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現代美術の皮膚@国立国際美術館


行かな行かなと思ってたこの展覧会。ようやく行ってきました。
実は1度チケット売り場まで行ったんやけど、マーク・クィンの作品の1つが破損で展示を中止してるとのことで、なんとなく納得行かなくてその日はチケット払い戻してもらって入らなかったってことがありました。まあ、結局最終日まで直せなさそうってことで昨日入ってきました。
にしても期待はずれだった。なんか展示が閑散としすぎというか・・・。
もっとごった混ぜにしてもよかったんやないかな、という感想。
こういうテーマ展って、1人の作家の作品を多く出すより、色んな作家をたくさん出した方がおもしろい。まあ予算の面でもむずかしかったんかな。せっかくおもしろそうなテーマなのに勿体ない。
それでも最初のマーク・クィンはまさに「皮膚」というテーマにぴったりだった。
他はオルランの自分の整形手術の模様を作品にしてるのは壮絶やった。まさに体当たりの作品。喉んとこ開けてる写真とか恐ろしすぎです。子供とかショック大きすぎですよ。
小谷さんの新作もおもしろかったけど、どこまで本人がやってるのか気になる。何かの動物の骨のような彫刻で、メチャクチャ細かい。これは本人がやってなんぼだと思うから、他の人にやらせてたらちょっと萎えるかも。
ヤン・ファーブルもまあ、見慣れたというか、そんな感じ。凄いとは思うけど。
他はほとんど印象にも残ってません。残念。

そしてコレクション展。
来月から30周年記念のコレクション展が全館使って行われるらしい。
さすがにここのコレクションはいい。来月の展覧会も期待してよいだろう。
特に写真。今回も杉本博司やティルマンスなどが展示されてた。
しかし問題が一点。展示の緊張感がびっくりするくらいない。
まだこの美術館が万博公園内にあった頃、純粋に感動した野村仁の「ムーン・スコア」という作品がある。月を定点観測して、それを楽譜にして音楽にするというなんともロマンチックな作品で、その楽譜にした膨大な写真群と出来上がった音楽が流されている。今回それが展示されててすごく嬉しかったのだけど、よく見ると額が少し斜めになってたり、1つ1つがちゃんとぴっしり整然とかけられていないことに気づいてげんなりした。こういう作品は縦横寸分の狂いもなくかけられてなんぼの作品なのに、作品の雰囲気丸潰しであった。
また、壁のいたるところに昔の展示で開けた穴の跡。酷い箇所ではふさがれてすらいない。
ロンドンの緊張感に満ち溢れた空間を目の当たりにした後、こういう日本の緊張感のなさは、ものすごく脱力を憶える。美術館の予算が毎年削られているのはわかる。ロンドンのように展示を替える度にすべての壁を白く塗り直せとまでは言わない。しかし穴をもう少し綺麗に埋める事も、額をまっすぐかけることも、これはプロ意識の問題である。ロンドンと違って常設展示も金をとっているのだからそれくらいの意識は持ってもらわないと困る。
なんだか帰り道すごく悲しくなってしまった。
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アイランドシティ中央公園中核施設ぐりんぐりん by 伊東豊雄


多摩美図書館と並んで、日本で最も行きたかった場所。福岡にある「ぐりんぐりん」。
博多湾に浮かぶ人口の島「アイランドシティ」に建てられたこの奇妙な建物。
「建物」と呼ぶには抽象的過ぎるフォルムはまさに伊東さんが目指しておられるものにふさわしい。
その名の通り、ぐりんぐりんとねじれて出来たその丘のような物体。
中は植物園で、グリーンともかけてるんだけど、馬鹿げたネーミングながらうまいと思う。
メビウスの輪のようにまるで1枚の布がねじれて、裏も表もない状態。
伊東さんはこの人口のフラットな島にまるで大地が隆起したような丘を生み出したかったのだとか。
確かに人口の島というのは概して不自然さが漂う。
しかしこの公園には既に前の溜池には水鳥が繁殖し、草むらにはバッタが飛び回っていた。
そしてこの建物は屋根が屋上庭園となっていて、その芝がそのまま下の芝へと続いていく。
まさしく「大地が隆起した」ような自然と一体となった建物だった。

