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DEGREE SHOWS '06



只今ロンドンでは大学の卒展合戦が繰り広げられております。
いくつか行ってきたので簡単な感想を。

Royal College of Art
言わずと知れた「王立」の名を持つ有名な大学。
学費が世界一高いことでも知られてます(年間400万…!!)
ハイドパークの近くにあって、近くには帝国大学やオペラホールなどもあり、物凄いゴージャスな感じ。その中でも飛びぬけて地味なビルがRCAです(爆)
で、卒展はというと、もうレベルの高さにびっくりです。
ここは大学院大学で学部がなく、大学院のみの発表なわけですが、それにしてもなんなんだろうか、あのクオリティの高さは…。
残念ながら今やってるのは芸術ではなくデザイン系の展示なんだけど、それにしてもすごい。学生の作品とは思えないです。さすが「王立」。
空間も普段何に使ってるんだ?ってくらい綺麗。
ちなみにこっちの大学は自分の大学内で卒展を開くのが常識。
作品とともに大学の雰囲気も味わえるのが素敵。
あぁ、それにしてもすごかった。

CENTRAL SAINT MARTINS COLLEGE OF ART AND DESIGN
かつてこの大学の卒業生がイギリスのアートを席巻していました。
イギリスっておもしろいのが、なんか大学が時代を作るって感じで時代ごとにブームな大学がある。90年代はなんといってもゴールドスミスだったわけだけど今はどうなんやろ。
まあ、とにかくセントマーチンズ(以下セントマ)。
何個か校舎があるんだけど、「セントラル」と冠してるだけあって、マジでロンドンのど真ん中にある。特に今回行った校舎は1番街中にあってびびる。
校舎自体はめっさ古くて正直汚い(笑)
でもここは生徒たちがすごく元気だな、って印象を卒展から見てとれた。
最近の英国アート事情は正直あんま元気ない感じするけどこの卒展見てなんかホッとしました。スペースは汚いけど1人に大きなスペースが与えられて普通にうらやましい…のびのびな感じ。

CHELSEA COLLEGE OF ART AND DESIGN
ここが来年から小生が通うことになる学校です。
なんといってもテートブリテンの真横ですから!素晴らしい立地条件♪
そしてなんといってもここのスペースはかなーり魅力的。
なんせ、この建物は昔軍隊の建物で、温故知新精神にのっとり、壁がレンガだったり、いいものは残しつつも、スペース自体はとても新しくきれいでとても感動的。昔客室だったのかレッドカーペットの間みたいなのもあって、そのスペースもかなり魅力的…。今回卒展見ながら、自分もここで発表できるのかと思うと胸躍りました。ってか1年後かぁ…早ッ!
内容は悪くないけどRCAほど質も高くなく、セントマほど元気はないかなってのが正直な感想。でもとにかく1人のスペースが広い!しかも結構やりたい放題やらせてくれてるようで、学校でやる利点はここにもあるんだな、って思った。あー楽しみ。

各校それぞれ自分たちのカラーがあって色々おもしろかったです。
そんでもってびっくりしたのが、普通に卒展作品のプライスリストがある!
ロンドンの卒展には青田買いをしに、結構有名ギャラリーのオーナーやコレクターが訪れたりするので、学生たちは凌ぎを削ってる。その雰囲気もとても楽しい!
そんでもって客の多さ。セントマの写真セクションなんて人多すぎて入れなかったし…それだけ注目度が高いってことですね。
以上卒展リポートでした。
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Thomas Demand @ Serpentine Gallery


ドイツを代表する写真家トーマス・デマンドの新作・過去作も含めた個展。
今回はギャラリーの壁をすべてデマンドデザインの蔦柄にしての展示。最近は作家もホワイトキューブを否定していく時代なのでしょうか。この壁紙がどこまで効果があったのかはよくわかりませんが、部屋ごとに違う色の壁紙で部屋と部屋の境の色が変わるところが好きでした。
作品に関してですが、新作はとにかくとにかくでかいです!!もうその大きさにびっくり。縦2.5m×横5.5mですよ・・・写真の域を超えてます・・・。鍾乳洞をデマンドお得意のクラフト紙か何かで表現。鍾乳洞の蓄積されてる感とクラフト紙のそれがマッチしてておもしろかったです。ダークトーンなのもまた新鮮。
また新作として映像作品。これまたクラフト細工の映写機(?)がテープを巻き上げてるだけの映像なんですが、その映像も映写機で映していてそこのリンクが「うまいな」と思いました。
他は過去作。やっぱこの人の作品はすごい違和感が漂う。クラフトで作られた風景は現実とも非現実とも言えず不思議な感じ。圧巻なのが上の写真の蔦。壁紙にもなってるだけあって、この葉っぱ1つ1つ切って貼ってしてるのか・・・と思うとアクリルマウントのツルっと感の中に手作業のマニュアル感が感じられてよかったです。

