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横浜トリエンナーレ2008


横浜トリエンナーレに行ってきました。
久々のアート行脚記事です。
そしていつの間にやらこのブログも3周年です。
そりゃトリエンナーレも一巡りするわ。
で、そのトリエンナーレに関してですが、予想通りどうしょうもない展覧会でした。。。
2000年に鳴り物入りで登場したこのトリエンナーレも3回目にして寒い。
そもそもこのトリエンナーレって、「日本も国際展やらなヤバいんちゃうん」って感じで始めた感があって、元々大義も何も感じられない。横浜でやる意味とかもあまりない気がするし。これじゃお金出してる横浜市がかわいそう。
そして問題はディレクターが毎回代わることによって、経験があまり蓄積されてない感があること。
誰か1人でも軸になる人がいればちょっとは変わる気がする。
前回川俣正氏がディレクターになって、彼の作品同様街中にも飛び出したりしたんだけど、今回は水沢勉氏による学芸員らしくまたホワイトキューブに収まった展示になってしまった。
まあ、前回も前回でアレやったわけだけど・・・。
そんなトリエンナーレの数少ない見所を全6会場分書き記しておきます。

ランドマークプラザ
ここにはエルムグリーン&ドラッグセットの飛び込み台を見下ろす少年の彫刻がででんと吹き抜けの空間に展示されてます。中々秀逸。10月26日までの展示。


新港ピア
一応メイン会場。
まずは、会場着く前にお目見えするのが、伊東豊雄事務所を出て、今ぐいぐい来てる若手建築家平田晃久氏による「イエノイエ」。
屋根の部分に部屋があるという展開。
隣のフラフープの彫刻は見なくていいです。

会場は西沢立衛事務所による展示構成。詳しくはコチラに載ってます。
裏と表を強調した空間。ホワイトキューブがいかにハリボテなものかというシニカルな視点も感じる。
構成はちょっとわかりにくくて、見逃してしまいそう。別に見逃してもいい作品ばかりだけど。
見応えのあるのはピストレットの鏡の作品ぐらい。あとはわけわからん。

赤レンガ倉庫1号館
前半ハイレッドセンターや土方巽のダンスの映像などの展示。
ほとんどわけわかんない展示。
狭い廊下を渡って行く作品が好きだったけど、名前忘れちゃった。

日本郵便海岸通倉庫
勅使河原三郎氏のガラスで出来た空間インスタレーションがたまらなく美しかった。
週末はあそこでパフォーマンスもやるらしい。見てみたい。
他はマシューバーニーやアブラモヴィッチなどもあったが特に大して思うとこなし。

大さん橋国際客船ターミナル
HBOXとかいうエルメス監修の映像箱みたいなのがあるんだけど、ホントに見る価値なし。
金だけかけて中身なしです。
壁に普通に投影するだけでいいじゃないか。
f.o.aによるこの建築は必見ですが。

三渓園
馬車道駅からバスで30分。遠い。
当初は行かないでいいやと思ってたんだけど、見たかった内藤礼やティノ・セーガルの展示がこっちだとわかって観に行く羽目に。
しかし、ここの展示が同じ横トリかと思うぐらいに素晴らしかった!!!
っていうか、もうここだけ見たらいいです。
1800円なんか払わなくても、この庭園の入園料払うだけで十分。
庭園の美しさと、クラシックとコンテンポラリーの融合が絶妙。
中でも中谷美二子さんの霧の作品は度を超えてすばらしかった。
今ちょうど彼岸花が咲いてて、あの世にいるような幻想的な世界を演出してた。


そして、ティノ・セーガル。彼に関してはコチラに書いてます。
今回は一昨年ベルリン・ビエンナーレにも出品していた「KISS」という作品。
2人のパフォーマーがひたすらキスをしているというもの。
茅葺き家の畳の間で絡み合う2人は、とても美しかった!!
たまに「KISS」「ティノ・セーガル」「2002」と交互に言うのもいい。
それぞれタイトル、作者、制作年です。
あと内藤礼は、電熱器の上で熱波でたゆたう糸を展示していた。
でも展示の仕方が微妙。
せめてコンセントを隠すとか、あの下の白い板はいらんだろうとか。
あとは詩の朗読みたいなのが流れてるやつとかもあった。
形にならない作品達がここでは展示されていて、遠かったけど行ってよかった。
これからの人は諦めずに是非ここまで辿り着いてください!

あと、ゲリラ的に毎日転じ場所を替える大巻伸嗣の作品は見れませんでした。
三渓園から帰ってきて、山下公園でやるという情報で駆けつけたのだけど。
今度神奈川県民ホールでやる小金沢健人展で関わってる人と知り合いになったので、それ観に行く時にまた探そうかな。


横トリに関係ないけど、日本大通駅近くにあるZAIMで行われてる、日本の若手を紹介する展覧会「THE ECHO」にも行ってきた。
名和さんをはじめ、鬼頭健吾やさわひらきなど出品者がやたら豪華。
名和さんはART OSAKAでも出してたドットの動く作品と映像を出品してた。
鬼頭さんはサッカーボールと鉱物の彫刻。よくわからなかった。
大庭さんの作品がめちゃくちゃきれいでよかった。作風が大分変化しててびっくりでしたが。
青山悟氏の刺繍はこれまた凄かった・・・。
これは結構見応えがあるので横トリ観に行くなら行った方がいいですよ。

にしても横浜美術館はこんな時に何故源氏絵巻展なんかやってるんだ。理解に苦しむ。
3月に金氏徹平展がやるそうだが、なぜそれを今に持ってこんのか。うーん。

横浜に高速バスで6時に着いて即行で伊東さんの風の塔見てきた。
予想より良くて、当時の「消える建築」を目指していた伊東さんが垣間見える作品。夜がライトが光ってきれいということで、帰り寄ったんだが光ってなかった!なんで!?
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