Mona Hatoum @ Tate Modern

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今回の欧州記事ラストです。
ラストはやはりテートモダン。
6月に新館がオープンし、ただでも広かったのにさらに広く。
おかげで全部回る頃にはぐったりしました。。。
元の建物をBoiler House、新館をSwitch Houseという名前で呼ばれていました。
H&deMによる新館は、正直期待はずれでした。なんか建築としてのワクワクがない。
発表から二転三転して今の形に落ち着きましたが、まあ色々あったんでしょう。
建物としての機能もこれからといった感じで半分くらいのフロアが公開されてませんでした。
新館に先立って公開されたTankなる地下空間はやはりめちゃくちゃカッコよかったです。
この建物のキャパシティの深さを感じられる空間で、ここでは主にパフォーマンスがメイン。

Boiler Houseの方ではモナ・ハトゥムの個展が開催されてました。
オキーフもやってたけど時間もなかったのでパス。。。
近年改めて大きな個展が連発している彼女。昨年もポンピドゥーでやってました。
来年はヒロシマ賞受賞記念の展覧会が広島市現代美術館で開催されますね。
なんとなくYBAのイメージがあったんだけど、彼女は彼らより一回りぐらい上の世代だったんですね。
彼女はレバノンで生まれ、イギリスに移り住んで今も拠点はイギリスです。
彼女の作品からは、暴力と普段の生活は薄皮一枚でしか隔てられていないことを教えられます。
家庭用のチーズおろし器を大きくして彫刻にした作品なんかは、何かの処刑器具にしか見えません。
また、僕が好きだったのは「Twelve Windows」という作品で、洗濯物のように12枚の布が洗濯バサミで止められていて、それぞれ刺繍が施されていますが、それはパレスチナの難民女性が施したもの。
こういう家庭的なものと、そこに潜む社会的な背景の組み合わせがとても上手いと思います。
また、最後にひっそりとテラスに展示されてた土嚢から植物が生えてる作品も僕のお気に入りの一つ。
ただ、改めて彼女のこれまでの全体の仕事を見ていると、あまりに美しく、それこそ美術作品然としすぎているというか、その感じが個人的にはそこまで入り込めなかったです。
来年の広島の展示は機会があったら観たいけど、今回で十分かなって感じもしますね。
テートの展示は8月21日まで。


さて、テートモダンですが、前回2年前に訪れた際、コレクションが僕の学生時代とそこまで変わってなくて結構ショックだったんですが、今回ガラッと様変わりしていて、さすがテートという感じ。
ブラック+カロ、ロスコ+モネなど、お家芸とも言えるテーマ別の組み合わせも絶妙。
カプーアとケリーの部屋では、ティノ・セーガルの「作品」が歌ってたりして楽しかった。
Switch Houseの展示は大空間にいくつかの作品という感じで、NYの新ホイットニーみたいな感じであまり新鮮味なかった。それでもジャッドとホワイトリード、ビュレンが一緒にあったりするのはいいなぁと。

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Artist Roomというくくりでいくつか一人の作家にフィーチャーした部屋は素晴らしかった。
Boiler Houseではリヒターやベッヒャーなどが贅沢に展示されてた。
日本からは高梨豊さんの展示も。
アヴァカノヴィッチの展示室も崇高な空気が流れてて素晴らしかった。
Switch Houseではブルジョワやレベッカ・ホルンがほぼ個展かと思われるぐらい充実してた。

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しかし何よりも驚いたのが1970年に東京で開催された「人間と物質」展の展示室があったこと!
これを常設に置くなんて、やはりテートはすごい。。。
高松二郎とペノーネが隣り合って並んでるのはかなりの感涙モノ。

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とまあ、やっぱテートはすごいなぁという感じでした。これからまたどうなるのか楽しみ。
テート以外に今回はギャラリーもいくつか。
その多くが僕の学生時代よりはるかにでかくなってた。
Hauser&Wirthなんてどっからどこまでが敷地なのかよくわからなかった。
WhiteCubeは移転後欧州一でかい空間になったそうだけど、空間としては全く面白くなかった。
それなら相変わらず普遍なガゴーシアンは今回久々に行ったけど、やっぱり空間が素晴らしい。
初めてロンドンに来て訪れた時の感動が再び蘇りました。
まあ、でかさで言ったらどこもNYに敵わないわけだから、もっと空間の質を極めてほしいですね。
さらに新しくできたハーストが始めたNewport Street Galleryにも行ってきました。
行ったらジェフ・クーンズがやっててまんまやんけと思った。空間もこれまた普通。
レストランは完全にハースト全開って感じで楽しかったです。

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EU離脱で揺れるロンドンですが、やっぱりこの街には世界中の人々を惹きつける力があるし、モナ・ハトゥムのように他国からやってきてイギリスで活躍する作家もたくさん。これを排除する方向にだけは向かわないでほしいです。
今回移転後のセントマーチン大学にも初めて訪問しましたが、以前のボロボロの建物とは打って変わって、古い建物を改装した超オシャレな場所で、学生も相変わらず多国籍。この多様性が刺激を生んで、いい作家を育ててるのは間違いないし、離脱後、学費やビザの影響でこれまでのようにロンドンに留学することも難しくなる他国の学生もたくさん出てくると思う。その影響がイギリスのアートシンーンにどう表れるか全くわからないけれど、ずっとずっと刺激的な街であってほしいなと思います。

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僕が初めてヨーロッパの地を踏んでから足掛け約10年。
今回フランスでマティスの礼拝堂に行けたことで、ヨーロッパの行きたい場所はほぼ制覇してしまいました。
個人的には、そろそろもうヨーロッパではなく他の地域にも行きたいし、いよいよ自分の国に根を下ろして自身のやりたいことを着実にやっていきたいなぁという気持ちもあります。
10年という歳月はほとんど実感がないですが、それまでに築いてきた様々な国に住む友人知人のことを思うと、自分なりに歩んできたんやなぁと感慨深いです。
この経験を生かして、しばらくまた日本で頑張ります。(と言いながらまたどっか行ったりして)
来年のテート・ブリテンのホワイトリードとかめっちゃ観たいけど、我慢我慢。

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Makoto Ofune "Particules en Symphonie" @ Saint-Merry

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Makoto Ofune "Particules en Symphonie"
Saint-Merry (76 Rue de la Verrerie, 75004 Paris, France)
2016.07.12-09.03 月-土 9:00-18:00

Chapelle du Rosaire & Atelier Cézanne

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Chapelle du Rosaire
466 Avenue Henri Matisse, 06141 Vence, France
開館時間: 月・水・土 14h00~17h30 火・木 10h00~11h30と14h00~17h30
入場料: 3ユーロ。内部撮影不可。
ニースから400番のバスで約1時間。バス終点より徒歩約10分。バス時刻表


Atelier Cézanne
9, avenue Paul Cézanne- 13090 Aix-en-Provence, France
開館時間: 時期により異なる
入場料: 6ユーロ。内部撮影可。

Olafur Eliassonau @ Château de Versailles

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2016.06.07-10.30
Olafur Eliassonau @ Château de Versailles

Anish Kapoor @ Chateau de Versailles

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ヴェルサイユで開催中のカプーア展に行ってまいりました!
昨年末に発表された時はそりゃもう興奮しました。
2008年のジェフ・クーンズから始まり、村上隆やジュゼッペ・ペノーネ、李禹煥等すでに恒例化してますね。
いつからか宮殿内での展示はなくなり、公園のみとなりましたが、入場無料であの長い行列と観光客の波に飲まれずに済むと思うと、宮殿自体に興味はないアートクラスタと宮殿のみに興味のある観光客との棲み分けは正解と言えるかもしれません。
とはいえ公園広すぎ。
そして、僕が行ったこの日のパリは30度を超える暑さ。
日本ほどの湿気がないのが救いですが、それでも死にました。
作品ひとつひとつはやはり素晴らしいんですが、こうも広いと集中できない。
その上この暑さで正直鑑賞体験としては劣悪でした。
しかも見たかった「Descension」は調整中で観られず!
まあ、そのショックを通り過ぎるぐらいの熱波が逆に救いでした。
先日落書きされた「Dirty Corner」は、どうもしっくりこず。
反射の作品はさすがでしたが、多分最も成功してたのは、「Sectional Body preparing for Monadic Singularity」という長いタイトルの膜の作品。公園内に彼自身の空間を作り出していたということでよかったですね。やはり彼の作品は空間とのシンクロニシティが個人的には見所なので、空間と呼ぶには広大すぎるこの公園ではあまりいい効果は得られてなかったように思えます。
あと、宮殿から少し離れたSalle du Jeu de Paumeという場所にも「Shooting into the Corner」が展示されてます。打つ瞬間は観られませんでしたが。これも場所との関連がいまいちリンクしてなかった感があってちょっと残念でした。
個人的に期待は満たされませんでしたが、パリに来られる方は是非。11月1日まで。

他にもポンピドゥーのモナ・ハトゥムとか観ようかと思ってたけど、時間がなかったのでパス。
友人の展示を観てパリを後にしました。
ということで、今年最後の欧州行脚終了です!

関連記事
Xavier Veilhan @ Versailles
ARK NOVA by Anish Kapoor x 磯崎新
Anish Kapoor @ Leeum
Anish Kapoor @ Royal Academy of Arts
Anish Kapoor @ Lisson Gallery

Imi Konoebel 'Kernstücke' @ Kunstmuseen Krefeld

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ドイツはクレフェルドにミースが手がけた邸宅が二件並んで建ってて、しかも今は美術館になってるということで、前から行ってみたいと思いつつようやく行って来れました。
クレフェルド駅からバス54番で10分程行ったところにあります。(Haus Lange下車)
現在ランゲ邸ではDavid Reed展、エスタース邸ではImi Knoebel展が開催中。
せっかく美術館なのでおもしろそうな企画の時にと狙ってて、今回のクネーベル展がドンピシャ。
そして、もうこの展覧会が素晴らしすぎた。
正直ドローイングちょろっと飾ってるぐらいかと思ってたし、まあ、ミースの建築も観られていいやぐらいの気持ちで行った僕が馬鹿でした。本当に本当に素晴らしい展覧会だった。
ミースの建築と見事なまでの共演。
元々クネーベルの作品はミース建築と合うだろうとは思ってたけどここまでとは。
クネーベルのミースへの尊敬、でも媚びることなく貫き通す彼のスタイルとが言葉に尽くせないほどの感動を生む空間を生み出してました。
特に、白い壁に白いペンキの矩形を描いた部屋は息もできないほどのすばらしさ。
開かれた窓から差し込む光と風。建築が呼吸してるみたいだった。
もうそこから数分間動けないほど感動しました。
過去作から新作まで、なんの無理もなく建築に溶け込んでて本当に美しかった。
展覧会は8月23日まで。こちら
もう一つのランゲ邸の方の展示は正直ひどかったです。。。

それにしても最近クネーベル人気がすごい。
去年もヴォルフスブルグ美術館で大きな回顧展があったばかりなのに、今現在デュッセルドルフにあるK21もマレービッチとクネーベルに関する展覧会を開催中らしい。こっちも時間あったら是非行きたかったのだけど断念。きっと素晴らしいことになってるはず。この夏ドイツにいる方は是非クレフェルドとデュッセルドルフ梯子することをお勧めします。建築ファンもアートファンもどちらも満足できるはずです。デュッセルドルフの方は8月30日まで。こちら

William Kentridge @ Museum Haus Konstruktiv

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チューリッヒのHaus Konstruktivで開催中のケントリッジの個展。
昨年京都で観た時あまり入り込めなかったので、正直あまり期待せず来訪。
展示の内容も、数年前に彼が舞台美術を手がけたNYメトロポリタンオペラのゴーゴリ原作「鼻」に関するもので、なんや新作ちゃうんかぁと内容からもテンション低め。
まず入ったらマルチスクリーンによる映像インスタレーションでいつもの感じ。
しばらく見て上の階へ。こっからテンションがめっちゃ上がりました。
この「鼻」の映像のために作られた、ドローイングや彫刻などが資料のように展示されてるのだけど、改めて彼の造形センスに舌を巻きました。
特にブロンズで作られた彫刻は素晴らしかった。
ブロンズって素材自体があまり好きじゃないんだけど、彼の生み出す造形との一体感が素晴らしい。
平面も、タペストリーのようなものからシンプルなものまでどれも素晴らしかった。
ベタな素材でも造形によってここまで魅せられるのは、加藤泉さんの仕事に近いなと思います。
彼もキャンバスに油彩とか木彫とか、昔からある超ベタな手法にも関わらず、あの卓越した造形センスで、マテリアルや手法を超越した「それそのもの」にしてしまう、力技とも言えるやり方で観客を魅了してしまう。
逆に、観てませんがこないだまで横浜美術館でやってた石田尚志さんは、この造形の部分に違和感がものすごく個人的にはあって、彼のあの抽象「っぽさ」が、何か誤魔化されてる感じがするんですよね。引き合いに出して申し訳ないけど正直な感想。
それにしても、そもそも「鼻」という主題は、ゴーゴリの原作の上の言わば二次創作であるにも関わらず、ここまで自分のものにしてしまうのがすごい。そして彼を美術監督に任命したNYメトロポリタンはすごい。オペラも観てみたくなってしまいました。
なにはともあれ、改めてケントリッジすごい作家だなぁと思わされた展覧会。9月6日まで。

ART BASEL 2015

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2007年以来のアートバーゼル。
前回はゆっくり見すぎてタイムアウトでしたが、今回はサラッと流して3時間で観れた!
基本UNLIMITEDを中心に。

