KAIT広場(竣工前) by 石上純也

Casaで実現したのを知って、ちょうど所用で横浜にGoToするし同じ神奈川だし竣工してるかもわからないけど行っちゃおうと思ったら新宿からの方が近かった罠。。。めちゃ遠かった!
そして案の定竣工前でしたが、外からそのお姿を拝みました。。。凄すぎる!
かなり前からこのプロジェクトのイメージは見てたけど、まさか実現するなんて。。。
柱が一本もない大屋根の乗っかった大空間。天井には穴が空いててたわんでますが、そのたわみに合わせて床面もたわんでるという。。。
実際に見ても何がどうしてこんなことが起きてるのか理解できない。。。
とにかく撮ってきた写真をご覧ください。
南側から見る。同じく石上純也を一躍有名にしたKAIT工房が左手に。
思えば工房が柱だらけで広場が無柱という対比もすごい。

西側の入り口。

西側のファサード。とにかく長い。

北西から。

東側入り口。

東側ファサード。

南側入り口。

南西から。

[D3号館] 工学教育研究棟(北西)より。
冒頭の写真は[B5号館] 講義棟(南西)から

西側入り口から中を拝見。

南側入り口から中を拝見。


雨も受け止める床面。

というわけで、残念ながら中は入れませんでしたが、垣間見ることはできました。
光の入り方がめちゃくちゃ美しい。。。
竣工したらまた行きたいし、豪雨の日とかどうなるのかとても楽しみ。。。
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KAIT工房 by 石上純也
石上純也展ボランティア@豊田市美術館
石上純也展「建築はどこまで小さく、あるいは、どこまで大きくひろがっていくのだろうか?」@SHISEIDO GALLERY
石上純也「建築のあたらしい大きさ」@豊田市美術館
京都市京セラ美術館 by 青木淳

勝手にGoToキャンペーン第三弾は京都!
ここまで人のいない京都初めて見ました。。。
ここ数年はインバウンドで町のキャパを超える外国人と旅行客で溢れていただけに、国内で最もコロナ禍の被害を受けてる街かもしれません。。。
今行く人には安くて空いてて本来の京都って感じいいんだけど、商売は辛いだろうなぁ。。。
オリンピックに向けて新しい施設も色々できてて、久々の京都を堪能。
特に京都のクラフトジン季の美のHouse of KI NO BIは天国だった。。。
新しくなった新風館もびっくりするぐらいオシャレになってたし(以前はどうしようもなかった...)、フィンランドから日本初上陸のCAFE AALTOも行ってきました(微妙でした)。
そんな中でも最大の目的はリニューアルした京都市京セラ美術館!
ここも3月にオープン予定が5月末にようやくオープン。
6/18までは府民限定で、その後全国からも来られるようになりました。
新風館同様、マジでどうしようもない施設だったのに、最高の場所になってた!!!
卒展もバイトもやったことあったんだけど、当時はその魅力に気づけなかった。。。
まず正面玄関が閉鎖されて、代わりに「ガラス・リボン」と呼ばれる地下の入口が。
美術館前には広場もできてます。すげーーー!!!




中に入る前にぐるっと一周。
裏の庭へ。新館とつながっております。
ここも当時は閉ざされた空間で、知る人ぞ知る場所だったのよ。。。


池には杉本博司のガラスの茶室「聞鳥庵」も。



新館。外壁が特徴的。



テラスへ。
本来なら本館2階から出られるんですが、コロナ対策で閉まっています。
裏の階段からのみなので誰もいませんでしたが気持ちいい場所。
東山が綺麗に見られますが全然映えません。。。





さて、いよいよ中へ。。。地下から本館、そして庭の緑のアプローチは最高すぎませんか。。。?






この大空間、ほとんど手をつけてないけど、オリジナルが美しすぎる。
他の意匠もこうなると全部美しい。。。今まで何で見えてなかったのか。。。




展覧会。現在3つ開催中です。
しかし問題が。。。
展覧会1つ1つ予約をしなきゃならない!!
これは面倒にも程がある。。。ぜひ改善してほしい。
とはいえ仕方ないので30分ずつずらしてまずはコレクション展2つ。
本館から両翼へ。それにしてもこんな空間あったっけ?ってのがいくつか。
特に左のところ。何だっけこの空間??
現在鬼頭健吾のインスタレーションもやってます。



さて、コレクション展。
以前はマジでおざなりになってたコレクションをついに生かしてる。素晴らしい。
作品自体は京都市の施設ってのもあって、京都に絞りすぎてるのでふーんってのも多いけど、上村松園の美人画なんかはやっぱり花がありますね。
そして新館へ。
裏庭からの東山がガラス張りで見られて最高。
新館では杉本博司展がやってますが、個人的には特に感動もなく。。。
近代的で合理的な手法で裏付けだらけの彼の作品に僕はもう感動できなくなってます。
とはいえこの館がまさか現代美術を扱う日が来るなんて。。。
お向かいの京都近美さんはどないしはるんやろか、と思って、HPリニューアルされてるし、来年ピピロッティ・リスト展なんてやるみたいだしびっくり!こちら。
最後のトライアングルという新スペースでも鬼頭健吾がやってたりしてます。
来年の椹木野衣の平成展はちょっと期待してます。今後も楽しみ。







以上!素晴らしかった。。。
以下関連記事と建築と館長兼任という異例人事の青木淳インタビュー、プレビュー公式動画を是非。
京都でマストの場所になりました!
“デザインの流儀”を引き継ぐリノヴェイションの技法:建築家・青木淳、京都市京セラ美術館リニューアルの全貌を語る
京都市京セラ美術館の建物が公開。大規模リニューアルの注目ポイントとは?
建築家として、館長として。青木淳は京都市京セラ美術館をどこに導くのか?
さて、他に京都では京都芸術センターでやってた若手3名(全員90年代生まれ!)の展覧会「ニューミューテーション#3」や、友人の田中真吾が出してたeNartsでのグループ展「confidential 0004」を鑑賞。
京セラではイマイチだった杉本博司はお近くの細見美術館で同時開催中の展覧会「飄々表具-杉本博司の表具表現世界-」は面白かった。
「表具」というのは、掛け軸の側のこと。西洋画でいう額ですね。
自身の写真やコレクションを掛け軸にて同館のコレクションと並べてみたり、ウォーホルが京都に泊まった時の宿帳まで掛け軸にして傷んだキャンベルスープ缶と並べてるのとかもあった。他にも坂本龍一の楽譜や、アグネス・マーティンのドローイング、昔の解剖図なんかも掛け軸にしてます。
こちらは京セラの展覧会より会期が短く9月6日までなのでご注意を。こちら。
あとgoogle mapで発見したSANAAの集合住宅は、肝心の屋根を見下ろすポイントがなくてよくわからず。。。
マップで発見とか我ながらきもい。
個人住宅は住所載せられないので、こうやって調べるしかないわけです。ごめんなさい。


