Novartis Campus 4 by SANAA

SANAAの建築があると聞き、トラムで「Novartis Campus」駅へ。
製薬会社ということで入れるか不安だったが、そこはもう戸惑いを見せたら終わりなので歩を止める事なく、何食わぬ顔で受付を通ったら普通に通れた笑 やっぱ自然が一番。まあ中に入ってカメラぱしゃぱしゃ撮ってたわけだけど。
そしてまず現れるのが光の道。早速の洗礼にもはや虜に。ガラスに転写された柄が光で地面に。

そして現れるやわらかなガラスのファサード。
いつもならイラっとする前の木も今回は心地いい。

空の青に溶けるファサード。
伊東豊雄のコニャック・ジェイ病院にも似た感じだけど、こっちはもっとやわらかい印象。伊東さんのが反射率の高いガラスを使っているのに対して、こちらはガラスを2枚重ねる事でやわらかなリフレクションを生んでいる。

しかしこれらのファサードはまだまだ序章に過ぎなかった。
中庭に入った途端に僕はもう感極まってしまいそうになった。








降り注ぐ光。水面の反射。どれをとっても「神聖」という言葉がしっくりくる。
この中庭を見た時、今回の旅のナンバーワンはこれだと確信しました。
ザハの建物もそりゃよかったけど、やはり形で驚かすのは簡単だと思うんですよ。
それをSANAAは四角いありふれた形で実現させてしまった。素晴らしいです。
彼らが最近コンペで負け知らずなのはこの底力のせいなのでしょう。
これから建つ彼らの作品も見守っていきたいものです。ルーブルも楽しみ。
にしてもこのノマディック製薬さん、恐ろしいです。
なんと同じ敷地にこの10年で、安藤忠雄、谷口吉生、槇文彦、フランク・ゲーリー、アルバロ・シザ、レンゾ・ピアノが建つってんだからただ事じゃありません。全部建ったらどんなことになるんだろうか・・・。
ちなみにこの隣のDiener & Dienerによるキャンパス3。やっぱこういうことじゃないんだよね。

Foundation Beyeler by Renzo Piano

バーゼルの中心からバスに揺られ、風景に緑が占め出した頃に現れる美術館。
周りは本当にのどかな風景が広がる中に建てられたレンゾ・ピアノによるバイエラー財団美術館である。
周囲の緑と赤茶けた石が程よいコントラスト。
前にある池も睡蓮が咲いててとても美しかった。
そして、なんといってもこの美術館の特徴は屋根。
このガラスで出来た屋根から、館内に自然光が降り注ぐ
はずなんだが、正直中に入って期待する程の効果は見受けられなかった。
これを見るとやはりズントーのブレゲンツ美術館は確実に行きたくなる。

さてはて、中ではムンク展がやってた。ムンクの作品をあれだけまとめて見たのは初めて。改めて見るととてもやさしい絵が多い。「叫び」があまりに有名だが、それは作者が完全に気が狂って描いたもの。ここに出ている作品たちとは明らかに違う。そんな作品が最も有名になってしまうなんてあまりに皮肉な話だ。
しかし彼のたまに見せる狂気にはやはり魅力がある。「マドンナ」も、女の顔に骸骨が垣間見えるのがたまらないし、「病める子」では、苦しむ子供に対して何も出来ない母親の悲しみが画面から溢れ出てて泣きそうになった。
ムンク展以外にも所蔵もすばらしかった。ロスコとニューマンの展覧会も緊張感に満ちた感じがえも言えずすてきだったし、スイスの彫刻家ジャコメッティの作品は後ろの池に映えてた。ブラインドをしなけりゃもっとよかったのにな。
Jean Tiguely Museum by Mario Botta

ジャン・ティンゲリーの作品を所蔵する美術館。
ボッタお得意の幾何学は通路の屋根に現れてる。でもまあ大人しい感じ。
ティンゲリー自体は全くもって好きな作品じゃなかったのであまり楽しめなかった。
UBS Headquarters by Mario Botta

市の中心にドデンとたたずむスイスの銀行の本社ビル。
これぞボッタ!っといった感じの幾何学建築。
ただリヨンですでに見てるので、リベスキンド同様いくつか見ると飽きますね。。。