Julius von Bismarck from Marlborough 回ってました。。。
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Ai Weiwei from Continua 自転車。
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Sturtevant from Thaddeus Ropac トレスと思ってたら「Gonzalez-Torres Untitled (Blue Placebo)」というタイトルの作品だった。。。
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Olafur Eliasson from Tanya Bonakdar
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Roman Ondák from kurimanzutto
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Martin Boyce from The Modern Institute, Eva Presenhuber
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Bruce Nauman from Konrad Ficher ナウマン自身がひたすらFür Kinderと繰り返してるサウンドピース。物質はゼロ。
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Jeppe Hein from 303 Gallery, König, Nicolai Wallner ゆっくり回る巨大L字鏡。
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Pierre Huyghe from Hauser & Wirth エコサイクルシステム。中にカニとかいました。
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Martin Creed from Gavin Brown, Hauser & Wirth いろんな「歩く」人々。
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Kader Attia from Continua 先日ローザンヌの州立美術館で彼の大きな展覧会を観たところ。カタログに載ってた「Arab Spring」という作品が気になってて調べたら、フランスのギャラリーで発表されてて、そしたら今回そのギャラリーからまさにその作品がこのUNLIMITEDに出品されてた。このContinuaというギャラリーはイタリア、フランス、中国に馬鹿でかい空間を持ってるみたいで、今もイタリアではカプーア・クネリス・ピストレットという超豪華な展覧会が開催中。アイウェイウェイも祖国中国で初の個展が開催中とのこと。前述の自転車もこのギャラリーから。この作品はタイトル通り、「アラブの春」の時にエジプト美術館が破壊されているのを観て蝕発されて作ったらしい。今回も内覧会の時に、ガラスケースを割るパフォーマンスが繰り広げられたそうな。
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UNLIMITEDでは結構観たかった作品がいくつか観れて満足でした。
ブースの方はほぼ流し見。メモもとってないのでとりあえず写真だけ流します。

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Berlinde De Bruyckere 'The Embalmer' @ Kunsthaus Bregenz

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制作で心身ともにボロボロなので、ここで一旦中休み、というか、スイスのリサーチとネットワーク作りも兼ねてスイスを回ってきました。(ブレゲンツはオーストリアですが)
ベルン→ブレゲンツ→アッペンツェル→サンクト・ガレン→チューリッヒ→バーゼル。
ベルンではクンストミュージアムクンストハレへ。
ミュージアムではホスラーの部屋があって最高でした。回顧展でたっぷり観たい。

ブレゲンツは先週から始まったベーリンデ・デ・ブルーケアの展覧会へ。(上写真)
一昨年のヴェニスビエンナーレのベルギー館でも展示されてたけれど、あまり場所との相性がよくなかったように思えたので、改めて。
名前は相変わらず覚えにくいですが、作品は一度見たら忘れられない強烈さ。こないだポルトで観たモニカ・ソスノフスカのようですね。こちらも女性。さらに同じHauser&Wirthの作家。
タイトルの「The Embalmer」とは死体を防腐する人の意。タイトルも強烈です。
どこからどうみても生々しいんだけれど、一切無臭なのがまさにこのタイトル通り。
こないだまでゲントでもやってたみたいで、そっちはもっと標本っぽく展示しててそれもそれで良さそう。
2度目のブレゲンツ美術館。相変わらずの神々しさでした。この展示は7月5日まで。こちら
ちなみにブレゲンツから30分ほどのオーストリアの街ドルンビルンの美術館でも彼女の展示が同時開催されております。時間がなくて行けなかったけど。こちら

アッペンツェルは次の投稿に回して、サンクト・ガレンではクンストハレでやってるバーゼル出身の若手フロリアン・グラフの展覧会。
ドイツ語の解説しかないからとのことで割引してくれた。優しい。
結構期待してたのだけどあまりよくなかった。うーん。

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チューリッヒではギャラリーを回り狂いました。死んだ。以下回ったギャラリー。
Rotwand
Chritinger De Mayo
Herman German
Barbara Seiler
annex14
Galerie Peter Kilchmann
Galerie Eva Presenhuber
Raeber von Stenglin
Grieder Contemporary
Bolte Lang
Galerie Gregor Staiger
Galerie Francesca Pia
Parkett
Gallery Mark Müller
Hauser&Wirthの入ってるコップレックスは前にも行ったことあるのでパス。
やはりチューリッヒは凄まじい数のギャラリー群。こちら。個人的に駅の西側にいいギャラリーが多い印象。
昔はゼーマンもいたし、伝説の「When Attitudes Become Form」やクリストの初期の梱包プロジェクトもやったりで、なんといってもベルンがスイスのアートシーンの中心だったようですが、冷戦以降は一気にチューリッヒに移っちゃったみたい。やはり経済の街で華やかですね。普段田舎暮らしなので身に沁みました。


そしてバーゼル。
現在二人のターナー賞作家の展覧会が開催中。
クンストハレでは2008年の受賞者のマーク・レッキー展、現代美術館では2011年の受賞者マーティン・ボイス展。
サイモン・スターリングやサイモン・フジワラ、ライアン・ガンダー等の最近のイギリス美術は、過去の作品や物からリサーチしたり参照したり引用したりしてくるタイプの作家が多い印象。特にマーク・レッキーの展示は文明に対する感覚が展覧会から伝わってきて興味深かったです。マーティン・ボイスはモダニズムを主に参照項にしている様子。
また、クンストハレでは、ベルギーの作家Vincent Meessenの展示もやっててこれも面白かった。
マーク・レッキー展は5月31日まで。マーティン・ボイス展は8月16日まで。現代美術館はヨーゼフ・ボイスもやってて、ダブルボイスでややこしい。綴りちゃうけど。

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ギャラリーはStampablazer art projectsVon Barthaの3つだけ。やはりチューリッヒが異常。スイス内の分布としては、チューリッヒ>>>>>ジュネーブ>バーゼルぐらいかな。
この日は、たまたまオスロナイトというイベントがあって、行ってきました。この辺はバーゼルのアートシーンの中心となりつつある場所ですね。
現在レジデンスで滞在中の田村友一郎さんにもお会いできてよかったです。

しかしバーゼルで個人的に最もアツい場所は民俗博物館
現在建て替え中のバーゼル美術館から、クラナッハやホルベイン等の絵が展示されてるというので行ってみたけど、一室のみでかなり拍子抜け。とはいえクラナッハの有名な「パリスの審判」があったり、なんといってもホルベインの「墓の中の死せるキリスト」が観れたのは嬉しかった。確かドストエフスキーの「白痴」にも出てきた絵で、長椅子に座りながらしばらく見惚れていました。
しかし、なんといってもこの博物館のすごいのはコレクションを生かした企画展。
前回の袈裟展もすごかったけど、今回のテーマはなんと「阿片」。
そして展示が毎度のことながら天才的。下手に現代美術の展示観るよりここに来た方がよっぽど展示の勉強になる。バーゼル来たら寄ってみて損はないです。

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On Kawara '1966' @ Museum Dhondt-Dhaenens

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昨年その生涯を閉じた河原温。
彼の業績を讃えるようにNYのグッゲンハイムで現在展覧会が開催中です。こちら
こういう大規模な展覧会は大体3,4年前から準備されてるものですが、まるで死期を悟っていたかのように、彼の死後から1年も明けないままスタートするなんて。
それにしても、あの螺旋の展示廊下がこれほどフィットする展覧会が今まであったでしょうか。
まるでこの展覧会をするためにライトがデザインしたような気すらします。
きっとあの建物で開催された展覧会の中でベストな展示なのは間違いない。
それを象徴するように「Silence」と題された最後には渦巻きのマークが。
螺旋を登りながら時を駆け、また下りながら時を遡る。
きっとすごい観覧体験が待っているんでしょう。
豊田市美術館の学芸員の能勢さんのリポートを読むだけでヤバい。
(ちなみに昔豊田市美術館で開催された「意識、瞑想、丘の上の目撃者」という河原温の個展は僕のアート観覧歴の中でもかなり上位に入る素晴らしい展示でした。)
行きたい…でもさすがにNYまでは行けない…そんな悔しい思いをしていたら、ベルギーでも彼の展覧会をするという情報が!これは行かずにはいられません。

この情報をもたらしてくれたのは、ベルギー在住の作家奥村雄樹さん
奥村さんは以前、山辺冷のペンネームで河原さんに関するテキストも書いていたり、なんとそれが縁で河原さん本人にお会いしていたりと中々稀有な作家さん。(河原さんは姿を現さないことで知られています。念のため。)
また、先日グッゲンハイムの河原温展に合わせて、Twitter上に現れた@On_Kawaraの正体であるPall Thayer氏とのインタビュー作品を発表したりと、河原さんと関わりの深い作家と言えるでしょう。
豊田市美術館で開催された「反重力」展でもその繋がりを感じました。
奥村さんはもちろん作家として知っていましたし、このブログでも感想書いたりもしていたし(「善兵衛の目玉(宇宙編)」「風桶展」等)、普段からTwitterでもフォローさせていただいていたので、一度お会いしてみたいなとは思っていました。
で、この機会に会ってみようということで、普段コミュ症の僕が勇気を振り絞ってお声かけしたら、ぜひ会いましょうと言ってくださったのです。
実際お会いできただけでなく、ベルギー滞在中はお世話になりっぱなしでした。
さらにはその前日に作品を見たばかりのスーチャンが車で一緒に行っていただけるとのこと!
というわけで、僕と奥村さん、スーチャン、そして昨夜オペレーションに参加していた一人の四人でゲントの郊外にある美術館へ道がわかりにくすぎて迷いまくりましたがなんとか到着。ついに河原温展にご対面です。っていつもながら前置きが長いですね、はい。

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タイトルの通り1966年、つまり河原さんがデートペインティングを始めた年に描かれた作品のみを集めたとっても贅沢な展覧会でした。
よくもこれだけグッゲンハイムに持って行かれずに集まったもんやなぁと。
そして展示はまさに息を飲む美しさ。来て良かった。。。
ほとんどの作品が自然光のみで照らされていて、とても穏やか。
この日は展覧会初日でオープニングも朝からあったみたいなのだけど、僕らが着いた時には終わっていて、でもそのおかげで静寂に包まれて見ることができました。やはり彼の作品は静寂の中で観てこそ語りかけられるものがある気がします。
その後皆でレストランに行き、彼の作品のこと、展覧会について語らいあいました。
僕と奥村さんが、彼の作品をprogrammeという言葉で表そうとしたら女性陣から大ヒンシュク笑
でもやっぱり彼は1966年に自分の人生をプログラムに乗せたと僕は言いたい。しかしそのプログラムに乗り切れないはみ出た部分(毎日は描かない、手書きのフォント、等)に、ヒューマニティがより一層コントラストとして浮かび上がってる気がする。
また話の中で、彼の誕生日の話になり、彼の誕生日には1933年1月2日説と1932年12月24日説があるっていうのも非常に興味深いファクターだと思った。
人生が終わる日は決定可能/不可能の間を行き来している。
自分で終わらせること(自殺)だってできるし、病気で死ぬことも交通事故に遭うことも自由。でも生まれる日は絶対的に決定不可能。にも関わらず、河原さんにはその始原の日の可能性が開かれているって、やはりこの作品を作っている作家の特異性を感じずにはいられない。
そして、この展覧会初日が3月29日っていうのも重要なんだと僕は思う。なぜならこの日はヨーロッパがサマータイムに移行する日だから。サマータイムって時間が文字通り歪んで別の世界に接木される感覚があるんだけれど、河原さんの作品観ていても、別の時間(この展覧会だと1966年)と今現在(2015年)が接木される感覚がある。
書かれた当時が圧倒的存在感で現在してる様。
初日が日曜ってのはやはり不自然だし、関連あると思うし、なんとなくこの日に来たかった。
時間のねじれは特に同じ日のデートペインティングが2枚ある時に異常な渦を巻いてこちらに現れてくる。
時間はどことなくまっすぐ矢のように進むイメージがあるけれど、河原さんの作品を見ていると改めて時間の偏在性を想う。
色々思念を馳せながら、時には空っぽになりながら、時間たちと向き合える本当に豊かな展覧会でした。
これが旅路の果てで本当によかった。
この展覧会は6月14日まで。こちら

Suchan Kinoshita 'Operating Theatre' @ A.VE.NU.DE.JET.TE – Institut de Carton vzw

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オランダからベルギーへ。
実はアムステルダムが一部停電になり、近代美術館は見れなくなるわ、電車も止まって駅で5時間も待たされるは散々な目に。。。
なぜか国立博物館やゴッホ美術館はやってたので有名な「夜警」や「ミルクを注ぐ女」や「ひまわり」は観られましたが、本当はこのままドイツに向かうはずだったのに全部キャンセル。
ということでベルギーはブリュッセルです。

ブリュッセルでは色々ギャラリーも回りましたが最も印象に残ったのはスーチャン・キノシタの作品。
このスペースは知る人ぞ知るスペースなんじゃなかろうかという場所で、ブリュッセル在住の作家奥村雄樹さんがTwitterで感想をつぶやいてるのを見て発見しました。(奥村さんにはこのブリュッセル滞在で本当にお世話になりました。この話はまた後日)
この作品は毎日やってるわけではなく、この日たまたまやってたの観られて物凄くラッキーでした。
彼女はこの作品を「オペレーション」と呼んでいますが、最初会場で何が起こっているのかいまいち理解できませんでしたが、わかるにつれて様々な問題を孕んでることに気づきました。
構造としては、ガラスが三層棚のように重ねられた装置があって、3人(人数は変動)のパフォーマー(?)がそれぞれガラスの上に色んなものを置いたり重ねたり転がしたりと様々な行為が繰り広げられてて、それを真上から捉えたカメラの映像が同時上映で2階の展示室に投影されてる。
行為されてる場所と映像を同時に観ることはできなくて、観客はどちらかを観ることになるんですが、どこにフォーカスを当てるかによって、万華鏡のように作品の見え方が変わる。
ある時は装置が彫刻に見えるし、ある時はパフォーマンス、ある時は映像、そして一枚の絵画…。
あらゆるジャンルが全く無理なく同居していて軽々とそのボーダーを往来していく様はすごい。
カメラはオートフォーカスで、ボヤけたりピントがあったりと、まるでこの作品を見ている僕の頭の中のよう。
タイトルにはオペレーション=手術となっていて、確かに真上から見たその映像は外科手術に見えなくもなけれど、あまり具体的な例えはこの作品に勿体無い気がした。
あと、上演後スーチャンの話を聞いているとどうも彼女はこの作品を音楽とも結びつけているようで、三人に与えられたタイムスケジュール(どれほどの幅があるのかは不明)をスコア(楽譜)と呼んでいたりしていた。これもあまりよくわからなかったんだけど、すごいのが、この作品の上演時間は数時間に及び、僕が観た時は三時間もあり、行為に繰り返しがなく、観ていて全く飽きなかった。
6月までに2、3週に一度の頻度で上演されるようなので、ブリュッセル行く方は是非。こちら

