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川北ゆう「今日までを想う」@ studio90

小生のアトリエstudio90にて第二弾展覧会を開催します。
今回も力の籠った展示ですので、遠いですが是非お越し下さい!
僭越ながら、僕も文章を寄稿させてもらってます。コチラ
期間中は常に作家が在廊しています。
僕はいつ行けるかわからないので、僕に会ってやろうなんて希有な方はその旨お伝えください。できるだけ日にち合わせますんで。
DMご希望の方はお名前と住所を明記の上studio90@live.jpまで。
なお、前回に送付された方や来訪者には既に配布済みです。
展覧会間近のアナウンスになってしまいましたがよろしくお願いします。
あとこのDMにはもうひとつ発表が記されています。乞うご期待。
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川北ゆう「今日までを想う」
studio90>>http://www.studio90.info/
2009年1月31日(土)ー3月1日(日) 13:00-20:00
土日祝日のみオープン(2月1日は17時まで)

Yu Kawakita 'days'
31 January - 1 March 2009 13:00~20:00
Open on Sat, Sun and bank holidays.
close at 17:00 on 1 February

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にしても前回といい今回といい、なんで一年でもっとも気候の厳しい時期に展覧会なんでしょうか・・・。今度こそ気候のいい時期選びたいです。

杉本博司「歴史の歴史」@金沢21世紀美術館


ホントは3月まで待とうかと思いましたが待てませんでした。
ってか、ある用件で新潟まで行く機会があったので、その帰りの寄り道。新潟ー大阪間18切符です。やー、もうどこでも行けちゃいますね。
さて、杉本博司展。
最初大阪にも巡回してくると聞いて、あ、じゃあ金沢の方は行かんでええわ、とホッとしてたんですが、そうはさせてくれません。なんせ金沢と大阪で展示が全然違うんですから。さすが空間にうるさい杉本さんです。同じ展覧会でも展示空間に合わせてきますね。
この「歴史の歴史」展は、古美術収集家でもある杉本博司が、自身の作品と、コレクションを融合させた展覧会。2003年の銀座エルメスから始まり、アメリカ等を回って、どんどん進化していってる展覧会。リベスキンドのロイヤル・オンタリオ博物館新館でもやっちゃってます。
今回金沢ではSANAA建築とどう絡んでくるかかなり見物。
てことで雪に覆われたまるびぃに突入です。

でも、これ3月の半ばぐらいまでやってるんですよね。
あまり詳しく書くとネタバレになっちゃうんで軽く触れる感じで。

とりあえず「凄いもん見た!」ってのが全体の感想。
なんか、鑑賞っていうか目撃って表現がしっくりくる。
こんな展示見た事ないっすよ。
それはもう、貝の化石から宇宙食まで、数千年の歴史を見事につなぎ合わせた、杉本博司という表現者。これはもう強いに決まってるじゃないですか。
実際、その杉本コレクション自体に関心があるわけじゃない、ってかほとんどないんやけど、これらの歴史的遺産をこうした現代美術のホワイトキューブで洗練された展示として観る機会ってそうそうないですよね。なんか凄く不思議な感じがしました。杉本さん自身の写真が相まって、すごい効果を発揮してます。
展示室から展示室へ移動する時もなんかすごい浮遊感があって、言うなれば、杉本さんの作る曼荼羅の中を漂うような感じ。不思議体験です。
でも、やっぱ杉本さんの写真がメインで展示されてる展示室が凄い。
まず新作「反重力構造」は写真も美しいけどあのオブジェは一体??
また新作「放電場」と雷神像が展示されてる展示室11。
それと「海景」と観音像が展示されてる展示室14。
これはすごい。もう神々しいとしか言いようがない。
で、この展示室14でこの神々しさを一身に浴びてたら、ぞろぞろと団体さんが入ってきて、何やねん邪魔すんなや、と思ったら、なななななんと、先頭にいるのは杉本博司ご本人じゃないですか!!!!
横には館長がいるし、ギャラリー小柳の小柳さんまでいる!!
どうなってるんやー!と思ったらその日はちょうど、カタログのサイン会があったそうで、それで杉本さん自身がギャラリーツアーをしてらしたそうな。なんて贅沢な。僕も最後でしたが海景の部屋で杉本さん自身が語るエピソード等を聞かせて頂きました。ありがたやありがたや。
何か真っ黒の海景写真があって、海と空の境界線に白い光がある。
これ昔から何かな、と思ったらそれはなんと月光なんだとか。
杉本さん自身に謎を解き明かしていただきました。
あと菩薩像の配置に関しては、無料ゾーン(プールのとこ)から無料で菩薩を拝めるように、なんてユーモアも笑
売店でカタログ買ってサインいただこうかと思ったけど、6000円もするし、内容はそのコレクション一点一点を映した内容やし、なんか、この展覧会はひとつのインスタレーション(曼荼羅)としての魅力が大きいので、こうやって一点一点取りだされてもな、って感じだったので、やめました。
でも、本当にすごい展覧会です。まだの人は必ず行くべき。
4月から始まる国立国際の方も絶対行きます!!
確実に杉本さんは「歴史の歴史」という歴史を刻み付けてますね。

