CHANEL MOBILE ART







4ヶ月連続上京キャンペーンもついにファイナルを迎えました。
最後を飾るのが、このシャネルの移動美術館です。
2月の香港に始まり、先月東京に上陸しました。
この後NY、ロンドン、パリと巡ります。
シャネルの総督カール・ラガーフェルドの呼びかけにより始まったこの企画。
建築界の女王ザハ・ハディドの建築と、錚々たる美術家の作品達。
ファッション×建築×ファインアートの夢のユートピア。
それがこのモバイルアートなのです!
とまあ、能書きはこの辺にして感想。
正直期待はずれでした。
まずザハの建築。
これに関してはもう食傷気味というか、ザハの建築は2個か3個見ればもういいです。
リベスキンドもそうだけど、かつてアンビルトと言われた建築家は、実際建つまでが花な気がする。
今や技術の進歩で、彼らの建築はボコスカ建ってるけど、ホント飽きる。
なので、建築に関してはほとんど何も感動はなし。
ただ、この場所はとてもよかった。
日本のモダン建築の最高峰の丹下健三の代々木国立競技場とザハの建築が対峙する様は一種の感慨がある。一昨年行われたNYのグッゲンハイム美術館で行われたザハの展覧会でもライトとの時代を超えたコラボが実現したわけだけど、こういうのはホントなんだかワクワクする。
さて中身。
入ってまずイヤフォンを装着させられて、老婆の声でストーリーテリングが始まる。
これが本当にうざくて、はっきりいって邪魔以外の何者でもない。
純粋に美術作品を鑑賞させる気がないのかと思わせられる。
おかげで、マイケル・リンの床に敷かれた花柄のタイルの作品や、束芋の相変わらずインスタレーション抜群な映像、レアンドロ・エルリッヒの水たまりに映るアパートメントの詩的なインスタレーション、ダニエル・ビュレンの光ファイバーを使ったストライプなど、素晴らしい作品はいくつかあったのに、わけわからんナレーションのせいで台無しと言ってもいいくらいだった。
そもそも僕はああいうガイドみたいなのが嫌いなのです。
あくまで自分のペースで見たいのに、あれはいちいち独裁的すぎる。
後半は特に面白いと思える作品もなくあっさり終了。
というか、イ・ブルの作品が酷過ぎる。
樹脂でできたバブルの継ぎ目が丸見えであれはどうなんやろう。ありえん。
あと絵画が1枚もなかったのも気になった。
なんだか、結局シャネルという巨大ブランドの力を改めて見せつけられてるような気がして、建築やアートがそれに利用されてるんじゃないか、とすら思えて、観賞後はあまりいい気がしなかった。
でもまあ、入場無料で、豪華なカタログももらえたしいっか。
どうやら予約は完全に終わってしまったようです。
これからの人は当日行ってキャンセルを待つしかなさそう。
平日なら結構楽に入れそう。後半になればどうなるかわからないけど。
まあ、行けるなら行ってみてもいいんじゃないでしょうか。