Anne Teresa De Keermaeker 'Work/Travail/Arbeid' @ WIELS

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ROSASのアンヌによる「パフォーマンスとしての展覧会/展覧会としてパフォーマンス」。
会場は元ビール工場を改装したアートセンター。レジデンスなんかもやってるブリュッセルでは有名な施設。
会場には椅子もステージもなく、観客とパフォーマーが同一平面上にいて、時には触れるような距離でダンスや音楽が繰り広げられる。
以前発表した'Vortex Temporum'を解体して、開館中の間中ずっと上演されてる。
始まりも終わりもないので、観客はいつ入ってもいつ帰ってもいい。
ことごとく舞台の概念からは逸脱している。
試みとしては非常に興味深かったのだけど、このスタイルにいかんせん彼女のパフォーマンスが合ってなかったのは痛かった。
以前一度だけ彼らの演目'Rosas danst Rosas'を観たけれど、彼女のダンスは観客に緊張を強いるものだ感じたし、その圧倒的な邪悪とも言えるパワーが魅力なので、こういうゆるい場にはどうしても合わない。
例えばピナ・バウシュとかだったらもっと成功していたかも。
作品の良し悪しではなく、そのキャラクターの問題。
ということで少し残念だったのだけど、すごいのが土曜日の朝ということもあってなのか、ほとんどの観客が子供連れ!こんなガチでコンテンポラリーなダンスにまだ小学校にも上がってないような子供を連れてくるなんて発想日本ではあまり考えられないと思う。でもこっちは子供の趣味に親が付き合うだけじゃなくて、親の趣味に子供を付き合わせるのも自然だし、実際この子供たちはなんと、パフォーマーの動きに触発されてか一緒に踊っている!大人にはできない観賞方法で感心させられっぱなしでした。子供は子供、親は親という考えは勿体無いんだなぁと思いました。
この「展覧会」は5月17日まで。その後テートモダンに巡回の模様。
ちなみに4月に東京でもROSASの上演があります。
来日公演は2010年のあいちトリエンナーレ以来では。こちら

Anish Kapoor @ Gladstone Gallery
NYにもある大御所画廊。そしてカプーア。鏡面1点とワセリン2点の3点のみ。
Rineke Dijkstra @ Jan Mot
この人の作品久々に観た。今回は映像。相変わらずどぎまぎする少女の像。
ここはギャラリーコンプレックスで他にもGalerie Micheline SzwajcerGalerie Catherine Bastideが、奥のビルにはMon ChériJeanrochdardWaldburger Woutersも入ってて、ブリュッセル来て画廊観たかったらここですね。あとちょっと歩いてMotinternationalも小さいけどいい感じでした。
Johnnes Wald @ Galerie Greta Meert
やってる展覧会はともかく空間がでかくてかっこいいギャラリーでした。
ちょっと歩いたdèpendance、c-o-m-p-o-s-I-t-e、Aliceにも行ったけどどれもイマイチ。
それよかこの近くのマルジェラがかっこよすぎて久々にシビれた。。。
以上。
ブリュッセルギャラリー巡りにはこちらが便利。画廊行ったらマップ置いてます。

Monika Sosnowska 'Architectonisation' @ Fundação De Serralves

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「Balustrade(2015)」

今回ポルトガル行きを決めた最大の理由がこれ。
銀座エルメスでモニカ・ソスノフスカの展示があると聞いて、なんとなく調べたら見つけてしまった展覧会。しかも会場はポルトガルを代表する建築家アルバロ・シザの建築。
彼女の作品は2007年ヴェニス・ビエンナーレのポーランド館で観たのが強烈すぎて、この覚えにくい名前と裏腹に作品が脳裏に焼きついてたのです。
そしてポルトまで足を伸ばして本当によかった。。。
僕の中で彼女とRachel Whiteread、Doris Salcedoは美術三大女神です。どうでもいいね。
今回最も素晴らしかったのは、シザの空間とコラボレーションともいうべき完璧な調和を生み出してた点。
シザの建築ってこれまで正直あんまりわからなかったんだけど、今回の展示を観ていて、なんとジェントルな建築家なんだと思った。
実際この美術館はファサードレス建築と呼んでもいいぐらいファサードがない。
前記事のCasa da Músicaとは対照的。
外観はどこから撮っても絵になりません。
しかし一旦中に入って、作品が置かれてみると、凄まじい美しさ。
特に「Hole」の展示は素晴らしかった。
あと「Entrance」は最初どこに作品があるのかわからなかったけど、ドアを開いてやられた!ってなった。昔ドラえもんで、偽ドラえもんみたいなのが出てきて、デタラメな道具出してた中にどこまでもドアってのがあって、それを思い出した笑
これだけの規模のは日本では中々難しいかもしれないけれど、都現美の吹き抜けとかにどデカイのやって欲しいなぁと妄想しました。
展覧会は5月31日まで。ポルトも素晴らしい街なので機会があれば是非。こちら

「Façade (2013)」
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「Hole (2006)」
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「Market (2012-14)」
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「Antechamber (2011)」
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「Entrance (2003)」
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「Stairway (2003)」
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ポルトの街中でこんなの見つけて、ここでもやってんねや!と思ったら違った。

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さて、ポルトから移動してリスボンへ。
僕の中のシザの代表作のポルトガルパヴィリオン。
非現実な感じのコンクリートの屋根。これもセシルが関わってるはず。
この建物現在ほとんど使われてないのか、ところどころ朽ちかけてて残念。

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あと、カラトラヴァの駅。
なんかもう彼の建築に全く心動かされなくなってしまってた。残念。

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Omar Ba 'Dead Time 1' @ ferme-asile

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レジデンスももう半分終わり、グループ展も終わり、ふと大事なことに気付きました。

スイスのアートほとんど観てない!

これは我ながらイタイ。
ロンドンいた時はもう死ぬほど回ってたギャラリー巡りも、スイスではほぼしてない。
こないだ衝動的にバーゼル行ったけど、ギャラリーは一軒も回ってない。
スイスにいながらスイスのアートシーン全くわからないまま終わるところでした。
まずは身近なところから、ということで、僕の住むブリークのあるヴァレイ州の州都シオンへ。
このヴァレイ州というのは、スイスの中でも田舎で、正直文化不毛の地。
そのイメージを払拭しようと、近年特に文化にお金を回し始めています。
僕のこのレジデンスもその一環です。
このヴァレイ州、アートピーポーはほぼ来ないであろう場所ですが、都会では中々見られない特殊なスペースがたくさんあります。
こないだの僕がグループ展やった場所だって軍の倉庫やったし。
そして今回紹介するシオンにあるferme-asileは想像を絶するとんでも空間でした。
多分元農場倉庫。。。とにかく見たら何がトンデモかわかると思います。

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広い、広すぎる。そして場所が強い、あまりにも強い。
そんな中よくぞ闘ったという感じに感銘を受けました。
作家はセネガル出身で現在ジュネーブを拠点に活動している作家。
正直まだ場所の方が優勢感あるけど、真っ向勝負挑んでる感じがよかった。
真ん中の壁もダンボールで作られてて、作品のラフさも中々よかったです。
ちなみにこの空間は二階で、一階はレストラン。
場所も駅から離れた郊外で、便利でもないのに大分賑わってました。
雰囲気もかなりオシャレで地元の人たちに相当愛されてるみたいです。
http://www.ferme-asile.ch


そしてもう一つ、ヴァレイ州立美術館です。
ここもトンデモ空間やった。。。元城?かな。
途中中庭では、この街のシンボルヴァレール教会とトゥルヴィオン城跡も見れます。もちろんアルプスも。
基本的にはヴァレイ州に関連した作品のみを収集していますが、現代美術も豊富で楽しめました。
なぜか中にはトーマス・ルフやアブラモヴィッチの作品も。。。
友人のJocJonJoschの作品も置いてありました。

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ボートが友人の作品ですが、その次の写真に写ってる菱形の立体。
なんとなく気になって、帰ってきて作家調べたら久々に凹むほどいい作家だった。
しかも1987年生まれでまだまだ若い!
http://julian-charriere.net
最近は既に名のある作家の展覧会しかほぼ見てなかったので、改めて新進作家を知れるのはいいですね。初心忘るべからずです。
来月以降はチューリヒ、ジュネーブ、バーゼルあたりを攻めます。


最後に地元ブリークのとんでも空間。近い将来僕が個展やることになるGalerie zur Matze。元塩の倉庫。
現在、2013年に逝去したWilli Dreesenの回顧展が開催中です。
現在僕は彼の作品のストックルームだった場所をアトリエにさせてもらってるので、そういう意味でも関わりのある画家の展示ということで、感慨深いものがあります。
個展時にはアトリエでコラボレーションも予定しているのです。
彼は、元々ドイツ人で、戦前ナチの軍人でしたが脱走し失敗。幸い直後に終戦し、第二の人生を歩むべく旅路の果てにたどり着いたのがこのブリーク。以降彼は画家としてこの地に骨を埋めます。
彼の作品は多岐に渡りますが、特にスケッチが好きです。
Matze以外にも元倉庫だったWorkhofというところでもやってます。

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さて、来週からはこのスイス滞在中多分ラストとなる長期欧州行脚です。。。

Roger Hiorns @ CentrePasquArt

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来週末に控えたグループ展の搬入に向けて、今週はバリバリ働く予定だったのに、頼んでいた素材がまさかの超ロークオリティで上がってきて全部返品という事態に。スイスクオリティ信じてただけにめっちゃショック。道具も先日壊れ再注文してるところで、結局今週はやることなくなってしまったので、気晴らし(現実逃避)に遠出。
Roger Hiornsの展覧会がスイスでやってると先日知り、Bielという町まで。

Roger Hiornsといえば、2009年に見たSEIZUREが鮮明。
Roger Hiorns 'SEIZURE' @ 151-189 Harper Road
家の内部をすべて結晶化させるという荒技をやってのけ、その年のターナー賞にもノミネートされましたが、惜しくもRIchard Wrightに持っていかれました。まあ、あれは仕方ない。Wright良すぎた。
で、今回どんなことやってるんだろうと思いつつ行ってきました。
Bielという町は、某旅行雑誌にも数行しか載ってない感じですが、思ったより都会でびっくりした。
駅から10分ほど行ったところにその会場はあって、そのアートセンターがめちゃくちゃよかった。
アートセンターといってももう美術館規模。
新館と旧館とにわかれてて、旧館は元病院。
いじり具合が絶妙で、昔の面影も残しつつちゃんとギャラリーになってる。
以前は塩田千春展なんかもやってたみたいで、中堅作家を扱うような感じ。
キュレーションもしっかりしていて、行った時は二つの写真展(Sebastian Stadler、Simon Rimaz)とRannva Kunoyというこれまた70年代生まれの中堅ペインターをしっかり見せてた。
どれもクオリティが高くてかなり見応えがあった。
特にRannvaは作品数が多くてすごかった。
で、最上階がHironsだったんですが、旧館の方は正直よくわからなかった。
最近彼は、若い裸の青年を使ったパフォーマンスと彫刻(ファウンドオブジェクト)を組み合わせたような作品をやってて、テキスト読むと、どうやら政治的な問題にも言及してるんだけど、パフォーマンスやってない時に行ってもパッとしない。
彫刻の上で何かを燃やした跡があって、それがひたすら各部屋に並んでる。
うーん、と思いつつ新館へ。僕の求めるHiornsはこっちでした。

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車の部品を200個組み合わせて天井から吊るしてて、幾つかからは泡が出てる。
壮観なインスタレーションでした。
ちなみにパフォーマンスは、3月の8、22、29にやるみたい。展覧会は4月5日まで。
こんなとこまで来るアジア人が珍しいのか受付で色々聞かれた笑
スイスの中でも相当質の高いアートセンターでした。CentrePasquArt


さて、この日は、スイス交通1日乗り放題みたいなチケットを買ったのでついでにバーゼルまで。
バーゼル美術館現代美術館では、「One Million Years -System and Symptom」という企画展がやってて、タイトル通り、昨年亡くなった河原温のOne Million Yearsが出ていて、作家もVito AcconciやJosef Albers, Christian Boltanski, Thomas Demand, Sol Lewitt, Bruce Nauman, Simon Starling等超豪華。
システムと記号というテーマを持ちつつ、河原温のひとつの作品を中心に回っていくものと思って、これは自分好みのキュレーションだろうとかなり期待していったら正直がっかりでした。
展示も普通に作品が並んでるって感じで連関が感じられなかったし、河原さんのOne Million Yearsも出品作のひとつって感じで、じゃあなんでタイトルにつけたんだと言いたくなるような感じ。こういうのは普通冒頭にデデンと置くべきでしょ。
でもまあ、この美術館のすごいのは、全部無料ってところ。
しかもひとつひとつの作品を解説したしっかりした冊子ももらえてびっくり。
さらに上の階では「セザンヌからリヒターまで」という超豪華なコレクション展と、ボイスのインスタレーションで埋め尽くしたフロアまであって、こんなのが無料で見られるなんてという衝撃。
コレクション展では、先日マルティニーのピエール・ジアナダ財団美術館で見て惚れたホドラーの作品があって、これまたよかった。
ボイスもかなり見応えがあるインスタレーションでした。
ちなみにOne Million Yearsの次は、2011年のターナー賞受賞者Martin Boyceの個展が4月25日からスタート。コレクション展とボイスの展示は来年まで。
本館の方は来年Christ & Gantenbeinによる新館が来年の竣工に向けて工事中。
http://www.kunstmuseumbasel.ch/en/home/
ウェブサイトの展覧会のページにはキュレーターの名前がちゃんと載っててこれはいいなと思う。

