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Reichstag



ライヒスターク。ドイツの国会議事堂。
1800年代に建造されたその建物はドイツ政治を担う場としてドイツの歴史を見守ってきた。しかしその建物が国会議事堂としての機能を失った空白の期間がある。
空白の40年。東西分裂。
1948年から壁が壊される1989年までその建物はただの空き物件として東側にも西側にも使われることなくその場に佇んでいた。
しかし壁崩壊後、ライヒスタークはドイツの国会議事堂として40年強ぶりの復活を果たす。再びベルリンの地でドイツを見つめている。

とまあ、ウンチクはこんな感じで。
ライヒスタークはベルリンに来たら1度来たかったところでした。というのもクリストが1995年に布で包んでしまったという芸術好きにはたまらないエピソードを持つ建物だから。当時国会議事堂を包むなんてそんな無茶なという議論が交わされ、交渉が始まったのはまだ東西が分裂している頃。当時は東西分裂の象徴としてそれを包むことで人々がまた目を向けるというのがコンセプトだったようですが、結果的に東西統合の象徴としての意味合いに代わったという。僕はクリスト作品の中でもライヒスタークのプロジェクトが1番好きです。歴史と芸術が合わさった瞬間。
そして、この国会議事堂の目玉とも言える中央のドーム。戦後破壊されてしまったそのドームを新たに建て直したのがこれまたイギリスの建築家、ノーマン・フォスター。もうどこまで首つっこんでくるんでしょうか、この人。すごすぎ。で、そこに無料に登れるってんで登ってきました。もう観光客に大人気で毎日一時間くらいの行列。ってことで朝もはように行ってきた。
やっぱ朝早くでも結構並んでて、登れたのは結局着いて30分後くらい。
にしてもやっぱいい眺めだ。国会議事堂の上から眺めるベルリンは格別。昨日8ユーロも払って登ったテレビ塔はなんだったんだろう・・・
天気もよくて気持ちよかったです。

ところでこのライヒスタークのもう1つの特徴は、建物内にたくさんの現代美術品が・・・全部見れないのが残念。ガラス越しに垣間見えるやつとかあってじれったかったです。アートオタ用にツアーとかないかな・・・。実際入り口にあった黒・赤・金のドイツの国旗色のでっかいでっかいガラスマウントしたのが飾られてあって、もしかしたらリヒターかも・・・でもそんな野暮ったいことしないよな・・・って思ったら実際リヒターだったし、中庭に文字が書かれてて、何かのスローガンかと思ったらハンス・ハーケの作品だったし・・・。他にもジェニー・ホルツァーやバゼリッツの作品もガラス越しに見えました・・・。国会議事堂に現代美術を飾るなんて粋すぎる・・・しかも自分の国の作家だけじゃないのがまたいけてる。日本も何とかなりませんか、安部さん。
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