Tony Cragg @ Lisson Gallery
最近の彼の作品は正直rubbishです
昔の作品が良すぎただけに本当に残念なんですが、今回新作展とのことであまり期待せずに行ってきました。
入り口から見える彫刻たちはやはり予想通り落胆させる内容。ブロンズやらステンレスの煙のような形の彫刻たちは見ててむなしかったです。
ただ、木を用いた作品がありえんくらいよかった!!
木目のついた木の板を、木目上に切り取って、それをどんどん積み上げていくという作品。僕は感覚的な作品よりあるルールに基づいて作られた作品が好きなんですが、これはまさにそうで、しかも概観は感覚的な形に見えるところがまたいい。
今回ブロンズたちにはやはり落胆しましたが、いい作品もあってよかった。

Jane & Louise Wilson @ Lisson Gallery

向かい側にの別館へ。
こちらではアメリカ人姉妹ユニットの展示がやってました。正直あんま内容はわかってないけど、でもなんかいい感じでした。
まずは写真たち。女の人たちがエアロビとかに励んでる写真。この時点ではあんまよくわかんないなぁ・・・と思ってたんやけど、奥の部屋に行くと映像作品があって、なんと1つの部屋に5つも映像がところせましと投影されてて、中々すごい空間になってました。そこでもやはりエアロビに励む女性たちの姿と廃業になった病院か何かの建物を映し出してた。
どうやらこの姉妹はレジデンスプログラムでニュージーランドに滞在していて、映像はそこで滞在してつくられたものらしい。でもやっぱ内容はよくわかりません…。
写真は多分映像をキャプチャーしたものだと思う。画像がやたら荒かったです。でもまあ、展示の仕方とか全体のまとまりとかいい感じやったかな。詳しくはギャラリーウェブサイトまで。

FIONA BANNER @ Frith Street
ターナー賞ノミネート作家の個展。
会場には文字の作品が多数展示されてました。多分この文字はポルノ映画か何かの台詞をひたすら書き出してるもの。なんとなく読んでいると卑猥な言葉がポンポン出てくるので多分そう。1番すごかったのが、会場の床を貫いて展示されてた飛行機だか船だかのパーツに刻み込まれた作品。ってかこれギャラリーが普通に凄いと思う。ここのギャラリーって1階と地下に展示室があるんですけど、その地下から床に穴あけてさらに一階の天井近くまで伸びちゃってて、どうやって搬入したんやろ、ってか床穴開けちゃってますけど・・・って感じで、やっぱこっちのギャラリーの凄さにはしばしば感動させられます。肝心の作品はあんまり好みじゃなかったけど・・・。

MIKE NELSON @ Matt's Gallery
これまたターナー賞ノミネート作家の個展。寮の近くで歩いて行ける。でもやたら寂れたとこにあって、こんなとこでホントにやってるのか・・・?と半信半疑で来訪。
展示室に行くと、部屋ギリギリまで設置された木材と金網で作られた迷路が。最初周り見渡して帰りかけたら、別のお客さんが中に入っていくから自分も入ることに。道の途中に粘土だか石膏だかで作られた空洞のボールがあって、他にも組まれた木が置いてあったり内容は大分謎。作りも大分ちゃちいし、これは一体・・・?といった感じ。部屋全体にエコーがかかるのがこの作品にあってたけどよくわかりませんでした・・・。

