Anya Gallaccio @ Thomas Dane
僕の大好きなYBA作家、アニャ・ギャラッチオの展覧会が始まるというので早速オープニングに駆けつけた。ビールも頂き意気揚々。
アニャの作品の特徴は生ものを使って作品を作るところ。
デミアンを始め、ゴールドスミスの学生達でキュレーションしたFreeze展では会場の床に大量のリンゴを敷き詰め、次第に腐っていく様を見せた。他にも大きな氷の塊を置いてただただ溶けていく作品やギャラリーのウインドウにガーベラを貼って、枯れてカビが生えるまで放置した作品など、彼女の作品はその過程までが作品に含まれる。(ちなみにガーベラの作品は今テートブリテンに常設展示中)
今回もどんなものがくるのか非常に楽しみにしていたのだが、ほとんどが人口物でかなりがっかり。樹脂で作った木や鉛のリンゴなど。唯一網に入ってたオレンジが生ものなくらい。なんだかなー。
メインは部屋を往来する漁業で使われる網。
彼女の興味は生ものの儚さからどこか違うところへ向いてるのだろうか。
これまでの彼女の作品を期待していくと痛い目にあいます。5月26日まで。
Allora & Calzadilla @ Serpentine Gallery
新しい展覧会がやってるというのでサーペンタインへ。
中に入ると、一番最初の展示室には何もない。使われている展示室は真ん中だけという大胆な構成。あー、やっぱこのギャラリー美しい。
で、その作品はというと、瓦礫の山みたいな中にトランペットやらの楽器が埋もれてて、中から音楽が奏でられるというもの。ステートメントを読むと、何やら反戦みたいなメッセージが読み取れるんだけど、正直作品からそのような空気は読み取れませんでした。本物を瓦礫を使っていたらまだしも、作家の造形物だし。土日に行われるパフォーマンスに行ったらいいのかな。でももういいや。日曜まで。
Satoru Aoyama @ One in the Other
ギャラリーひしめくイーストエンドのVyner Streetへ。
昔初めてロンドン着た時にここに来て、ギャラリー軒並み閉まっていたという苦い経験があるためちょっと敬遠していたところ。ここで日本人作家青山悟氏の展覧会があるってことでリベンジ。今度は開いてました。
青山さんはロンドンの名門ゴールドスミスのテキスタイル科を卒業し、最初はファッションとしてのテキスタイルを目指していたが、いつの間にかファインアートに傾倒。現在に至る。
彼の作品はもの凄く細かい刺繍。
風景から人から何から何までをミシンを使って縫い上げる。
最近こういった技術系の作家が多くなってきたように思う。特に日本のアートシーンで。須田さんや小川さんの活躍もそんな感じ。
現代アート3大巨匠といえば、デュシャン、ウォーホール、ボイスであるが、彼らのやったことっていうのは、普通の人でもアーティストになれる、ということを示したことであった。技術なんてなくても、トイレにサイン入れたり、絵はがきをひたすら何枚もプリントしたり、木を植えたりするだけで作品になる。まさに錬金術である。
日本のアートシーンがこうやって技術に向かっているのは、そうした作品も今やクラシックとなりつつあるのだろうか?だとしたら中々おもしろい傾向だな、と思う。時代は行ったり来たりを繰り返す。
話は反れたが、肝心の展覧会の話。
確かにそれらの刺繍の細かさは圧巻だが、それだけ、といった感も否めなかった。「がんばったね」と言われれば終わりな気がする。もっとそれを超えた何かが見えたらもっとおもしろかったんだけど。
でもコーヒーの染みを表現した作品は他の作品より断然おもしろかった。こういう何気ない環境をそのテクニックで再現したらまたおもしろいものになるのかもしれないな、と思った。
One in the Other 5月6日まで。
他のギャラリーも見たけど、なんだかとても薄かった。重厚なものが見たい。。。
Santiago Calatrava #2

さて、ついにスペイン更新最後です。
最後を締めくくるのはやはりカラトラヴァさん。
今回の旅で最もの収穫。彼の建築を出会えたのは本当によかった。
言葉は要らない。写真だけでお楽しみください。
Campo Volantin Bridge(1997)



Bilbao Airport(2000)