ターナー賞といえば、2008年の受賞者のMark Leckeyの個展もKunsthalle Baselで3月6日から始まるみたい。こちら。なぜかアートバーゼルには被らず5月31日までなので、5月にBoyceと合わせて観にこれたらいいな。
アートバーゼルに向けてバーゼルでは、現在テートモダンで開催中のMarlene Dumas展がバイエラー財団美術館に回ってきたり、ティンゲリー美術館ではHaroon Mirza展が開催だそうです。ティンゲリー美術館は今匂いに関する企画展がやってるみたいで、H3Kでやってた池田亮司展なんか行かずそっち行けばよかったと思った。


あと、現代美術じゃないですが、Museum der Kulturenでやってる袈裟展がいいと知人に勧められて観に行きました。
スイスに来てまで袈裟ですか、、、と思いつつ行ったんだけど、めちゃくちゃよかった。
何がよかったって、キュレーションが素晴らしすぎた。
キュレーターの袈裟に対する熱い思いがまず会場で配られてる紙に表れてて、なんと20ページ文字でびっしり!!単なる説明というよりエッセイですね、これは。
そして、もうディスプレイがかっこよすぎた。
Herzog & de Meuronによる使いにくそうな屋根の形状もなんのその、袈裟を鉄板の上に一枚一枚丁寧に並べるという。鉄と布のコントラストが本当に美しくて泣きそうになった。
パッチワークという観点から現代ヨーロッパ作家のテキスタイル作品も合わせて置かれてて、展覧会の幅も広げられてるし、お見事と言うほかない展示でした。
これは、先のバーゼル美術館にも学んでほしいですね。
この施設は、いわゆる民族博物館みたいな感じですが、常設の展示方法とかもめっちゃおしゃれで洗練されてて、日本のみんぱくも見習うべきと思った。
次回は、改修中のバーゼル美術館所有のホルベインやクラナッハの展示があるみたいなので、来た時はまた寄ろうと思います。こちら

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おまけ。ノヴァルティスのゲーリー館。滞在時間2分。
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Olafur Eliasson 'Your Rainbow Panorama' @ ARoS

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コペンハーゲンに次ぐデンマーク第二の都市オーフスへ。
第二といっても、かなり地方都市感が強く、コペンハーゲンからも電車で3時間。
以前ルイジアナに行った時に行こうと思ったけれど、3時間もかかるので断念しました。
しかし今回企画展もなかなか良さそうだったので、行ってみました。
結果として行って大正解。
この美術館自体が本当に素晴らしくて、日本でいう金沢21世紀美術館。
平日にもかかわらず凄まじい客の数で、どこもかしこも人人人。
ほぼ現代美術だけの美術館。しかもこんな地方都市でこれだけの集客はすごい。
この美術館の目玉はいくつかありますが、なんといっても屋上のオラファーの「Your Rainbow Panorama」という、虹色の回廊でしょう。
虹色に移りゆくオーフスの町並みを一望するのはとても素晴らしい体験でした。

そして企画展もいくつか。
そのうち「Out of the Darkness」という展覧会でもオラファーの素晴らしい作品が。
金沢でも見た「Your atmospheric colour atlas」です。
もう子供達大はしゃぎで、虹の霧の中を迷子になりまくってました。
さすがデンマークの作家だけあって格別の扱いですね。

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もう一つの目玉はロン・ミュエックがヴェニスで昔発表した「BOY」。ここにあったとは!

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それから、企画展で、カーディフとミラーがやってました。
むしろこの展覧会がやってたからこそ来たようなものだったんですが、正直期待外れ。
彼らの過去作から6つのインスタレーションを展示していて、その中には越後妻有で発表して、今は豊島に常設されてる「STORM ROOM」もありました。
が、彼らの場合、サイトスペシフィックな傾向が強いので、ただただ再現しただけでは、所詮オリジナルの劣化版という感じしかしなくて残念。
カナダの片田舎で発表した「OPERA FOR A SMALL ROOM」という、部屋のインスタレーションも再現されてましたが、オリジナル見てなくても、うーんって感じでしたね。
彼らを有名にした、スピーカーに囲まれて賛美歌を聞くあの「THE FORTY PART MONET」も、ホワイトキューブで聞くのでは、なんの感動もなく。。。
オリジナルでは教会の中でしたが、僕が見たのはかつてのサントリーミュージアム。
あの海の風景を借景にして聞いたあの賛美歌は本当に感動的でした。
すべてが安っぽく見えてしまって彼らの魅力が相当半減してしまって残念でした。

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また、地下ではタレルやネシャッド、ピピロッティなど錚々たるメンバーの常設インスタレーション9部屋という贅沢仕様。
1時間半ぐらいしかいられなかったのですが、もっとゆっくり見てみたかったです。
デンマーク来る機会があれば、遠いけどルイジアナと合わせてぜひ寄ってみるべき美術館です。

ARoS: http://en.aros.dk


ちなみに只今ホテルのロビーにある、ヤコブセンのエッグチェアに座りながら書いてます。
デンマーク、満喫!
明日は数時間でスウェーデンを回ってスイスに帰ります。。。

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Olafur Eliasson 'Contact' @ Foundation Louis Vuitton
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Olafur Eliasson 'Colour activity house' @ 金沢21世紀美術館
オラファー・エリアソン「あなたが出会うとき」@金沢21世紀美術館
Olafur Eliasson 'SUNSPACE FOR SHIBUKAWA' @ HARA MUSEUM ARC

Pierre Labat 'Les Circonstances' @ BIKINI

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友人のPierreの展覧会を観にフランスのリヨンまで。

彼と初めて出会ったのは4年前の日本。
フランスが運営する京都のレジデンス機関、ヴィラ九条山にレジデンスアーティストとして彼はやってきました。
彼は日本に来る前に、京都のアートシーンをリサーチしていて、どういうわけか、僕らが当時運営していたstudio90のウェブサイトに行き着いたそうです。
当時京都のギャラリーの中でバイリンガルでサイトを作ってるところはほとんどなくて、僕らのサイトは曲がりなりにもバイリンガルで作っていたので、朧げながらそれがアーティスト・ラン・スペースであるとわかり、さらに僕の知人でPierreの友人でもあるパリ在住のKさんに「studio90って知ってる?」と話が進み、そのことがKさんを通して僕らに届きました。何があるかわかりませんね。
で、ついに来日し、初対面となり、なんとそこでいきなりstudio90でやりたい作品があるとプレゼンしてきたのです!
事前にサイトで彼の作品を見ていて、ものすごくカッコよかったので、僕らとしてはむしろ、ここでいいの?ってぐらい恐縮だったのですが、目をキラキラ輝かせながら話を進める彼を今でも忘れることができません。
それから京都にいる間、僕らは親交を深めました。
しかし、その年、日本を大地震と津波が襲い、さらに原子力事故まで発生しました。2011年3月のことです。
フランス政府は、日本にいるフランス人を半強制的に帰国させ、Pierreたちも例外ではなく、僕らのプロジェクトは幻に終わってしまいました。
しかし、そこからも僕とPierreはメールでやりとりを続けていて、カタログを日仏で送りあったりと、親交を絶やすことなくいたのですが、昨年彼が日本でプロジェクトするというので、僕も参加し、3年ぶりに再会を果たしました。
http://aholicdays.blog118.fc2.com/blog-entry-745.html
そこで、Martialというレジデンスを主催している人とも出会い、僕らは友人になりました。
さらに僕のスイス行きが決まり、今回こうして会って、ついに作品をこの目で見ることが叶いました。そう、僕らはお互いの作品を生で見たことがなかったんです。

そんなこんなで4年越しの想いで、ようやく彼の作品の前に立った時の感慨といったらなかった。
もう、嬉しくて嬉しくて、そして全く期待を裏切らない美しさ。
今回の作品は以前にも発表したことのある作品で、(確か日本から帰国してすぐに発表したもの)写真では見たことあったけれど実物は初。
写真で見るのとは印象が全く違って、その凛とした緊張感のある佇まいがたまらなかった。
最近読んだカントの現象と物自体の関係を思い出した。
カントは僕らは現象しか見ることができないって言ってたけど、僕が目の前にしてるのは、その現象を超えた物自体な気がした。
あたかも平然となんの違和感もなく、そこにあるんだけれど、よく見るとそのねじれは不自然、でも自然。もともと物事はこうなんじゃないかって思えるぐらいの説得力。
やはりものとしてのクオリティがその説得力を支えているんだと思う。
さらに、もう一人の友人Martialがこの展覧会に寄せたテキストが美しかった。
définitionと題されたそれは、辞書からそのまま取ってきた言葉と意味が並ぶ。
démarche(step)/empreinte(mark)/courbe(curve)/espiègle(play)/vide(void)
このBIKINIというスペースは元々グラフィックの人たちが運営しているスペースで、今回のMartialのテキストもそれそのものが作品のようにデザインされていた。
とても小さいスペースだけれど、友人同士の本気が見れて本当に嬉しかった。
Pierreは本当に絵に描いたようにいい人で、作品もものすごくカッコよくて、僕のヒーロー。
これまで友人でいてくれたことに感謝してるし、これからも友人でいてほしい。

Pierre Labat website: http://www.pierrelabat.net
BIKINI website: http://capsule-bikini.com/

途中で別のヴェルニサージュに参加したのだけれど、終わったの夜中の2時。。。
日本みたいに二次会とか三次会とかじゃなく、ずっとその場にいながら。
僕は途中で疲れて退散したのだけど、彼らのエネルギーは見習わなければと思った。

Olafur Eliasson 'Contact' @ Foundation Louis Vuitton

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オラファーの展示を観にパリへ。本当にこれだけのためのパリ。
とはいえ時間余るし他にも色々見れるかなとは思ってたんですが、なんとチケット購入まで1時間半も並びました。外で。寒すぎた。もう最後の方は震えてました。。。
前回行った時より確実に多いですね。まあ日曜日ってことも大いにありますが。
できれば、オフィシャルウェブサイトで先にチケット買ったほうがいいかも。しばらくこの状況は続きそう。先に買ってる人はそんなに並ばず入れます。日本語ページもあります。
http://www.fondationlouisvuitton.fr


とまあ、ここまで並んで入ったわけですが、その甲斐は大いにありました。
オラファーはセルフプロデュース力の長けたアーティストですが、今回それをすごく感じましたね。
展覧会構成が神すぎる。
やはりチームでやってるってこともあって、どの展覧会で何をどう見せるかってことにすごく意識的。
こないだ見たルイジアナの展示とは全く違います。
オラファーの場合、ルイジアナやブレゲンツのように、大規模な作品をででんと見せる展示と、今回や金沢のように、いくつかの作品をゆるく繋いで全体でまとめあげる展示がありますが、僕は後者の方が好きですね。
今回は、円や球が展覧会をまとめる大きなテーマになっていて、そこにたくさんの観客が介入することでよりダイナミックになる。まさに金沢で体験した時のような、あの感覚が蘇りました。
特に今回「CONTACT」というタイトルになってるのは、こういう観客同士のコンタクトがすごく大事で、今回は、展示エリア外と展示エリア内を繋ぐような仕掛けまであって、そのレイヤーも素敵でした。
ひとつひとつ説明するのは野暮なので、写真で雰囲気だけでも。
会期が2月23日までの2ヶ月のみの展示ってすごくもったい無い。
今後どういう展示が続くのかサイトに載ってないっぽいんで謎ですが、パリに来たら寄っちゃうアートスポットになりそうですね。ちょっと遠いですが。
前回からもコレクション結構替わってて、そっちも見応えがありました。
ティルマンスやポルケ、ジャコメッティなど。

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とまあ、気づいたらもう夜で、結局見たのこれだけ。
とりあえずパリに来たらポンピドゥーには寄る。
展覧会見なくても、なんとなく寄れちゃう雰囲気があってやっぱり好きです。
夜10時までやってるし、wifiあるし、本屋もいい感じやし。
パレ・ド・トーキョーも12時までやってるし、良さそうやけど、なんとなく。
今回は展覧会も見ず、ぶらぶらして過ごしました。ジェフ・クーンズ興味なし。
行ったら、先日のデモの垂れ幕が飾ってあった。
近くにも「私たちはみんなシャルリだ」と掲げてあったり。
個人的には「Je suis Charlie」ではないし、表現が自由だなんて思ったこともないし、人が本気で信じてるものを嘲笑することも暴力だと思うけれど、それでも人を殺していい理由なんてひとつもない。
フランスは本当に同調圧力の強い国だと思うし、今回のことで、さらにその圧力が強まってしまうんじゃないかとそっちの方が心配しています。
移民の立ち位置とか、イギリスとは真逆で、イギリスの場合は、移民が「ありのままで」ありすぎて、逆に純粋なイギリス人を圧迫しちゃってるところがある。彼らは全くイギリス人になる気なんてないし、いさせてもらってる感謝も感じられない。逆にフランスは、フランス人にさせようとしすぎて、彼らに大きな圧力を強いてるように見える。
移民への対応は各国で違うけれど、日本も将来移民を受け入れることがあるのなら、本当に慎重になった方がいい。
今年はロンドンテロからも10年。
日本の転換点となった阪神大震災、オウム事件からも20年。
そして戦後70年というメモリアルが重なった年。どれも悲劇です。
そんな年にまたパリの悲劇が重ねられてしまいました。
今回犠牲になった警察官の遺族のコメントが救いでした。
「事件をイスラム教と混同しないでほしい。イスラムは平和と分かち合いの宗教で、テロや狂気とは関係ない。私の兄はムスリム。兄を殺したのはムスリムのふりをした者だ。彼らはテロリストなんだ。」
何を赦し、何を赦さないか。そこを混合してしまわないように気をつけないといけません。
アメリカのテロの時と同様、イスラムに対して攻撃を加える輩がいるのは情けないです。
そしてまた政府も「テロとの闘い」と称し、中東への攻撃を示唆しました。
何度悲劇を重ねたら僕らは学べるんでしょうか。
カントのいうような「永遠平和」は本当に訪れるんでしょうか。
シャルリ事件は、テロ以上に表現のことなど、色々考えさせられる事件でした。