ちなみに最初行った時、曇っていて、それでもめげずに写真を撮っていたのだけど、近くまで行ってみて驚愕の事実が。
「定休日 火曜」
そう、その日は思っきしチューズデー。なんで火曜やねん!普通月曜やろ!
どうりで人が少ない、ってか誰もいないわけだ・・・。
植物園の管理会社の人たちがいて、そのおかげで一部ドアとか開いてて、よっぽどそこから侵入しようとしたけど断念。敢えなく外観だけ撮影してたんだけど、どうしても屋根は昇りたかったので、管理会社の人たちが休憩してる間に目を盗んで屋上へ。
しかし、降りる時に休憩時間終了。下で彼らが仕事を始めてしまったっ!
やばい、怒られる・・・。
考えた結果、伊東事務所の関係者が様子を伺っているという設定で、本当に何気ない感じで彼らの前を横切っていった。これが意外といけて、全然呼び止められもしなかった。それともあまりに不憫に見えたのだろうか・・・。何にせよ脱出成功。
まあ、そんなこんなの初訪問だったわけだけど、やっぱり納得がいかず、結局一日増やして次の日リベンジ。
そしたら見事な快晴!写真日和だ!
ってことでとりあえず撮った写真をのっけまくります。










































とりあえずのっけまくってみましたが、写真でもよくわかりませんね笑
まず、構造としては、大きな3つのドームがあって、1つが休憩所のようになってて、椅子とテーブルが並べられている(写真1枚目)。そして残り2つは植物園になってて、中は温室。熱帯の蝶やブーゲンビリアなどの花が美しく咲き乱れてます。天窓から差し込む光がとても美しい。
そして目玉はそのドームとドームをつなぐ時の「ねじれ」。
実際見てもどうなってるのかよくわからないんだけど、やはり圧巻。
もっとツルっとしたイメージがあったんだけど、微妙に歪んでいて、凄く艶かしい。まるで大きな生物のよう。
中と外はスロープで結ばれ、自由に天井の庭園に出る事が出来る。

また、ぐりんぐりんの周りも伊東事務所によるものが多い。
トイレ。アルミで出来てる。中は案外普通。


「太陽のフォリー」というオブジェ。
中に太陽電池が埋め込まれてて、トイレの照明用に蓄電してる。


ベンチ。結構使いやすそう。


腰掛け椅子(?)。


また、ぐりんぐりんの中でこれの工事現場の映像を見る事ができたんだけど、凄まじかった。
なんせ、こんなぐねぐねしてるから、コンクリを流し込む際の基礎が半端なく複雑。
すべて木のパネルで調整されるんやけど、同じ形が1枚もない。
1枚1枚切っていって、誤差は2cmしか許されないという厳しさ。
この建物は、建築家の発想と、構造家のちみつな計算、そして匠達の業。
これらがひとつでも欠ければ建てる事ができなかった建物。
映像を見ながら思わずうるっときてしまった。
建築の未来。それはハイテクノロジーと手業によって成せる新しい世界。
次へ次へ、建築の歴史を進める伊東さん。本当に眩しいスーパースター。
これから次はどんな未来を見せてくれるのか。楽しみでなりません。

