で、その道の大物に頼むことができたそうで、なんとか完成したのだとか。
ってか大舩さんのネットワークの広さに脱帽。なんだその道の大物って。
それからとても小さな作品もちらほらと。
よく見るとカフェの方にもあって、ギャラリーだけ見てると気づきません。
その小さな作品の力がこれまたものすごくて、あんな小さな画面にすら宇宙を感じる。
そして、僕が思わず釘付けになったのが、入って正面の作品。
画面と比べやや大きめの額にはいったその作品は壁と微妙に離れている。
その浮遊感がものすごくて、平面とわかっていながら不思議なパースペクティブを感じる。
「目を奪われる」という表現がぴったりくるくらい、しばらく目が離せませんでした。
どれもこれもがすさまじい力を持ってる作品たち。
そして、大舩さんの天才的なインスタレーション感覚。
一体どんだけ引き出しもってはんねやろ・・・。
こうした展示は、やはり作品に力がないとできることではない。
力がないと、ただ気をてらってるだけに見えてしまう。
大舩さんのミクロコスモスな日本画があってこそのすさまじいエネルギー。
彼の作品を見たその後は中々他の作品を見る気がしない。
今回、作品一つ一つのパワーがすごすぎて、ヘロヘロになってしまった。
これからもどんな宇宙を見せてくれるのか。本当に楽しみな作家さんです。
あー、春のパリの展示も見たい!
大舩真言展「Principle」
neutron http://www.neutron-kyoto.com/
2009年2月17日-3月1日 11:00-23:00 23日(月)は休廊 最終日は21時まで
公募京都芸術センター2009@京都芸術センター
毎年行われている、公募展示。
昨年は宮永さんがすばらしい展示を披露しましたが、今年は、選出者に、劇作家・演出家の平田オリザ氏を向かえ、井上唯さんと2人組みユニットclipperが選出されました。
まずギャラリー南のclipperの展示。
入ったらいきなり人がいて、ぶつかってもうて、すんません!って言ったら実はそれは人じゃなくて、天井からぶら下がった人型のクッションみたいなので、それが満員電車のようにひしめき合ってた。
奥から係の人が「どうぞー」と言ってるのがシュールでおもろかった笑
奥には映像が投影されてて、謎だったのが、なぜか走ってる車からの映像が流れてること。なんで電車じゃなくて車?よくわからないまままた人ごみに混じって出口へと向かいました。
続いてギャラリー北の井上さん。
井上さんは前の僕のアトリエでの展示にも来ていただいてたので、今回どんな作品かと思って結構期待して扉をオープン。すると床には膨大な砂が敷き詰められててびっくり。
その日は雨で、ぬれた靴でこの上を歩くと・・・と躊躇しつつ、そんなこと言っても始まらないのでがんばって入りました。案の定砂まみれでしたが。
真ん中に彼女の作品の織がぶら下がってて、幻想的な空間。
ただ、どっちにも言えるのだけど、演出過剰な部分が目立って、ちょっと作品を純粋に見ることができなかったのが残念。そこは選出したオリザさんが舞台やってるのが大きいのかもしれないけれど。
悪くはないですが、残念ながら感動にはいたりませんでした。
畠山直哉 「光のマケット」@タカ・イシイギャラリー京都
2階に上がるとほの明るい作品たち。
裏に仕込まれた蛍光灯で美しくやさしい光を放つ写真家畠山直哉の過去のシリーズ「光のマケット」。
都市の明かりを撮り続けたそれらは、とても美しい存在感。
普段見慣れてるそれらの明かりがすごく特別なものに見えてくる。
やっぱ畠山さんの作品はすごい。
オープン最初は小山が大きなスペースを使ってたけど、今回小山は奥のスペース。なるほど、こうやって二つのギャラリーが共存してるのはおもしろい。
その小山ではこちらも写真家塚田守の写真展。
正直何をとってるかさっぱりわからなかったので、なんとも言えないんだけど、でもその気持ち悪さみたいなのが逆に興味を引くものがあった。何が写ってるのかわからない方がおもしろいんかな。でも知りたい。
仮面越しに写真を撮ったシリーズも気持ち悪かった。
1階では小山のショップ兼ギャラリー。
こっちのギャラリーではイギリスのYBAの一人サラ・ルーカスの写真展。
彼女の何がいいのかさっぱりわからん。だれか教えてくれ。
高橋匡太「Roomers」@MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERYpts/w
出町柳から京都駅近くまで移転した新生ヴォイスのお披露目展。
にしても、最近オープンするギャラリーはことごとく看板が小さい。
展覧会やってます的な看板もないし、ドアに小さくギャラリー名が載ってるぐらい。
今回も案の定通り過ぎてしまった。見つかってよかった。
で、その新生ヴォイスの第一弾が、十和田市現代美術館でもコミッションワークを手がけるなど、めきめき実力を上げきてる高橋さん。十和田のは日没後だったので、見れませんでしたが。
いつもは野外で光を使ったパフォーマンス的な作品を手がけてるので、ギャラリー内でどう見せるのかと思いきや、新しい天井高のある広いスペースを有効に使った数台のプロジェクターによる映像インスタレーション。
2人の男女の影が交互に現われたり消えたりする。
まるで人のいないコンテンポラリーダンスを見てるかのよう。
個人的には好きな作品でした。
ちなみに、ヴォイスには入り口入ったところにもうひとつスペースがあるのですが、そちらのスペースの作品は素通り。見なくていいです。