空港で始まり空港で終わる。
あぁ、もうカラトラヴァの建築全部見たい。とりあえずバレンシアの科学館とフランスリヨンの空港駅とできたらワインセラーも。彼の建築の詳細は公式サイトにて>http://www.calatrava.com/
スペインはあと伊東さんがいくつか建設中だからまだまだ目が離せません。今回バルセロナの見本市会場もリサーチ不足で見つけられなかったし・・・。ダリ美術館も次こそは。
さて、次はどこに行こう・・・。
ビルバオ・グッゲンハイム

今や伝説と化したビルバオグッゲンハイムへ行ってきた。
NYグッゲンハイムのフランク・ロイド・ライト。
ビルバオグッゲンハイムのフランク・O・ゲーリー。
この2つの建物はファインアート業界の中でも有名な「事件」で、僕が建築にハマる大分前から知っていて、是非行ってみたいと思っていました。
何が「事件」って、まあ上の画像見ればわかりますよね・・・。
街中にいきなり現れるモンスター。

まず最初に迎えてくれる番犬。ジェフ・クーンズ作。

正面玄関。

ハイウェイをも巻き込む建築。僕の一番お気に入りの部分。

ブルジョワ作大蜘蛛。六本木ヒルズにもあるけど、この場所に似合いすぎてた。まるでこの建物から生み出されたかのよう。恐ろしい。

レストランの椅子。もちろんゲーリーデザイン。

いやはや噂には聞いてたけど本当にすごい美術館でした。
中もすごかったので写真撮りたかったけど写真不可だった。残念。
で、中でやってたのがこれまたキーファー。
すごいことになってました・・・中も外も。
まずエントランス。3階まで吹き抜けのそのホールに天井に届かんばかりのキャンバス・・・あんなキャンバスありえん。どうやって張るんだ。後ろからみたら破けてたりしてたし。一体この人キャンバスに描く意味あるんだろうか・・・。ちょっとここのエントランスがすごすぎてあまりキーファーの作品が映えてなかったのが残念。
しかし他の部屋はキーファー爆発。
星座シリーズもすごかったし、枯れたヒマワリの作品とかめっさかっこよかった。作品解説で「It's heavy. too heavy to lift by one person」とか言ってたのが笑えた。見たらわかるわ!
他にも階段を天井までぶら下げた作品やらもう搬入壮絶なんだろうな・・・ってのがたくさん。本人の解説で作品をわざと雨ざらしにして朽ちさせるってことも言ってた。どんなスタジオなんだろう。
でもなんといっても大ヒットがドレスを使った作品。ちょっとびっくりした。あれはやばい。かっこよすぎる。木やらフィルムやら色んなものがのってるドレスの群衆インスタレーション。あれはやられた。思い出すだけで鳥肌がたつ。ってかキーファーの着衣を使った作品が好きです。洋服をキャンバスに貼った作品とかもいいし。
あと、鉄のベッドのインスタレーションもやばかった。
キーファー今まで気になるってくらいだったけど、今回で大分好きになった。メチャクチャいい展覧会です。もしビルバオ行くなら絶対行くべき!9月3日まで。
そして同時にセラの大型鉄インスタレーションもあった。あれもすごいわ・・・。大きな鉄の迷宮。一体どれくらいの重さなんだ・・・。連れの1人が大分気に入ったらしく、入ったまま出てこなくて一瞬あせりました笑
ちなみにセラの作品ビルバオ市内にも何個か見つけました。


今までこの美術館そんな良い展覧会がやってなくて、HP見ながらタイミングを見計らってたんですが,キーファーってことでゴーサインが出て、実際もの凄くよかった。今年この美術館10周年らしい。でも特に何もなかった。特別ライトアップとかやってくれてもいいのに。
ところでこのビルバオ市。20年くらい前からアート(アーキ)を使って町おこしをしようというプロジェクトを始めました。まずはフォスターが地下鉄を設計(下写真)、そんでもってこの美術館です。このプロジェクトは大ヒット。観光客が当時の倍、それ以上になった。
「建築やアートで人が呼べる」
このビルバオ市はそれを世界に証明したのです。
それ以降、ただの箱としてしか見られなかった美術館が名建築かによるリノベーションや新建築が世界中に建てられ始めたのです。この町はそのスタートポイント。素晴らしいです。