クリスト&ジャンヌ・クロード講演会 @ 福岡市美術館


昨年8年ぶりの来日を果たしたクリスト&ジャンヌ・クロード夫妻。(詳細)
その2人が今年再び来日しました!
いやはや、今年で御年72歳だというのに元気な方々です。
先週はアラブのアブダビにいたというのですから・・・。
今回の来日中にも福岡市立美術館(11月6日)、水戸芸術館(7日)、国立新美術館(8日)と立て続けに講演会を行ってます。なんてハードスケジュール。ってことでスケジュールの合う6日に福岡まで行ってきました。
着いた時点ではほとんど人がいなくて、大丈夫なのかこれ、と思ったけど、開演時には会場から人が溢れる程の大盛況ぶり。こんなところまでよくもまあ、って人のこと言えませんな、はは。
講演内容に関しては、昨年とほぼ同じでしたが、少し話が具体的になってた。
まず「OVER THE RIVER」プロジェクトに関して。
このプロジェクトはアメリカのコロラド州にあるアーカンザス川の上空を9.4kmの布で覆うというもの。相変わらず大きなプロジェクト・・・。早くとも2009年に許可を得て、2年間の準備期間を経て、2012年の夏に2週間行うとのこと。これも暫定的なのでどうなるかわからないけど、できたら今度こそ行きたい!
この人たちのプロジェクトはとてつもないお金と労力が必要。
このお金全てを夫妻が自費で出費してるんだからただ事ではない。
そしてなんといっても公共の場所を使うので交渉が一苦労も二苦労も必要になってくる。今回も2029ページにも及ぶ申請書を作成。この時点でかかった費用が150万ドル(約1億6千万円)。ありえん・・・。
そしてもう1つ並行しているプロジェクトがUAEで行われる「マスタバ」プロジェクト。
こちらは39万500個ものドラム缶を使って砂漠にピラミッドのようなものを作るというもの。
これに関しては100億円かかるとも言われている・・・。
そして今回びっくりなのが、これは恒久作品になりうるということ。
クリストの作品といえば、これだけの労力をかけながら、実際展示されるのは2週間やそこらという短い期間。この「仮設性」が彼らの作品の特徴だったのですが、このプロジェクトに関しては特別らしい。
多分彼らももう長くないし、これが最後のプロジェクトになる可能性も視野にいれてるのかな。
80、90にもなって、これだけの労力は酷ですからね。寂しいけど。
それでも本当にバイタリティ溢れる2人。
ジャンヌ主導でばしばし質問を回していたけど、最後の作品が叶う瞬間はどんな気持ちですか?という問いに対するクリストの本当に少年のようにうれしそうに語る姿がとても印象的だった。
今回僕も質問したけど(英語で!)、なんか空回ってうまいこと核心まで辿り着けなかった・・・。どうやってそれだけのお金をマネージメントしてるんだろうってことを聞きたかったんやけど・・・。まいっか。
そんなこんなで、彼らのほとばしるエネルギーに触れられた貴重な講演会でした。
最後は物販で売られていた商品にサイン会。
長蛇の列ももろともせず次々サインしていく2人がこれまた凄かった・・・。

内藤礼「母型」@ 発電所美術館


富山県入善町。新潟県に近いこの場所に、かつて水力発電所だった建物を改装した美術館がある。それが今回紹介する発電所美術館。スクラップ&ビルトが著しいこの国としてはめずらしいリノベーション型施設。規模は相当違うが、ロンドンのテートモダンも元発電所である。
駅からタクシーという不便なアクセス。今回はタクシー代をケチるべく歩いた結果片道1時間もかかった。足がもげるかと思った。これを帰りも繰り返したんだから功労賞として入場料無料にしてほしいなんて思ってませんよ、へへ。
にしても2005年の山本基、2006年の遠藤利克、そして今回の内藤礼。
毎度、この場所を生かした唯一無二の展示を見せてくれるので期待も高まる。
開館とほぼ同時に入館。
スタッフの方が美術館の窓を開け放つ。
「それではどうぞ」
言われて中に入る。
まずはここのだだっ広い空間に靴を脱いで足を踏み入れる。
2年前は塩の迷路がどどんと迎えてくれた。
去年は行ってないが、水浸しの展示のため急遽足場が組まれたとか。
今回はどんな。期待が高まるがそこにはパッと見何もない。
椅子がおいてあったので座ってみる。
しばらくぼーっとしてると色んなとこからポタっと雫の垂れる音がする。
なるほど。
そう、これこそが今回の「作品」である。
「探しものは探しても見つからない。逆に向こうからやってくるものだ」
そう言われたような気がした。
特に今回東京というすごい喧騒の中からやってきたので、こうして色んなものに耳を澄ます作品に出逢えたのは中々新鮮だった。近くの川のせせらぎや小鳥のさえずりなども新鮮に聞こえる。
それだけでなく、ぼーっと窓を見ていると、その光が床に発射する様も美しく感じる。
天井には白い糸が1本だけ張られている。普段だと気づかないがこうして色んなものに意識を向けているとそんなか細い存在にも気づく事ができる。もう一本あったらしいのだが、そちらはさすがに見つけられなかった。
内藤さんは毎度世界の中の小さいもの、儚いもの、人が普段目もくれないようなものに、人の目を向けさせる作品を制作している。彼女を一躍有名にした「地上にひとつの場所を」では、会場に1人しか入れないという入場制限を行った。今でこそこういう手法は多くなったが、当時は異例の出来事だった。「1人で作品を独占して見てほしい」というのが彼女の願い。今回僕は朝一番乗りってのもあって1人で悠々と楽しむ事ができた。床に寝転がってみたり、それこそ贅沢な時間を過ごさせてもらった。
もう1つ贅沢を言えば、白い絵の具がコップの底で溶けていく写真作品も展示されていたけど、あれは別になくても良かったんじゃないか、と思う。雫の滴りだけで十分な威力があった。それだけが残念。
にしても昨年の遠藤さんも水を使った作品だったけどこの違い笑
昨年は上から水がばしばし落ちて来て、下からも重低音が鳴り響いてたらしい。
それもみたかったなぁ。
なんにせよ、ここの美術館の展示は、テートモダンのタービンホールの展示と規模は比べ物にならないもののの、質は同等のものであると言っていいと思う。来年は誰がやるのかな。都会の喧騒に疲れた方は是非。12月16日まで。
ちなみに。タクシーも乗りたくないし片道1時間も歩けないって人は奇数日に行ってください。1日3往復くらい駅と美術館の間を走るバスが登場します。僕が行ったのはなぜか毎度偶数日・・・今度来る時は是非奇数日に!
直島の作品も次回こそ見てやる。前回は予約したにも関わらずメンテナンスで入れなかった。。。