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ANTONY GORMLEY. EXPANSION FIELD @ Zentrum Paul Klee

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スイスの首都ベルンにあるパウル・クレーセンターで開催中のアントニー・ゴームリー展に行ってきました。
レンゾ・ピアノ設計の美術館で、前から行ってみたかったのでちょうどいい機会。
写真で見た時は、ちょっと遊びすぎじゃないのかって思ったデザインだけれど、実際行ってみると、合理的に作られてて感心しました。
山が3つあって、山ごとに機能が違っていたり、谷の部分が地面に埋まってるのとか気持ちよい連続性がありましたね。ピアノはあまり得意な建築家じゃないけどこれは結構好きかも。
そして、ゴームリー展ですが、新作インスタレーションEXPANSION FIELDは様々な拡大された身体が計60体ずらっと並んでます。
奥には初期作品が3つあって、中でもりんごの成長過程を表した1982年の作品が興味深かった。中には本当にりんごが入ってるらしい。河口龍夫の種を鉛(?)で閉じ込めた作品を思い出しました。初期の作品って結構自然に依った作品作ってて興味深かったです。
ただ作品はこれだけなのでちょっと物足りなかったかな。

しかし20日にはなんと、ゴームリー本人と、ハンス・ウルリッヒ・オブリストの対談という豪華すぎるイベントがあったのです。むしろこっちがメインぐらい。こんな対談日本にいたらなかなか見られません。

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いやぁ、刺激的なレクチャーでした。スイスにいてよかった。
内容はまず、どうしてアートを始めたのかという根源的な質問から。
ゴームリー曰く、美術というより、洞窟とかの暗い場所に行って、瞑想にふけるのが小さいころから好きで、そこからまずケンブリッジに行って考古学やらを学んだけれど、アカデミックな世界に疲れてその後3年間インドに行った。そこではイギリスとはまったく違う生の世界が広がっていた。そこで初めて芸術家になろうと思い、その後ロンドンでセントマーチンズカレッジに入ってアートワールドに入ったとのこと。
ゴームリーの作品って結構システマティックに作られてるので、こういう非合理的な部分に彼の興味の大半があるというのは興味深かったですね。
そして、質問は、彼がアート学生だった頃の70年代は、アンチフォーマリズムが吹き荒れていたけれどそれらの影響はあったのかと聞かれると、アート学生になったものの、アートの為のアートというものに疲れてしまって、それらの議論は自分は蚊帳の外だったと。もっと生きることや死ぬこと、成長すること、普遍的なものを作品にしたかったという。
カンディンスキーやモンドリアン、或いはクレーのように、もっと純粋にアートを追求したいという思いが強かったようです。
その点で、彼にとってボイスは凄まじく輝いていたらしい。
彼の口からボイスの名前が出るのは意外でした。ボイスは確かに「社会彫刻」と銘打っているものの、彼の作品はいわゆる「彫刻」と言えるのか微妙なライン。
対してゴームリーはまぎれもない「彫刻」を作っているので、見た目上はまったく違う二人ですが、中身の点でシンパシーを感じていたのはおもしろいですね。
また、彼はその頃アメリカに行って、リチャード・セラやウォルター・デ・マリアに会い、そこからも刺激を受けたとのこと。ただし、彼らから受けた助言はまったく参考にならなかったらしい笑
そして彼は身体という普遍的なテーマを選び、今に至っているわけですが、彼の作品の素晴らしさは、ひとつのテーマでここまで作品を発展させることができるという実例を真正面から表しているところ。
なんかたまには寄り道したくなるのが人間の常だと思いますが、彼の場合はひたすら一本道。
そしてその道を歩き続けるとこんな地平が広がっているんだというのを僕らに見せてくれてる。
スイスらしく、コルビュジエのモジュロールに関しても質問が及びましたが、ゴームリーはコルビュジエのそれに対してはまったく共感が抱けないとのこと。モダニズム建築は人間の尺度に自然を合わせるようなことをしてしまったけれど、それは完全に間違いだと。むしろ本当に素晴らしい建築というのは、どこかで人間の機能を逸脱するような部分を持っている建築だという。具体的にはインドの神殿やパンテオンなど、やはり神々に捧げられたような、人間の尺度を超えたものは素晴らしい。そして現在、彫刻ではそれが可能だと。
彼の作品は身体をも超えた第二の身体、空間をも取り組む作品も多くあります。
本当は上の最後の写真のような、建築的な作品を今回出したかったのだけど、100tもあるので持ってこれなかったとのこと笑
そして、今回の新作EXPANSION FIELDのプロセスのレクチャーがありましたが、これらコンピューターシミュレーションは彼のような彫刻家にとってとても大きな恩恵を与えているとのこと。実際今のアトリエに移って、最初3台しかなかったパソコンは今や35台あって、20人ぐらいのスタッフが、モデリングや3Dプリンティングのような作業をこなしているとか。
これらは12年前に、セシル・バルモンドのいる構造家集団アラップの人間がやってきて、革新的に作業が変わったという。彼の作ったシステムが今やゴームリーの作品制作になくてはならないものになっているとのこと。
こういうヨーロッパ的なシステマティックな部分と、インド的な瞑想的な部分の二面性が今回レクチャー聞いてみて改めておもしろい人だと思いました。
最後の質問は、オブリスト恒例の「アンリアライズプロジェクトについて」。
生きてるうちにやりたいのは、ユーラシアの真ん中、アジェルバイジャンあたりに、洞窟のような、地上からは見えない「彫刻」を掘りたいとのこと。
もうひとつは、フィレンツェでミケランジェロたちのようなルネサンス彫刻と並んで大理石で作品を作りたい。そしてこのプロジェクトに関しては実際かなり動き始めてるとのこと。
ひとつめは壮大すぎてわかりませんが(笑)、ふたつめは楽しみ。
いやはや、本当に素晴らしいレクチャーでした。今後もますます楽しみです。

ちなみにパウル・クレーセンターなので、クレーの常設もあるんですが、正直自分はクレーの何がいいのかほとんど理解してないので、ほぼ素通り。。。スイス人に怒られそうです。
ちなみにオブリストって元々スイス人なんですね。コスモポリタン過ぎてもはや何人という概念が欠落している人。。。飛行機のマイル凄そう。

<関連記事>
Antony Gormley 'ONE & OTHER' @ Trafalger Square
Antony Gormley @ HAYWARD GALLERY

Egon Schiele - Jenny Saville @ Kunsthaus Zurich

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チューリヒ美術館で開催中のエゴン・シーレとジェニー・サヴィルの2人展。
もう、この二人を並べたこの美術館のキュレーターには拍手です。
元々サヴィルの絵が好きだったんですが、これまで全然観る機会がなくて、ようやく観れました。
それだけでも感動的なのに、エゴン・シーレまで一緒に観れちゃうなんて。

サヴィルは英国出身の画家。
彼女の描く肉体は、エグいまでの肉感とそのモチーフ構成が秀逸。
これはベーコンやフロイドを引き継ぐようなイギリスヌードの系譜とも言えるでしょう。
ベーコン同様彼女は写真をモチーフにすることが多いですが、絵の中でコラージュしているような構成は本当に不思議。

片やエゴン・シーレは言わずもがなですがウィーンの画家。
クリムトと同時代に活躍しながら、彼の描き出す肉体は醜いとも言えるフォルムばかり。
おまけにあの茶褐色のダークトーンで、病的なものすら感じてしまう。
華やかに画面を彩っていたクリムトとまさに対局をなす巨匠。

このジェニーとシーレですが、同じ肉体をとことんまで追求した結果が、あのおぞましいまでの画面を作り出したという点で共通しているかと思いきや、片や肉々しい肉体、片や骨と皮のような華奢な身体。この二つが同時に並ぶ事で浮かび上がってくる相似と相違は見事。
また、母子を描いたものや、盲目の人を描いたものなど、二人に共通の主題なんかもあって、それらが同時に展示されていて、同じモチーフであってもここまで違うのかと驚かされます。

それにしても、やはりこの二人のデッサン力には改めて舌を巻きます。
どこまで肉体を崩しても、そこにはしっかり筋肉があり、骨があることがわかる。
実際ジェニーのエスキースも展示されてますが、もう嫌味な程うまい。
シーレのドローイングももの凄く魅力的でした。

個人的にはジェニーの3人の太った女が画面狭しとばかりに横たわってる超大画面の絵画と、シーレの「死と乙女」は白眉。もうすごすぎて立ち尽くしてしまった。。。

スイス来て一番の展覧会でした。この展覧会は1月25日まで。こちら

コレクションもかなりいいの持ってます。現代美術も豊富で見応えありました。

Marcel Duchamp. La peinture, même @ Centre Pompidou

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ポンピドゥーで開催中のデュシャン展。すごいものを観てしまった…。これはほんとうにすごい展覧会。
正直今更デュシャン?って感じもあったんですが、まあせっかくパリ来たしと最後の力を振り絞りながら行って観たら大正解でした。これはマジでヤバかった。
まずタイトル。日本語に訳すと「絵画、さえも」。
なんてウィットなタイトル。
言うまでもなく通称大ガラスであり彼の代表作でもある「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」にかけてるわけですね。
しかもしっかり「絵画」と「大ガラス」というこの展覧会の核となるキーワードを織り込んでる。
そう、この展覧会は大ガラスに至るまでの彼の絵画に焦点を当てる展覧会です。
デュシャンといえば、むしろ近代芸術において絵画を殺した人物とも捉えられがちだし、どうしても絵画よりもレディメイドのイメージが強いですよね。
そこを反転させるような試みで非常にラディカルな展覧会。
しかも、この展覧会にはデュシャンの作品だけではなく、彼に影響を与えたであろう作品や資料もふんだんに展示されててめちゃくちゃおもしろかった。
例えば下の展示は誰の写真とかわからないけど、彼のモナリザに落書きした「L.H.O.O.Q」の元ネタらしき資料。

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こんな感じで色んな資料が並んでて、彼が以下色んな所からリファレンスを引っ張っているかを示している。
デュシャンと言えば今や神格化され、彼の追従者をデュシャンピアンと呼ぶほど宗教じみた存在ですが、その神棚から引っ張り下ろすように、彼の創造は過去の創造物といかにつながっていて、彼も人間なんだよと言ってるようで、ものすごいキュレーションだなと。
例えば下の展示は、ブラックやカンディンスキーなど一見繋がらない作家すらも並列することで鮮やかに繋いでいる。

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他にも、マネやマティス、ルドンにピカビア、セザンヌ、レジェなど挙げてはキリがないほどのデュシャンに影響を与えたであろう作品たち。
それだけじゃなく、まったく無名な作品やデュシャンのお兄さん、ダ・ヴィンチ、デューラー、それどころか当時の写真やレントゲンなどの科学からのレファレンスも多数。
これだけの研究をものの見事に展覧会という形に具体化できるなんて。
しかもしっかり筋があって、最後には大ガラスのレプリカが堂々と展示されてる。完璧でした。
先の後期ターナー展のレビューでも触れましたが、温故知新の展覧会の豊かさが、本当にすごい。
アカデミックであり、同時にスリリングなエンターテイメント。
素晴らしいものを見せていただきました。ごちそうさまでした。
途中「階段を降りる裸婦」の現物が見れたのは震えるほど感動しました。
ワシントンで大ガラスと遺作の本物も観てみたいです。
ポンピドゥーの展覧会は1月5日まで。こちら

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PARIS PHOTO @ Grand Palais

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世界で最も有名な写真だけのアートフェア。
一度どんなんか観てみたかったので行ってみました。
まあ、アーチフェアはもうあまり観たいとは思えないんですが、1メディアしかないフェアってどんな感じかと思って。
グランパレも初めてで、やはりすごいでかさ。モニュメンタ観てみたいです。
で、内容はやはりアートフェアって感じでしたが(当然)、写真だけなので案外見やすかった。
普通のフェアだと絵画とか彫刻とか映像とかごちゃまぜなので、すごい数の作品を一々頭のチャンネル替えながら見るので疲れるけど、写真だけなんでそのチャンネル変更がなく気楽。
とはいえ多いのでぶらぶら散歩気分で気になったら入るって感じでしたが。
実際のプリント売ってるとこより奥のブックコーナーが楽しかった。
日本人写真家の作品集がめちゃ多かったのが印象的。
やっぱ買えるかもって気持ちがないとフェアは楽しくないですね笑
アートブックオンリーのフェアとか行ってみたいかも。
ってことで全くレビューにもなってないけど、行ったよという報告まで。
サードギャラリーの石内さんのフリーダの新作はすごくよかった。
あとおかしかったのが、ロンドンからパリに向かうユーロスターで隣に座ってた2人組とパリフォトの会場で遭遇したこと。アートワールド狭い…。あのでんしゃに一体どれぐらいのアート関係者乗ってたんでしょうか…。