BETWEEN A ROCK AND A HARD PLACE @ KENNY SCHACHTER ROVE
ガゴーシアンと同じ通りにあって、いつもガゴーシアン行く「ついで」で周ってるとこ(爆) まあ、観てもあんまり・・・ってのが多かったんですが、今回はすごい力の入った展示でした。
1人のキュレーターが石をテーマにして展示していて、現代美術に関係なく日本や中国の石にまつわる古いものや、隕石なども展示していておもしろかったです。
現代美術にしても、オラファーやロング、ハーストの作品も観れて、大分豪華な展示でした。作品数も多く中々見応えのある展示。

Damien Hirst @ GAGOSIAN GALLERY


ついに・・・ついにこの日が来た!!
今や英国ではrubish(ゴミ)と言われて久しい彼ですが、やはり僕にとっては僕がこの国に来ようと思ったきっかけなわけです。
初めて彼の作品を(本か何かで)見た時の衝撃を忘れられません。「Mother and Child deveided」。「引き裂かれた母子」というタイトルのこの作品はまさに母牛と子牛の体が真っ二つに切断されホルマリン漬けされているという衝撃的な作品。彼はこの作品でターナー賞をものにするわけですが、当事の賛否両論っぷりは想像に難くないでしょう。以前書いた僕のショボエッセイでも触れてるのでよかったらそちらもどうぞ。
まあ、とにかくそれから彼の作品にどんどん魅かれていってそれを窓口にしてイギリス芸術にハマっていったわけです。
それから彼のホルマリンの作品をちゃんと生で観たい!と思ってたのに、中々お目にかかれず・・・。多分その内容からして日本では展示がむずかしいと思う。金沢にある蝶がキャンバスに張り付けにされてる作品で精一杯でしょう。なので昨夏観れると思って来たロンドンでもやはりお目にかかれずじまいで終わってたのです。
で、今回。前置きが長すぎましたが3度目の正直でついに・・・・・・!
しかもガゴーシアンのでっかいスペースに置かれたそれはホントすごかった
まずはなんといってもびっくりしたのが彼の代表作の1つ「A Thousand Years」が展示されてたこと。これはホントに嬉しい驚き。この作品は彼がまだ学生の頃に企画した「Freeze」という展覧会で発表して、それをみたチャールズ・サーチという蒐集家が学生の作品にも関わらず数百万で購入したといういわくつきの作品(今や数億単位の作品ですが・・・) でっかいアクリルケースが2つ並んでて片一方には白い箱が、もう片一方には牛の頭が置いてあって、その白い箱の中身はなんとウジを培養してて、そっから出るわ出るわ蝿の大群が・・・!!そうです、このアクリルケースの中は蝿が所狭しと飛び回ってるのですよ・・・。そんでもって牛の頭の入ったケースには同時に虫取り用の電気がついててそれに触れて死んだ蝿たちがこれまたその床にところせましと転がってるわけです。それでも蝿たちはその牛の屍をついばみ卵を産みまたそれが返って・・・とタイトルの通り千年続く営みなわけです。そのケースの中で繰り返される生と死は世界の縮図のようですな。
他はすべて新作
まずは「No Arts;No Letters;No Society」と題された薬箱の作品。なんか単純なんやけどびっしりケースの中に薬箱が並んでるのは普通にきれい。
それから3連絵画の蝶がくっついたバージョンと、蝿がびっしりくっついたバージョン。蝶はじっくりみるとやっぱ生々しいですね・・・。蝿のやつは写真で観た事あるけど写真だと単純に真っ黒にしか見えなくて、今回生で見て気持ち悪さを実感。ホントびっしりくっついてるんすよ・・・
で、多分今回のメインのホルマリン作品。rubishといえど、やはりこの人の注目度は未だに衰えないのか地下鉄新聞METROでもデカデカと取り上げられてました。作品自体はちょっと恣意的かなとは思うけど、やっぱり初めて観たってのもあり感動!それもまた3つのホルマリン液で満たされたケースの中に羊がトイレに座ってるのと、キリストよろしく洗面所の上で磔にされてるのと、これまたトイレでドラッグやってるみたいなやつ。内容はともかく普通に綺麗なんですよね。360度見渡してもやっぱ美しい。それから羊がこれまた生々しい・・・舌出して死んでますからね・・・。
おもしろかったのが、観客が中に入った途端顔をしかめる(笑) そりゃあんな蝿の大群だの羊の死骸だのを見せられてもね・・・。知ってる人はいいけど、ロンドンって結構美術知らなさそうな近所のおっちゃんとかも入ってくるから結構びっくりしてた。でもギャラリーにそういう人たちが来るってのもやっぱ素敵ですよね。
それにしても、最近のハーストの作品は確かに昔のような輝きがなく、彫刻作品や絵画作品なんてホントrubishといわれても仕方がない感じなんやけど、でもやっぱホルマリンとかの作品は魅力がある。でも作家的には昔のスタイルを望まれ続けるってのはいやなんかな。でもあの衝撃を超えるものって中々作れないだろうから大変だぁね。
あと、やっぱYBA世代の作品は僕の胸を強く打つ。YBAって正直こっちの学生や若手作家からすると目の上のこぶみたいな存在で、口に出すのもいや、みたいな空気なんやけど、実際YBA以降悪くはないけど大して良くもないみたいな傾向が続いてて英国アートは元気がないと僕は思う。あの頃はよかったなんて言いたくないけどそれでもやっぱ少し言いたくもなる。
ところでこのハーストの展覧会は同時にフランシス・ベーコンの展覧会と合同企画されてて、ガゴーシアンは今すごい濃い空間になってます。そもそもデミアンの新作はベーコンのオマージュ的なノリで制作されたようで、蝶と蝿に関しては、ベーコンお得意の3連絵画形式を用いてるし、ホルマリンに関しても、どこかベーコンの絵画と相通じるところがある。ベーコンの絵画にもたまに牛の屍みたいなのが出てきますしね。
ってことでベーコン展。

