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劇団チョコレートケーキ「治天ノ君」 @ 東京芸術劇場 シアターイースト/藤田貴大「蜷の綿(になのわた)- Nina's Cotton - / まなざし」 @ 彩の国さいたま芸術劇場



こんなに泣いた舞台人生で初めてでした。
劇団チョコレートケーキは前回の「遺産」以来2回目。
前回の731部隊に続く今作のテーマは大正天皇。
劇団名とは裏腹に相変わらず重い。
といっても今回の演目は2013年、2016年に続く再再演らしい。
それほど評価された演目なだけあって、本当に素晴らしかった。
まず舞台にはレッドカーペットとそれに続く玉座のみというシンプルな作り。
時代が交錯しながら大正天皇のお妃節子皇后が語り部となり舞台は進む。
大正天皇。はっきり言って全くもってイメージがなかった。
そもそも大正は15年しか歴史がなかったし、人々の忘却の彼方に消えてしまっても仕方ないといえばそうなのだけど、この物語の中ではむしろ積極的に「消された天皇」として描かれている。
というのも、この天皇はお世辞にも優秀なお人ではなかったようで、実際彼は側室の子として生まれ、病弱ゆえ学業も留年し、ついには学習院を中退してしまう。
その後この舞台でも重要な登場人物となる有栖川宮威仁が個人教師となり、彼に大きな影響を与えることになる。
しかしその有栖川も病のために個人教師を退くことになるが、妻節子と仲睦まじく暮らし、彼は一夫一妻を貫いた最初の天皇となる。
彼の元には4人の男の子が生まれ、その長男が後の昭和天皇裕仁。
物語の中で大正天皇嘉仁は父である明治天皇にも息子にも冷たくあしらわれる。
何と言っても肝になるのがこの大正天皇のお人柄。
主演を演じた西尾友樹の演技が素晴らしすぎて、一瞬で虜になってしまった。
先の明治天皇と打って変わって朗らかで友好的。
最後、脳を患いながらも懸命に天皇であろうとする姿には心打たれまくった。
宮内庁はそんな彼を「恥」として、彼の死後、すっかり葬り去ったというのが結末。悲しい。
その姿を見ていて思わず明仁上皇とダブらせてしまった。
この物語がどこまで事実に基づいているのかはわからないけれど、国民のことを慈しむ態度や妻を愛する様子が、ものすごくダブってしまって途中途中で涙が本当に止まらなくて困った。
賛否両論あるだろうけど、僕は明仁上皇と美智子皇太后が本当に好きなんですよね。
あの人達のことを思うだけで涙が溢れてくる。
愛国とか右だとかそういうの関係なく、僕は純粋に天皇というこれまで千年以上も培われてきた制度が好き。
物語の中で、明治天皇と昭和天皇の類似性が垣間見られて、隔世遺伝的に大正と平成がまたリンクしている気がする。
奇しくも明治天皇の誕生日11月3日が文化の日、昭和天皇の誕生日4月29日が昭和の日として祝日なのに対して、大正天皇の誕生日である8月31日は祝日ではなく、平成天皇の誕生日12月23日は今年から祝日ではなくなったこともなんだか色んな思惑があるんじゃないかとすらこの舞台を見ながら思ってしまった。
そもそも「令和」が発表された時にその名に昭和の「和」が入ってることが発表当初から気になっている。
是非令和には大正平成の精神を受け継いで欲しい。
なんだか物凄く考えさせられる内容だし、純粋に悲劇として美しい。
物凄く優れた演目でした。あー泣いた泣いた。
来年は孫文や蒋介石とも親交のあった日本人松井石根がテーマらしい。また重そう笑


藤田貴大「蜷の綿(になのわた)- Nina's Cotton - / まなざし」 @ 彩の国さいたま芸術劇場

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藤田貴之が蜷川幸雄の半生を戯曲化した「蜷の綿」。
蜷川の生前本人が藤田に脚本を依頼し、蜷川本人が演出するはずだった舞台。
しかしその上演は叶わぬまま蜷川は帰らぬ人に。
あれから三年半の後、なんとついに実現することに。