ちなみにグランパレの別会場では北斎展が開催されててめっちゃ並んでました。

Late Turner – Painting Set Free @ Tate Britain

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ロンドンに行ってきました。
5年ぶりのロンドン。
感慨にふける暇もないぐらい駆け足の滞在でしたが…。
行けたのは二つのテートのみ。

その二つ行った中で断トツでよかったのがテートブリテンでやってる後期ターナー展。
正直時間もなかったので観るか迷ったのですが、結果的にメインの目的だったターナー賞展の数百倍よかった。
しかし、イギリス美術の父ターナーとその孫たちとも言えるターナー賞展が同時期に同会場でやってるのは美しいですね。

さて、その後期ターナー展の何が素晴らしかったかというと、なんといってもキュレーションの明確さ。
後期とある通り、ターナーが60歳を迎えた1835年以降に出品作品が絞られていて、彼が晩年に取り組んだ主題に非常に丁寧な研究を重ねている。
とはいえ時間もなかったので、そこまで読み込むほどじっくりは見れてないんですが、それでも十分に伝わる企画者たちのターナー作品に対する敬意と、研究に対する誠意。これはもう泣けるぐらい伝わりました。
そして、彼の抽象化を極めていくこの後期こそターナーの真髄ありと言わんばかりの迫力。
実際この抽象化過程は目覚ましくて、衝撃の連続でした。
彼の作品のすばらしさはささっと彩色されたような水彩のスケッチと厚く塗り込められたカンヴァスに描かれた油彩のクオリティが遜色ないぐらい高い。
スケッチだからと舐めてかかるとダメです。打ちのめされます。
その理由は多分彼の油彩が水彩に近い感度がある点にあると思います。
彼の作品からは水の存在を大いに感じる。
それは字義通り川や海をモチーフにしたのが多いというのだけでなくて、空気に含まれている粒子レベルの水の存在をあの筆致の中から感じることができる。
それにしても、もう抽象画としか言えないあれらの絵を観て当時の人はどう思ったんだろう。
今から観ても気違い染みている。
印象派も生まれるずっと前からここまで辿り着いてる、どころかモネの晩年すら超えたこれらの抽象化は観ていて本当に痛快。
特に最後に展示されていた薄いピンクの絵画2点は、もう何かモチーフがあるとは思えないぐらいの画面。あれはすごかった。

欧米ではこれら巨匠の作品たちを再検証するようなキュレーションが続いている。
歴史を何度も振り返ることで、新たな美を発見していく、まさに温故知新な展覧会たち。
こないだまでテートモダンで開催されてたマティスの切り絵に的を絞った展覧会なんかまさにそう。あれは観てみたかった。(現在MoMAに巡回中)
去年ヴェニスでやってたマネ展なんかも素晴らしかった。
日本だと、これら巨匠の展覧会となると、どこどこからこんな有名な作品が来ますとかいう売り文句だけのキュレーションのキュの字も見当たらないのが情けない。

ちなみにテートブリテンで常設のターナーギャラリーの後期コーナーにはオラファー・エリアソンがターナー作品の色彩を分解した作品を発表してます。
これらの展示は来年1月25日まで。こちら


で、メインだったはずのターナー賞展ですが、正直何の刺激もなかった。
最初の二人、James RichrdsとTris Vonna-Michellは、フィクションとノンフィクションのあわいを表現した作品で、最近よく見る部類(乱暴)
三人目のCiara Phillipsは、ウォーホル?って感じの部屋でよくわかってません。
唯一ひっかかったのは最後のDuncan Campbell。
アニメーションとも言えない、本当になんとも言えない世界観が観ていて飽きなかった。
ターナー賞の発表12月1日。
今年でちょうど30周年を迎えるターナー賞。
外の壁にはこれまでのターナー賞のパネルが年ごとに展示されてて、2011年以降自分が全くフォローしてなかったことに気づいた。
今年のは実際観た分少し思いやりもできたので賞の発表楽しみに待ちます。
Duncan Campbellに一票で!1月4日まで。こちら


お次はテートモダン。
着いたらまず目に入るのが、着々と進行しているヘルツォーグ&ド・ムーロンによる新館。竣工は再来年ぐらいか。
以前に公開されていたTankという新スペース観たかったんだけど、ただ仮お披露目しただけで新館の公開までクローズとのこと。残念。
多分新館へはタービンホールの真ん中からつながるのかと。

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そのタービンホールでは現在リチャード・タトルの「 I don't know」が展示中。
実際観た感想は、「ちゃちい…」でした(死)
やっぱどうしてもこれまでのタービンホールプロジェクトと比べてしまう。
まあ、今やスポンサーだったユニリーバも撤退しちゃったし、かかってる予算は違うんですが。
そもそもタトルの作品あまり好みじゃない。
タトルは現在ホワイトチャペルギャラリーでも個展開催中。
来年からはユニリーバに変わってヒュンダイがスポンサーになりタービンホールプロジェクト再スタート。韓国やりよる。
まずは来年誰がやるのか楽しみ。ヒュンダイとは2015年から2025年までの11年計画です。

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今テートモダンではポルケの回顧展が開催中。
でもこちらも時間と気力の問題で観てません。
ポルケ大好きですが、彼の作品のエネルギーがすごすぎて、気力のない時に観ると持って行かれそうで怖い。グループ展で1点2点ぐらいならいいけど個展となるととんでもない。
ということで常設のみ。
結構もの派の作品が入ってたのが印象的。
でもなんといっても観たかったのはロスコルームでした。
一昨年アーティストと名乗る輩によって無残にも落書きされたロスコの絵画。
世界中に衝撃と悲しみと怒りが走りました。
もう二度とロスコルームは見られないかもしれない。
そんな危惧を跳ね除けるように、テートは気の遠くなるような懸命の修復を施しこの春再び公開に至りました。
まずあれだけのダメージを修復してのけたのも本当にすごいですが、それをあんなことがあったあともガラスケースに入れるでもなく元の状態のまま公開しているテートの志に感服するばかりです。
ロスコは生前世界の数ある美術館の中からこれらの絵画の寄贈先にテートを選びました。
その信頼を決して裏切らないテートの姿勢は本当にすごい。
やはりテートは世界一の美術館だと改めて思いました。




帰りのミレニアムブリッジからレンゾ・ピアノのロンドンタワーが見えました。ロンドンで外国人建築家が建てることって稀なのにほとんど話題になってませんね…。

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Olafur Eliasson 'Riverbed' @ Louisiana Museum of Modern Art

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デンマークの首都コペンハーゲンにあるルイジアナ美術館に行って来ました。
コペンハーゲンといってもこの美術館があるのは超郊外で空港からだと実に1時間、中央駅からも40分ぐらいのHumlebækという駅からさらに歩いて15分のとこにあります。(バスだと2駅)
そんな立地にも関わらず世界の美術館の中でも好評化を得ている美術館。
一度行ってみたいと思ってたら、すごい展覧会が開催されているではないですか!
オラファー・エリアソンの「Riverbed」。
初めて展示風景の写真を見た時にはあまりのすごさに5度見ぐらいしてしまいました。
上の写真ご覧いただければもう説明不要だと思いますが…。
またまたオラファーさんやってくれちゃいましたね。
以前にもブレゲンツに池作ったり吊り橋掛けたりしてましたが、これは観ない手はないと飛んで行きました。
見ての通り展示室に河原ができてる。
タイトルもなんのてらいもなくRiverbed(河原)。
実際に観ると想像以上に広くて衝撃でした。
展示室4室(3室かも)全部河原化してた…。
石どれだけあるんでしょうね。
そもそも元の展示室がどんなだったのか想像つかない。
これをやってのけたオラファーは勿論すごいですが、それを許した美術館がすごい。
ヨーロッパの美術館って、アートのためなら色んな犠牲払っちゃう美術館本当に多い。
この後どうすんねやろとこっちが心配しちゃうぐらい。
今まで観た中で言えばローヤルアカデミーのアニッシュ・カプーア展や、テートのドリス・サルセド、去年観たクール美術館のゲルダ・シュナイダー&ヨルグ・レンツリンガー展なんかすごかった。
日本では中々出来ないなぁ。
すごいもの観させて頂きました!
ちなみにオラファーはこのコペンハーゲン出身なので十分すぎるほどの凱旋展となったのではないでしょうか。
1月15日まで。こちら
図録は今回の展示風景入ってなかったので買うに至らずでした。

美術館も常設にジャコメッティの良作揃ってたり(廊下から向こうに並んでる彫刻群のアプローチは見事)、ブルジョワの蜘蛛や、ベーコンのダイアンの肖像3連画もあって驚き。
また図書閲覧室やショップは北欧らしく美術館と思えないほどオシャレ。
また目玉である彫刻パークは必見!ですが、行ったら真っ暗で何も見えず。
本来なら海を望みながらムーアやカルダーの彫刻が眺められるんですが。。。

以下読み飛ばして結構。

行こうと思って飛行機調べたら、安いのが19時着のしかない。
19時着だと美術館閉まってるやろうし、泊まりがけで行くほどデンマーク自体に興味がない(死)
見るものといえば空港からすぐの隣国スウェーデンのマルメにカラトラヴァの塔があるけどそれもそこまで観たいと思えないし、オラファーの野外作品もあるけどこれがコペンハーゲンから数時間かかる地方都市で、それだけ観て帰って来るのは痛い。
どうしようか悩んでたら、なんとルイジアナ美術館、平日22時までやってる!!!
こんな郊外でそんな需要あるのか…。
19時に着いてすぐに電車乗れたらなんとか観られる!
ということで半分ギャンブルでしたが行ってみました。
懸念していた入国審査がなくて、なんと思ってたのより1本早い19:22の電車に乗れました。飛行機着陸から20分後に地元の電車に乗れてるって我ながらすごい。
で着いたら20時半。
1時間半かけて観られたわけですが、やっぱりここは明るい時間帯に来るべきですね。
また機会があれば…。あるかな…。
ちなみに平日の夜遅くでもそれなりにお客さんいてびっくりでした。愛されてます。

帰りに中央駅ブラブラしようかとも思ったけど疲れすぎて空港直行で今に至る。マジでデンマーク何も見てない…。今日はこのまま空港で夜を明かして朝一の便でロンドンへ!

Alfred Jaar 'TONIGHT NO POETRY WILL SERVE' @ KIASMA

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ヘルシンキにある現代美術館KIASMA。
多くの美術関係者が好きな美術館を聞かれると名前が上がる美術館です。
(何かのインタビューでネトもこの美術館が一番好きって言ってた気がする)
建築はアメリカを代表する建築家スティーブン・ホール。
まるっぽい外観が特徴的ですが、中に入ると愛される理由がよくわかる。
まず入った時の開放感。そして見事なまでの導線。スロープでゆるやかに上へ上へと誘います。

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ここでやってたのがアルフレッド・ジャーの回顧展。
(もう1つマリメッコの展覧会やってたけどそっちはスルーで)

チリを代表する作家ですが、日本であまりお目にかかることがなかったので、名前はよく聞くけど作品はあまり知らない作家でした。昨年のヴェニスでヴェニスが水に沈むというあまりにもストレートな作品やっててなんやこれって思ったぐらい。
なのでこうして彼の40年の業績を一気に観られたのはとてもよかったです。
社会的な問題を直接的に扱った作品って個人的にあまり得意ではないけれど、彼の作品はドストレートであるとは言え、嫌みがなくて素直に鑑賞できました。
特に「SOUND OF SILENCE」という作品は、ケビン・カーターの人生を綴ったテキストによる映像作品で、シンプルなだけに伝わるものも大きかった。
この「伝える」ということを、美術の中で積極的に行うのって勇気がいることだと思う。
報道に美しさを纏わせて、新たな方向から社会と観客を出会わせる。
とても潔く気持ちのいい展覧会でした。

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書くとこないので、ヘルシンキで観た他の建築。

ヘルシンキ観光で外せないのがテンペリアウキオ教会。
岩の中に埋もれるようにできた教会で、コンペによって選ばれたスオマレイネン兄弟による建築。1969年完成。
素晴らしいのは素晴らしいけど観光地化しすぎて教会って感じじゃなかったのが残念。

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あとサーリネンも設計に参加したへルシンキ中央駅。工事中。。。
さて、ここからサンクトペテルブルクへ。

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Tatzu Nishi 'Hotel Manta of Helsinki'

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ヘルシンキぶらぶらしてたら偶然見つけたすごいもの。
なんと西野達氏の新作が!!!
一瞬まさかと思って通り過ぎかけたけどやっぱり戻って正解でした。すごい。
ヘルシンキフェスティバルの一環でオファーされたホテル・マンタ。
マンタというのは、広場にある噴水の人魚の愛称。
実際宿泊も可能で、予約は一瞬で埋まってしまったそうな。
中は€3払えば見られます。
ちゃっかりアールトの家具が使われてて憎いです。

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'Il Palazzo Enciclopedico' by Massimiliano Gioni

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今回の行脚を決行させるきっかけになったのは、なんといってもマッシミリアーノ・ジオーニのヴェネツィア・ビエンナーレ総合ディレクター決定でした。
彼は1973年イタリア生まれ。現在はNew Museum of Contemporary ArtのキュレーターとしてNYをベースに活動していますが、世界中から最も熱い視線を浴びているキュレーターの一人でしょう。
ヴェネツィア・ビエンナーレ総合ディレクターとしては最年少。
しかしそれだけの実力を彼は持っています。
これまでも自身の職場ニューミュージアムで2009年に開催された33歳以下の若手作家50名を集めた'Younger Than Jesus’をはじめ、床をぶち抜いて滑り台を投入したCarsten Höllerの回顧展等画期的な展示を実現させ、またMaurizio Cattelanと’Wrong Gallery’なるギャラリーを始めたり、村上隆とカタールでの大規模な個展を成功させたり、アーティストと共犯関係を結ぶような活動も行っています。
そしてなんといっても僕が彼の名を最初に知ったのは2010年の光州ビエンナーレ。
民主化運動によって多大な犠牲を払った光州事件からちょうど30年のこの年に開催されたこのビエンナーレには、その歴史を踏まえ、詩人高銀がその犠牲を嘆き綴った30巻にもわたる叙事詩「一万の命」をタイトルに、一万のイメージが展示されました。
このコンセプトを見た時、これはただ事ではないと思いました。
ビエンナーレというとどうしても祝祭的なムードが漂いますが、このビエンナーレはカタログや会場写真を見るだけでそことは一線を画していることは明らか。
なんせカタログの表紙はアーティストでもない市井の男の写真。この男は毎年自分の誕生日に違う衣装で自分の写真を撮り続けていたという謎の人物。それを正面に据えてきて、一堂に展示している時点で普通の展覧会ではありません。
この展覧会、行かなかったことがこれほどまでに後悔を生むなんて。。。
この後悔を2度も繰り返すわけにはいかないので、はるばるヴェネツィアまで飛んでいきました。