house I/atelier I by 木村松本建築設計事務所

先週友人の結婚式やらで関西に帰った際に泊まらせてもらった友人I君のお家。
2017年竣工で、CASA brutusの住宅特集にも載ったお家です。
敷地に平行四辺形の形で建ち、その上にずれた形で屋根が載ってます。
家のファサードは全面窓!
友人が建築士に与えた条件は「制作をやめない家」と「茶室のある家」。
1階にアトリエがあり、そこを通らないと2階にも行けないしお風呂にも行けない。
お風呂が超開放的で焦りました笑
2階はワンルームで仕切りがあるのは茶室のみ。
この茶室がまた素敵で、壁には友人が昔描いたデッサンを切り貼りしてる。
僕は多分一生家なんて建てないけど、こうやって建築士とコラボできるのはいいな、と。
リノベーションが流行りですが、一から作っていくのも素敵ですね。
I君、本当にありがとうございました!












北京大興国際機場 by Zaha Hadid
北京行きを決めたのは、カプーアとこの空港の合わせ技でした。
この映像を見た瞬間に行かねば!というスイッチが入ったのでした。
ということで、北京鑑賞記録最後はザハの遺作、北京大興国際機場です。
とりあえずここに離着陸すれば一石二鳥と思いきや、まだ北京首都空港からの移行がほとんどできてなくて、この新空港は目下国内線がメイン。
なので、海外から来る場合は、一旦首都空港に降り立ってわざわざ行くしかないのです。。。
まあ、行きましたけどね!
今の所乗り換えもまあまあ不便ですが、今後便利になって行くかも。
でもまあ、行った価値は十二分にありました。。。
お写真でどうぞ。




















泣きそうなぐらい美しい。。。撮っても撮っても撮り足りません。。。
搭乗エリアもかっこよすぎで入れなかったのが悔しい。。。
遺作にふさわしい名建築でした。。。
ヘルドムの鳥の巣スタジアムといいこれといい、益々日本の国立競技場が残念でなりません。
今回北京の建築を見ながら、国力の差を痛いほど味わいました。。。
次回は乗り継ぎでもいいからまたこの空港に降り立ちたいです。。。
それにしても天井に照明らしきものがないんだけど、夜はどうなるんだろう?
あと北京にザハがもう一つ。
こっちは今ひとつって感じですがせっかくなので。
銀河SOHOというショッピングセンターなのですが、上海にも同じ系列の凌空SOHOというのがあります。
あともう一つ北京にLeeza SOHOってビルもあったみたいですがそっちは行ってません。全部ザハ。
でかすぎてよくわかりませんが、まあザハって感じでした。










何だろう、こっちはあまりテンションが上がりませんでした。
1番のハイライトは、疲れてたまたま入ったカフェが猫カフェだった時。
猫と戯れながら中華麺を食べました笑
以上北京鑑賞記録!
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MAXXI by Zaha Hadid
東大門デザインプラザ&パーク by ザハ・ハディド
CHANEL MOBILE ART
ZAHA HADID
vitra.
Environmental Centre by Zaha Hadid
Tram Station by Zaha Hadid
Hotel Puerta America
天津浜海図書館 by MVRDV

北京から天津へ。
目的はMVRDVによる図書館を見に行くため。
まさかこの建築を観られる日が来ようとは。。。
一昨年竣工したこの建物。
初めて観たときは凄すぎて三度見ぐらいしました。
まあ、とりあえず写真をどうぞ。



















という感じ。
笑けるぐらいフォトジェニックで、入館者の半分は写真目的だと思います。
冒頭のファサードは裏口で、入ろうとしたら裏に回ってとジェスチャーしてくれました。
実はこの日1月1日なんですが、中国は旧正月がメインとはいえ、普通にやってました。
入る時にセキュリティチェックがある為に列ができてますが案外すぐ入れました。
中にはちゃんと本読んでる人ももちろんいるし自習室だってあります。
でもほとんどの本がプリント!
初めて見た時上の方の本とかどうなってるのかと思ってたらこういうトリック。
ダミー文化に親しんでる中国ならではのプロジェクトかも笑
日本だったら中々ここまで割り切れずに通らない案かも。。。
真ん中の球体は一応入ることができて、中は普通の劇場でした。
僕の行った時は何もなかったけど、なんとこの球体光るらしいです笑
中国は今国民の文化レベル向上のため、本屋や図書館の増強をしているらしい。
中国が向かう「書店4.0」とはどんな世界か。
世界的には紙の本は廃れてきてるし、本屋も縮小傾向にあると思いますが、中国は逆。
なんと今が一番書店の数が多いらしい。
この図書館も多分その一環で政府からの後押しがあるみたい。
最近話題なのが教会をリノベーションした「模範書局」。
オリンピック前後は古い建物ばかすか壊してたけど、今はリノベーションが流行りのよう。
貨幣はキャッシュレスなのに不思議ですが。
ここができた時、見に行けるかわからないけど、一応グーグルマップに星印つけてて、今回北京行くのに色々見てたら、あれ、ここ案外近くない?となり行くことに。
北京南駅から天津まで高速鉄道でたったの30分。
高速鉄道は、時刻表見て、紙に書いてなんとか伝えて切符買えた笑
要パスポート。中国の人も国民カードみたいなのを通してました。
2等席で片道54.5元なので900円ちょっとぐらい。

ただ天津からが遠くて地下鉄の市民広場駅まで45分、そこから2km。
地下鉄は北京の交通カードが使えず、現地で切符買ったんだけど予想外の形だった。。。

駅から歩けなくもないけど、既にこの頃足が悲鳴を上げてたのでタクシー。
とにかくここの写真見せたら通じます笑
中国のタクシーはめちゃくちゃ安いのでどんどん利用すべき。
ここは文化複合施設なので、タクシーもすぐ拾えます。
他にも博物館とか色々あったけど、見たのはここだけ。
ちなみに行くのに参考にしたサイト。
美しすぎる近未来的図書館「天津浜海図書館」
中国一美しい図書館「天津濱海図書館」が超フォトジェニック!
にしてもMVRDV、本当面白い建築建てるなー。
最近できた韓国のクラブもやばい。
毎回三度見はしちゃいます。
ただただ「映える」だけじゃなくて、なんとなく批評性を宿してるのも素晴らしい。
新しいプロジェクト竣工する度にチェックしてます。
最近気になる建築家はトーマス・ヘザウィックとBIG。
ヘザウィックは昨年NYにできたVesselと南アフリカの美術館が見たいなぁ。
今年は森ビルで展覧会があるし、2023年には虎ノ門に日本初のヘザウィック建築が!これにはOMAとかも関わってる大きなプロジェクト。こちら。
最近BIGもトヨタとの都市計画「Woven City」を発表したばかりだし、中々アツい。
ザハの国立競技場が頓挫して以降、なんとなく日本では海外の建築家が大きなプロジェクトを成し遂げるのは今後難しいんじゃないかという空気があったけど、ちょっと未来は明るいかも。
BIGは本家デンマークにできたレゴ本社や発電所とスキー場が一体になった施設とかヤバイ。
ビャルケのこのプレゼンもかっこよすぎる。。。
北京国家体育場 by Herzog & de Meuron / CCTV(中国中央電視台) by OMA