杉本博司「歴史の歴史」
金沢21世紀美術館 http://www.kanazawa21.jp/
2008年11月22日(土)-2009年3月22日(日) 月曜休館
10:00ー18:00(金・土は20:00まで)

国立国際美術館 http://www.nmao.go.jp/
2009年4月14日(火)-6月7日(日) 月曜休館(祝日の場合は翌火曜休館)
10:00-17:00(金曜は19時まで)

最近BRUTUSの特別編集の杉本特集はすごいです。
以前森美での時も出してたんですが、更に増刊。1冊丸ごと杉本博司。
これで1000円は安い!安過ぎる。ズントーとの絡みもありです。
あと、勢いで、DVDも買っちゃいました。
「放電場」の制作風景はなんかすごい・・・。
あとスタジオ広すぎ!さすがですね。
最近出た著書「現な像」も気になる。
追いかけても追いかけても追いつけない作家です。
また、「杉本博司文化財団」の設計も始まってるそうで、これが出来たら更に杉本博司という歴史を壮観できそうで楽しみでなりません。

ちなみに今回コレクション展も充実してました。
デミアンの作品がオープニング展以来初めて出てた気がする。
デミアンの作品を日本で唯一所蔵してる美術館だと思います。
あと奈良さんの部屋もいい感じやし。

