シェルター×サバイバル@広島市現代美術館

さて、「MONEY TALK」に続き今年に入って早くも2度目の来訪広島現美。
その前が2004年の「オノヨーコ」展だってんだから異常なペースです。
それだけおもしろそうな展覧会をやっちゃってるんですね。どうしちゃったんでしょう。
しかも今年は確実にもう一度来ます。まだ日程は発表されてませんが、3年に1度表彰される「ヒロシマ賞」を蔡國強が受賞したことを受け、彼がこの冬にこの広島現美で展覧会をするのです。また青春18切符でがんばって行きますよ。
ちなみにこの広島現美にはスタンプカードがあって、7つスタンプを集めると展覧会が1つ無料になるんです。最初はそんなの集まっかよ!と思ってましたが、前回で3つ、今回で2つ、既に計5つも集まってるではありませんか!次で確実に7つ行きます。やっほーい。こういうの地味に好きです。
さて、今回の「シェルター×サバイバル」展に関して。
正直期待してたほどはおもしろくありませんでした。
決定的な要因は、テーマに対してゆるい作品が多すぎたこと。
具体的には会田誠、小沢剛、そしてヤノベケンジ。
特にヤノベケンジは、テーマ的には彼の作品コンセプトど真ん中なんやけど、もう彼の作品は個人的に食傷気味。最近ヤノベさんは、関西現代美術の長気取りで、村上隆よろしくみたいな感じでとても嫌。京都造形大の地下に謎のファクトリーを建てようとしてるし、気味が悪すぎです。昔国立国際がまだ万博公園内にあった頃に行われた「メガロマニア」展はすごく感動したのだけど、今では彼の作品「トラやん」を見ると、ヤノベさん本人に見えて仕方ないという感じでもう目も当てられない。
ヤノベさん以外にも、こういうテーマなら他にも良い作家はいっぱいいる。それこそこないだの川俣正もそうだし、塩田千春の東ベルリンの窓でできた家なんかもそうだ。もっとシリアスな作品が並べられていたら言うことなかったのに。
そんな中で坂茂の存在はとても貴重だった。
作品のプレゼン自体はあんまりだったけど、それでも本当にこのテーマを地でいってる作品としてこの展覧会をきゅっとしめてた気がした。にしても紙の教会とか見たかったわー。
そして、デザイナーの津村耕佑とルーシー・オルタの「纏う」という考え方はとても好きだった。
津村さんの「mother」は母親と子供を包んでしまう衣服でとてもかっこ良かった。
ルーシー・オルタの作品は手袋でできた服や、ネクタイでできた服、他にも傘やニット帽でできた服などが展示されてたんやけど、ちょっと待てよ、と思ったらこれマルジェラやないの!!となった。昨年だったかマルジェラのアーティザナルラインで手袋でできた服が発表されたが、まさにこのルーシー・オルタが本家本物なのかも。興奮して隠し撮りしまくってしまいました。ごめんなさい。そして載っけます。マルジェラ好きな方は必見です。



あとは、もとみやかをるの壁のヒビを金継ぎしてるのや、ワークショップで色んな人が色んなものを持ち寄ってたのはおもしろかった。
ってことで、まあまあの展覧会でした。
そしてこの美術館の特色として、前回の「MONEY TALK」もそうですが、コレクションを館外の人にキュレーションしてもらうという企画があり、今回は、一般の普段展覧会を手伝っているボランティアさんたちの手による常設展が行われてました。
やっぱキュレーターは必要だな、というのが僕の身も蓋もない感想でした笑
もうあるもん全部飾っちゃえとばかりにきつきつに展示されてて、作品の雰囲気なんてあったもんじゃなかったです。すごいな、素人パワー。
まあその分いつもよりたくさん作品が見れたのですが、なんだかね。
これからもおもしろい企画期待してます。できるだけ18切符の時期で。