パッション・コンプレックス@金沢21世紀美術館
久々の21世紀美術館。長谷川さんがキュレーションやってた頃はそれこそ通うくらい来てたけど、あの人が去ってからというもの企画展の質の落差が激しすぎて、全然来てませんでした。今回も発電所美術館の「ついで」ですからね。
行ったら周りが朝顔で囲まれてて、ちょっと来ない間にこんなことになってたのか、と思ったらこれは日々野克彦の「ホーム→アウェイ←ホーム」方式というプロジェクトの一環だとか。この人に関して全然興味ないので特に言及はしません。中ではお得意の段ボールの展示とかもやってたけど。
メインの企画展はアメリカのオルブライト=ノックス美術館のコレクション展だった。
こういうのって、やっぱ寄せ集め感が漂ってて、全体としてまとまらないんですよね。
今回もやっぱそうで、出てる人たちはすごいんだけど全体としてはなんとも。
そんな中一際興味深かったのがソフィ・カルの「ヴェネツィア組曲」。
「彼女は孤独であったため、パリの町中で人を尾行した。この男がヴェネツィアへ向かおうとしていることを知ったとき、彼女は彼についていく。」(作品解説より抜粋)
病気やん!って突っ込みは置いといて、それをカル独特の写真と文章で追うドキュメントとしての作品が読みながらドキドキした。残念ながら時間がなくて全部は読めなかったんだけど、すごく気になる。このお話は本にもなってて、今や絶版でプレミアがついてる。あー、欲しいわー。
他にもジリアン・ウェリングとかジム・ランビーとかも出してたけどなんだかなといった感じ。
あとここのコレクション展。
今回の目玉として、森村泰昌の初期の作品のインスタレーション「卓上のバルコネグロ+五つの水の塔」ってのがあったんだけど、これは入場制限システムで、1回に8人までとかしか入れなくて、日曜だったので並んでて断念。
なんにせよここのコミッションワークはどれもすばらしい。久々に見たカプーアも素晴らしかった。パトリック・ブランの緑の壁はめちゃくちゃ茂っててびっくり。タレルの空も相変わらず素晴らしいわ。
そんなこんなで結構ダッシュで見た。
ここに来る度いいな、って思うのが観客の老若男女っぷり。
お婆ちゃんが真剣に解説読みながら、ダン・フレイヴィンの作品を理解しようとしてる様がかわいかった。子供達もたのしそう。せっかくいい環境なんだから、いい展覧会してください。
ところでここのレストランのランチは最高にうまいのを知ってますか?
金沢の海の幸をふんだんに使ったビュッフェにスパゲティ、ケーキまでついてる。
行く機会があれば是非ランチもお召し上がりくださいませ。

