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エモーショナル・ドローイング@京都近代美術館


最近自分が苦手な作家の作品やギャラリーもちゃんと見ておこうと頑張ってます。
好きなものだけ見てたら凝り固まってしまうのはよくないですからね。
でも、結局「いややなぁ」と思って観る展覧会は、大体「やっぱいややったなぁ」で終わることが多い笑
「意外とええやん!」を待ってるんやけどうまくいかんもんです。
この展覧会も「やっぱいややったなぁ」で終わってしまいました。。。
もうドローイングって時点でうわってなってしまう。
実際見渡してみても良かったのは結局奈良さんの展示だけ。
奈良さんの場合は、毎回インスタレーションがかっこいいのです。
他はもう素通りのオンパレード。
明らかに場違いなおっさんが
「けったいやなぁ」と言いながら観てた。
おっさんもけったいやったけど、言ってる事は合ってる。
エロいか、グロいか。大体その2つに収まってしまう最近流行のドローイングたち。
あと、ウィリアム・ケントリッジの亜流やんけっていう、消したり描いたりを繰り返すアニメーションもあってうんざり・・・。あぁ、本家(ケントリッジ)が見たいよぉ・・・と思ってたらなんと、常設展の方に飾ってあってホンマびっくりした。想いが通じた瞬間。
いつもここの常設おもんなくて、入っても5分も経たずに終わってしまって、今回も入っていつものペースで歩いてたら真ん中の部屋に置いてあった作品にただならぬ気配を感じてみたらケントリッジ!
テーブルの上に天井から映像が投影されてて、真ん中には鏡面の筒が。
テーブルの上の映像はようわからんぐちゃぐちゃな映像なんやけど、なんとその鏡の筒に映し出されてるのはちゃんと絵になってる!
その鏡に映し出されることによって正像が映し出されるという仕組みがおもしろい。
そして相変わらずケントリッジのシュールで物悲しいアニメーション。
これは、エモーショナル・ドローイングとは別に展示されてたのが不思議過ぎる。
今年近美が買い上げた作品らしいのだけど、これ一点で、エモーショナル・ドローイングでたまってた不満がふっとんだ。いやぁ、ええもん観れました。
しかも来年9月から同美術館でケントリッジの展覧会が行われるそうで、めっちゃうれしい!
この美術館本当にいい展覧会やらんのです。
実際ここ訪れたのドイツ写真の展覧会以来やから約3年ぶり。
来年は椿昇展もやるそうで、こちらも苦手な部類やけど行ってみたいと思います。

さて、苦手なものチャレンジパート2は小山登美夫ギャラリー。
扱ってる作家がほとんど苦手なのです。
まさに上の展覧会に出てるような作家がほとんどですね。
京都の東本願寺の裏手に先日オープンしたそのギャラリーに潜入。
外観は元工場ってことで汚いんやけど、中の空間はやたらに綺麗です。
床も塗らずに木のままなのがかっこいい。
あぁ、ようやく関西にもこんなクオリティの高いギャラリーがでけたんやなぁとため息。
入ったら外人のスタッフさんに「コンニチハ」と言われたじろいだ。
にしても案の定今やってる桑原正彦も本当苦手なタイプのペインティング。
最近こういう淡い色のペインティングはやり過ぎでしょ。
そして奥には、グラデーションのようにタカイシイギャラリーが溶け込んでる。
こちらも展覧会自体にあまり興味なし。
この2つのギャラリーは、アートフェアでもいつも一緒やし、東京の方も同じ空間やし、分ち難く結ばれてる。なんなんやろか。
最近小山さんの「その絵、いくら?」も読みました。
これは小山さんがコレクターの卵さんに向けて書いたような本。
読んでたら、すごい志のある方やなぁって思ってしまう。
扱ってる作家はともかくとして、ギャラリーオーナーとしての志は今も熱いです。
関西にはこの手のオーナーさんってほっとんどいない。
作家のことを考え、コレクターのことを考え、展示のことを考える。
海外では当たり前なんだけど、中々いないのが現状。
前にNHKの経済羅針盤にも出てはったけど、とても物腰の柔らかい人。
あー、ホンマ小山さんの好きなアートがあんなでなければ。。。と悔やまれる。
あとこの本には「一億円作家」を抱える小山さんと、ギャラリーコヤナギの小柳敦子さんとオータファインアーツの大田秀則氏の3人の豪華対談なんかもあっておもしろい。杉本博司の作品は昔は○○万円だったのに、なんていう生々しい会話も繰り広げられている笑
他にもアートとお金の関係(バーゼルの出展料は約400万とか)が赤裸々に書かれてます。

それからチャレンジ3は村上隆の「芸術起業論」も今更ながら読みました。
いやぁ、本当、この人じゃないと書けない本ですね。
成功してないと、こんなこと書いても絵に描いた餅ですもんね。
彼は確実に美術史に足跡を残す人物でしょう。
彼のやったことってのは本当にすごいことで、彼独自の「スーパーフラット理論」をここまで世界に定着させた功績ってのはそれはもう讃えようのないほど。
同時にこの事件は如何に日本の美術批評が軟弱かってことを証明してます。
本来こういうのは批評家がやるべき仕事なんだけど、作家自らやらざるをえなかった哀しみってのは十分伝わってきます。
今の日本の美術評論界で有名なのは椹木野衣と松井みどりですが、2人の本を読んでてもただのマスタベーションやんけ、って思ってしまいます。
椹木さんの本は一通り目を通してます。先日も「なんにもないところから芸術がはじまる」と「美術に何が起こったか1992-2006」を読みましたが、どっちもコピペしたように同じ内容でうんざりでした。結局この人の価値基準は「如何に文脈から外れているか」でありつつ、その文脈に一番固執してんのはあんたやん、とつっこみたくなります。
また松井さんはもう議論の対象にもなりません。昨年水戸芸で行われた「マイクロポップ」のカタログを読みましたが吐きそうになりました。結局「マイクロポップ」の定義付けのあまりの幼稚さと、ポップアートとの差異を強調しつつ、じゃあポップってつける意味があまりに希薄で、これが日本の美術評論のトップなんかぁ。。。と思うと未来は決して明るくないですね。
村上隆の話題に戻りますが、この本読みつつ、まだ40代だというのに、もうなんか行くとこまで来ちゃったって感があるのは端から見てて心配になります。
今世界を回ってる回顧展も成功を収めているし、なんかあとの人生消化試合みたいになっちゃうんじゃないかなぁ、と。今はアニメーション制作に力を入れてるみたいですが、これが今までの業績を超えられるか超えられないかで、この人の底が見れると思います。

なんか愚痴ばかりの記事になっちゃいましたが、たまにはいいよね。
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