住吉の長屋 by 安藤忠雄

安藤忠雄作「住吉の長屋」(1976)
安藤を一躍有名にした初期の代表作。
1979年度日本建築学会賞受賞作品。
縦に長いという土地を生かした構造。
もちろん安藤の代名詞「コンクリート打ち放し」はこの頃から。
夏は猛烈に暑く、冬は深々と寒い…。しかも中には中庭があるらしく(not ダジャレ)、雨の日なんかは家の中なのに途中で傘ささないといけないらしい・・・これじゃ「ビフォーアフター」の「ビフォー」じゃん・・・。
安藤曰く、「良い住建築は住人が我慢しないと駄目」とのこと。
それってどうなんやろ・・・って普通に思ってしまうんだけど。
まあ、それでもこの建物を1976年に建ててしまった事実は普通に考えて凄いと思う。今見てもモダン建築。コンクリートは4半世紀過ぎた今でも美しいまま。
ただ、普通に人が生活を営んでる場なんで中までは見れなかったし、全貌がつかみにくくて、本当に良い建築なのかがわかりにくいのもまた事実・・・。
玄関。なんてミニマル・・・。

近隣の家々と比べてもやはりモダン。

横から。洗濯物が生活観を醸し出す。

ところでこの建築、業界内ではすごい有名なんだけど、なんせ個人の住居ってことで住所は一切明かされてないんです。大阪市住吉区ってことだけ。なのでネットで拾ったいくつかの「ヒント」を元に住吉区にとにかく乗り込む。途中住吉大社で「見つかりますように」と神頼み(ぉ なんせ方向音痴なんで見つける自信限りなく0だったんだけど、結構あっさり見つかった。「コンクリート打ち放し」と呪文のように頭で唱えてたら突如現れた。やっぱ他の家々とは異質です。あと、わし以外にも1人観に来てる人がいはった。こんな住宅街にも関わらずそこまで人を引き付けてしまうこの建築の力なのか。
安藤忠雄建築研究所 by 安藤忠雄

安藤の処女作である「富島邸」(1973)を買い取り増改築をくり返した通称「大淀のアトリエ」。ロフトのほんのすぐそば!ここから世界の安東建築が羽ばたいているのか・・・と思うと地元民としては嬉しい驚き。
しかし何よりこの建物の美しさにびっくり。めっさ綺麗。同じ地点に2つ建物があるんだけど、元富島邸と思われる方が好きかな。中庭から木が逞しく生えてて、木漏れ日がコンクリートに反映される様がとくに美しい。
新しく建った建物はちょっとでかくて中々全体撮るの大変だった。

ちなみにこの横の駐車場はこの辺で1番安い駐車場らしい。梅田に車停めるならココ(笑)
入り口。普通に入りたい衝動に駆られて自動ドアのボタンおしかけた(ぉ

なぜか犬シールいっぱい(笑) 今は亡きコルビュジェ君のことか

ところで安藤さんのこと色々調べていくうちに、この人結構問題発言を繰り返してるようですね・・・。確かに雑誌に「六甲山の集合住宅」のこと語ってた文章があって、その中に、どうしても建て直したくてオーナーに言ったら断られたけど模型だけ作ってたら、阪神大震災で壊れて建て直せたみたいなこと言ってて、最後に安藤さんそれを「運」と言っちゃってるんですね。震災を「運」と言ってしまうなんて、この人どういう神経してるんやろな、って思ったんですが、やっぱ色々あるんですね。でもそれくらいがめつくないと「世界の安藤」には成り得なかったのかとも思いますが・・・。
