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Doris Salcedo @ White Cube

ホクストンスクエアのホワイトキューブにてドリス・サルセドの展覧会。
彼女の名前を知ったのは今年に入ってからだった。
テートモダンのタービンホールを飾るユニリバーシリーズ。
今年は一体誰がやるのだろうと、テートのサイトをチェックしたときの事。
そこに書かれていた名前。Doris Salcedo。誰?
焦った焦った。ユニリバーシリーズを任される程の人をアート狂の僕が知らないなんて!
調べた結果、コロンビア生まれの女性彫刻家で、古い家具などを使った作品が多い。
作品写真等を見ると、レイチェル・ホワイトリードを想起せずにはいられなかった。
女性で彫刻家で家具を扱った作品。彼女も2005年のユニリバーシリーズを任されていたので、これはかぶるんじゃないの?と思った。(それはそれは素晴らしいものでした・・・)
このユニリバーシリーズに合わせて今テートの常設展示室に彼女の部屋が出来ている。
行って実際見てみたが、やはりレイチェルを彷彿としてしまう。
使い古された家具を削ったり組み合わせたりセメントで埋めたり。
この時点ではあまり彼女の作品に対して感動はできなかった。
そして本題、今回の展覧会である。
どうしても彼女がユニリバーシリーズ作家として選ばれた理由が知りたい一心で、今回の展示はユニリバーシリーズ直前のものとしてとても楽しみにしていた。初日のオープンの時間に合わせチャリをこいでホクストンスクエアまで朝から走った。
行ったら全然搬入中で、どうなっとんじゃ、と聞いてみた
「この展覧会今日からやんな?」
「はい、6時からね」
書いとけボケー!こちとら朝も早うにチャリ飛ばしとんじゃい!
と言ってみた所で何もならないので次の日リベンジ。
1階にはおなじみの家具の彫刻。この人が一体どんな風にタービンホールを埋めるんだろう?
家具たちの彫刻を見ているとなんだか悲しい気持ちになってきた。
セメントで埋もれたタンスには服も一緒に埋もれている。
座れない椅子。寝転がれないベッド。どれも本来の機能が失われている。
2階に上がる。これがとてつもなく感動的なインスタレーションだった。
壁に整然とあけられた穴に靴が入れられていて、牛の臓物の皮と手術糸でふたをされている。
靴のシルエットだけが微かに見えるんだけど、とても素晴らしかった。
彼女の作品に共通するのは「沈黙」だ。
彼女の作品は一切語る事がない。多分最初に感じた彼女の作品への戸惑いはこれからだろう。
過去の作品カタログなどをみてもどれも黙している。なのに(だから?)強い。
ステートメントを読むと、彼女の国コロンビアの政治情勢とも絡んでるらしい。
非常に僕好みの作品。今まで知らなかったのが恥ずかしい。タービンホールが楽しみでならない。

で、そのタービンホール、今大変なことになってます。
テート入ると聞こえて来るのはやたらうるさい工事の音。
上から覗くと、コンクリが削られてたりで、搬入というよりまさに工事。
一体どんなものが作られるんだ!写真は9月12日のもの。














The Unilever Series: Doris Salcedo
Tate Modern
9 October 2007 - 6 April 2008
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