結果からして、本当に素晴らしい展覧会でした。来てよかった。。。
これまでのビエンナーレとは全く違う、ひとつの総体としてのあらゆる知を結集した展覧会。
作家数も100をゆうに超えるこれほど大きな規模でも揺るがないジオーニの美学。
一貫したコンセプトで、最初から最後まで飽きさせません。
そして、これを見れば光州ビエンナーレの後悔は払拭されると思いきや、倍増しました泣
改めてあの展示は見ておくべきだったと思いましたね。
というのも、今回の展示は、ジオーニもインタビューで応えていますが、光州と対をなすものだったからです。

光州との類似を挙げると大きく2点。

まずは、展覧会の契機となる作品の存在。
光州の場合は詩人高銀の詩でしたが、今回はMarino Auritiというイタリアから亡命してアメリカに移った人物が作り上げた、人類の知(タイヤから人工衛星まで)を結集させた博物館、'Il Palazzo Enciclopedico'(Encycropedic Palace/百科事典宮殿)を契機にしています。
彼がこれを制作したのは1955年。そして彼はアーティストでもなんでもなく車の整備士でした。
その再制作された模型からこの展覧会はスタートしますが、もうこの時点でこれまでのビエンナーレとは違うのは明らか。
まず作品が現代の作品ではない。
しかしこの知を結集させるCo-Intelligenceな考え方は、まさに現代の我々の考え方に近い。
Wikipediaとかまさにその考えに基づいて作られてますよね。
そして、展覧会という制度自体も色んなものが1つの場所に集められて、それらひとつひとつに生きる術や発見が備わっている。
考え抜かれたコンセプトには本当舌を巻きますね。
そしてさらにその宮殿の作者が作家ではない。
これは光州の冒頭に置かれた写真群にも共通します。
一気に持って行かれるこの世界感の構築は本当にうまい。
具体的イメージとキャッチーなタイトル。
'Younger Than Jesus’とか'10000 Lives'とか、タイトルだけでドキドキします。
Encyclopedic Palace。何度も唱えてみたくなる言葉の響きです。

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そしてここからジオーニワールドに突入です。
誰が作家で誰が作家でないとか、もうその垣根は取っ払われて平地に置かれます。
アウトサイダーとかインサイダーとか、とてもじゃないけど判断できる間を与えず次から次へと現れる奇妙な作品群にただただ圧倒されます。とてもじゃないけど見きれない。
そのオブセッションもどんどんハマっていきます。
あと展示が圧倒的にうまい。
マンガをずらーっと額装して並べてるのとか気持ちよかった。

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美術展というより、博物館に来てしまったような印象すら受けます。
すごいな、と思ったのは、確かにどこからアーティストでどこからそうじゃないかという垣根は取っ払っているものの、作品の質、つまり、どこからが作品かどこからがそうじゃないかという垣根はしっかり守られている印象を受けました。
どれも一定の質を備えていて、作品としてしっかりそこに存在している。
ただただアーティストとそうじゃない人たちの作品を並べただけではアンデパンダンになってしまいます。
そうじゃなくて、キュレーターがしっかりひとつひとつに目を配り、その質を見極めた上で、その作品にあった展示がなされている。これは並のことじゃないです。考えるだけで恐ろしい労力。
よくぞここまでリサーチし揃えることができたなと。

そして、さらにジャルディーニにあるイタリア館での展示に移動するわけですが、ここでアルセナーレでのテンションを全く落とさせない為の導入がすごい。
このイタリア館の最初の部屋は、教会のように高い天井で上がドームになっていて、無駄に厳かな空気が流れているんですが、その空気に全く馴染んで、精神学者ユングのドローイングが宗教画のように厳かに展示されていました。この導入でまた移動でほぐれたテンションが一気に戻ります。
中に入ると、今回金獅子賞をとったティノ・セーガルのパフォーマンスが繰り広げられていて、奥には大竹新郎の本がずらっと並べられた展示や、リチャード・セラなど、アルセナーレと比べるとアートっぽくはなってきましたね。

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そんなこんなで、圧倒的な量と、圧倒的なリサーチと、圧倒的なコンセプトで見せきったジオーニのビエンナーレ。これは完全にジオーニの「作品」。さすがにキュレーション勝ち過ぎやろ、と思わなくもないけれど、(実際作家の名前とかほとんど覚えられませんでした。。。)これだけ圧倒されるキュレーションも稀です。
この展覧会は間違いなくビエンナーレの歴史に大きな足跡を残しましたね。
彼は今後ますます伝説を作って、ハロルド・ゼーマンやオブリストのような偉大な先輩たちと肩を並べる日も近いことでしょう。てかヴェニスやっちゃったらもうあとドクメンタぐらいしか残ってないけど。。。
そういえば、ヴェニスではそのゼーマンの伝説的な展覧会'When Attitudes Become Form'(態度が形になる時)展が開催中です。こちら。ゼーマンが辞職にまで追いやられた凄まじい展覧会の再現。
僕はギリギリ間に合わず涙をのみました。。。前まで行ったんですがタイムアウト。
ヴェネツィアを1日で回るのが無茶過ぎました。。。Marc Quinの展覧会や、ピノー財団とかもあるし、2日はかけましょう。
ビエンナーレは11月24日まで。無理してでも行く価値はあると思います。

La Biennale di Venezia 2013

カタログはまさに百科事典級の太さと重さで帰り死んでました。。。

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最後にビエンナーレに出品中で、先日お亡くなりになったウォルター・デ・マリアの作品。
この作品見た直後にその訃報を聞いてびっくりしました。
ご冥福をお祈りします。

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52 la Biennale di Venezia ♯1


テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

Koki Tanaka 'abstract speaking -sharing uncertainty and collective acts' @ The Japan Pavilion at Venezia

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もう遠い昔のようですが、ヴェニスビエンナーレに行ってきました。
ヴェニスは2005年、2007年と今回で3回目。
確かにアート好きにはたまらなく楽しいイベントではありますが、2回も行けば辟易してきて、わざわざ行くのはもういいやって正直思ってたんですが、今回の総合ディレクターがMassimiliano Gioniと聞いて、これは行かずにはいられまいと思いました。なんせ2010年の光州ビエンナーレを逃してますからね。。。
そしてさらに、日本館代表が田中功起さんと聞いてますます期待は高まりました。
去年のドクメンタ、どんなに評判がよくても我慢してこの行脚の為にお金を貯めていたのです。
ということで、まずはジャルディーニにある日本館から。

日本館は毎年、決して悪くはないものの、良く言えば安定した展示。悪くいえば無難過ぎておもしろみに欠ける展示でした。というかぶっちゃけ完全に後者。おもしろくない。
ヴェニスに行っても、とりあえず寄るだけって感じのテンション。
2005年は石内都、2007年は岡部昌生、2009年はやなぎみわ、2011年は束芋。。。
しかし今年は何かが違いました。
田中功起x蔵屋美香のコンビが選ばれた時はついに日本館も攻めに出たかと驚きました。
田中さんは僕が近年最も注目しているアーティスト。このブログでも何度も取り上げてます。
蔵屋さんは東京近美で「ぬぐ絵画」などラディカルな展示を企画している敏腕キュレーター。
そんな2人がタッグを組んで、どんな展示が展開されるのか非常に楽しみでした。
これはもしかしたら、、、と思っていたらやっぱり特別表彰を受賞。日本館初の快挙!
これまで賞レースなんてひっかかりもしなかったし、こっちも期待してなかったけれど、今回は期待通り!
ますます行く前から楽しみでした。

掲げられたテーマは「abstract speaking -sharing uncertainty and collective acts」。
邦題は「抽象的に話すこと - 不確かなものの共有とコレクティブ・アクト」
僕にとって意外、と言えば意外だったのが、震災をひとつのテーマにしていたことでした。
確かに近年田中さんの作品は、野外で作品を展開し、他人と積極的に関わっていくことで作品に社会性を付与させてきました。
しかし、それはあくまで「抽象的」な社会性であって、震災という具体的なテーマでもって作品を制作されたことはなかったと思います。
こういう自国の災害とかを持ち出しちゃうと、ドメスティックになりすぎて、客観的に見て痛いだけの展示になりかねないところがあります。前回行った2007年のヴェニスビエンナーレがまさにそれで、アメリカの9.11テロが前面に押し出されて、もう同情どころか苛立ちすら覚えました。
なので、少し不安があったのですが、展示を見ると気持ちのいいぐらい腑に落ちる展示で不安は払拭。

今回の会場構成の肝となってるのは、昨年の建築ビエンナーレ日本館の展示をリサイクルしてるところです。(昨年の日本館は伊東豊雄氏をディレクターとして、「ここに、建築は、可能か」をテーマに震災を直接的に扱った展示で金獅子賞を授与されました)
建築展も同じく震災がテーマですが、あちらはかなり「具体的」な提案でもって震災を切り取っていました。
しかし今回はタイトルにもあるように「抽象的」に震災を持ち込むことによって、日本だけでない問題にまで昇華させていたのが本当に感動的でした。
震災の話をするとどうしても出て来るのは「当事者」という言葉です。
以前自分もこのことで震災に触れるのを相当躊躇していた経験があります。
つまり、自分は当事者である/ないの話になると、そこで壁やヒエラルキーが生まれてしまいます。
当事者でもない奴に自分達の気持ちがわかってたまるか、とか、自分は当事者じゃないから、彼らに会って接する資格がないとかそういうことです。
この壁は想像以上に堅牢で、その話になると中々うまくいきません。
僕もそうでしたが、以前その話を比較宗教学者の濱田陽さんという方にしたら、「あの時すべての人間が傷ついたんです」という話をされて、「いや、でもあの時関西にいてなんの揺れも感じなかった僕は傷ついていません。それがうしろめたさみたいなものにつながって中々踏み込めずにいるんです」と返し、そこで濱田さんは、「森川さん、あなたは立派に傷ついてるじゃないですか」と言われ、はっとしたことがありました。
実はそんな壁なんてなかったんだ、と気づけたことで、僕は被災地まで行くことができました。
どこまでが当事者だなんて、本当はいえない問題なんです。
言えるとしたらあの時亡くなられた方々のことを言うのでしょう。
長くなってしまいましたが、その当事者という意識の壁を抽象化する作業として、今回の展示は本当にすばらしいものでした。
田中さんは当時アメリカにいて、彼は日本にすらいませんでした。
関西にいた僕ですら、そんなうしろめたさを感じていたのだから、田中さんのように海外にいた日本人はどういう気持ちだったでしょうか。
そこでできることとして行き着いたのが今回の展示だったそうです。

この展示の凄いところは、だからといって全く無理をしていないというところです。
実際今回いくつか作品が出ていますが、そのすべてが2011年3月11日以降というわけではありません。
これまで田中さんがやってきたことが自然と生きてるのが素晴らしかったんです。
近年やってる、「恊働」というテーマが、美しい程この展示にフィットしている。
それは滑稽にも見えるけれど、どんなに時代が進んでも、人は一人で生きて行けないし、実は人間の営みはこれぐらいかっこわるくて、泥臭いものなのかもしれない。だから美しい。
本来一人でする作業(ヘアカット、ピアノ演奏、作詩、陶芸等)も何人かで一度にやると、そこに衝突や葛藤が生まれて、できあがったものは成功とは言えないものかもしれないけれど、その結果がすべてではないというのが今回の展示で今まで同じ作品を見てきた時以上に伝わってきました。
だから普通に田中さんの個展として見ても、いいんですよね、普通に。
僕が初めて田中さんの作品を見たのは「原因が結果」というタイトルの個展だったのですが、なんかその言葉がすごく効いてきてるな、という印象を受けました。

日本館はこの展示で今回半世紀以上参加し続けて館としては初めて賞を授かりました。(特別表彰)
田中さんはTwitterでこれは僕がもらった賞ではなく、これまで日本館が築き上げてきたものだという言い方をされていたけれど、僕はまぎれもなくこの賞はこの展示に与えられたものだと思います。
海外から多くの観客を呼び寄せるこのビエンナーレで、この展示が実現したことは、日本にとっても大きな功績だと思います。
本当におめでとうございました。
先日京都でも田中さんと蔵屋さんによる報告会があったそうですが、ギリギリ帰国に間に合わず聞きに行けず残念でした。。。って実際観に行けただけで充分ですよね。はい。


ついでなので他の国別の展示も。多過ぎてアルセナーレとジャルディーニ周辺しか回れてませんが。。。(金獅子賞のアンゴラは行けず)
個人的に印象的だったのは、イスラエル、ブラジル、ロシアかな。写真撮ってないけどギリシャも。

Gilad Ratman 'The Workshop' (Israel)
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Ferbenza/Mlászho/Clark/Bill/Munari 'Inside/Outside' (Brazil)
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Vadin Zakharov 'Danae' (Russia)
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国家間コラボ企画としては、リトアニアとキプロス(特別表彰)とドイツフランスのパビリオン交換(どこまで意味あるのかは展示ではよくわからなかった)

