大舩真言「Prism」@ neutron tokyo

今月10日に東京青山にオープンしたニュートロン東京。
そのオープニングを飾るのが大舩さんです。
大舩さんに関してはコチラで。
半分行けないものと諦めかけてたのですが、行けてなにより。
最初青山と聞いてたので、表参道のあの雑踏を思い浮かべてたんですが、最寄り駅は外苑前駅で、青山霊園のすぐそば。とても静かな立地でした。
清々しいまでに白い外観は元住居だったとか。
んー、ポッシュや。
そとのウインドには早速大舩さんの小作品が展示されてた。
ドキドキワクワクしながら中へ。
入ると早速真っ暗。でも慌てない。椅子に腰掛け正面の絵を見つめる。
目が慣れるにつれてどんどん見えてくるディテール。ぞくぞくする。
小さな中庭を経て中に進むと、すこし小さな部屋へ。
そこには2枚横長の作品。中庭からの光を受けながら。
そして2階へ。するとオーナーさんと大舩さんがいらっしゃった。
これは予想外。てっきりもう帰ってるかと思ってた。
色々話しながら3階へと。
吹き抜けに掛けられてる白い絵が破壊的に美しい。
床置きのもいいなぁ。全部いいなぁ。
結局コーヒーまで出して頂いて、結構長居させてもらった。
大舩さんの絵は外の光の加減で大分印象が変わってくる。
この時も夕暮れ時だったので、来た時と帰る時で全く違う。
大舩さんの絵はホワイトキューブより前回のような古い建物や野外に展示されてる方が似合うような気もするけど、こうやって外の光が直接入ってくる空間なら申し分なく楽しめる。あー、一日いてその変化を楽しみたい。宿泊ツアーとかあったらいいのに。
あと、色んなシチュエーションで作品を撮影した本「resonance」がついに発売されてたので即行で買った。特に野外で撮影した写真には、彼の作品が刻々と表情を変える様が絶妙に描かれています。おすすめ!ですが、ギャラリーでしか買えないのかな?是非行ってみてください。
にしてもニュートロンが東京進出。感慨深いものがある。
2001年にオープンして以来、とても刺激的な場として、僕ら京都の美学生は必ず立ち寄るところだった。実際カフェの方で1度僕も個展をさせてもらったことがあります。
ここからまた色んなおもしろい作家を発信されていくのを楽しみにしています。特に関西のアートをどんどん東京に進出させてほしい。期待してます。
大舩真言展「Prism」
neutron tokyo http://www.neutron-tokyo.com/
2009年1月10日-2月1日 11:00-20:00 close on monday.
大舩真言展「Principle」
neutron http://www.neutron-kyoto.com/
2009年2月17日-3月1日 11:00-23:00 close on 23 feb.
内海聖史「十方視野」@ ラディウム-レントゲンヴェルケ
なんと内海さんが大舩さんの個展にいらっしゃったらしい!
