瞑想の森市営斎場 by 伊東豊雄

「聖なる日には聖なる場所へ」
というコンセプトの元、クリスマスで浮かれた俗世を離れ、岐阜県は各務原市の市営斎場へ。本当は来年まで残しておきたかったんやけど、おかんが家でプチ同窓会をするからどっか行けと、自宅を追放されたため、もう行く場所はここしかないっ!ってことで勢いで行ってきました。しかも青春18切符です。まずは写真で。





ここに行くのは中々躊躇われた。
なぜならやはりここは悲しみの場所であるから。
遺族が最後に故人とお別れする場所。
そんなところに、建築を目的に、ぱしゃぱしゃ写真を撮るのはどうかな、と。
なので、できるだけ遺族の方々とは鉢合わせしないように事前に連絡。
午前中なら入っていないということなので、午前中に間に合うように早朝出発。
那加駅からタクシーに乗ると「見学か?」と聞かれた。
やはりたくさんの建築マニアが既に訪れているらしい。
山の方へ車が進んでいくと、突然おかしな屋根の形が目に飛び込む。
中に入って、受付で見学の旨を話、見学させていただく。
内部はもちろん撮影禁止なので、外部のみの写真でご了承ください。
まず、この建築を写真で見た時、斎場というにはあまりにふわふわしすぎじゃないか、と思った。
遺族の方々がここに着いて何を思われるだろう、と。
しかし実際中に入ると、思った以上に厳かな雰囲気が漂う。
凸凹の天井も、なんだか斎場という非現実な空間とマッチしている様な。
遺族の待ち合い室からは、前に広がる湖が見渡せるとても静かな場所。
中には伊東さんのデザインの椅子リップルズも置かれている。
ここのポイントはやはりこの天井。
周りの山々の尾根に合わせてデザインされたという。
予想以上にうねっていてびっくりした。
そして柱。まるで天井からストンと自然に落ちてきた様な。天井にたまった雨水がこの柱を伝って前の湖に循環する仕組みらしい。
なんとか鉢合わせしないように写真も撮り終え見学終了。
ところで、これでせんだい以降の伊東さんの目玉プロジェクトはほぼ制覇しました。
せんだいメディアテーク、まつもと市民芸術館、TOD'S、ミキモト銀座、サーペンタインパビリオン、ブルージュパビリオン、コニャク・ジェイ病院、多摩美図書館、ぐりんぐりん、、、あとはオランダにあるオフィスと、シンガポールのいくつか。将来的にはスペインも建築続行中のやつがいくつかあるし、台湾にもオペラシティとスタジアムができたら観に行きたい。一番近いのは再来年3月オープン予定の杉並芸術会館ですかね。なんにせよ、今のとこどうしても観に行きたいってのはなくなってしまった・・・なんだか寂しいような・・・。せんだい以前の作品もぼちぼち観に行けたらな、とは思いますが。
こないだアクセス解析らしきものがあることを初めて知り(遅)、ここの最も頻出の検索ワードが「伊東豊雄」であることが発覚しました笑 えっと、これ一応アートブログなんですけど・・・なんて説得力ないですね;
IAMASマルチメディア工房(1996) by SANAA

大垣市にある妹島和世による大学施設へ。
噂には聞いていたけど、劣化が思った以上に激しすぎてげんなり。
10年以上建ってるとはいえ、よくここまでメンテナンスせず放っておいたな。鉄とか錆びまくっててみすぼらしすぎる。。。
ほとんど滞在する事なく退散。
大地の凸に対する建築の凹は気持ちよかったけど。
あと施設がほぼ地下に埋められているので、外部からはあまりよくわかりません。近くのブックオフの方が滞在時間長かった。
県営住宅ハイタウン北方(2000) by 妹島和世

本当は斎場の後、こっちに来たかったんやけど、バスを2時間も待たなきゃならんということで、急遽順番変更。大垣行ってまた岐阜まで戻ってくるという面倒くさいことをしました。冬は日が暮れるの早いので、建築写真撮るのに早めに撮らないとならないので一分でも無駄にできんのです。って何言ってるんだわしは。
ちなみに上の写真に写ってる女の子3人組は、クリスマスだというのに、わしと同じくこの建築の写真を女だけで撮りにきてました。か、悲し過ぎるぞお前ら・・・。多分向こうも同じ事思ってたかもしれませんね。ははは

まず特徴的なのが、なんといってもファサードを大胆に走る階段。
亀裂のようでもあり、稲妻のようでもあり、機能とデザインが合わさったかっこいい形。
しかしこれ、高所恐怖症の人はまず上がれないと思います。そして、一番高い所から踏み外そうもんなら、多分まっすぐ下までノンストップで転げ落ちる事もできるでしょう。いやースリリングですねy

そして印象的なのが、この薄い立面。
この薄さを実現させたのが、妹島さんの新たな生活空間の形の提案。
普通マンションの部屋って入ったら縦に続いてますよね。このマンションはそれとは違ってなんと横に続いている。上の写真で歯抜けみたいになってる部分ありますよね。実はあそこベランダなんです。廊下にベランダが面していて、洗濯物を干してる時とか横を通るの気まずそうです。ってか廊下とベランダの区切りがチェーンだけってのが、中々大胆というか、泥棒いらっしゃいというか・・・。実際階段を上って、各階の入り口は施錠されているものの、開いてる場所もあって、僕のような見学者も容易に廊下に侵入する事は可能です。セキュリティ面がかなり怪しい・・・。
しかしこの横に並べることによって、廊下に出るとどこからどこまでが誰の家なのかがまったくもってわかりにくい!!新聞配達が大変そうです。。。ヒエラルキーない分、プライバシーは確保されいそうですが。

階段のついていない方のファサードがありえんくらい美しかった!!
ノヴァルティス製薬のオフィスを彷彿とさせるファサード。
多分それぞれの窓に特殊なフィルムが貼られてるんやと思う。いやーすばらしかった。
ところでこの建物は集合住宅のうちの一戸で、あと3戸、計4戸の棟が立ち並んでいる。
磯崎新が総合コーディネーターとなり、女性建築家4人に建てさせたプロジェクト。
byエリザベス・ディラー

by高橋晶子

もう1人、クリスティン・ホーリーのはおもしろくなかったので割愛。
ちなみに当初妹島棟が最も人気なかったらしい。
やっぱあの階段と、オープン過ぎるベランダが原因かな。