まさか北京に行く日が来るとは思ってなかったけど、行ったら確実に観たかった建築が2つありました。
一つは鳥の巣スタジアムでお馴染みの2008年北京オリンピックのメイン会場となった北京国家体育場。
実際に観られる日が来るなんて。。。
ヘルツォーグ&ド・ムーロン設計、構造はアラップ、芸術顧問にアイ・ウェイウェイ。
まさに国家の威信をかけた建物。
今年2020年は東京オリンピック。あれから12年も経ったのか・・・。
にしても実際に見てみると本当にすごいスタジアム。
こんな複雑なものよくできたな、とただただ感心。
スタジアム建てさせたらヘルドム本当にすごい。ミュンヘンのアリアンツも素晴らしかった。
まだちゃんと見てないけど東京の新国立競技場。。。どうなんだろ。。。
中では2022年の冬季オリンピックに向けたイベントがやってました。
あーーー、日本にもこんなスタジアム欲しかったよーーーー泣








そしてもう一つがOMAによるCCTV本社ビル。
こちらもアラップのセシル・バルモンドが構造を手がけましたが、もう見るからに無茶笑
当時レムはNYのWTCコンペを蹴ってこっちをもぎ取ったそうです。
確かに本当にすごいんだけど、実際は巨大すぎて全貌を捉えられないし、中も入れないのでそこまでの感動はなかったかな。。。
ちなみに当時もう一つ付属施設を建てる予定で完成間際まで行ってたのに、春節の爆竹で燃えるというありえない事故により焼失。。。こっちも建ってて欲しかったなぁ。。。

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谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 by 谷口吉生







連休で親友と二人旅。
金沢と白川郷に行ってまいりました。
金沢では何と言ってもこの谷口親子の建築館。7月26日に開館しました。こちら。
建築家の名前を冠した施設は大三島の伊東豊雄ミュージアム、直島のANDO MUSEUMに継ぐ3つ目かな。海外にもあるんだろうか?ズントーミュージアムなら何がなんでも行きたい。隈研吾には作って欲しくない。
それはともかく、今回はなんと親子です。これはすごい。世界で見てもここまで活躍してる建築家親子ってオルジャッティぐらいなのでは。
谷口吉郎氏の生家跡に建てられたこの建物。設計は息子の谷口吉生で館長も吉生氏が務めます。
建物は異素材の組み合わせに凛とした佇まい、そして水盆。どれも谷口吉生の技がぎっしり詰められてるし、中は父親吉郎の歩んだ軌跡がぎっしりと展示されています。
特に2階に設置された谷口吉郎による迎賓館赤坂離宮別館・游心亭(1974)の再現は白眉。
日本の意匠がこれでもかと発揮されています。
トランプが来日した時に鯉に餌やってたのがここ。いつか本物見に行きたい。
そして地下では吉郎の展覧会が開催されてて、特に墓碑の設計が興味深かった。
こういうモニュメンタルな意匠も手がけてたのはとても面白い。
そして何と言っても最近話題になってるのがホテルオークラのリニューアル。
このあまりに有名なロビーも谷口吉郎によるもの。
そして先日、息子吉生によってまた復活しました!
ってことで行ってきました。












あー、美しい!美しすぎる。。。
空に溶けるファサードも、中の和の空間も何もかも。
詳しくはCASAの記事へ。こちら。
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ところで金沢。
21世紀美術館の15周年記念展観にいこうかと思ってたのだけど、連休中日で異常な列の前に断念。。。15年経っても勢いは止まりません。
久々に来たけどすごい美術館だ。。。ってか15年も経ったのか!開館記念展行ったのが懐かしい。。。
学生時代みんなで車で行ってヘトヘトになって行ったなぁ。
ってことで学生時代から続けてるこのブログも今日でちょうど14年目!僕も3x歳になったよ。。。
今後もゆるりと続けてまいります。よろしくお願いします。

「インポッシブル・アーキテクチャー もうひとつの建築史」@ 埼玉県立近代美術館

埼玉かぁ、と思いつつ調べたらそこまで遠くなかったので行ってきました。
五十嵐太郎監修の建築展なので、まあハズレではないだろうとの見立て。
結果的には建築展としてはかなりいい展覧会だったと思います。
当時「アンビルト」という一つのジャンルにすらなった建築がありました。
磯崎新(プリツカーおめでとう!)が昔「建築の解体」という本で紹介していたアーキグラムやハンス・ホライン、セドリック・プライス、そしてその後のザハやリベスキンドなど、建てられない建築。
そんなものにどんな価値があるのかと問われそうですが、これらの建築は明らかに建築の可能性を広げてきたと思います。彼らの夢想がなければ建築はここまで面白くなっただろうか、と。
実際展覧会冒頭のタトリンが掲げた理想の建物「第三インターナショナル」は、もう冒頭にふさわしすぎるアンビルトの極北。これが最初に目に入った時点でいい展覧会だと確信しました。
その後もマレーヴィッチの建築や、アーキグラム、メタボリズムなど、戦前戦後のスター建築ムーブメントのオンパレードで楽しすぎました。
しかし今や建築技術は飛躍的に進歩し、もはやほとんどのものが建ってしまう時代。
ザハなんかはむしろ建てられなかった時代の方が面白かったんじゃないかという気がしてきます。
最後に五十嵐さんの熱が伝わるほどにザハの廃案になった国立競技場の展示がありましたが、僕はあれが廃案になってとことんホッとしてる人です。あんなの恥ずかしくて後世に残せないですよ。とは言え隈研吾のやつもどうかと思いますが。。。SANAAで通って欲しかった。。。
ザハは個人的には最初の方のヴィトラの消防ステーションあたりが極地であとは下り坂でしかなかったように思います。
リベスキンドやコープ・ヒンメルブラウなんかも実際に見てもほとんど感動がないです。
そんな「可能な世界」で、どんな建築が「可能」なのか。
そこで登場するのがOMAでありSANAAであり石上純也なのかもしれません。
彼らの建築は、形だけでなく、しっかりの人の本能に向き合って作ってる人たち。
建築ってアートとかと違って衣食住に入ってるし、服につぐ第三の皮膚と言われるぐらいだから、もっと人にコミットしていかないといけないんだと思います。
これからの建築も楽しみにさせてくれる展覧会でした。
最後の方の会田誠と山口晃による都庁と日本橋の案も面白かった。埼玉は3/24までで、その後新潟、広島、大阪と回ります。
ところでここの美術館、謎に名作椅子が多くて楽しかった。
常設展も独特で、特に瑛九愛が強すぎて、一部屋明かりを観客が調光できる謎の部屋とかあって笑った。
「可能」だった黒川紀章の建築がゴミすぎて展覧会のアイロニーになってたのは偶然か。
そういや巡回先の広島も黒川紀章だし、国立国際もシーザー・ペリのゴミ建築。。。