ところでところで
ビルバオから車で小一時間くらい走ったらゲーリーのこれまたすごいワインセラーがある。時間に余裕があったからレンタカー借りて行こうかと盛り上がってたら店閉まってて断念。。。代わりにそこのワインセラーのワイン飲んできました。ワインセラーでワインを選ぶなんて・・・とても飲みやすいお味でした。

Santiago Calatrava #1
「最も美しい建築を建てる現代建築家は?」
この問いに僕は即答することができる。
「サンティアゴ・カラトラヴァ」と。
「美」という観点において、彼を凌ぐ建築家を僕は知らない。
今回の旅で最も楽しみにしていたのが彼の建築。
スペインで今一番熱い建築家。ガウディ再来。僕はそう思ってます。
まずはバルセロナにある彼の建築を紹介。その美の世界を堪能あれ。
BACH DE RODA-FELIPE2 BRIDGE(1987)

彼を一躍有名にしたのがなんといっても橋の設計。
橋のデザインに関して、80年代以降彼を凌駕する人は他にいない。
この橋もその彼が80年代に設計したうちのひとつ。
こんなものを30代で築き上げるなんてやはりただ者じゃないです。
彼の橋の特徴はなんといっても流れるようなフォルム。
この橋でもアーチの内側と外側で角度が違っていて,外側のアーチはそのまま下の広場へと滑り落ちるように続いていく。美しい。。。

夜のライトアップも美しいらしかったが時間の都合で見れなかった。残念。バルセロナ訪れた際は是非!2号線Bac de Roda駅すぐ。

MONTJUIC TOWER(1992)

バルセロナにはモジュイックの丘という大きな公園みたいなところがあって、オリンピック施設がひしめき合ってる地域でもあります。磯崎新氏のスタジアムや、前述のミースによるドイツパビリオンもこの中。ミロ美術館まである。
そこにどどーーんと天に向かって立ち上がるタワー。
これがカラトラヴァによるモジュイックタワーでございます。
この神々しさ。シンボルタワーとしてこれ以上のものはないでしょう。
台座部分にはタイルがあしらわれてて、ガウディへのオマージュでもある。

なんといっても圧巻なのが、3点で支えられた支点のうちの1つ。触れているといった方が適切なくらいの接点面積の小ささ・・・。この緊張感は鳥肌もの。

実はこのタワーの傾斜はバルセロナの夏至の太陽と一致させてあるらしい。
しかし本当にどの角度から見ても美しい。。。

このタワーも40代前半で築いたもの。なんて才能・・・。
この問いに僕は即答することができる。
「サンティアゴ・カラトラヴァ」と。
「美」という観点において、彼を凌ぐ建築家を僕は知らない。
今回の旅で最も楽しみにしていたのが彼の建築。
スペインで今一番熱い建築家。ガウディ再来。僕はそう思ってます。
まずはバルセロナにある彼の建築を紹介。その美の世界を堪能あれ。
BACH DE RODA-FELIPE2 BRIDGE(1987)

彼を一躍有名にしたのがなんといっても橋の設計。
橋のデザインに関して、80年代以降彼を凌駕する人は他にいない。
この橋もその彼が80年代に設計したうちのひとつ。
こんなものを30代で築き上げるなんてやはりただ者じゃないです。
彼の橋の特徴はなんといっても流れるようなフォルム。
この橋でもアーチの内側と外側で角度が違っていて,外側のアーチはそのまま下の広場へと滑り落ちるように続いていく。美しい。。。

夜のライトアップも美しいらしかったが時間の都合で見れなかった。残念。バルセロナ訪れた際は是非!2号線Bac de Roda駅すぐ。

MONTJUIC TOWER(1992)

バルセロナにはモジュイックの丘という大きな公園みたいなところがあって、オリンピック施設がひしめき合ってる地域でもあります。磯崎新氏のスタジアムや、前述のミースによるドイツパビリオンもこの中。ミロ美術館まである。
そこにどどーーんと天に向かって立ち上がるタワー。
これがカラトラヴァによるモジュイックタワーでございます。
この神々しさ。シンボルタワーとしてこれ以上のものはないでしょう。
台座部分にはタイルがあしらわれてて、ガウディへのオマージュでもある。