Francis Bacon @ GAGOSIAN GALLERY
ベーコンの作品群の中でも3連絵画に焦点を当てた展覧会。
こんだけの量のベーコンを一気に観れるなんて幸せすぎます。
ってかもうここ美術館って言っちゃっていいと思う。広すぎです・・・。
僕は彼の独特な色使いが好きで、絵画自体は本当に毒々しいんだけど、背景がオレンジだったり、エメラルドグリーンだったりとポップな色使いなので、でもそれがまた毒々しさを増してる感じが凄く好き。それにしてもどういう感覚で描いてはんねやろか・・・。人体の解体の仕方とかがホントにありえん。筆のストロークとかも何ひとつとっても魅力的だし本当に好きな作家です。キャンバスの裏地に描いてるってのもまたいい。
今回驚きなのが彼の代表作の「Potrait of Pope」が展示されてたこと!しかもそれだけならまだしもそのドローイング絵画も一緒に展示されてて中々観れないような作品をこれでもかってくらいプレゼンしてる・・・ガゴーシアン恐るべし・・・多分これだけの量テートのコレクションでも観れないっす。
あぁ、にしてもハーストとベーコン・・・どう考えてもすごい。会期中数回再訪予定。

Bill Viola @ HAUNCH OF VENISON


何やってるか知らずに行ったらまさかビル・ヴィオラとは!!!
彼は僕が映像作家の中で1番好きな作家です。
彼の映像作品はまるでクラシックペインティングみたいに美しくてまさに絵画が動いてるって感じなんですよね。
入ってすぐにある「BECOMING LIGHT」という作品も裸の男女が水中でたゆたってる映像なんですが、縦構図も素晴らしいけど、なんといってもその水の青がめっさきれい!生命の起源みたいなものを感じました。ベタにアダムとイヴとか。
2階の「PASSAGE INTO NIGHT」では蜃気楼でゆらゆら揺れる人影がゆっくりゆっくりこっちに近づいてくる映像。これも中々目が離せない作品でした。映像作品って観るの時間かかるからよっぽど魅力がないとその場にひきつけられないと思う。でもこの人の作品にはその力がある。
続いて3階の、多分今回メインの作品「PURIFICATION」。2つの画面に男と女がそれぞれ別々に映ってて、服を脱いで老いた老人が彼らに水をかけたりというなんか不思議な作品。52分もあるのでさすがに全部は観れなかったけど、それでもやっぱよかった。特に彼の水の表現はすごすぎる。水戸の展覧会での作品もそうやったけど、本当に美そのもの。
他にも色々あって、かなりボリュームのある内容。ってかギャラリーで3階まであるって時点でどうかしてます(笑) この秋からやる森の回顧展を前にこれだけのものが観れるなんて・・・。また会期中に絶対再訪。カタログも購入。
ところで、またかよ、って思われるかもしれませんが、会場にビル・ヴィオラ本人がいた可能性が高いです。只者ならぬオーラの人がギャラリーの人となにやら喋ってたのでもしかして・・・と思いましたが、さすがに思い違いやろうとやり過ごしたんですが、あとでカタログ見たら、なんと昨日は展覧会開始の前日だったんですよね・・・。確かにやたら映像のコントロールの仕方をスタッフが他のスタッフにレクチャーしてて、なんで客の前でやっとんねんとは思いましたが…。ってかなんで開いてたんやろ・・・。まあ、とにかくそれなら作家が自らギャラリーにいてもおかしくない・・・というわけ。あぁ、勇気出して声かけとけばよかったー・・・。

