古橋悌二「LOVERS」特別展@京都芸術センター
演劇とも映像ともいい難い不思議な表現をする集団ダムタイプのメンバー古橋氏の最後の作品「LOVERS」。「最後の」っていうのは、彼は10年まえにHIVによってこの世を去ったから。没後10年を記念して行われたこの作品は本当に美しかった。7台のプロジェクターによって部屋の360度に映し出される映像。裸の男女が走ったり歩いたり消えたりする様は儚くも美しい。なんかずっと浸っていたい空間でした。そんでもって今回特別にダムタイプのパフォーマンスビデオも上映されてて、2つのうちの1個「S/N」を鑑賞。1時間半もあったのでもう1個は後日。内容はセックスのことや性別のことなど結構重いテーマなんやけど、ダムタイプの独特の雰囲気で見れた。ダムタイプって日本よりむしろ海外での発表が多いので、こうして見れることは珍しい。僕も実際名前だけは聞いたことあったけど実際作品観たことなかったのでこの機会があってよかった。事務所は京都にあったりする。
仲摩洋一展@石田大成社ホール
仲摩さんとは2月にはねうさぎでやってた個展を僕が観に行って以来のお付き合い。以降4月のグループ展でご一緒だったり、こないだの展覧会もたまたまDMまきに来たりして色んなご縁のある人。作品はずっと油絵をやってはって、この人の緑の使い方が僕はとても好きです。というのも、僕の中で緑はベースカラーなんですよ。好きとか嫌いとかじゃなくて、なんとなく自分に染み付いてる色というか。だから仲摩さんの作品から溢れる緑にはとても落ち着く。特に今回の新作は発色の強い緑を使ってて、それが床に反射してたりしてとてもキレイでした。初日からお邪魔してギャラリーの方とも3人で色々話したりして楽しかったです。次回は2月にはねうさぎらしい。忙しい人だ…。
Waterscape@ノマル・プロジェクトスペース
先輩である北城貴子さんや先生の中川佳宣氏が出してる水をテーマにしたグループ展。「水」というだけあって、全体的にやわらかい雰囲気の作品が集まってた。今日が初日でオープニングパーティーなわけやけど、僕はパーティーがどうも苦手なので始まる前に行ったんやけど、なんかキャプションとか張ってなくて、どれが誰の作品かわかりにくかった…上の2人のはわかったけど…
中ハシ克シゲ展@児玉画廊
先日椹木野衣氏の本にこの人の作品の紹介があって、その作品がちょうど今日まで展示されてるってことで行ってきました。僕が見たかったのは「On The Day Projects」のシリーズで、まさにそれを総括するような展覧会。シリーズに共通するのが、ある特定の日・場所で日の出から日没までの間およそ5000枚に及ぶ写真を張り合わせた作品。「19th February」という作品では沖縄の海岸に散る彼岸桜の写真。2月19日というのは米軍による日本本土上陸のあった日。他にもマッカーサーがオーストラリアのブリスベンにおいていた旧GHQ総本部の建物の入口付近を撮った「2nd September」や、日本人捕虜による大脱走事件が繰り広げられたオーストラリアのカウラ収容所跡地の「5th August」など。でも今回1番見たかったのはマーシャル諸島ルニット島に存在する核物質を封鎖するコンクリートドームをテーマにした「1st March」。この日は第5福竜丸がアメリカの核実験に巻き込まれた日。そんな風にしてとても重い内容なのですが、正直実際の作品を前にするとその凄みが伝わってこない。ギャラリーの人が必死に説明してくれたけど、その説明がなければあまり成立しないかも。なんせサービス大の写真を張り合わせただけなので、見た目もチープだし。以前にも彼のゼロ戦の戦闘機の作品を見たが、それもいまいちピンとこなかった。コンセプトは好きだが作品はあまり好きになれないです。
ところで本町の画廊って久々に行ったけどやはり迷子になりかけた…
澤田知子展@MEM
学生の集合写真。そこには40人ほどの生徒たちと担任。それは全部澤田知子だったのです、というホラー(死) いやー、もうすごいの一言に尽きます。しかも10クラス分も撮ってるんだからあなた一体何人に増殖するんですかっていう。変装のレパートリーが大変です。でもあの大きすぎないサイズがよかった。あれがでかいとやはりちょっとね…。関係ないけどここのギャラリー4階まで階段しかないとかしんどすぎます…