なんといっても圧巻なのが、3点で支えられた支点のうちの1つ。触れているといった方が適切なくらいの接点面積の小ささ・・・。この緊張感は鳥肌もの。

実はこのタワーの傾斜はバルセロナの夏至の太陽と一致させてあるらしい。
しかし本当にどの角度から見ても美しい。。。

このタワーも40代前半で築いたもの。なんて才能・・・。

German Pavilion by Mies van der Rohe

20世紀のマスターピース、ドイツパビリオンへ。
作者はミース・ファン・デル・ローエ。
コルビュジエ、ライトに並ぶ20世紀建築の3大巨匠の1人。

彼の考え「less is more」が端的に表れたこの建物。
「究極」
そんな言葉がしっくりくるすごい建物でした。
無駄な要素がひとつも見当たらない。すごいことです。

それまで、僕の中で、彼は三大巨匠の中でも一番とっつきにくいイメージがあって、それは建築に対する人間味のなさからきてたんだと思います。
でもこの建物はとても暖かかった。究極なのに暖かい。
今の摩天楼を形成している、均一でまっすぐなラインはこの人のおかげだと言われていますが、巷に溢れているそれらとは確実に一線を画してる感じが見受けられました。多分そこに思想があるかないかの違いなんだと思う。彼の一貫した思想はとても強い。

この建物は1929年のバルセロナ万博のためにドイツ政府からパビリオンを作るように要請されて建てられた建物。
ここでスペイン国王が開会レセプションを行うとのことで、国王夫妻が座るための椅子のデザインもミースが担当。Xに交差する美しいラインの脚を持つその椅子は後にバルセロナチェアと呼ばれる。しかし開会式当日、レセプションを終えると国王はその椅子に座ることなくパビリオンを後にする。

博覧会終了後、パビリオンは取り壊され、オリジナルの椅子も失われた。その後1948年にバルセロナチェアは復刻され世界でロングセラーを記録する。そして取り壊されたパビリオンも1986年に再建される。
この都市にはガウディの曲線とミースの直線が同時に存在している。

この建物の特徴はなんといっても、内と外が区切られているようで区切られていないということ。鉄の柱が中に入ったり外に出たりして、壁も内壁になったり外壁になったりと、不思議なリズムが生まれている。
そして、オニキスや緑大理石などの美しい素材たち。やはり究極。

バルセロナ現代美術館

どこでも真っ白な建築を建てる建築家、リチャードマイヤーによるこれまた真っ白なバルセロナ現代美術館に行ってきた。
中も外も本当に白い!ここまで白いと圧倒させられる。
特に中。吹き抜けで観客はスロープを伝って上へ上がって行く。

で、肝心の展覧会ですが、全くおもしろくなかった。まあ逆に時間がなかったのでそれで良かったんですが、箱に対してコレクションも釣り合ってなかった感じ。
あとこの前の広場はスケボーだらけで危険でした。なんで美術館の前なんだ。
バルセロナでは他に、タピエス美術館やピカソ美術館、ミロ美術館にも行ってきた。タピエスはそんなに愛がないので見てもふーんって感じだった。何がええんやろか。
ピカソはその怪物ぶりが如実に表れてた。少年時代から青の時代くらいまでの絵が展示されてて、それがメチャクチャよかった。大学一年の頃に、ここから何点か上野の美術館に来てて、観に行ったらそれまでのピカソ像がひっくり返る程の衝撃だった。特に15歳で描いた妹の聖体拝領の絵は「ピカソ=子供のような絵」みたいな方程式が見事に崩れ去った。そりゃこの年でこんなもん描けるようになったら、あとはそれをいかに崩すかにしかベクトルは向かえんわな、と。今回もこの絵に再会。最初に見た時の輝きはそのままでした。そして感動だったのが「科学と慈愛」を見れたこと。これもピカソが10代で描いた素晴らしい絵で、正直「ゲルニカ」より感動した。これ以降どんどん崩れて行くわけですが、僕は彼の青の時代の絵が大好き。本当に青が美しい。今回も何点か見れた。それから企画ものとして、ヴェラスケスの「ラス・メニーナス」のオマージュ作品がめっちゃおもしろかった。天才が天才の絵をリミックス。恐ろしや。ってかこの前に生の「ラス・メニーナス」見ちゃってるなんて、贅沢な旅だ。
ミロ美術館はモジュイック公園の中にある。ここでは今回オルデンバーグの展覧会がやってて、中々見がいのある展示だった。特にパブリック彫刻に関するドローイングや模型などがおもしろかった。ミロの展示に関しては、3連画を飾ってる部屋があって、これが鳥肌がたつほどによかった。今まで見たミロの絵で一番洗練されてる感があった。キャンバスに線が一本ずさっと引かれてるのが3枚展示されてるのがあって、それもなんかすごい威力だった。時間がなかったからそんなに時間かけられなかったのが残念。また観に行きたい。
美術館関係はこんな感じ。ダリ美術館も予約までしたのに諸事情により行けなかった。。。また今度!
Forum2004 by Herzog & de Meuron