Bridget Riley @Timothy Taylor Gallery
シンプルなストライプ(といったらいいのか)を描くブリジッド・ライリーの新作展。ってこの人一体何歳なんだろう…。新作は鮮やかなパステルカラーの色面構成的な作品。僕はあんまり好きじゃない感じでした。やっぱストライプの方が好みです。

KANG-YOUNG CHUN @Annely Juda Fine Art
個人的に大分お気に入りのギャラリー。
ビルの最上階にあって、天窓からの光がとてもきれい。
今回の展示は本当に凄かった。
中国の作家さんで、三角のポリエチレンを中国語の書かれた紙で覆ってそれを画面に隙間なく貼り付け、不思議なパースペクティブを・・・って説明むずすぎ・・・詳しくはギャラリーのサイトで。平面(?)も感動したけど下の階の立体作品もかなりやられた・・・。オウムのような形に組まれた三角たち。ギャラリーの人に中はどうなってるのか聞くと空洞らしい。どうやって組んだのかと聞くとそれは秘密らしい(笑) いやー、かなりヒットです。それにしてもここのギャラリー下の階まであるなんて知らなかった・・・今まで見逃してたんかな・・・

Rinko Kawauchi @Photographers' Gallery

サッカー観てた会場の近くで時間があったので来訪。
これが本当によかった。僕の上半期ランキングの上位に一気にランクイン決定。
川内さんの写真は今までも何度か見ていいなぁ、とは思ってたんだけど熱をあげるほどじゃなかった。写真集「AILA」とかも買おうか悩んだんだけどね。
で、今回。
前半では今までの写真を展示。
彼女の写真ってなんであんなにやわらかいんでしょうか。すごく見ていて心地いい。でもすごく力強い。見たらすぐ川内さんのだ、ってわかる。対象的なのが蜷川実花だなって思う。彼女の場合「私を見て!」と言わんばかりに写真が主張してきてそれはそれでいいんだけど、川内さんのはまったく押し付けがましくなく、でも心に残る、みたいな。
そんな写真たちを見ながら後半のスライド作品「CuiCui」。
MOTでやってたカルティエ財団展でも展示してたけど、あの時は疲れててすべて見る気力なく途中でやめてしまったけど、今回は時間もあったし全部見てみた。全部で19分間。流れるのは彼女が13年間収め続けた家族の写真たち。
どこにでもある日本の風景。ホントにとりとめもない世界たち。でもやっぱ愛しい。
見ていると彼女のおじいちゃんらしき人がやがて死んでしまうことがわかる。そしてそれをただ見つめるおばあちゃん。やがて彼女に甥が出来る。命はくり返していく。とても身近な風景の中に壮大なドラマがある。見ていて涙が出そうになった。とても心地の良い19分間でした。

風景のツクリカタ / Roots / アートコートフロンティア2006


大学に行ってきました。出発前日とか関係ナシ。
後輩さんたちの展覧会です。「風景のツクリカタ」。
普通にレベルが高くて正直驚きました。ひとつひとつの作品のレベルがホントに高くて、学生の作品でよくみられる「アラ」が見えなかった。ひとつひとつ安心して観られて展覧会としてちゃんと成り立ってましたね。
1つ1つの作品に関しては身内ですので言いませんが、とにかくよかったとだけ言っておきます。京都の方は是非観に行ってあげて欲しいです。25日まで。