アルヴァ・アアルト もうひとつの自然 @ 東京ステーションギャラリー

ダメな建築展の典型みたいだった。。。
もうほとんど覚えてないけど、やはり実物が見られる家具の展示は素晴らしかった。
アンティークになったstool60が9つスタッキングされてるのとかめっちゃ欲しかった。4/14まで。
大阪芸術大学アートサイエンス学科棟 by 妹島和世





















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2007年のオリエンタルホテル廃業に伴い、そのままクローズしていた安藤忠雄の風の教会が、六甲ミーツアートに合わせてオープンするということで行ってきました。
大阪の光の教会と北海道の水の教会と合わせて安藤教会三部作っていうらしいです。
最近安藤さん商業施設多いけど、やっぱ教会とか美術館とか俗から離れた空間作ると抜群ですね。
それにしてもここに展示してあった八木良太さんの作品が最高に良かった。。。
ライヒを思わせるクラッピングが会場に響き渡ってました。
正面にはビデオテープを巻いて作ったでっかい球。地中美術館のデ・マリアを思わせますね。
ちなみに六甲ミーツアート自体は非常に微妙でした。。。作品のレベルがやばい。
あとは久門剛史さんの作品が良かったかなぁ。
六甲ミーツアートは11月23日まで。
次回も風の教会が使われるかわからないので、見たい人は今のうちに見といた方がいいかも。
今後この建築はどうなっちゃうんでしょうか。
それにしても自分安藤忠雄の建築見過ぎ。。。
今まで見たやつ。他にも色々あるけど。
・フォートワース現代美術館
・小篠邸
・本福寺水御堂
・靭公園の住宅
・ヴィトラ
・地中美術館
・狭山池博物館
・住吉の長屋
・安藤忠雄建築研究所
・光の教会
Whitney Museum of American Art by Renzo Piano




















2009年の開園以来NYの観光地として大人気なのがハイライン。
廃線になった高架貨物線路を利用した空中に浮かぶ1マイルに及ぶ道。
こういう都市計画って本当に上手いなと思います。
日本は隙間恐怖症かってぐらい都市に空き地があったら商業施設で埋まってしまって、人が単純にリラックスできるところが少ないですよね。
NYはセントラルパークもあってハイラインもあって、市民の憩いの場が確保されてる。
梅田の北ヤードも商業施設じゃなくてこういうなにもない空間にしてほしいなと思ってます。
それはさておきハイライン。
最終日になってようやく歩くことができました。
チェルシーから入ってひたすら南に歩くと、ゲーリー、ヌーベル、坂茂の建築群が見えます。
さらに歩いた終点に、この春オープンした新しいホイットニー美術館があります。
さすがの人気でチケット待ちの行列が外まで並んでました。
中へ入ると最上階へ。NYの摩天楼が一望できる素晴らしい場所。
各階に外に出られる場所が確保されていて、美術館という機能にさらに一枚上乗せしていますね。
以前のホイットニーは薄暗い印象しかなかったけれど、新しいホイットニーは物凄く明るい。
美術館としても、コレクションがやはり異常。
この美術館はアメリカ美術専門ですが、発表された場所がアメリカだったらオッケーなのか、草間彌生や河原温なんかもありました。
金曜と土曜は夜10時までやってるので、屋上からまた違う景色が見えそう。
ちなみに月末からステラの回顧展がやるみたいで、企画展示室はクローズでした。
さらに南に下るとワールドトレードセンターがあります。
もう大分完成していて、ミュージアムなんかはオープンしてました。
全部完成するのはいつごろなんでしょうか。
まだまだNYは進化中です。




Kimbell Art Museum by Louis Kahn/Renzo Piano & Modern Art Museum of Fort Worth by Tadao Ando

Marfaから車で8時間以上飛ばしてフォートワースへ。完全におかしい。
ここにはルイス・カーンの代表作、キンベル美術館があります。
かまぼこが並んだようなデザインで、天井からは自然光が間接照明として注ぎ込みます。
すべてが展示空間と思っていたら、屋根だけで下は空っぽのかまぼこもあったのが意外でおもしろかった。
中には古代から近代までの作品がならんでます。
何気にクラナッハやティッツィアーノなどの作品もあってびびった。





そして2013年に増築がレンゾ・ピアノによって完成しました。
彼のバーゼルにあるバイエラー美術財団を思わせるデザインでした。
カーン同様ルーフライトを取り入れてましたがちょっと中途半端な印象。。。
正直ピアノは個人的にその魅力がよくわかりません。




さらにこの横にフォートワース近代美術館があって、こちらは安藤忠雄によるもの。
素晴らしいコレクションと素晴らしい建築でした。












ということでテキサス終了!!!
再びNYへ。
The Glass House by Philip Johnson

NYCから電車で80分ほど行ったNew CanaanにあるThe Glass Houseへ。
フィリップ・ジョンソンにはあまり興味ないけどこれは見てみたいなと。
ということで駅前のビジターセンターから専用シャトルバスに乗り込み10分弱。
ちなみに要予約です。こちらから。12月から4月いっぱいまで休み。
自分が参加したのは平日の10時半からの、グラスハウス+ギャラリーツアー50$。
人気がないのか、なぜか参加メンバー4人のみというほぼプライベートツアーでラッキー。
到着するとまずゲートがいかつい。これもフィリップ自身が生前に設計したもの。

ゲートを抜けるとこれまたフィリップが設計したビジターセンター。
黒い部分最初セラかと思ったけど、素材はコンクリートに塗装。
中身は後ほど。


それにしても広い。予想を桁外れに超えた広さ。
なんでも5エーカーあるらしい。ようわからん。
グラスハウスのイメージしかなかったので、これだけ広大な土地は想像してませんでした。
ビジターセンターでツアーは2時間といわれて、そんなかかんの?と思ったけど合点。
フィリップ自身金持ちだったんですね。香川のイサムノグチ美術館を思い出した。
なんでも学生のうちに父から譲り受けた株が大暴投して巨万の富を得たとか。うらy(略)
遠くに見えるのは書斎。