今やSANAAと並び飛ぶ鳥を落とす勢いのH&deM。
早くにプリツカーもゲットし今年はRIBAのゴールドメダル。
そんな彼らの建築がバルセロナにもあると聞き行ってきた。
2004年に行われたフォーラムの会場。
三角形がまるで生き物のように地面から立ち上がる形の建物。
彼らの建築の特徴は表面と周囲の環境へのアプローチ。
まずは表面という点から言えば、なんといっても青いごつごつしたコンクリ。そして、そのごつごつ感からは想像もつかないようなその下の空間。アルミ(?)に柄がプリントされてて、どこにいるのかわからなくなる。

穴からは光が注いで、アルミに反射して大変なことになってた。

それにしても窓の形とかどうやって決定するんだろう。意外と複雑。

周囲の環境はイマイチどこまでが彼らの手によるものなのかわからなかった。で、下の道路へ続く穴があって、それを撮影しようとそこらへんにあった荷物の上に乗って必死こいて撮ってたらどこからともなくフォークリフト出現。うわ、怒られる!と思ってさっさと引き上げようとしたらなんとフォークリフトのフォーク部分に乗せてくれるとのこと笑 いやーなんかうれしかった。ってかフォークリフトのフォークに乗る経験なんか中々ないよ!ってことでそれで撮影した写真。なんかよくわからないけどまあいいや。ものより思い出。

さて、たまたま中でなんか展覧会がやってたので興味ないけど建物には興味あるので潜入。でもこの人たちの弱点はなんといっても建物の動線。テートもそうなんだけど、出口に辿り着くまで無駄な歩きをしなきゃならなかったりで結構疲れる。今回もそんな感じでした。
あとたまに趣味悪い・・・っていう色の使い方をする。この入り口もそうだったけど、このトイレ・・・黄色ッ!?

ちなみに展示は色々凝ってたけどイマイチ何に焦点を当ててるのかわかんなかった。バルセロナの都市模型はかなり精密に作られててびっくりでした。バルセロナもベルリンみたいになっていくのかな。
続いて海を望みながら元オリンピック村へ。
ここにはゲーリーの魚の彫刻(?)があります。こんなん。

真下から。

地図。なんか笑える。ひれがないですよ、ひれが。

もはやCG・・・。

それからジャン・ヌーベルによる謎の建物。なんと水道会社のビル。


夜になるとさらにすごいことになります。これもCG・・・。


最近になってまたヌーベルの作品が建ちまくってます。プロジェクトの数と人気の高さからして次のプリツカーは彼のような気がする・・・いやだけど。なんだか彼の建築は、建築というよりオブジェに近い感じがするんですよね。周囲の環境や、建物の使用目的などがあまり考慮されてる感じがしない。実際それで美しかったりもするんだけど、やっぱり好きになれないな。これも綺麗だけどね。
Antonio Gaudi

スペインと言えばガウディ。
ってことでいくつか回ってきたので報告します。やっぱガウディはすごい!
サグラダファミリア聖堂 TEMPLO DE LA SAGRADA FAMILIA
スペインに来たらここに行かずして始まらない。
建ってるというか生えてると表現した方がいいような有機的な建築。
駅から出てこの聖堂をこの眼で見た時の感動はすさまじかった。
荒いフォルムの彫像たちもかっこいい。

中。荘厳。

まだまだ工事中の図。実は本塔がまだ建ってなくて、実際遠くから見るとすかすか。こりゃあと200年はかかりそう・・・。

装飾が異様にポップ。イチゴ?クリスマスツリー?