あー、雪が似合うなぁ。

大舩真言「Prism」@ neutron tokyo


今月10日に東京青山にオープンしたニュートロン東京。
そのオープニングを飾るのが大舩さんです。
大舩さんに関してはコチラで。
半分行けないものと諦めかけてたのですが、行けてなにより。
最初青山と聞いてたので、表参道のあの雑踏を思い浮かべてたんですが、最寄り駅は外苑前駅で、青山霊園のすぐそば。とても静かな立地でした。
清々しいまでに白い外観は元住居だったとか。
んー、ポッシュや。
そとのウインドには早速大舩さんの小作品が展示されてた。
ドキドキワクワクしながら中へ。
入ると早速真っ暗。でも慌てない。椅子に腰掛け正面の絵を見つめる。
目が慣れるにつれてどんどん見えてくるディテール。ぞくぞくする。
小さな中庭を経て中に進むと、すこし小さな部屋へ。
そこには2枚横長の作品。中庭からの光を受けながら。
そして2階へ。するとオーナーさんと大舩さんがいらっしゃった。
これは予想外。てっきりもう帰ってるかと思ってた。
色々話しながら3階へと。
吹き抜けに掛けられてる白い絵が破壊的に美しい。
床置きのもいいなぁ。全部いいなぁ。
結局コーヒーまで出して頂いて、結構長居させてもらった。
大舩さんの絵は外の光の加減で大分印象が変わってくる。
この時も夕暮れ時だったので、来た時と帰る時で全く違う。
大舩さんの絵はホワイトキューブより前回のような古い建物や野外に展示されてる方が似合うような気もするけど、こうやって外の光が直接入ってくる空間なら申し分なく楽しめる。あー、一日いてその変化を楽しみたい。宿泊ツアーとかあったらいいのに。
あと、色んなシチュエーションで作品を撮影した本「resonance」がついに発売されてたので即行で買った。特に野外で撮影した写真には、彼の作品が刻々と表情を変える様が絶妙に描かれています。おすすめ!ですが、ギャラリーでしか買えないのかな?是非行ってみてください。
にしてもニュートロンが東京進出。感慨深いものがある。
2001年にオープンして以来、とても刺激的な場として、僕ら京都の美学生は必ず立ち寄るところだった。実際カフェの方で1度僕も個展をさせてもらったことがあります。
ここからまた色んなおもしろい作家を発信されていくのを楽しみにしています。特に関西のアートをどんどん東京に進出させてほしい。期待してます。

大舩真言展「Prism」
neutron tokyo http://www.neutron-tokyo.com/
2009年1月10日-2月1日 11:00-20:00 close on monday.
大舩真言展「Principle」
neutron http://www.neutron-kyoto.com/
2009年2月17日-3月1日 11:00-23:00 close on 23 feb.

内海聖史「十方視野」@ ラディウム-レントゲンヴェルケ
なんと内海さんが大舩さんの個展にいらっしゃったらしい!
僕の中で大舩さんと内海さんは絵画で無限の空間を表現できる数少ないペインターなので、この2人の共演はアツい!しかもお2人同い年。
そんな内海さんの個展にも行ってきました。
前回「風景ルルル」で披露した「十方視野」。
今回レントゲンヴェルケの壁という壁を使って再構成。
でも、吹き抜けならまだしも、一階はちょっと物足りない感じやった。
2階はかなり気持ちいい空間になってたけどね。
一番いいのは階段昇ってって、徐々に2階の空間が見えてくる瞬間。
色の氾濫がとても気持ちいい。
でもやっぱもうちょっとでかい空間で見たいな。
まあ、その分たくさん描かなあかんので大変やろうけど。。。
カタログも300部限定で販売中。これ一点一点同じようなサイズでまるで図鑑のような載せ方やけど、今回の十方視野のように、ランダムにサイズ感出して配置してくれたらおもしろかったのになぁ。にしても300部サインは大変やったろうなぁ。ご苦労様です。
こちらは2月14日まで。日月祝休み。コチラ
隣のCASHIでやってる杉浦慶太の展覧会も面白かった。
薄暗い黒い写真に浮かび上がる森。とても美しいです。こちらは31日まで。

宮永愛子「地中からはなつ島」@資生堂ギャラリー

今回で3回目となる企画shiseido art egg。
公募で資生堂ギャラリーの展示室を使った展示プロポーザルを集め、その中から優秀案を3組選出し、3週間ずつ個展を開くというもの。今回は321件もの応募があったそうで、その中から見事その権利を勝ち取ったのが宮永愛子、佐々木加奈子、小野耕石の3名。
第1回では前述の内海さんも個展を開いてます。
で、宮永さん。
近年めきめき頭角を現してる。
特にこの2年ぐらいで発表してる塩の作品は最高です。
でも今回はナフタリン。
「水」をテーマに様々なモチーフをナフタリンで制作。
にしても、本当にすごい展示やった。
このギャラリーの展示室の特徴ってなんといっても天井高。
天井一杯まで延びた細い柱をいくつも配して、何本かにガラスケースを挟み込んで、その中にナフタリンが揮発していく様を閉じ込めてる。美し過ぎる・・・。
また、壷に水滴が落ちる作品もすばらしかった。
本当、最近の宮永さんは前にもまして神業に近いインスタレーション感覚で見た事もない空間演出を見せてくれる。
今年は東京での発表がいくつか。
中でも国立新美術館のアーティストファイルは必見かと。
あと、ミヅマでも4月から個展。でもなんでミヅマ?全然毛色が違う気がするんやけど・・・。ちょっと疑問。
なんにせよ、今1つでも見逃せない作家です。
なんとか全部観れるようにがんばります。
この資生堂の展示は2月1日まで。必見!!
ちなみにこの人もニュートロンの作家。なんかニュートロン時代から見てきた人間としてはこうして色んな人に知ってもらえるのが嬉しい。
あと、今年のVOCAを勝ち取り、今佐藤美術館で個展開催中の三瀬夏之介さんもこのニュートロンから羽ばたきました。