塩田千春「沈黙から」@ 神奈川県民ホール


首都圏初の塩田千春の大型個展。
面識はないものの、彼女は僕の先輩に当たります。96年に京都精華大学洋画学科を卒業し、そのままドイツに渡り、アブラモヴィッチやレベッカ・ホーンなど、大御所に師事しながら、もう10年以上ドイツに住んでいる作家です。
2001年に横浜トリエンナーレに出品した13mもの泥のドレスを5体吊るした大型インスタレーション「皮膚からの記憶」で日本でもいよいよ注目の存在となった彼女。その横浜で再び大きな衝撃を与えています。
彼女の作品に漂うのは「不安」や「不在」といったものの緊張感や緊迫感。
まさに「鬼気迫る」とはこのことといった作品達。
2年前、大学でやった個展では、塩田千春ワールド全開で、見慣れたギャラリーがどこなのかわからなくなりました。今回も同様、市民ホールという、現代美術にはあまり不向きと思われる空間をもろともせず、彼女の世界は続いていくのです。
まず第一展示室は「During Sleep」の映像と貴重なメイキング。
この作品は、フランスの教会のような場所で、ベッドをいくつか置いて、その辺り一面を黒い糸が張り巡らされている。その中で何人かの女性がひたすら眠り続けるというパフォーマンス作品。その異様な空間を作るメイキングもまた異様笑 手慣れたもんで、すごい早さで毛糸を張り巡らせるスタッフたちの姿は圧巻。1回やってみたい。
その隣の部屋ではスタジオで撮影された映像「落ちる砂」。昔ケンジタキで見たけどこれはあまり好きじゃない。
そして、次の部屋へ。今回のメインとなる会場。
もうチケット売り場の時点で横目で見えてニヤッとしてしまいそうになったんだけど、吹き抜けの空間を利用したそれは本当に圧巻。真ん中に焼けたピアノと焼けた椅子が置かれていて、それが空間びっしりに張り巡らせた糸によって覆われている。会場の壁までどこまでも這うような毛糸は本当に異常。アートコンプレックスと題し、ここでコンサートやパフォーマンスを会期中にやったようで、その模様がモニターに映し出されていた。ピアノやヴァイオリンのコンサートはかなりかっこよかった。あと、詩の朗読を聴けるようになってたんだけど、これはかなり微妙・・・外国語を無理矢理日本語にしましたって感じ。途中で断念。
その側では1000枚以上の、塩田さん自身が集めたという東ベルリンの窓のインスタレーション。相変わらずすごいことになってます。彼女の場合作品と作品の境目が曖昧で、タイトルでは区切られてるけど、会場全体で1つの作品のような感じ。グラデーションのように続いていく。
窓のインスタレーションの先には膨大な毛糸が張り巡らされ、その先にベッドが浮かんでる作品。もあれのような効果が起きて目が変になりそう。この感覚が好きです。個人的に吹き抜け大ホールの作品よりこっちの方が好き。
そしてこれまでの写真作品。改めて見ると写真作品としても成り立ってる。
こんな感じですごい会場でした。今月17日まで。行ける方は是非。
神奈川県民ホール>>http://www.kanakengallery.com/
塩田千春HP>>http://www.chiharu-shiota.com/jp/
また、ボランティアの人が書いた記事を見つけたのでそちらも。
Art Lover Blog>>http://artlover.exblog.jp/6394774/

また同時開催でケンジタキギャラリーでも塩田さんの個展が開かれています。
こちらは大型インスタレーションの模型やドローイング、小品展示。
模型は窓の家がおもしろかった。ドローイングはあんまりでした。
こちらは24日まで。合わせてどうぞ。