'Oo' / 'oO' (Cyprus/Lithuania)
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Ai Weiwei, Romuald Karmakar, Santu Mofkeng, Dayanita Singh (Germany)
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他。サラ・ジー調整中で中見れずショック!韓国館はひどかった。。。

Sarah Sze 'Triple Point' (USA)
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Kimsooja 'To Breathe:Bottari' (Republic of Korea)
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Lara Almarcegui (Spain)
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Berlinde De Bruyckere 'Kreupelhout-Cripplewood' (Belgium)
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Mark Manders 'Room with Broken Sentence' (Netherlands)
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Jeremy Deller 'English Magic' (Great Britain)
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Konrad Smoleński 'Everything Was Forever, Until It Was No More' (Poland)
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Alexandra Pirici/Manuel Pelmus 'An Immaterial Retrospective of the Venice Biennale' (Romania)
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Lee Kit 'You(you).' (Hong Kong)
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Alfredo Jaar 'Venezia, Venezia' (Chile)
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あとアルセナーレの奥が各国の展示になってたけどどれがどの国なのかよくわからないまま見てた。。。バハマ館がなぜか北極の作品展示してたり、木がぶらさがってたり、ヨーン・ボックの作品もあったり、何か色々ありました(テキトー)。

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次回はメイン展覧会について。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

Gerda Steiner & Jörg Lenzlinger 'NATIONALPARK' @ Buendner Kunstmuseum Chur

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本当はズントー設計の美術館渡り廊下(最後の写真)を観に行ったんだけど、思いがけずゲルダ・シュタイナー&ヨルグ・レンツリンガーの展覧会が!しかもこれがものすごく良くて、申し訳ないけどズントー様はそっちのけで楽しみました。てか渡り廊下って!ズントーちゃうかったら見るとこちゃうやろ。
それはともかく、展覧会は写真の数々を見ていただけるとわかると思いますが、カオスです笑
壁は削られてるし、床は抜けてるし、天井も穴空けちゃってるし、窓ははずしちゃってるし、もうなんでもあり。生きたモルモットもいました。この展覧会終わったらどうなるんでしょうか。。。
しかし、本当に楽しかった。
正直 僕の中で彼らの評価は水戸芸の展覧会で相当低くなってしまったのだけど、この展覧会見て再び舞い上がりました。
入ってすぐまずスタッフの衣装が彼らの作品。かわいかった。
そこからまず'NATIONALPARK'に入る前に、ひとつアイテムを選びます。
選んだら、'NATIONALPARK'へ。
まるで博物館のような展示物の数々。でも実際めちゃくちゃ。
ガラスケースの中でハエがわいてるのもあった。。。
しかし、本番は2階。
階段の壁が削れてたので、最初普通にボロボロな美術館やなと思ったら、それにしては人為的な線だったので、え?ってなったら、やっぱり彼らの仕業。そんなアホな。。。
そこから前述のようなカオスで、見ても見ても見切れない。
ずっといてても楽しそうな空間が見事に形成されてて、本当に素晴らしかった。
最初ズントーの渡り廊下を見たら花とかが飾られてて、誰やねん!と思ったけど、この展示見てしまったら仕方ないです。ちなみにこの渡り廊下の窓も一部外されてます。。。
インスタレーションというか、ひとつの世界を築いた彼らはもちろん素晴らしいけど、これをやらせた美術館がすごい!日本ではまず無理でしょう。
本当にこの後どうするのか気になりますが、とにかく素晴らしい展示でした。12月21日まで。こちら
あと、本館では、'Uninhabitable Objects – Dwellings between Imagination and Reality'という展覧会も開催中。こちらはシュッテやホワイトリードなど、家をテーマにした作品を集めてて、これも中々おもしろかった。
コレクションにはジャコメッティが数点。あとはあまり気になるのはなかったかな。。。


ところでChurにオルジャッティの手がけた正面玄関があると聞いていたのだけど、見当たらず断念。。。どこにあったの?オルジャッティが見れるのはこれだけだったので地味にショック。てか正面玄関とか渡り廊下とかってちょっとマニアックすぎませんか。。。

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CHRISTO: BIG AIR PACKAGE @ GASOMETER OBERHAUSEN

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夢にまで見たクリストの作品を観にドイツはオーバーハウゼンへ。
これまで小さな作品は見たことはありましたが、いわゆるプロジェクトとしての作品は初。
デュッセルドルフから電車で20分、さらにバスで10分ほど。
その大きな建物はバス停から見えはするものの中々たどり着けず結局15分ぐらい歩いた。
今回の展示が行われているそのGasometerという会場は、1920年代から80年代にかけて、この地域の産業を支えるガス供給施設として働いていましたが、その役割を終え、今ではこの街のランドマークであると共にこうして展覧会やイベント施設として機能しています。
1999年にもクリストはここでプロジェクトを制作していて、その時は130000個ものドラム缶を積み上げたようです。
クリストのプロジェクトはほとんど野外で行われますが、室内で、しかも同じ場所で2回もというのはここだけ。
しかし今回展覧会の作家名がクリストだけになってて寂しい。
でも1階ではちゃんとジャンヌとの2人の記録として、これまでの作品を回顧する写真展が開催されてました。


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今回は117mもの高さを有するこの建物の内部いっぱいまで空気で布を膨らまし、その中に人が入れるというもの。このエアパッケージの作品は昔にもベルンなどで制作してますが、今回は最大規模で人が入れるのは初。
ということで中へ。


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中に入ると、ついに!という感慨と白い空間で高揚感がやってきました。
しかし数分もすると、?となってきました。
作品としては、まあ布だけだし、寝転んだり、歩き回ったりしては見るものの、すぐに飽きます。
んー、こんなものなのか?と次第に落胆の色が濃くなりつつ、いつの間にか僕のフォーカスは作品そのもにではなく人に向いていき、気づいたら人ばかり写真に撮っていました。
そうしてはっと気づいたんです。自分はすっかりクリストの魅力を忘れていたことを。
僕が学生の頃クリストとジャンヌはニューヨークでThe Gateのプロジェクトを実現させていました。
当時作品を作る意味というか、なんでこんな非生産的なことに金や労力や時間を費やしてるんやろという、制作すること自体に自信をなくしかけていました。
そんな時、日曜美術館で彼らのプロジェクトを紹介していて、それを見て涙が止まらなくなりました。
そこには、その制作に携わった一位のおじさんが、訪れる人に向かって、胸を張って作品の説明をしていました。ここまでアートが人を輝かせることがあるのかと、本当に目から鱗が落ちる経験でした。
クリストの作品の主役は作品そのものではなく、人です
この作品でもそこに人が一緒にいるということがいつの間にか物凄く愛おしく感じるようになってる自分がいました。実際作品の下の階では、真上から映した人々の様子がプロジェクションされてて、これぞ真骨頂って感じでした。
やっぱりクリストは僕のヒーローです。
Over The Riverも絶対見に行きたいです!
展覧会は12月30日までなので是非。こちら

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クリストとジャンヌ=クロード展@21_21 DESIGN SIGHT
ジャンヌ・クロード逝去
クリスト&ジャンヌ・クロード講演会 @ 福岡市美術館
クリスト&ジャンヌ・クロード講演会@京都造形大学


あとデュッセルドルフのK21ではティルマンスの個展が開催中。
もう終わってると思ってたら会期が9月8日まで延長されてた。
スケジュール的に相当ハードでしたが、なんとか辿り着けました。おかげで太腿が肉離れ寸前です。。。
内容はこれまでの代表作がほとんど並んでてかなり豪華なもの。
彼の魅力は写真というメディアをとことん追求し、何を撮るか、どう写すか、どう印刷するか、どう展示するか、さらにはどこまでが写真かというところまで追求し、ゆえに展覧会をもメディア化します。
なので、彼の写真はただの図像ではないので、写真集で見ても限界があります。(その写真集をもメディアとして制作されるのでさらにわけわからないことに)
なのでまとめて展覧会というメディアで存分に見てみたかったので今回の展示は大満足でした。
詳しくは美術手帖でも清水穣さんが書かれているので僕が触れるまでもないですが、今回映像作品が展示されててびっくりしました。
といっても昨年の写美での川内倫子展同様、その視線は映像でも変わることなく地続きでしたね。
彼の写真はそこ見る!?って単純な驚きがあって、いままで気づかなかった美しさをおしえてくれます。
例えば脱ぎ捨てた服だったり、丸めた紙の中だったり、今回衝撃だったのは男性用の共同トイレですね。醜悪なのになんだか美しい。
映像では通りを行き交う人や車を気の向くまま追いかけたりして普段からキョロキョロしては美しいと思えるポイントを探しているんだろうなと思えたし、クラブの音楽に合わせて動くライトだけを録った映像はまんまティルマンスの視線を感じましたね。
そして今回さらに衝撃だったのは、カタログが無料で配布されてること!
しかもかなりがっつりしたやつ。。。このカタログもそれが無料で配布されるということ自体も彼の作品ですね。素晴らしい展覧会でした。こちら
また、さすがアカデミーのあるデュッセルドルフだけあって、コレクションにもベッヒャー夫妻やトーマス・ルフ、イミ・クネーベルなど豪華。こないだもグルスキー観たばかりだしドイツづいてます。
そして、ここの吹き抜けにはトマス・サルセノの大規模なインスタレーションが。
人も登れるそうですが、この時は調整中で入れず。
それよか、その下の階に、彼の蜘蛛の巣を使った彫刻があって、それがものすごく美しかった!はじめどうやって作ってるんやろと近づいたらほんまに蜘蛛でびっくり。
僕は人が入っていける作品より、彼の単純に目で見て美しい作品の方が好きですね。
思わずカタログ買ってしまって、ティルマンスとクリストもあって帰り重すぎました。。。

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さらにドイツといえばリヒター!ってことでケルン大聖堂のステンドグラスも見てきました。
なんだか毎日のように教会行ってる気がする。。。

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テーマ : アート・デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

'Ultima Cena' by Leonardo da Vinci

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イタリア最後はミラノです。
ミラノは正直見るものは少なくて、マストといえばミケランジェロ作ロンダニーニのピエタとレオナルド作「最後の晩餐」でしょうね。
ということで行脚前半戦最後を締めくくるのは「最後の晩餐」です。

モナリザ同様これまで何度も見てきた図像だけに、実際見たとこでそこまで感動はあるのか行くまで疑問でしたが、やはり実物はすごかった。
モナリザは実物見るとその小ささに驚きますが、これは大きさに驚きます。
というか実際より確実に大きく見えてると思う。
鼻につくぐらいわざとらしい遠近法のせいもありますが、それ以上に広がりを感じるのはなぜでしょうか。
この絵は近くで見るより遠ざかれば遠ざかるほど素晴らしいです。
何と言っても構図が完璧。
13人の配置が実物で見ると本当にずばぬけてる。
そして色彩。
これはフレスコではなく、油絵の技法を混ぜてるため結構退色がすごかったそうですが、大規模な修復により、想像以上に色が鮮やか。(まあ、本当はどこまで忠実なのかはわからないけど)
自分がラファエロ苦手なのは色彩のせいなのかもな、とこの絵を見て思いましたね。
ミラノのブレラ絵画館でも「聖母マリアの結婚」を見ましたがんーって感じでしたが、アンブロジーナ絵画館にはラファエロの「アテネの学堂」の下絵のデッサンが展示されてて、これを見るとラファエロすげぇ!って思います。
ちなみにこの美術館にはレオナルドの「音楽家」やカラヴァッジョの静物画などコレクションが充実してます。他にもヤン・ブリューゲルの花のマリアはストイキツァの「絵画の自意識」に取り上げられてたので実際見れて嬉しかったです。
話が反れました。
とにかく、やはり「最後の晩餐」は実物に限るなぁと実感。
最後がこれですごい充実感です。
ちなみに見るには事前に要予約で、早めに取らないとすぐ埋まるみたい。僕は1ヶ月ぐらい前にとりました。こちら
イタリアってルーズなイメージがあるけど、実際かなりきっちりしてて、予約が必要な施設が結構あって、旅の計画が面倒。(ローマのボルゲーゼ美術館も完全予約制)
行く前にしっかりリサーチしましょう。

ミラノではあと1900年代美術館というのがドゥオモの真ん前にあって、地球の歩き方にピカソの「アヴィニョンの娘」があるとか書いてて、ホンマかいなと思いつつ行ってみました。(実際は見当たりませんでした)
2010年に開館したばかりで中はきれいで、案外広い。
チケット売り場に行くと怖い顔のおじさんに「ナウ フリー」と言われ、え?って聞き返すとさらに怖い顔で「ふりー!」と言われました。ということでなぜか無料で入れた。ツンデレ?
コレクションはイタリアの作家中心でアルテ・ポーヴェラ以外知らん作家ばかりでしたが、最上階にフォンタナルームがあって感動!ドゥオモを臨みながら観れる贅沢さ。
規模は小さかったけどウォーホルの企画展もやってました。
なぜか写真もオッケーで、展示室で電話してる人すらいた。。。ゆるゆる。
いつ無料なのかは不明でしたが、ドゥオモも素晴らしいので合わせて行くといいです。
ミラノでは24時間の滞在だったので24時間交通機関乗り放題のAbbonamento Giornaliero(アッボナメント・ジョルナリエーロ)が大活躍。€4.5、各交通機関1回€1.5なので3回以上乗れば元がとれます。使い始めから24時間以内であれば日をまたいでもオッケー。行きたい場所がどこも中央駅から遠かったので移動が不安でしたが、ミラノはローマなんかより交通網が発達してるので、地下鉄さえあればほぼ回れました。ミラノでもミラノカードなるものがあったようですがよくわからないので買いませんでした。
ってことで前半終了!後半はデュッセルドルフからスタート。

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Pietà (Rondanini) by Michelangelo

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