束芋「ハウス」@GALLERY KOYANAGI
前回観れなかった束芋の展覧会。
これはヴェニスでも見た作品やけどやっぱいい。
本当に見せ方が徹底してうまい。
極端にフラットな映像を、立体的に見せる技術はお見事。
そして、ループを感じさせない最初と最後のつながり方。
どれをとっても職人業。
職人業といえば、展示されてあったドローイングは素晴らしい。
やっぱ束芋は安心して観れますね。
この展覧会は2月14日まで。日月祝休み。コチラ
年末には横浜美術館で個展が開かれるそう。楽しみ!
横浜美術館といえば、先日館長の交代が発表されました。
新館長はなんと逢坂恵理子さん!コチラ
僕が人生で最も感動した水戸芸の「人間の未来へ ダークサイドからの逃走」展を企画したキュレーターさん。水戸芸のあと森美に移ったんですが、あまり実力を発揮できてなかった感があって、もったいないなぁと思ってたんですが、今回の交代劇はとても嬉しいニュース。これから横浜美術館がアツくなりそうです!
あと、丸亀の植松由佳さんもいつの間にか国立国際に移動してた。こちらも敏腕キュレーターなので、すごい嬉しい。キューレーターが変われば美術館は変わる。この方程式を見せつけてほしいですね。
ちなみに今月の美術手帖とARTitはどちらもキュレーションを取り上げてます。久々に両方とも買いました。高い。で、内容はまあまあ。でもここ最近では中々いい線いってる方だと思います。


さて、今回田中さんも含め、なんと全員70年代生まれ。
この辺の世代が今の日本美術をおもしろくしてる人たちですね。
今回本当におもしろい展覧会ばかり観れてよかった。
贅沢言えば今月末からオオタファインアーツで始まるさわひらきさんも見たいけど無理やなぁ。。。見たい作家がいっぱいです。
僕ら80年世代もどんどん参入していきたいですね。

