KAIT工房 by 石上純也

薄さ3mmのテーブル。
重さ1tの風船。
ありえないものを目の前に見せる手品師のような男。
石上純也、33歳。
彼は建築界において、今最も輝いている若手建築家と言えるだろう。
今年のヴェニス建築ヴィエンナーレにおいて日本館代表も務める。

今年の2月、神奈川県厚木市にある神奈川県工科大学内に工房がオープンした。
石上純也の建築としては処女作となる作品である。
それまではむしろ美術のエリアで名を馳せることが多かった。
彼の作品に共通するのは浮遊感だ。
ヴァーチャルと現実が入り乱れる今の時代をとても反映していると言える。

これとほぼ同時にヨウジヤマモトのブティックもNYにオープンした。
こちらは元あった建物をまるでケーキを切るように分断した大胆なリノベーションが話題になった。ヨウジの方はリノベーションなので、1から建てたものとしては今回の工房が処女作といって良いだろう。

305本もの向きも太さも違う柱がランダムに空間を切る。
そこは壁もなく、とても自由な不思議な空間が広がっている。
工房というだけあって、陶芸もできるし、木工作業もできる。
各々が好きなことを好きな場所で展開できる空間。

椅子や机も石上純也デザイン。
お得意の極薄。普通に座れる。
これらの制作行程などが見れます。
コチラ。

にしてもあれですね。工科大学って男ばっかりですね。
美大は女ばっかりだったので、同じ大学でもこうも違うか、と学食のカレー(¥220)を頬張りながら思うのでありました。
ガーデンコート成城 by 妹島和世

石上純也もかつて属していたSANAA事務所の主、妹島和世の最新作です。
こちらも昨年末にオープンしたばかりの高級住宅に建つ集団住宅。
西沢さんの森山邸とどこが違うのかと疑問でしたが、こっちの方が柔らかくて好きでした。
といっても、この日は閉まっていたので普通に外から遠目に見学でしたが。
オープンハウスでも申し込もうかしらと思いましたが、明らかに買う気もないので。

しかし相変わらず開口がでかい。
開放感は嬉しいけれど、周りの目が気になって仕方なさそう。
しかもこんな建築マニアとかしょっちゅう来るやろうしね。

にしてもホントにオサレな街でした。駅前からして雰囲気が違う。
本家本元スーパー「成城石井」にはちょっと感動しました。
そしてこの妹島さんの建物の近くに某有名映画監督のお家発見!やっぱ違うなぁ。
その後他にも芸能人の家はないかと、表札をきょろきょろ見回してました。
警察呼ばれなくてよかったよかった。