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Hiroshi Sugimoto @ K20


写真家杉本博司の展覧会がドュッセルドルフのK20で開催されてました。
内容的には一昨年森美術館でやってた「時間の終わり」展に新作がプラスされた感じ。
しかし所変われば展示も変わる。
杉本氏はその写真がその美術館で最も美しく見せられる展示にどこまでもこだわる。
カルティエ財団の展示で「CONCEPTUAL FOAMS」を見せた時には1枚1枚の写真に壁を1枚ずつ配した展示が有名。
今回も入ってすぐの「SEA SCAPE」も、ゆるいカーブのついた壁を設置し一列に並べて展示されていて、初っ端から圧倒させられた。森美術館の展示もよかったけど、こっちも本当に美しい。水平線が一直線に並ぶ様は爽快。
また森美術館ではあまりパッとしなかった「COLORS OF SHADOW」もとてもよく見えた。
ちなみに壁を作るのは氏にとって苦肉の作らしい。
美術館自体がどうしようもない時にやるらしいのだが、なんとも複雑。
理想の美術館というのは、壁にかけるだけで作品がちゃんと成立する美術館らしい。
氏の展示経験上最もそれに当たるのはズントーの手がけたブレゲンツ美術館だとか。行ってみたい。ってか絶対行く。
話は反れたが他にも「ARCHITECTURE」シリーズは建築に目覚めた今、もっと輝いて見えた。グロピウス、ライト、ミース、コルビュジエ。4大巨匠が一気に並べられたその部屋はもの凄く神々しかった。WTCのやつは何度見てもものものしい。
そして今回の目玉はなんといっても新作「LIGHTNING FIELDS」。(上写真)
雷の写真なんだけど、めまいがする程美しく、どうやって撮ってるのか理解不能。
文章には雷と、今の文明の関係しか書かれてなかった。
そんな展示室にロンドンダンジョンの電気椅子処刑の写真が混じって展示されてた。
いやー、毎度毎度、彼の写真の美にはやられっぱなしや。
ところでもう1つの新作「PHOTOGENIC DRAWING」はちょっとわかりにくかった。
19世紀の写真家ウィリアム・ヘンリー・フォックスが世界で初めて生み出したポジ写真をドローイング化した作品。それは光にとても弱い作品のため、普段はプライベートにしか公開されていない。その作品をもう一度写真にすることでメタ的な効果を狙ったのかちょっとよくわからない説明書き。僕の英語不足も大きいがとりあえずわからなかった。
今回は雷の新作と海景シリーズをあのような形で見れたのは本当によかった。

ところでこの美術館所蔵が素晴らしくて、リヒターの作品群はかなりよかった。大半が金沢で見たものだったけど。
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「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄 @ 渋谷区立松濤美術館

・2023.11.24-2024.03.31
「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」 @ 麻布台ヒルズギャラリー

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・2023.12.01-2024.01.28
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・2023.11.09-2024.03.31
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・2023.12.17-2024.01.27
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・2023.12.16-2024.02.18
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・2024.01.12-02.25
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・2024.02.06-04.07
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・2024.01.18-03.24
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・2024.02.23-04.14
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・2024.02.14-05.27
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・2024.03.06-06.03
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・2024.03.09-06.30
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・2024.03.12-05.12
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ @ 国立西洋美術館

・2024.03.15-06.09
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・2024.03.30-07.07
ブランクーシ 本質を象る @ アーティゾン美術館

・2024.04.06-07.07
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・2024.04.24-09.01
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・2024.04.27-08.29
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・2024.05.23-08.04
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・2025.09.13-11.30
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