あと、scaiのイエッぺ・ハイン展も観た。げんなりでした。。。
あ、でもこの人も70年代生まれや。
次の大庭大介氏は81年生まれ!来てますね。

田中功起「たとえばここ最近の作品をすこし違ったかたちでみせること」@群馬県立近代美術館


気になる。
気になって気になって仕方ない。
「この木何の木気になる木」じゃないけど、気になる田中功起なんである。
彼の作品はグループ展等で見る度に気になってしまう。
他の作品となんか常に浮いてしまっている。
あとでそのグループ展を思い出しても真っ先に浮かぶのが彼の作品。
こないだの広島現美の常設展然り。
僕は行ってないが、以前行われた「ガンダム展」の展評にも書かれていた。
「田中功起が浮いてる」と。
彼の作品は主に映像である。
その内容を叙述すると、例えば鳩にキャビアやってみたり、ビニルバッグにヘリウムガス入れて街中で飛ばしてみたり、あるいは大量のたらいを雪崩れ落としてみたり、、、なんて書き連ねたところで彼の作品の魅力の一端にも触れることができない。
ここまで実態の掴めない作家を僕は知らない。
なんかわかりかけたと思ったら次の瞬間その輪郭はぼやけている。
まるでいたちごっこのように僕はその輪郭を追い続けてしまう。
正直彼の作品のように、どこかユルいトーンの漂う作品というのは本来僕が好まないジャンルの作品なんやけど、彼の作品だけは何かが違う。何が違うのかわからない。
で、今回彼の作品が一気に見れるってんではるばる群馬まで。
そして、完全にハマってしまった。田中功起ワールドに。
例のガンダム展での作品もあったし、たらいもあった。
今までグループ展でしか見たことなかったけど、こうしてすべてが田中功起作品に囲まれるというのは初体験。とても和やかで、満たされる感覚を覚えた。
そして悟った。何で魅かれるとか考えんのはあほらしいと。
彼の作品にはそう思わせてくれる何かがある。
それは決して言葉にはできないが、もどかしさも何もない。
むしろ清清しい気持ちにさせてくれる。
「好きだから好き」。それでいいじゃないかと。
なんかレビューにもなんにもなってないけど、こんな感想しか出ません。
今一番気になる作家、田中功起。
群馬まで行った甲斐があったというもの。
と思うや否や、彼の講演会が同美術館で開催されることが発覚!
なんでもこの春から3年アメリカに行っちゃうからその前に話せることを話すという企画らしい。なんて魅力的!どうしよう。この日は午前中用事があるが、なぜか関東にいる。
んー、ちょっと悩みます。悶々。
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と、ここまで書いたものの、やっぱもうちょっと考察してみます。
田中さんの作品の特徴は現実との乖離がほとんどないということ。
これは結構映像作品にありそうでないことなんです。
映像ってただでも生活の中でありふれたメディアなんで、それを「アート」足らしめるには何か特別なことをしなきゃならないような雰囲気があります。
でもそれをやりすぎると今度は「映画でええやん」ってなる。
この映像を特別にする方法で作品作りを徹底してるのがビル・ヴィオラでしょうね。彼の場合は壮大な装置を使ったりして観るものを圧倒するような力強い映像を作り上げてしまいます。あとピピロッティ・リストなんかもそうかな。
また、田中さんと同年代で言えばさわひらきさんもこっちになるでしょう。さわさんも「ありそうでありえない風景」を徹底して作り込んでいく。そのディテールの細かさには度肝を抜かれます。
で、田中さんの場合は、その特別さが残酷なほどにない笑
確かに特別っちゃ特別なことやってるけど、CGなんて一切使わずに、その全てがやろうと思えば現実に起こりうる出来事。わざわざ映像にする意味あんのか?って事柄をとことんやっちゃってる。そこがミソで、でも実際だれもやらんやろうなぁ、と思うことがほとんど。
例えば今回出品されてるスニーカーが階段から次々落ちてくる作品。最初短いループで流してるのかと思ったら、落ち方が全部違くて、実際に同じ型の靴を大量に落としてるんだとわかる。
また、実際その映像に使った道具を映像と共にインスタレーションしたりするのも特徴。映像ってとてもフラットなメディアやし、たしかに現実を映してはいるんやけど、その出来事はカメラの前で起こった出来事であって、観客の前で実際に起こった出来事ではないので、何だか映像と見手の間に距離を感じる事が多い。でも、実際使った「もの」を一緒に展示することで、すごく映像との距離が縮まったりする。
今回メインとなってる「そうして群馬県立近代美術館にたくさんのたらいが落ちる」は、以前「笑い」展で森美術館用に制作され、その時は「そうして森美術館にたくさんのたらいが落ちる」というタイトルだったのを、実際群馬近美で再制作したものを展示している。
実際、大量のたらいが落ちる様を映した映像とその映像に使われたたらいが展示されてるんやけど、ぶっちゃけ森美で落とされようが群馬で落とされようが変わらない気もするんやけど、田中さんは現場にこだわる。映像ってDVD1枚でどこにでも持っていけて、壁さえあればどこにでも映せるってのが利点でもあり、国際展等で氾濫する要素でもあるんやけど、それに田中さんは抵抗して、映像にも現場性を持ち込んでいく。実際その映像に映されたたらいの展示空間へ転がり落ち方ってのは、やっぱり人の手でランダムに配置するのでは実現できない様やし、たらいが床にたたきつけられて凹んでるのとか、すごくリアル。
そういった現場の空気感を大事にする作家さんです。
なんか、田中さんの作品を見てると安心するというか、アホらしいんやけど、あぁ、世界ってこんなに単純で複雑なんやなぁ、としみじみ思い出させてくれる。
美術って、現実と遊離する楽しみもあるけど、こうやって美術館の外に出ても満たされる作品ってとても魅力的やなぁと思う。やっぱ講演会がんばって行こう。
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田中功起
「たとえばここ最近の作品をすこし違ったかたちでみせること」
群馬県立近代美術館 http://www.mmag.gsn.ed.jp/
11月22日(土)-2009年3月29日(日)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日 月曜日(祝日の場合はその翌日)