僕の中で大舩さんと内海さんは絵画で無限の空間を表現できる数少ないペインターなので、この2人の共演はアツい!しかもお2人同い年。
そんな内海さんの個展にも行ってきました。
前回「風景ルルル」で披露した「十方視野」。
今回レントゲンヴェルケの壁という壁を使って再構成。
でも、吹き抜けならまだしも、一階はちょっと物足りない感じやった。
2階はかなり気持ちいい空間になってたけどね。
一番いいのは階段昇ってって、徐々に2階の空間が見えてくる瞬間。
色の氾濫がとても気持ちいい。
でもやっぱもうちょっとでかい空間で見たいな。
まあ、その分たくさん描かなあかんので大変やろうけど。。。
カタログも300部限定で販売中。これ一点一点同じようなサイズでまるで図鑑のような載せ方やけど、今回の十方視野のように、ランダムにサイズ感出して配置してくれたらおもしろかったのになぁ。にしても300部サインは大変やったろうなぁ。ご苦労様です。
こちらは2月14日まで。日月祝休み。コチラ。
隣のCASHIでやってる杉浦慶太の展覧会も面白かった。
薄暗い黒い写真に浮かび上がる森。とても美しいです。こちらは31日まで。
宮永愛子「地中からはなつ島」@資生堂ギャラリー

今回で3回目となる企画shiseido art egg。
公募で資生堂ギャラリーの展示室を使った展示プロポーザルを集め、その中から優秀案を3組選出し、3週間ずつ個展を開くというもの。今回は321件もの応募があったそうで、その中から見事その権利を勝ち取ったのが宮永愛子、佐々木加奈子、小野耕石の3名。
第1回では前述の内海さんも個展を開いてます。
で、宮永さん。
近年めきめき頭角を現してる。
特にこの2年ぐらいで発表してる塩の作品は最高です。
でも今回はナフタリン。
「水」をテーマに様々なモチーフをナフタリンで制作。
にしても、本当にすごい展示やった。
このギャラリーの展示室の特徴ってなんといっても天井高。
天井一杯まで延びた細い柱をいくつも配して、何本かにガラスケースを挟み込んで、その中にナフタリンが揮発していく様を閉じ込めてる。美し過ぎる・・・。
また、壷に水滴が落ちる作品もすばらしかった。
本当、最近の宮永さんは前にもまして神業に近いインスタレーション感覚で見た事もない空間演出を見せてくれる。
今年は東京での発表がいくつか。
中でも国立新美術館のアーティストファイルは必見かと。
あと、ミヅマでも4月から個展。でもなんでミヅマ?全然毛色が違う気がするんやけど・・・。ちょっと疑問。
なんにせよ、今1つでも見逃せない作家です。
なんとか全部観れるようにがんばります。
この資生堂の展示は2月1日まで。必見!!
ちなみにこの人もニュートロンの作家。なんかニュートロン時代から見てきた人間としてはこうして色んな人に知ってもらえるのが嬉しい。
あと、今年のVOCAを勝ち取り、今佐藤美術館で個展開催中の三瀬夏之介さんもこのニュートロンから羽ばたきました。
束芋「ハウス」@GALLERY KOYANAGI
前回観れなかった束芋の展覧会。
これはヴェニスでも見た作品やけどやっぱいい。
本当に見せ方が徹底してうまい。
極端にフラットな映像を、立体的に見せる技術はお見事。
そして、ループを感じさせない最初と最後のつながり方。
どれをとっても職人業。
職人業といえば、展示されてあったドローイングは素晴らしい。
やっぱ束芋は安心して観れますね。
この展覧会は2月14日まで。日月祝休み。コチラ。
年末には横浜美術館で個展が開かれるそう。楽しみ!
横浜美術館といえば、先日館長の交代が発表されました。
新館長はなんと逢坂恵理子さん!コチラ。
僕が人生で最も感動した水戸芸の「人間の未来へ ダークサイドからの逃走」展を企画したキュレーターさん。水戸芸のあと森美に移ったんですが、あまり実力を発揮できてなかった感があって、もったいないなぁと思ってたんですが、今回の交代劇はとても嬉しいニュース。これから横浜美術館がアツくなりそうです!
あと、丸亀の植松由佳さんもいつの間にか国立国際に移動してた。こちらも敏腕キュレーターなので、すごい嬉しい。キューレーターが変われば美術館は変わる。この方程式を見せつけてほしいですね。
ちなみに今月の美術手帖とARTitはどちらもキュレーションを取り上げてます。久々に両方とも買いました。高い。で、内容はまあまあ。でもここ最近では中々いい線いってる方だと思います。
さて、今回田中さんも含め、なんと全員70年代生まれ。
この辺の世代が今の日本美術をおもしろくしてる人たちですね。
今回本当におもしろい展覧会ばかり観れてよかった。
贅沢言えば今月末からオオタファインアーツで始まるさわひらきさんも見たいけど無理やなぁ。。。見たい作家がいっぱいです。
僕ら80年世代もどんどん参入していきたいですね。
あと、scaiのイエッぺ・ハイン展も観た。げんなりでした。。。
あ、でもこの人も70年代生まれや。
次の大庭大介氏は81年生まれ!来てますね。