ジャッドの野外彫刻。昔ドクメンタで見たのと同じやつ。
フィリップのパートナーでキュレーターのDavid Whitneyと二人でかなりのコレクションを持ってたらしい。
ちなみにDavidはWhitney MuseumのWhitneyファミリーとは関係ないです。
フィリップもかつてMoMAのキュレーターでした。

そしていよいよグラスハウスへ。
こっちは思いの外小さい。

しかし360度ガラスで囲っただけでこういう空間感になるんですね。
外にいるようとまでは思いませんが、中の体感のまま外がガンガン入ってくる感覚は異常。






バルセロナ・チェアーがあるところからもわかりますが、この家もミースのフォーンズワース邸からの影響が相当強いです。その本家のフォーンズワース邸もいつか見てみたいです。
先に書いたシーグラムビルディングもミースと共同設計だったのですね。
フィリップはMoMAのキュレーター時代にミース展を開催するほどの傾倒ぶりだったようです。
グラスハウスの向かいには、対をなすようにレンガで「閉じた」ゲストハウスも。
こっちにはボイラーなどの機能も備えていて、地下を通してグラスハウスに熱を伝えていたそうです。

あと遠くには池に浮かぶ謎のパビリオン。一体ここはなんなの。

地中に埋まる絵画館。
エクステリアはかっこいいのに、中が残念な感じでした。



ちなみにこの時もうひとつの彫刻館は改装中で見れず。このツアーの人気がないのはこれか。
代わりにフィルムで見る。

そして彫刻館にあった彫刻は現在先のビジターセンター内で一部展示中。
まずはラウシェンバーグ。

モリス。

チェンバレン

オリジナルの展示よりこっちの方がいい気がするけど。。。
彫刻館は来年の5月に再オープン予定だそうですが、ガイドによるとそれより遅くなりそうとのこと。
彫刻館も見たい人は来夏以降が良さそうですね。
以上。
New Museum by SANAA








やってきましたNYC!!
まずはSANAAのNew Museum。
この日は展示ほとんどやってなかったので半額でした。木曜の夜は任意の金額で入れます。
それにしてもこれが本当にSANAA?ってぐらい大味の建築です。
悪く言えば新築というより倉庫改築したようにしか見えない。。。
すべての階を見られたわけではないですが、かなり期待はずれでした。。。
地元のゼネコンにしてやられたって感じがしますがどうなんでしょう。
ちなみに一枚目の写真はホテルのバルコニーから。
ぶら下がってる船は5月に亡くなったクリス・バーデンによるもの。
本当は1月のクリス・オフィリの展覧会観たかったんですけどね。MoMAのマティス展とグッゲンハイムの河原温展がうまくかぶっていれば。。。今回は美術館の展覧会はあまりいいのやってません。
<関連記事>
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熊野古道なかへち美術館 by SANAA
Novartis Campus 4 by SANAA
海の駅なおしま by SANAA
この近くには、MorphosisのThom Mayerが手がけたクーパーユニオンもありますが、もう個人的にこういう建物に惹かれないんだよな。。。とりあえず。

それにしても今日ヘロヘロになりながらも最も感動したのがミースによるシーグラム・ビルディング。
威風堂々とした黒くそびえ立つ姿は美しすぎた。。。時を超えてなお輝くNYCの宝ですね。
ちなみに前の彫刻はウルス・フィッシャーによるもの。
中にもジェフ・クーンズの彫刻があったり、ガゴーシアンがいろいろ噛んでるみたいですね。




最後にJFK空港のターミナル5。エーロ・サーリネンの代表作。
残念ながら現在使われていませんが、エアトレインから見ることができます。
実際ターミナル5で降りて駐車場から眺めました。中も入ってみたかった。

あと、今日はOMAの手がけたプラダも見たけど、中はとてもじゃないけど写真撮れる雰囲気じゃなかった…。
Kunstmuseum Winterthur Extension by Gigon/Guyer

スイス国内ですごく勢いを感じるのがギゴンゴヤー。
世界的ではないにせよ、スイス国内での実現率が非常に高い。
スイスでは現代建築を建てるのが非常に困難。
それは超がつくほどの民主主義で、ちょっとした建築物を建てるにも住民投票が必要。
そのことについてはartscapeのこの記事が詳しいです。こちら。
それ故か、スイス国内のほとんどの建築はスイス建築家によるものばかり。
SANAAのラーニングセンターやノヴァルティスの建築のようなのは本当に稀。
それ故、スイス建築を集中して見られるのはいいけど、長い事いると正直飽きます。
そんなスイス建築の中でも多くの美術館を手がけているのがギゴンゴヤー事務所。
スイスをめぐるアート関係者にとって最も親しみのあるスイス建築家かも。
チューリッヒから30分ほど行ったWInterthurにあるこの美術館の増築も彼らによるもの。
Liner Museumに見られるようなギザギザ屋根で、中の採光が非常に美しかったです。
コレクションもかなり充実していて、リチャード・タトルの部屋はすばらしかった。






Winterthurにはもう一個彼らによる美術館の増築がありますが、展覧会やってなかったのでパス。
あと美術館といえばダヴォスにあるキルヒナー美術館。彼らの初期の代表作。
正直建築も中身も面白くなかった。。。すんごく遠かっただけにがっかり。。。

スイス来たらほとんどの美術関係者が行くであろうチューリッヒにあるアートコンプレックスも彼らによるもの。
現在Hauser & WirthではPaul McCarthey展とカルダー・ピカビア展が、Eva PresenhuberではDag Aitken、Bob Van OrsouwではJulian Opie、Pool Projectでは"A Blind Man in His Garden"という超豪華なグループ展が開催中。これらが無料で一気に見られるので、チューリッヒのアートスポットとしてはマストな場所。あとは有料ですがKunsthalleやMigros Museumも入っています。 Eva Presenhuberはもう一店舗あって、そっちもギゴンゴヤーによるもの。

美術館ではないですが、高い建物がほとんどないチューリッヒで目立つのがPrime Tower。これも彼らの。近辺はおしゃれなエリアで横に写ってるのはFREITAGのコンテナ積み上げた本店(?)。

以上スイス建築第二弾はギゴンゴヤーでした。
17日の京繊でのレクチャー聞きたかったなー。
次回帰国後はアート編。
Home for Senior Citizens by Peter Zumthor

スイスもいよいよ最終日。現在空港で飛行機待機中です。
帰国直前にここ最近見たスイス建築をまとめてお届けします。
まずはクールのマサンスにあるズントーによる老人ホーム。
おじいさんおばあさんが心地よさそうにしていて、僕は完全に不審者でした。。。
近くにズントーの事務所もあります。


Plantahof Auditorium by Valerio Olgiati
クールから1駅行ったLandquartにあるオルジャッティによる農業学校(?)のオーディトリウム。
中には入れなかったけどかっこよかった。