アーティスト・トーク
「僕がアメリカに行くまえに整理したこと、話したいこと」
3/14(土) 14:00- *申込不要 / 聴講無料
http://www.mmag.gsn.ed.jp/event/OTHER.htm

ちなみにこの美術館は磯崎新氏によるもの。
改修工事を最近終えて展示室が天井高くてすごくきれいです。
(改修工事の理由はア○ベ○ト問題との噂、、、)
まあ、仰々しすぎて、これぞ「美術館」って感じは弟子である青木淳氏に「遊園地」と批判されそうですが。そんな青木さんも田中功起ファン。前の展覧会図録に文章寄せてます。田中さんも青木さんの作品に寄せて文章書いたりしてる。

あと、田中さんのポッドキャスト「言葉にする」は中々おもしろい。
作品とは裏腹に田中さんのまじめさが好感持てる。
http://kktnk.com/podcast/kotoba/kotoba.html

あ、これ今年初展覧会や。

'A'holic days

改めまして、こんにちは。
元artholic days改め'A'holic daysです。
アートと建築に酔狂な日々を相変わらず綴って参ります。
これからもご贔屓によろしくお願いします。

2009年注目展覧会 暫定版

明けましておめでとうございます。
本年もこのartholic daysをよろしくお願いいたします。

さて、今年も色々観て行きたいわけですが、注目展覧会をざっと挙げておきます。
選択基準はとりあえず年度末(3月)までに始まる分と、独断と偏見です(勿論)。
ギャラリーの展覧会なんかはまだアナウンスされてないものも多いのですが、とりあえずわかってる分だけ。
2009年度分は4月以降各美術館のHP等で予定が発表されるので、また追ってお知らせします。
(会期/作家「展覧会タイトル」/会場)

01.09-02.01/宮永愛子「第三回shiseido art egg」/SHISEIDO GALLERY
01.10-02.01/大舩真言「Prism」/neutron tokyo
01.10-02.14/内海聖史「十方視野」/ラディウムーレントゲンヴェルケ
01.16-02.28/イエッペ・ハイン「Kuru Kuru」/SCAI THE BATHHOUSE
01.17-01.31/泉洋平「先鋭作家選抜シリーズ展 vol.9」/studioJ
01.31-03.01/川北ゆう「タイトル未定」/studio90
02.01-02.28/田中真吾「タイトル未定」/eN arts
02.03-02.15/ヤマガミユキヒロ「Synchroni City」/neutron
02.14-03.22/伊庭靖子「まばゆさの在処」/神奈川県立近代美術館鎌倉館
02.17-03.01/大舩真言「Principle」/neutron/
02.17-03.29/椿昇「2004–2009: GOLD/WHITE/BLACK」/京都国立近代美術館
02.21-06.07/マーク・ロスコ「瞑想する絵画」/川村記念美術館
03.06-03.28/「掌9」/ラディウムーレントゲンヴェルケ
03.07-05.10/「インシデンタル・アフェアーズ-うつろいゆく日常性の美学-」/サントリーミュージアム
03.07-05.10/やなぎみわ展「グランドマザーズ」/東京都写真美術館
03.14-05.06/「どろどろ、どろん 異界をめぐるアジアの現代美術」/広島市現代美術館
03.20-05.25/金氏徹平「Discharge!!」/横浜美術館
03.24-03.30/春原昌幸「土のある風景」/ギャラリーアンフェール