京都の方に観ていただきたいといえばもう1つ。
法然院というお寺でやってる展覧会Rootsです。
そもそもここの住職さんがナント現代美術好きだそうで、たまに境内をそういう展覧会に貸し出してるそうです。ステキな話だ。お寺自体も素敵で、今日とか雨降ってたけどそれもまた情緒深かったです。
で、内容はというと2会場に分かれてて、まず講堂ではパラモデル、手塚愛子、船井美佐の3人が展示。関西では有名な人たちですね。パラモデルは名和さんと友達で僕も何度かあったことがあります。プラレールを使ったインスタレーションがとてもいい感じですが、この講堂ではイラストとおもちゃの車を使ったインスタレーション、あと謎のキャラクターの映像を展示してらっっしゃいました。僕的にはあまり好きくない感じ。手塚さんは布から糸を解く作品で有名ですが、今回は新展開。パソコンのコードを糸のしめ縄のようにしてました。色んな色のコードがキレイに結ばれてて、しめ縄という日本的な形なのでお寺に合ってました。船井さんは鏡に描かれたドローイング。ドローイングはいいけどこの人の立体はあまり好きじゃない。素材を変えたらまた違う印象かも。講堂全体の印象としては所狭しと作品が並べられててあまりよい展示ではないです。ヒットはもうひとつの会場南書院です。こちらは1人1部屋って感じでスペースを与えられてるのでそれぞれ伸びやかな展示。最初の部屋は手塚さんのインスタレーション。またもコードを使ったしめ縄が部屋の天井から垂れ下がってて蜘蛛の巣のようでもあり。赤一色ってのもまたよかった。次の部屋ではパラモデルのミニカーを使ったショーケースが置かれてて、その先の船井さんの絵が襖になってた!開けたら絶対閉めましょう。その襖を開けて入るとこれまたすべての襖が船井さんの絵画!これはさすがにびっくり。入って右側が縁側なのでそこには襖がないですが、その縁側にはパラモデルのプラレールインスタレーション!やっぱパラモデルはプラレールの作品がいい。庭にまで延びたそれはどこまでも延びていきそうで成長してるって感じ。そのまた奥の部屋では呉夏枝さんのインスタレーション。この人のは正直あんまりかな。
そんな感じで、作品たちがまったく場負けしてません。24日まで。

ところで昨日はアートコートフロンティア2006を観に行きました。
毎年関西の若手作家をアーティスト、キュレーター、コレクター、ジャーナリストから3人ずつ推薦するっていう企画で今年で4回目。
第1回は名和さんをはじめ、伊藤存、児島サコ、澤田知子、中西信洋、そしてRootsにも出してる手塚愛子さんなどなどそうそうたる顔ぶれが出品されていて、僕はこれを見て現代美術に開眼されたといっても過言ではありません。この人たちのその後の活躍を考えると関西の元気さには驚かされます。こうして2回、3回、そして今年4回と回を重ねてきたわけですが、やっぱり質は年々落ちてると言わざるをえません。ってかそんなに毎年毎年すごい若手が出るわけないって話なんですよね・・・。京都先鋭選抜展もそうですが、2年おきにやるとかしないと続かないと思います。今回もあまりパッとしませんでした。期待してた大舩真言氏もやはりあの空間にはマッチしてませんでした。というより、彼の作品はとても場所を選ぶと思う。本人は否定してらっしゃったけど、やっぱロスコタイプの絵画なんだな、と。今回は黒が基調になってて、これを暗い部屋とかでスポットの光だけで観たら鳥肌モノなんだろうなぁとか想像すると余計もったいないって感じです。来年からどうなるのか。来年のは観れないけど考えるべきだと思います。

さて、話は戻ってRootsを鑑賞後は院の授業でダヴィンチ・コードを観に行くということなので便乗。生徒でもないのに堂々と。内容はやっぱイマイチでしたね。話を無理矢理詰め込んでるっていうか。ってか僕は前もって小説読んでるからわかるけど、これ読んでなかったら理解がかなり難しいと思う。色んなウンチクとかもたくさんあるから、小説の中ではよくても映画の台詞として聞くとウンザリな部分も多々ありましたね。後半のロンドンの映像観ながら、あーあさってにはここにいるのかとか思いながら観てたり。
鑑賞後は皆とお別れ。また秋に!