巻貝をモチーフにした階段。黄金比。

ガウディが編み出した構造計算模型。砂袋をぶら下げて、下に鏡をおくことで建物の俯瞰図のようになる。重みを調節することでバランスをとってたのかな。確かにコンピューターも無い時代にこんなもの建てるのは大変だったろうな・・・昔は建築家は構造家も兼ねてたのか?

カサ・ミラCASA MILA
複合住宅。全くもって周囲の環境と溶け合いません笑

屋上も大変なことになってる。

吹き抜け。ここの住民はどんな気分だったんだろう。

カサ・バトリョ CASA BATLLO
店舗や住宅からなるコンプレックスビル。こっちは海のイメージ。

衝撃的洗面台。これじゃ顔が洗えない!

こちらも屋上が・・・。

吹き抜け。美しい光。

グエル公園 PAQUE GUELL
ここは本当に楽しかった!テーマパークみたいです。

自然物?人工物?

高台の広場。

広場から望むバルセロナのビュー。

神殿のような建物。

有名なモザイクとがげ。

マドリッドに出来る予定の伊東さんによるガヴィア公園が出来たら、それこそ伊東信者の僕には天国のような場所なんだろうなーと思った。
ソフィア王妃芸術センター

まず驚かされるのが赤い大きな屋根。
旧館と新館を結ぶこの屋根には行き交う車や人々が映し出され、大胆に空いた穴から光と雨が降り注ぐこの大きな中庭は圧巻。リキテンシュタインなどの大型の作品が並ぶ。建築家はジャン・ヌーベル。

レストランも中々圧巻。

18世紀に建てられた旧館は元病院。1980年に現代美術館として生まれ変わり、90年代にはイアン・リッチーによるガラスのエレベーターもつけられた。

その後新館を増築。コンペの中から選ばれたのがこの建物。
そしてなんといってもこの美術館は建物だけではなく、コレクションが素晴らしい。ロンドンのテートモダン、パリのポンピドゥーに引けをとらないくらいの充実ぶり。
目玉商品はやはりピカソ作「ゲルニカ」。
非常に残念だったのがこの作品の展示方法。てっきり1部屋特別展示とか、奥の壁にどどーんと飾られてるのを期待してたら、普通に他の作品と横並びで配置されててげんなり。「これドローイングちゃうん?」とかいうノリ。そして想像してたより小さかった。イメージを見すぎていたせいもあり、印象はモナリザ同様確認作業に近かった。思っていた崇高さはあまりなかった。それよかこの作品のためのドローイングや、作業過程を写した写真に感動。
他のコレクションも素晴らしく、ミロやタピエスなどのスペイン作家はもちろんのことでっかい作品から小さな作品まで充実。ただ、ポンピドゥーの時と同じく全然時間がなくて、早足で見てたので正直あまり覚えてないのが本当に残念。まさかあんなにでかいとは思ってなかった・・・泣。
この頃やってた企画展も充実。まず地上階ではオプアートの展覧会がやってたり、ダリオ・ヴィラルバ(Dario Villalba)という人の展覧会がやってた。名前も作品も知らなかったけど、スペインでは有名なのかな。これがとてもよかった。写真をメインに使ってるんだけど、メディアの使い方がおもしろかった。写真で埋め尽くされた部屋もよかったし、石とかが画面に張り付いてるのとその写真を横並びにした作品もよかった。
そして、チャッククロースの展覧会。スーパーリアリズムの極み。肖像写真をここまで精巧に描かれたキャンバスたちが堂々と並ぶ様は爽快。ここまでまとめて見れたのは初めて。初めて彼の絵を見た時の衝撃は忘れられない。おばちゃん達が「写真やわ」と言って通り過ぎてくのを見ながら、なんか変やな、って思って近づいてそれが絵だとわかったときは鳥肌がたった。その後制作風景を映したDVDを見たら、なんと車椅子でキャンバスが機械仕掛けでクロースの描きやすい位置にくるくる回転する様子はもはやSF。友達に絵だと教えたら素直に驚いてた。こういうのって気持ちいい。
そんなこんなで超急いでの美術鑑賞終了。また来たい。
マドリッドではこのソフィアと並ぶティッセン・ボルネミッサ美術館とプラド美術館にも行ってきた。ティッセンではコレクションのワイエスが見れたのはうれしかった。チャック・クロースとは違った精密さに脱帽。企画展では肖像画をテーマにダリやらシーレやらピカソやらの巨匠達の絵がたくさん展示されてた。この企画展は別館にも続いてて、そっちではベーコンやフロイドの作品達。すごく豪華だ。でも別館遠すぎ。
プラド美術館では美術史に大きな足跡を残したヴェラスケスの問題作「ラス・メニーナス」を見た。メタ状態のこの絵。とても不思議な絵です。あとはゴヤの作品を何点か。牧歌的な絵から地獄絵図のような絵までなんて幅のある画家なんだろう。代表作「裸のマハ」も不思議。着せ替え人形のように、服を着てるバージョンと裸バージョンを分けて描いてるのが不思議。
あとはボッシュの本当にシュールな絵。こんなものがこんな時代に描かれたなんて。きっと当時は狂人扱いされたんだろうな。先を行き過ぎた。見れば見る程発見があってとてもおもしろい。ひたすら気持ち悪いけど。
Hotel Puerta America