疲れた・・・まあこんなとこっすね。
ってか、日本人の展覧会内海さん以外全員関西勢笑
やっぱ関西はおもしろいんで。ってことでneutron tokyoに期待。
一発目の大舩さんはかなり期待してます。
これからもどんどん関西のアートを東京に紹介していってほしいです。
泉からヤマガミさんまで見事に知り合いです。
うちのスタジオ第二弾の展覧会もやります!詳細は追って報告します。
SCAIのイエッぺ・ハインはロンドンのバービカンのThe Curveでの展示がよかったのでちょっと期待。
「インシデンタルー」と「どろどろ、どろん」は完全未知数です。出品作家次第。
ロスコ展は、なぜか会期中ロスコルームを閉めるという不可解なことするらしいので微妙。この時こそ「見せ時」やのに。改装後のロスコルームが見たかったんやけど・・・。

ちなみに4月以降で注目は国立国際の杉本博司展(04.14-06.07)。
今金沢(-03.22)でやってる分も合わせてどっちも見といた方がいいですね。
かなり展示変えてくるみたいなんで。
あと、またまた発電所美術館です。5月30日からなんと塩田千春展がッ!!!!
やー、また行かなあかんー。塩田さんはこの時期に金沢21美のグループ展にも参加されるようなのでそれも合わせて。昨年に引き続き資生堂ギャラリーの「椿会」にも出品。あと5月には東京のケンジタキで個展。チェルフィッチュ代表岡田利規演出の舞台美術も手がけるそうなのでこれも注目ですね。
そして京都近美のウィリアム・ケントリッジ(09.04-10.18、以降東京近美、広島現美に巡回)。
名和さんも久々にSCAIで個展するらしいという噂もあります。噂です。
あと鹿児島、北海道と巡ってる高橋コレクション展が上野の森へ(05.23-07.12)。
今年は新潟が熱い!越後妻有(07.26-09.13)に新潟市(07.18-12.27)。
アート以外では吉岡徳仁がディレクションする東京国立博物館の「カルティエコレクション」展は注目。
そんで京都近美の「ラグジュアリー:ファッションの欲望」展(04.11-05.24、以降東京現美に巡回)。ギャルソンやマルジェラの服が展示されるそうなので。なんか京都近美がんばってんなー。
サントリーミュージアムの「安藤忠雄展」はどうなんやろ。ギャラリー間とかぶりそうかな。個人的には実現しなかった大阪のプロジェクト(中央公会堂とか)を展示してほしい。今年は水都もあるので、大阪を盛り上げる展覧会にしてほしいな。
また正式に美術館のアナウンスがあり次第アップデート版でお報せします。

建築関連で言えば、伊東さんの座・高円寺が竣工します。
そしてプリツカー賞をとります。もうこの人しかいないんで。
坂さんのポンピドゥー・メッツも今年ですね。
SANAAのスイス連邦工科大学ローザンヌ校も今年かな?これは現段階ですでに凄い。
ルーブル・ランスはいつなんやろ?
藤本壮介の武蔵野美大の図書館もか?これはできたら即行観に行きたい。

それでは本年もよいアート年でありますように。
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