ところで。
連絡のなかった寮の件でようやくメールが来ました。内容はざっと以下の通り。

今はどこの寮もいっぱいで、君の希望してた寮はまったくとれず結局うちでは確保できなかったよ。なのでとりあえず○○大学の寮を用意しといたから。鍵は当日そこのオフィスまで取りに行って下さいな。あと、前金をネットで振り込んで、至急申し込み用紙をファックスしてくれ。まあ、アシストして欲しいことがあったら遠慮なく言って頂戴。

とりあえず着いたら速攻背負い投げを決めようと思ってますが何か?
どこからつっこんでいいのかわかんないのでもうやめます。寝るとこ確保できただけでもよしとします。大人になったね>自分
そんなこんなで明日から行ってきます。
向こうでもネット繋ぐんで更新は続くんでこれからもよろしくお願いします。
artholic days第2章お楽しみに!ロンドン情報どんどん配信していきます。

神楽坂→銀座


はい、またまたまたまた東京です。
今回は大分前に計画していたものなのです。
しかし4、5、6月連続ですよ…阿呆です。
で、今回はいくつかギャラリー巡り。

神楽坂エリア
坂にうんざり。地味な場所にギャラリービル。

束芋「台所にて」@高橋コレクション
束芋のドローイングって見る機会は意外となくて、今回日本初公開だそうです。いつも映像で観るそれはとてもたくましい線で描かれていて、紙から紙へと彼女のイメージがたゆたっていて観ていてとても楽しくて気持ちがよかった。彼女の有名な台所の映像も何度見てもきもくて楽しい。明日は原美術館に個展観にいきます。

With Marcel Duchamp@Kodama Gallery Tokyo
日本のギャラリーでデュシャンボックスを普通に見れるなんてとても不思議な気分でした。真ん中にそのボックスを据え、それに関した画廊作家のグループ展。キャプションがなかったのでどれが誰の作品かわからなかったのが残念。それにしてもここのえらいさんらしき人が肌すけすけのきわどい服着てクッキー食いながらバイト君に指示出して客の前で作品かけ直させたりしてたんだけどあれってどうなやろ。プロ意識を持ってほしいなぁ…。

銀座エリア
ギャラリー多すぎ。取捨選択が重要。

オラファー・エリアソン展@Gallery Koyanagi
今年の原美術館の展覧会でもそうだったけど、この人の作品はホント規模がでかいのでギャラリーなんかでできんのかな、って思いながらそんな期待せずに行ったらこれまたよかった!!ギャラリー空間をめいっぱい使ってオラファーワールド炸裂!思ったよりはるかに作品数があって、小さい空間ながらとても観甲斐がありました。特に原美術館でも観たカメラオブスキュラの作品は本当にすばらしかった。わが師の作品とかなり似ててすごいデジャヴュでしたが…。

塩保朋子「ブレッシング ウォール」@INAXギャラリー
知り合いの塩保さんの東京本格個展。
京都の同時代でも同じ作品を見ましたが、今回は会場が暗く、スポットライトの陰影が強調されて、影がすごいことになってた。それにしてもホントにすごい仕事量ですよね…。
ところで観てたらなんと小谷元彦氏が隣に!!小谷さんといえばヴェネチア・ヴィエンナーレの日本代表に選ばれたりと若手ではものすごい出世頭。普通にエレベーターとか一緒だったんですけど…。ってか僕展覧会行くとよく有名作家さんに出くわすんですがそんなもんなんでしょうか…。たしかにあの人たち芸能人でもないから、僕みたいなアートオタくらいにしか気づかれないんでホントどうどうと観てらっしゃるんですよね…。

植松琢磨「生命の部屋Ⅰ」@ASK?
植松さんの作品は結構観る場所によって印象が違う。初めて観たのはGallery wks.での個展。この時はマンションの最上階という場所ということもあり、なんだかすごく浮遊感漂う展示でよかったのですが、次で観た大阪現代アートセンターの展示はちょっと空間が微妙で作品もよく見えず、正直今回の展示もそんな感じでした。なんか病室みたいな印象。ひとつひとつの作品が空間にひっぱられてる感じ。いくつかいいかもと思うものもあったけど、やっぱり感動にはいたらなかったです。