National Park Centre by Valerio Olgiati
もいっちょオルジャッティ。こちらはZernezにある国立公園センター。公園は行ってません。







Aargauer Kunsthaus Extension by Herzog and De Meuron
チューリッヒから西に1時間弱のアーラウのヘルドム。ダイナミックで見応えあり。
プラダ青山に見られるような植栽が屋上に。やってる展覧会はイマイチでした。こちら。








Stadtmuseum Aarau by Diener & Diener
同じくアーラウのディナーディナーによる市立博物館。
BielにあるCentrePasqArt同様古い建物と新しい建物の組み合わせ。
中身はドイツ語のみでアーラウの歴史についてであまり興味なし。こちら。



Markthalle by Miller & Maranta
アーラウもういっちょ。ミラーマランタによるマーケット。現在使われてなくて残念。

第2弾に続く。。。
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Valerio Olgiati
Vitra Haus by Herzog & de Meuron
Herzog & de Meuron
Forum2004 by Herzog & de Meuron
Laban Dance Centre by Herzog & de Meuron
Fondazione Prada by OMA











ミラノは5月にオープンしたプラダ財団美術館に行ってきました。
正直そんなに期待してなかったんですが、想像を超える凄まじい施設でした。
写真たくさん撮りましたが、過剰なまでのファクターが織りなしており全然撮りきれません。
artscapeでも特集されてますが、ファッションx建築xアートという流れはここ数年で定番化してきましたね。昨年末にオープンしたルイ・ヴィトン財団然り。そんな中でもちゃんと棲み分けができてるのがおもしろいなと思います。
プラダは以前からOMAと組んでショーもやってきたし、ミウッチャ・プラダはアートコレクターとしても有名なので、今回の施設はついにって感じですが、にしてもこう来るかって感じの内容でした。
とりあえず建物。もうOMAの過剰さがすごい。古い工場と新しい建物を組み合わせていて、見た目そんなに広く思えないのに、実際回り始めると全然見終わらないという恐ろしさ。早足で見て2時間かかりました。
見取り図こんな感じ。

入ったらどこ行ったらいいの?って戸惑いますがまずはチケット売り場へ。

中では7つの展覧会が同時並行的に開催中。
・Serial Classic @ Podium
ギリシャ・ローマ彫刻とその模造品をめぐる展覧会。



・Robert Gober & Louis Bourgeois @ Haunted House
狭いので時間指定の整理券必要ですが、行った時は混んでなかったのですぐ入れた。

・An Introduction @ Sud & Deposito
展示の仕方がすごかった。正直どうよって感じですが。


・In Part @ Nord

・Trittico @ Cisterna
Eva HesseとDamien HirstとPino Pascaliの三人展。

・Processo Grottesco @ Cinema
2006年に制作されたThomas Demandによる洞窟の写真作品の実際のジオラマや資料が展示されてた。
30tの段ボール紙とコンピューター技術で作られたジオラマは異常。
この時の展覧会はちょうどロンドンで見てたので懐かしい感じでした。こちら。
CinemaではRoman Polanskiの自伝ドキュメンタリーも上映中。


あとまだ何か建てようとしてる途中でした。
OMAの美術施設としては、ロッテルダムのKunsthalleを思い起こさせますが、この施設の混乱具合はなぜか心地よかったんですよね。なんでやろ。やはり彼らの持つカオスが洗練されてきたからでしょうか。同じく古い建物を改修したモスクワのGarage Museumも気になります。
展覧会としては、ちょっと散漫でしたが、今後どうなるか楽しみな施設です。
Museum Liner by Gigon/Guyer












サンクト・ガレンからローカル線に揺られること約45分、アッペンツェルへ。
途中まさにハイジな牧歌的風景を通りつつ、着いた先も超のどか。
そんな場所にこの美術館はあります。
スイスの建築デュオ、ギゴン&ゴヤーによる建築。
彼らはスイスの中でも美術館建築が多いので、スイスにいる間にいくつか観ておきたいと思っています。
それにしてもスイスは本当に美術館が多い。しかもどんな田舎にあっても質の高いものが多いので侮れません。
この美術館も、現在開催中の展覧会はダダ。しかも女性のダダイストにスポットを当てた中々マニアックな展覧会「DIE DADA LA DADA SHE DADA」。タイトルも洒落てます。
展示もものすごくクオリティが高くて、グラフィックも凝ってて、新聞形式のカタログも美しくて思わず購入。惜しむらくは全部ドイツ語の説明しかなかったこと。おかげで詳しくはわからなかったけど、それでも楽しめました。素晴らしい。
また、近くにもう一個Kunsthalle Ziegelhütteという関連施設があって、割引が効くというので、どうしようかと思いつつ行ったらこっちも大当たり。
16世紀のレンガ工場をリノベーションした施設でめっちゃかっこよかった。こっちはギゴン&ゴヤーじゃなく地元の建築家によるものだけれど、ここまで来たら行くべき。
2階の展覧会はイマイチだったけど、1階でやってたAndrea Ostermeyerの衣服を使った作品群は中々面白かった。










あと伝統なのか、町中の建物の外壁が魚の鱗みたいで可愛かった。
中々行くのは大変ですが、時間があれば行ってみる価値はあると思います。こちら。

Educatorium by OMA

ポルトガルからアムステルダムへ。相変わらず無茶な旅程です。
今日は一日文字通りオランダ中を駆け巡ました。
アムステルダム→ロッテルダム→ユトレヒト→アルメラ→アムステルダム。
狂ってます。しかもものすごい寒さで、すっかり春の出で立ちだったので死にかけました。
最後のアルメラでH&M見つけて思わずパーカー買ってしまった。7€。もっと早くに出会いたかったぜ。
それはさておき、何げにオランダ初めてなので、気になる建築を片っ端から。
順番は前後しますがまずはレムのユトレヒト大学内にある建物から。
今日見た中ではこれが一番。
外観にそのままフロアのレイヤーが現れてる。まるで途中でスパッと切ったかのよう。
やっぱこういうレムの潔さが好きです。
学生はこんなとこで普段からお勉強できるなんて。
にしても各地で大学に侵入しすぎ笑
なぜかグルスキーのデカい写真(もちろんコピー)が飾ってあったんだけど何やってんやろ。






そして同じくレムのロッテルダムにあるクンストハル。
こちらは個人的に全く好きになれなかった。
まず美術館として、完全に失格。
これほど観客を疲れさせるサーキュレーションもないでしょう。
何回も同じところ行ったり来たりしてしまって疲れた。
あと、色々やりすぎて、結局何がしたかったんかが不明瞭すぎる。
レムの潔さがここではかなり失われていました。
ちなみにやってたのはチェコの作家Krištof Kintera。昔国立国際美術館でやってた「転換期の作法」展で見たことある。確か。あまり好きじゃない。他にも色々やってました。(投げやり)