そして来夏ついに地元の大阪は国立国際美術館で塩田さんの大きな個展が開かれます!
あぁー、今からとても楽しみ。
今そのインスタレーションに使う靴を募集してるとか。

野口里佳「マラブ・太陽」@ Gallery Koyanagi
コヤナギで行われている野口里佳の写真展。
これまでの彼女の作品は、川内倫子とはまた違ったやわらかさを持った写真だった。
今回出品されている、「太陽」と「マラブ」のシリーズ。
特に「マラブ」はとても強烈な印象だった。それは広告を見た瞬間から焼き付いて離れなかった。
マラブとは野口さんがベルリンの動物園で出逢った飛びもせずじっとしているアフリカハゲコウという鳥。
彼女はこの鳥をピンホールカメラを使って長時間露光によってフィルムに焼き付けた。
その姿はとても曖昧で、はっきりとそのディテールがわからない。
シルエットのようだけど、しかし「それ」はしっかりと存在している。
この不思議な存在と不在の境界線がとても印象的な写真達。何枚見ても飽きなかった。
こちらは今月30日まで、ギャラリーコヤナギにて。

多摩美術大学図書館 by 伊東豊雄


日本帰って一番行きたかった場所。
今年の春竣工したばかりの伊東豊雄氏による多摩美図書館である。
いやぁ、本当に多摩美学生は羨ましい。ってか恨めしい。
こんなところでお勉強ができるんだから幸せの極みってやつでしょう。
当日祭がやってて、願書売ってたから買って出願してやろうかと思った(ぉ

まずはファサード。緩やかにカーブした壁や、面一のガラスがTOD's同様美しい。


床は傾斜をそのまま利用していて、斜めになってる。


なんて美しい空間・・・。丸い椅子の座り心地が思いのほか気持ちいい。


インテリアはすべて特注。伊東さんの空間が押し付けがましくないのは、すべてを自分でやるのではなく、建築以外を信頼できるデザイナーに託すところにあると思う。せんだいでもそうだったけど、そうすることによって、中身をアイデンティファイしている。そして毎度インテリアが最高にかっこいい。曲がるソファ、うねる本棚、チャックがついてる椅子、鱗模様のカーテン、、、








そしてなんといってもこの図書館をささえる連続するアーチ。
ランダムに配置されていながら、全然視界を遮ることなく自然に配置されている。コンクリート打ち放しなのに全然冷たい感じがしない。このやわらかさは一体。。。


近隣にも開かれた図書館で、周りの市民も利用可能。あー、引っ越そうかしら。
相変わらずどれだけ期待してもそれ以上のものを返してくれる伊東建築。
今回も素晴らしかった。。。今回僕の図書館体験につき合ってくれたH氏に感謝。



花みどり文化センター by 伊東豊雄+アトリエ・ワン


立川にある国営昭和記念公園の「みどりの文化ゾーン」内に建てられた建物。中には昭和天皇記念館やカフェなどが入っている。広場と溶け合うように低層の長い建物。屋上はそのまま公園の延長のように屋上庭園になっている。
アトリエ・ワンとの共同設計で、彼らの建築自体あまり見た事ないので、どの程度まで伊東さんが関わってるのかよくわからないのだけど、それでも「せんだい」のようなチューブや、屋上庭園は「ぐりんぐりん」の面影あり。
これまた市民の人に気持ちよく使われているのが印象的だった。
晴れて、春や夏ならもっと屋上庭園も活気づいてただろうな。










にしてもここのトイレがありえん・・・神聖な感じすらする・・・。





みなとみらい線 元町・中華街駅 by 伊東豊雄

横浜を走るみなとみらい線は1つ1つの駅が建築家の手にゆだねられています。
その最後の駅を飾るのが伊東さん。
まあ、ゆだねられてるといっても、内装だけなので特に大したことはないです。
広告をいかになくして、横浜の歴史をタイルに映しだそうというコンセプト、らしい。

ニコラス・G・ハイエック センター by 坂茂

この1年で東京はまた新たな建築が建ちまくってますね。
話題の六本木エリアはそんな興味がないので、まずは銀座の坂茂の新作。


この5月にオープンしたばかりのスウォッチグループの本社ビル。
坂茂と言えば紙の建築だけど、今回はもうひとつの得意技ガラスシャッター。


坂さんのすごいところは、建築のディテールで確実に前に進めている所。
今回の建築は銀座という街中にありながら、開放感あふれるとても気持ちいい空間。
これ完全に晴れてたら全ての階のシャッターが開くんですよね。見たかったな。