西野達「天井のシェリー」@メゾンエルメス
エルメス入るのすんげぇ勇気要ったけどがんばって入った…。香水の香りとかすごかった。建築もなんかすごいね、ここ。
今回の展示はこのビルの屋上にさらに工事用の足場が組まれててワンルームマンション風の小屋が。これ外からも見えて楽しい風景になってます。で、中は女の子の部屋みたいになっててベッドにはでっかい白馬に乗った王子様!!(笑) もうホント笑いそうになった。あまりに自然にいらっしゃるんだもの、王子様。それにしても中で机の女の子雑誌を読んでた人はエルメススタッフなのかあれも作品の一部なのかわからんかった。これ高所恐怖症の人は絶対無理。銀座一望できた。

ホントは六本木のギャラリーも行きたかったけど時間と体力の関係で断念。銀座で友達とマキシム・ド・パリというやたら豪華なとこでケーキを食す。とても場違い。

束芋「ヨロヨロン」@原美術館


昨日高橋コレクションで見たばかりで興奮冷めやらぬ束芋の個展。
期待以上の作品たちに大満足です。
まず最初の部屋ではカーテンの向こうが真っ暗で早速壁が立ちはだかる。ん?と思ってると壁に穴がいくつか開いててそこから中の映像をみる仕組み。中では床に投影された波の映像。たまに髪の毛が(笑) でもこの時点ではちょっとあんまりやな、って正直思ったんやけど、実はこれ2階からも見れるようになってて、その景色が最高でした。崖から海を見下ろしてるようなイメージ。参りました。ここの最初の展示室を最大限に生かした展示でしたね。
廊下にはまたまたドローイングたち。以前KPOで観た「ギニョる」の原画とかも観れて大満足でした。あと今朝日新聞に連載されてる挿絵のドローイングも魅力的。
「日本の台所」はあの完全な形で見たのは始めてかも。昨日はミニサイズで観たけど、部屋に入って見ると「体感」って感じでおどろおどろしさが心地よかったです。ミニサイズはミニサイズで覗いてる感があってよかったけど。
2階では男の背中の刺青の花たちが散っていって、最後は男もバラバラになるというキモキレイ(新語)な作品が。ホント独特な世界観。
最後の展示室では「公衆便所」の映像インスタレーション。部屋をめいっぱい使った感動的な展示。しかしシュールな世界やわぁ・・・。
今回改めて束芋の魅力にめいっぱい溺れさせていただきました。世界観はもちろん、ドローイングもインスタレーション性もすべてにおいて満足でした。オススメ。

アフリカ・リミックス@森美術館
とっても期待してたんだけど、やっぱ難しいかも、と思わされた展覧会。
この大陸の歴史やそこに住む人たちの葛藤やらって、僕らのほほんと暮らす日本人にはやっぱわからない部分って多い。そういうことを少しでも共有できるきっかけになるような展覧会を期待してたんだけど。というより、そんなこと期待してる時点である種の偏見なのかもしれななぁとかも思った。今回の展覧会はあくまで「現代美術」の展覧会だということをはっきり主張している。そういう意味では期待通りだったわけだけど、それでもやはり僕らとの違いみたいなのはあって、それに対してもう少し説明が欲しかった。作品ひとつ向き合うにしても、正直わからないことが多い。歴史のこと。アイデンティティのこと。それらに対する説明があれば、もっと作品と向き合えたかもしれないなぁ、と思いながら最後まで見終わってしまった。カタログもあまり買う気になれず、結局あの作品は何を言いたかったんだろうという腑に落ちない気持ちが残った。
美術館に入る前と途中で展示されてた錆びた武器を材料にしたエッフェル塔や椅子が1番印象的でした。残念ながら作家名を忘れてしまったのですが、1番「ズシン」ときました。デュマスの目隠しをされた人々の作品も「ズシン」ときてよかった。僕はこの「ズシン」を求めてたとこがあって、案外軽やかな作品ばかりで中々見つけられなかったことも残念な要素。しかし出品作の多さにびっくりです。ロンドンのヘイワードでやった時はどうやってこれだけの量展示したのかしら。
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