ART|38|BASEL

世界最大のアート市、アートバーゼルに行ってきた!
ロンドンのフリーズ、NYのアーモリーとあるけど、やっぱ本場は此処バーゼル。
世界中からギャラリーが集まり、それに世界中から集まったコレクターが群がる。
トップクラスの作品達をこんなに一気に見れるんだから、物好きなアートオタ(僕のような)も集まり、一年のこの数日間、この街には異様な空気が漂う。
まずはこの日ビュレンの講演会があるというので朝10時に駆けつける。
こないだロンドンで展覧会を見たばかりなのでいい感じの流れ。
ビュレンはグループ展で大暴れする印象と実際はギャップがあって楽しかった。話し方もとても穏やか。ここ数年間の近作をスライドを使って説明。ヴェルサイユ宮殿の作品はおもしろかった。にしてもフランス訛りの英語がたまに何言ってるのかわからなかった。カラーをコローと言ったり、テンポラリーがトンポリーになったり。
今のヴェニス・ビエンナーレのフランス館の話も触れられてかなり興味深かった。

ちなみにこのフェアの会期中、マーチン・クリードやカバコフ、ボルタンスキーなどの豪華な顔ぶれが公演してるみたいなんだが、14日のゲストが「サプライズゲスト」となってて非常に気になる。誰だったんだろうか・・・。
公演が一段落して、いよいよ会場へ。行くとすでにすごい列。
まずはアート・アンリミテッドの会場から。手前にある彫刻はポールマッカーシー作。

会場に入る前にも小さな安藤忠雄のブースがあった。
アブダビのプロジェクト模型やデザインサイトの写真が展示されてた。
写真は没になったワールドトレードセンター跡地案模型。

中に入ると売り買い関係なく、大型インスタレーションの宝庫。
エスカレーターのビュレンはとてもよかった。

その近くのLozano-Hemmerによる回る蛍光灯。

Hauser & WirthでやってたChristoph Buchelのインスタレーションも再び。

ベルリンで見たAllan McCollumのインスタレーションは壮観な感じ。

でもこの中でダントツ一番だったのはTomas Seracenoの作品。
ビニールに水を張って光を当てただけなのにもの凄く美しい。
去年のバービカン・カーブの展示も良かったし今後要チェックです。

こんな感じでアンリミテッドを制覇し、外へ。
外は外で野外彫刻が展示されている。
まずはElmgreen&Dragsetの展示。2003年の車の衝突彫刻と比べると地味だがやっぱおもしろい。この人達についてはいずれゆっくり話たい。

川俣正も地味に参加。規模が小さくなってきてる気がする。

今年のターナー賞ノミネート、マーク・ネルソンのバス。中に入ることができて、混沌とした世界観。とりあえずメチャクチャ暑かった。

しかしやはりキングはなんといってもカプーア。神。NYのも見たかったな。

そんな感じで第一幕終了。ランチ行って、本会場へ。

いやー、もうこっからがすごかった・・・
なんせ200以上あるギャラリーブースを見て回るんだからダテな体力と精神力じゃ着いていけませんよ。特に僕なんて人より見るの早いのにそれでも閉館時間に間に合わなかったですからね。。。
ここの詳細はちょっと記述不可です。見た物が多過ぎです。
そんな中これは書かねばならんでしょう。
それは最後の方で辿り着いた、名和さんの作品も出ているscaiに辿り着いた時の事。
へとへとになって辿り着くと、なんとそこに名和さんがいるじゃないですか。
疲れすぎて幻覚を見たのかと思ったけど、まさしく名和さんだった。
もしかしたら来てるかもな、なんて思ってたけど偶然も偶然でした。
こんな偶然数万分の一ですよ、いやホント。
久々の再会を果たして握手をした時ちょっと感動ものでした。
名和さんもちょうどその日について、作品の写真を撮って帰るとこだったみたい。
なんでも一ヶ月ヨーロッパ周り中らしい。もちろん仕事ですよ。
相変わらず忙しそうでした。周囲も色々変わっててなんだか不思議な感じ。
そんなこんなで朝から晩までアートバーゼルでした。
やっぱバーゼルはすごい!来年もまた来たいなー。
↓会場の中庭。

さて、このアートバーゼルに便乗していくつかフェアがこの街で勃発してましたので、すべてじゃないけど何個か行ってきたのでそれも報告。
SCOPE Basel

位置づけ的には中堅以下ぐらいのギャラリーがブースを出す感じなんかな?
だからあまり有名な作家もいないけど、それでも質は高い。
ロンドンでもフリーズの頃やってるけど雰囲気はまるでそっくり。
あんまりピンとくる作品がなかったけど、そんな中で写真の作品はたまげた。
だってこれ、ゴキブリの羽ちぎって作ってるんですよ。。。きもい・・・
LISTE 07
開廊から5年以下のギャラリーのみ出品できるフェア。
思った以上に多くてびっくりした。かなり見くびってましたね。。。
今のバイト先の人が受付しててびっくりしたりした。
山本現代とかも出てたな。まあ見がいはありました。
VOLTAshow03

若手の作品を紹介するフェア。
こっちはなんか元気があって観に行ってよかった。
中でも写真の作品は、もの凄く小さい作品でとてもよかった。
韓国の作家で虫眼鏡で見てやっとの小さな作品があるけど、もっと小さいと思う。
Design Basel

意外と、というと怒られるかもしれないけど、凄くおもしろかった。
ザハのブースなんかもあったし、プロダクトという縛りの中で百色の表現を見いだせるのがとても楽しかった。
写真の椅子は、砂浜を鋳型にして、アルミかなんかを溶かして注ぎこんで固めて椅子にするまでの作業を映像で流してるのがおもしろかった。こんなんでできんのか。
他にも実際作ってるとこをデモンストレーションしてたり。
コルビュジエのパロディみたいなコンクリートの椅子は笑った。
他にも今年から始まった、balelatinaやPrint Baselなんてのもあったけど、ちょっと回りきれませんでした。多過ぎだよ・・・。
美術館もこの時期は力の入った展覧会を持ってきてて、シャウラガーではロバート・ゴーバー展、バイエラー美術館ではムンク展、クンストミュ-ジアムではジャスパー・ジョーンズ展といった感じ。前2つは別のトピックで触れます。ジョーンズは興味ないので行ってません。
偶然通りかかって、無料で入れてもらったクンストハウスというところはとてもいいところだった。空間は広いし、なにより聞いた事ない作家ばかりだったけど、かなりおもしろい展覧会だった。
映像がメインなんだけど、その映像がどれも面白い!
映像ってあんまり好きになれないメディアなんだけど、今回は全部ヒット。
カメラを銃で撃つ映像や、スーパーマンの哀愁漂う映像、車の駐車を巡る闘いを俯瞰で撮った映像、リアルな歩き方をするアニメーション、そしてベストアーティストは誰かという問いをする教師とそれに答える生徒みたいな設定で、教師が生徒のいうアーティストをなじり倒して最後までアーティスト名を散々言わすというある種の拷問映像など。映像も悪くないな、って思えた棚ぼた的な展覧会でした。
最後にパブリックアートもお盛んのようで、とりあえずセラを発見。
落書きがされてるんだけど、なんと律儀にRichard Serraと書いてた!

最後の最後にこれはバーゼルではなく、バーゼルから1時間半くらいのフランスの町、ストラスブールのトラム駅のバーバラ・クルーガーによるアート。