18名の建築家やデザイナーが豪華競演した夢の5ツ星ホテル、プエルタアメリカに泊まってきた!
すんごい高かったけど一生に1回ってことで。。。でも5ツ星にしては安いと思ふ。
僕らは3人だったので、2部屋4階と1階に泊まりました。(1部屋2人までだったので)
全フロアは公式HPにて参照してもらうとして、ここでは僕らが泊まった4階と1階をご紹介いたします。
4F/Plasma Studio
連れが泊まったフロア。廊下のデザインはこの階が一番すごい・・・。




でも部屋は意外に普通。風呂の壁が透明でラブホちっく。

風呂の栓の締まりがイマイチだった以外は快適だったそうです。
1F/Zaha Hadid
もうこの人のフロアに泊まりたいが為に無理したようなもの。
やっぱすごかった。真っ白な洞窟って感じ。まずは廊下。



ノブまでザハデザイン。ドアには文字が出る。クール。


部屋。すごいとしか言えない。

布団にはザハのドローイングがプリントされてる。欲しい。

しかし問題は風呂。真っ白なので凹凸がわからずぜったいここで滑った人続出だと思う。さらにお湯をためるのにシャワーしかなく、洞窟のようなフォルムの風呂桶にお湯が滝のような勢いで降り注ぐ様はシュールそのもの。ってかお湯ためてたら部屋中結露が・・・これあと10年保たないんじゃないのか・・・?と不安になる。もちろんバスルームはびしょびしょ。
トイレかわいい。


そんな感じで超一流の不思議ホテル体験終了。すごかった。
マドリッドに来たら是非ご宿泊ください。
Madrid Airport T4 by Richard Rogers

スペイン到着した瞬間から闘いの火蓋は切って落とされた。
マドリッド空港第4ターミナル。
先日プリツカー賞を受賞したばかりのロジャースの建築。
昨年英国建築協会RIBAから賞をもらったこの空港。さすがに素晴らしかった。
お得意なカラフルな柱と今までになかった有機的なフォルム。
今まで見てきたロジャースの建築の中では一番好きかも。
バスの発着するとこ。光が美しい。

柱。力強いがやわらかい。

中。森の中にいるような感覚。

光が調節できるようになってる。

天井や柱だけでなく色んなところが不思議な形。

外。ここはロジャースらしい。

柱の色がグラデーションで変わっていく。

曲線がいい感じ。

空港を後にして、次に向かったのはMVRDVによる集合住宅。
もう全くもって観光ではないのは明らか。
MVRDVといえば、もうほとんど建てる気ないんじゃないかっていう建築ばかり提案する人たち。実際建ってる建物は数少なく、これはその貴重なもののひとつ。ちなみに彼らの建築は日本の新潟にもあります。



この建築のおもしろいのは、建物のファサードに使われてる素材がそれぞれ違うところ。素材で色を決定してるのはいいなっておもいました。面倒くさそうだけど。
後日彼らの本が本屋に置いてあったので開いてみると、そっこう宇宙の絵が出ててそのまま閉じました。「建てる」って動詞はやはり地上にあってなんぼなんだな、って思った。