あと近くにOMAによるホテルもありますが、寒すぎて遠くから。。。

そしてロッテルダムに最近できた同じくオランダの事務所MVRDVによるマーケットホール。
Rotterdam blaak駅前にありますが、すごいインパクト。
外側はオフィスや人が住んでたりする。。。中は市場で楽しかった。



オランダは基本的に奇抜な現代建築だらけなんですが、その祖はやはりリートフェルト。
オランダの芸術運動デ・スティールを最も表す建築がユトレヒトにあるシュナイダー邸。
レムのエデュカトリウムからもわりかし近いです。とはいえ徒歩30分ぐらい。
現在は予約制でガイドツアーのみ内部見学が可能。撮影不可。こちら。
思ってたより小さくてびっくりしました。
サヴォア邸もでしたが、やはり建設当時の立地条件と今では全く異なっていて、ちょっと残念な感じ。
機能性を尊重しすぎてからくり屋敷みたいになってたし、色使いとかどうしても今からするとダサいけれど、内部と外部のぼかし方や関係性は現代のレムやMVRDVにも通づるところがある気がしてオランダ建築の系譜を感じられたのはよかった。

最後はSANAAによるアルメラシアター。
これは確か妹島さんが当時仕事がなさすぎて事務所畳みかけてた時にレムから依頼が来て首の皮一枚で繋がった奇跡のプロジェクトだったはず。その後の彼らの活躍を思えば本当に奇跡です。
でもまあ、外観だけ見てもSANAAと言われないと気づかない。
どうやら中に入ってるオフィスの各部屋の間仕切りの薄さがキモみたいなのだけど入れないのでわからず。
この時謎のレセプションでごった返しててどさくさに紛れてジュースや食べ物を頂戴したのは内緒です。
壁の絵はマイケル・リンによるもの?(多分)
アルメラには他にも現代建築だらけですが、これまた寒すぎてそれどころじゃなかった。。。想像以上に都会でした。






以上!
Casa da Música by OMA

ヨーロッパの西の果てポルトガルまでやって参りました。
まずは首都ポルト。
ポルトといえばレムの代表作の一つCasa da Músicaです。
同名のメトロ駅からすぐ見えます。
その昔家として設計してたら施主があまりにガミガミ文句つけるので施主をクビにしてこのミュージックホールのコンペに転用したという伝説があります笑
どこから眺めても不思議なアイコニック建築ですね。








起伏のある広場はスケボーの練習場と化してました。
昔バルセロナ現代美術館行った時もそんな感じだったな。
そしてなんといってもこの階段のくっつき方。なんかはみ出しちゃってます。
レムの建築の魅力って僕はこういう暴力的なところに感じちゃうんですよね。
建築を物として扱ってる感じというか、模型作るような感覚で建築作っちゃってる感じ。
そしてレムの建築の中では自分がミニチュアになったような感覚があってそれがまた気持ちいい。
中に入るとビームの走り方とかすごいです。構造家セシル・バルモンドの力もあるんだろうけど。
16時からは英語の建築ツアーもあります。たっぷり一時間。素晴らしかった。
中は迷宮のようで、自分が一体建物のどこにいるのかわからなくなります。
中にはポルトガル伝統のタイルやオランダのタイルとコラボしたVIPルームなども。
コンサートホールのカーテンが行った時はリハーサル中だったので閉まってたけど、これが全部開いて外の風景を借景にオーケストラとか最高だなと想像したり。
一階のカフェもオシャレでした。
ショップもオシャレで思わずTシャツ買ってしまった。。。



















2005年の開館から今年でちょうど10年。すっかり街のシンボルです。
<関連記事>
Leeum Samsung Museum of Art
SEOUL NATIONAL UNIVERSITY MUSEUM OF ART by OMA
「エレメント」構造デザイナーセシル・バルモンドの世界@東京オペラシティ
ところでこのポルトという街は、本当に素晴らしい街でした。
まだ東欧ほとんど行ってないのだけど、西欧では自分が訪れた街の中で一番よかったかも。
この日は昼に着いて、この建物見る以外スケジュール立ててなかったんで、ツアー後の夕方から適当に歩き出したら、もう街の美しさに魅了されてしまって、気付けば3時間ぐらい歩いてた。
ポルトガルって、フランスやイタリアやスペインに比べるとやっぱ派手さには欠けるけど、変に観光地化されてない、洗練されない美しさが街中に漂ってた。日本でいうと京都に対する奈良みたいな。
そして物価も安くてスイスとのコントラストが泣けた。。。日本の半額ぐらいかも。
昨年の経済危機もあったけど、街もそこまで治安悪そうには見えなかったし、皆穏やかな。
もっと日本人も来るべきだと思います。すっかり魅せられました。










Steilneset Minnested by Peter Zumthor

いきなりブレブレの画像ですいません。。。
バーゼルから北欧の旅へ。
北極圏に浮かぶ、ノルウェイ最北東の島ヴァルドーへ向かいました。
キルケナスという街からプロペラ機で移動するはずが、強風によりあっさりキャンセル。
代わりにバスを出してくれたものの、飛行機なら15分で着くところを4時間もかけて移動。
冬の北極圏は午後3時にはほぼ日が沈むので、着いた頃にはほぼ真っ暗。。。
それでも負けじと向かった先は、ズントーによるスティールネセト・メモリアル。
真っ暗の中三脚もなく撮ったのでほとんどブレてます。日が沈む前に見たかった。。。
これは、17世紀に巻き起こった魔女狩りによる犠牲者を追悼するために建てられた建物。
建物というより、見た目は、長いサーフボードが、木組みの中に浮いている様。
中に入ると窓がたくさんあって、その窓ひとつひとつに電球がぶら下がっている。
その傍らに、魔女狩りで犠牲になった91人分の名前などの情報が載っている。
昨年訪れたひめゆりの塔を思い出した。
ひたすら長い廊下を歩みながら、犠牲者の御霊の間を通り抜けるような体験でした。




そばにはルイージュ・ブルジョワによる作品も展示されていて、真ん中に置かれた椅子から火が吹いていて、巨大な鏡がその椅子を取り囲んでいるインスタレーション。


この施設の詳しい情報はこちらがわかりやすいです。
ちなみにここには誰もいなくて、常に開いてる状態なのかも。
それにしても雪で道無き道を行くのは大変でした。。。
バスの中で、こんな島にくる日本人がいるのかという感じで、遠い親戚が魔女狩りにあったのか?とか、魔女狩りの研究をしているのか?などの質問が。
帰りに寄ったカフェでも、珍しがられて魔女狩りの資料などをたくさん見せてもらいました。
今考えれば本当に馬鹿げたことですが、裁判資料が事細かに残っていて驚きでした。
帰りの飛行機は遅れて到着したものの無事飛んでくれてよかった。15分でキルケナスへ。
ちなみにこのキルケナスでは、その前夜オーロラツアーに参加しました。
アイスランドで見れなかったので、リベンジでしたが、空いっぱいに降ってきそうなほどの光のカーテンが見事に見られました!!
しかも満天の星空で、本当に素晴らしかった。一生の思い出です。
半信半疑でKitcameraというアプリをDLしといて、iPhone用の三脚も用意して撮ったら見事に写りました!