さて、この建物の目玉はガラスシャッターだけではありません。見てください、この油圧式エレベーター!これが店内に何個かあって、各ブランドのフロアに直結してるんです。しかも中にも時計が飾ってあって、ギャラリーさながら。
これが楽しくてウキウキしながら乗ったんだけど、降りて、実際の商品を見たらすごいテンション下がった。だって桁がありえないんですもん。3,000,000って何?もう完全に買わねーだろ的な店員さんたちの目線が痛かった。すいませーん。


今回何気に坂さんの空間初体験だった。
いやー、めっさよかった。本当難しい事考えないで単純に気持ちいい空間。
なんか今まで坂さんの建築とは中々縁がなくて、すれ違いまくってた。気づいた時には神戸の紙の教会も台湾に移動しちゃってたし、この春のノマディック美術館は本当に悔しかった。あれは体験したかった・・・また来ないかな。
そんなこんなで、もっと坂さんの空間を体験したいと思ったのでした。坂さんの住宅が見たい!

GYRE by MVRDV


表参道に今月2日にオープンしたばかりのオランダ建築家集団MVRDVによる商業施設。
彼らの建築は「建たない」ことで有名で、本当に世界中に数個しか建ってない。
そんな中、日本は新潟に1つと、今回ので2つも建ってる!奇跡です。
でも、今回のはかなり無難というか彼ららしくないというか。無茶が見えません。
フロアがスパイラル状に回転していった形とでも言ったらいいんでしょうか。
建物内で彼らの展覧会もやってたけど、やっぱ他のはありえないくらい無茶。
今回は多分ゼネコンにまるめこまれちゃったような感が見受けられるかな。
にしても、中には僕の好きなマルジェラが入ってる!限定エイズTゲットしました。
なんか合わせたわけじゃないんだけど、東京着いた日がちょうどオープンの日っていう。
ところで中のレストランで、アーティストのパトリック・ブラン氏発見!
インタビューされてたんだけど、緑の髪の毛目立ち過ぎ笑
ちなみに後ろのガラス越しに見えるのはSANAAによるDiorのファサード。


入り口付近にコミッションワークがあります。やっぱ素敵だ。


横浜港大さん橋国際客船ターミナル by foa

2002年に建てられたfoa(foreign office architects)による客船ターミナル。
これは新しくもないし東京でもないけど、ついででってことで。
ついでっていっても、メチャクチャこれがよかったんですよ!めちゃくちゃ気持ちのよい空間。
これが晴れてたらもっと気持ちよかったんだろうなーと思いつつ。
さすがコンペでSANAAなどの強豪を打ち破っただけあります。
木や芝生など暖かい自然の素材を多用してるのも素晴らしかったです。
まあ、あまりいい写真じゃないけどどうぞ。






森山邸 by 西沢立衛


「天才」という人種が存在する。
もし建築界の中でそれを挙げろと言うなら1人だけ該当しうる人物がいる。
西沢立衛。
妹島和世とのコンビSANAAとしても有名な彼。
妹島事務所設立当初からスタッフとして働いていた彼が、独立して自身の事務所を持ち、また妹島さんとの共同事務所SANAAを立ち上げたのが98年。当初は妹島和世の名があまりにも大きすぎて、彼女の影的な存在にならざるを得なかったが、そんな彼が最近めきめき頭角を表している。
そんな彼が最近建てて衝撃を与えている建物が今回紹介する森山邸(2005)である。


日本に帰ったら絶対見たかった建物。
同じ敷地内にそれぞれ形の違う10個の棟が所狭しと並んでいる。
ここになんと施主の森山さんを始め、5世帯が入っているというのだから驚きである。
10棟の中にはお風呂だけの棟とかいうのもあって、なんとも新しい生活スタイルというか・・・。
LDKやワンルームと言った従来の住宅思考を変える大きな一歩。
今や隣近所に誰が住んでるかなんてわからない時代だけど、この建物だと、同じ敷地に違う人々が住んでいて、庭を共有してたりするので、とてもやわらかな関係が生まれうる。
施主の森山さんは、将来的に全部を自分のものにしたいらしい。
今は賃貸としていくつかの棟を貸しているが、ローンを返済するに従って店子を減らすシステム。
この森山さん自体がおもしろい人だな、と思う。というか勇気のある方だ。だって、こんな開放的な住居に住んでるんだから、プライベートも何もあったもんじゃない。僕なら設計図を見た時点で、この開口はちょっと、などと言ってしまいそうである。
森山さんはこの開放感を逆に楽しんでらっしゃるようで、彼の棟にはカーテンがない笑
他の方々も中々おもしろい人のようで、人たちが不思議そうに見て行くのが楽しいらしい。
竣工当初、近所の人との会話のやりとり。
「ここは何のお店なの?」
「いや、ここは私の家なんです」
「まぁ!住んでるの!? そう・・・頑張ってね」
なんともシュールな会話である笑
にしてもこれだけ有名な建築になってしまったため、住所は伏せていると言っても、なんとかかんとかして探し出してやってきて写真を撮って行くような輩もたくさんいるだろう。そう、僕のようなっ!なんか変な罪悪感だった。
安藤の住吉の長屋もそうだが、やはり住んでる人の根性が並大抵のものじゃない。