さて、明日からデンマークへ。ルイジアナ以来また来ることがあるとは。
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Vitra Haus by Herzog & de Meuron





2007年以来約8年ぶりにバーゼル近郊にあるヴィトラの工場に行ってきました。
vitra.
あれからまたヘルツォーグ&ド・ムーロンによるショールームが増えてました。
家の形を何個も積み重ねたような。どう見ても藤本壮介にしか見えない。。。
色はすぐ近くにある白いゲーリーのミュージアムと対となるようなダークカラー。
中は案外機能的に使われてました。階段がゲーリーっぽかった。
そしてさらに今年の10月には同じく彼らによって新たなミュージアムがオープンするそうです。
場所はザハのファイヤーステーションの真横。すごい。。。
これに合わせて新たなゲートが作られててこのゲートはシザが設計。どんだけ。

そして、同じく2007年以降に建ったものといえばSANAAによる工場。
こちらは12時からのツアーに参加しないと見れません。
ドローイングがすごい笑 いびつに歪んだ円形。上から見てみたい。
ファサードにはカーテンのようなアクリルが掛かっていてエレガントです。
グリムショーによる工場とつなぐ通路もSANAAらしい曲線。
中は写真の許可は許されませんでしたが、パイプも何もかも真っ白で美術館のよう。
この日は雪の曇天だったけど、自然光だけでそれでも明るかった。






最後に昨年この工場地帯ができて25周年を記念して、カールステン・フラーによるスライダーができたようです。建築家だけでなく野外彫刻も増えていったら楽しそうだなと思いました。

改めて回ってみて、ザハのファイヤーステーションは名作だなと思いました。
今のオーガニックな曲線より、パースペクティブが異常にかかったようなデザインは今でも秀逸。
処女作ということもあって、ディテールが凝りに凝ってて素晴らしかったです。
ちなみにバーゼルではもうひとつ、2007年以降ノヴァルティスキャンパスに新たに建てられたゲーリーの建物を見に行こうかとも思ってましたが、寒すぎ&しんど過ぎで断念。年取りました。
昔のノヴァルティスの記事はこちら。
Harpa(facade) by Olafur Eliasson





なぜかこのクソ寒いなかアイスランドに行ってまいりました。
もう年末年始一人で何もやることない侘しさに耐えきれずに気付いたらチケット取ってましたよ。
だって、スイスーアイスランド間往復12000円ですよ。
ってことで行ってきました。
表題のHarpaというのは首都レイキャビクにあるイベントホールです。
ファサードデザインをオラファーが手がけました。
彼はアイスランドにルーツがあるので、アイスランドに関する作品も多く手がけています。
こないだもアイスランドの氷の塊をコペンハーゲンの市庁舎の前に並べてました。
そんな彼が手がけたこのホールファサードですが、なんか取って付けた感がすごい。
建物になっちゃうとなんだかなって感じですね。
あとはアアルトの建物もあったんですが、寒すぎて断念しました。
ってことでアート系はここまで。完全に目的が違います。
なんといってもアイスランドといえば自然。
アイスランドの観光といえば、ゴールデンサークル、ブルーラグーン、そしてオーロラ。
ゴールデンサークルとは、グトルフォス(滝)、ゲイシール(間欠泉)、シンクヴェトリル国立公園の3つのスポットが固まってるエリアです。
例にもれずゴールデンサークルから行ってきました。
ちなみに全部Gray Lineという会社のツアーでした。こちら。オフィスはHarpaの近くです。
朝8時半スタートで、まずはグトルフォスの滝から。
これがもう極寒すぎて、正直滝どころではありませんでした。。。
こんな感じ。壮大です。

そこからゲイシルの間欠泉へ。
間欠泉とは、水が地熱により熱せられて沸騰し、蒸気圧がかかって噴き上げるもの。だそうです。
こんな感じ。吹き上がる瞬間撮りたかったけど寒すぎて構えてられませんでした。。。
しかしこの日はアイスランド人もびっくりなこの冬最大の大雪に見舞われてしまい、バスは国立公園に行けなくなったばかりか、レイキャビクに戻れないかもという危うい事態に。。。
結局3時間ほど近くのカフェで全員待機した後になんとか帰れました。。。疲れた。
そして次の日の朝はブルーラグーン(露天温泉)へ。
しかし着いたらまたスタッフから「寒すぎるので入るのはおすすめできません」という耳を疑うようなお言葉。いやいや温泉ってあったまるために入るんですよね?
確かに雪は吹き荒んでるし、こっちの温泉って30度ちょっとなんですよね。
これは入ったらやばそう。そして35ユーロもするので止む無く断念。
カフェから吹雪なのか湯気なのかわからないものをひたすら眺めてました。
外にも出られるので見てきたけど確かに寒すぎる。でも入っていく猛者どももちらほら。
こんな感じ。


そんなこんなで退散し、午後は寒すぎるのでふて寝。
夜にはメインのオーロラツアーが。。。と思っているとなんとキャンセルのメールが。
しかしちゃっかり、一段上のツアーは決行するけどどう?みたいなこと書かれてて、見たら7500円プラスらしい。完全に足元見られてるけど、最大の目的はオーロラだったので泣く泣く払って行くことに。
19時半に出発して、雲のないスポット目指して走る走る、が一向に雲は無くならないどころか厚くなっていくばかり。
なんとか雲のない場所にたどり着いたのは夜中2時頃。
すっかり眠りこけてて、ガイドが見えたぞ!と叫んだ時は何のことかわからなかった。。。
で、おりてみたものの、見えるとは到底言えないほどうっすらサムシング。
高性能のカメラで長時間露光で撮ったら確かに緑色に!でも肉眼で見えな意味ないやろ。
ってことで結局中途半端に終わってしまった僕のオーロラツアー。
ホテルに帰れたの4時半で、そこか2時間睡眠で空港へ。死んでました。
いつかカナダか北欧でリベンジします。
ちなみに到着したその日はめちゃくちゃ綺麗に見えたそうです。
最近すっかり「嵐を呼ぶ男」となってしまった自分。がっかりです。
思えばスイス行く前日も台風が大阪を襲ってあわや延期かとなったり、先月もマッターホルン吹雪いて見えなかったり散々。はぁ。
まあ、年末のいい思い出になりました。
そんなアイスランドツアーでした。
ここのサイトがすごく参考になりました。行く人は是非。こちら。