この彼の建築を受け、建築界には「分離派」と呼ばれる派閥まで現れているらしい。
最近ではヘルツォーグ&ド・ムーロンでさえ、このアイデアをまねた美術館をアメリカのサウザンプトンに建てる計画まであって、すごい影響力である。
彼の天才たる所以は、こういった革新性に対していい意味で努力の跡が見えない所。
なんか、さらっと出て来た感があるというか・・・。
もちろんSANAAの事務所は膨大なスタディを繰り返すのは有名な話。
そこに並々ならぬ努力はあるんだろうけど、それにしても見えない。
インタビューとか読んでても、ちょっと天然というか、やっぱ天才肌なんだな、って思うしかないくらい話が曖昧というか、これといった確信がつかめず、読後、結局何もわからなかったなんてことが多々ある。
最近西沢さんの初の著書「建築について話してみよう」が発売された。
興味深かったので買って読んでみたが、イマイチよくわからん。金返せ!
これに妹島さんも混じるとますますわけがわからん。妹島さんも天才肌だから。
飯田市小笠原資料館のゆるいカーブについて2人が語っている文章があって、当初、西沢さんはまっすぐにしたくて、妹島さんはカーブをかけたかった。で、間を取ってゆるいカーブって話になった。
どうして直線だと思ったんだ?という問いに対して
「どうなんでしょうかね・・・。形が悪くなるとか、思ったんでしょうか。カーブしてるって、何かダックスフンドみたいな・・・」
要は感覚。もう勝手にしてくれという感じ笑
こういう所は伊東さんとは全く違うところ。
伊東さんの場合、すごくコンセプチュアルだから、彼の考えがそのまま建築になってる。妹島さんも西沢さんも伊東さんのことをすごい尊敬してるんだけど、全く逆方向にいってる感じがおもろい。
伊東さんとの大きな違いはやはり「切る」というところにある。
伊東さんの場合、空間を切るのがいやで、柱を無くすなどして、なんとか切らずにおいておこうとしている。まあ、建築というのは空間を切ってなんぼなので、矛盾してるんだけど、そこと闘ってるのが伊東さんの凄い所。
対してSANAAの2人はスパスパ切っていく。今回の森山邸なんてすごい例ですよね。
さて、そんな天才西沢立衛の次回作は、青森県十和田市に出来る十和田市現代美術館。
今回も切りまくってます。展示室がそれぞれ別の棟ですから。
いやー、これは本当に楽しみ。コミッションワークもレベルが高すぎ!来年4月28日オープン!
これからも天才西沢立衛の革新は止まりません。
にしても既に汚れが目立ってたなぁ・・・SANAA建築の最大の敵は「汚れ」です。

Natural Ellipse House by EDH遠藤設計室

住宅をもうひとつ。
渋谷にある、遠藤政樹氏率いるEDHによるもの。
ラブホ街にあって、これもおもっきしラブホに見えるんですけど・・・爆
なんかあまり引きで撮れなかったし、外観は森山邸とは正反対に閉鎖的。
この中に人が住んでるのか、と疑わざるを得ない。
これは上から見た写真が有名で、下から見てもなんのこっちゃである。
なんとなくジャポニカ米っぽい。
上の凹みが天窓みたいになってて、中は意外と明るいらしい。んー、、、わからん。
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