正直僕は蜷川幸雄という人物にほとんど関心がない。
昔ロンドンで彼の演出したシェイクスピアの「コリオレイナス」を観て、もう観なくていいなと思った。
しかし今回はあの藤田貴大。
蜷川本人から依頼されるという大役にどう挑んだのか興味があり、行ってみることに。
ところで公演内容に「リーディング公演」と書かれていて、何のこと?と思いながら、蓋を開けたら皆が台本持ちながら演じていてとても新鮮。
舞台には蜷川幸雄が創設したさいたまゴールド・シアターという55歳以上の俳優のみからなる演劇集団と、さいたまネクスト・シアターという若手演劇集団が登場して、総勢40名ほど。中には車椅子のメンバーも。
まず青年期の蜷川の独白から始まり、舞台の奥の奥からぞろぞろとその集団が歩いてくるシーンは圧巻。(最後は同じく去っていく)
そして階段が現れて、ギリシャ劇のコロスよろしくコーラス隊のようにメンバーが並び、ポリフォニーとなって舞台が形成されていく。
この声の重なりが素晴らしくて、ひたすら酔いしれた。
今回演出は蜷川幸雄の演出助手を務めていた井上尊品なんだけど、藤田演劇お馴染みのチャプターごとに話が進んでいくし、同じシーンの繰り返しリフレインも登場する。
前述の通り僕は蜷川幸雄自身にはほとんど興味ないので、内容はそこまで興味ないんだけど、この演出とメンバーたちの熱気に2時間50分もある舞台もあっという間に感じられた。
何より、蜷川幸雄という一人の人物を愛した人々が繰り広げるのだから、もう舞台には愛しかなかった。
そして客席もほとんどが蜷川のファンであろう人たちで埋め尽くされているのでそこにも愛しかない。
こんなに愛に包まれた舞台は初めての経験。
最後は全員スタンディングオーベーションで、メンバーは堪えきれず泣いてる人もいた。
この日は蜷川幸雄の誕生日。
最後はみんなでバースデーソングを歌っておしまい。泣ける。
その後トークがあったんだけど、もう一つの舞台「まなざし」が別会場であるので、ギリギリまで聞いて会場である第稽古場へ。

こちらはマームのメンバーが繰り広げる藤田の舞台。
蜷川の「まなざし」をテーマに作られた新作。
まあ、いつもの通りで正直なんの新鮮味もなくて蛇足だったように思う。
直前の「蜷の綿」が凄すぎただけに少しがっかり。
それにしても悩んだ末来てよかった。
今回3日間のみの舞台だったので、ぜひ再演して欲しいと思う。
蜷川幸雄に興味ない僕でも感動できる凄まじい舞台でした。

次回の藤田貴大演出の舞台はなんと「ねじまき鳥クロニクル」!
僕の大好きな小説をどう料理するのか楽しみしかない!!!


A'holic Selection05 "智 感 情" 開催のお知らせ。

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本日10月16日よりA'holic Selection#05を開催します。
第5回は「智 感 情」と題して、日本の表現をテーマに選書します。
展示予定書籍は以下。

椹木野衣「日本・現代・美術」(1998) 新潮社

中ザワヒデユキ「現代美術史 日本編 1945-2014」(2014) アートダイバー

中村ケンゴ「20世紀末・日本の美術ーそれぞれの作家の視点から」(2015) アートダイバー

岡倉覺三「新訳 茶の本」(2013) 明石書店

高橋睦郎「在りし、在りまほしかりし三島由紀夫」(2016) 平凡社

「小鹿田焼 すこやかな民陶の美」(2012) 芸艸堂

矢頭保「裸祭り」(1969) 美術出版社

「ハイレッド・センター: 直接行動の軌跡展」(2013)

東松照明「光る風ー沖縄」(1979)

細江英公「抱擁」(1971) 写真評論社

細江英公「鎌鼬」(2009) 青幻舎

石内都「1906 to the skin」(1994) 河出書房新社

"Kishio Suga Situations" (2016) Mousse Publishing

「村上友晴 ひかり、降りそそぐ」(2018) 目黒区美術館

「メモランダム 古橋悌二」(2000) リトル・モア

石川直樹「Mt. Fuji」(2008) リトル・モア

Rinko Kawauchi "Halo" (2017) aperture

大山エンリコイサム「Viral」(2019) 中村キース・ヘリング美術館

ミヤギフトシ「ディスタント」(2019) 河出書房新社


是非お越しください!

A'holic (エー・ホリック)
東京都新宿区新宿3-11-1 高須ビル3階
*新宿3丁目駅C-6出口より徒歩1分

tel & fax 03-6273-0132
mail info@aholic.com
web http://aholic.tokyo
IG @aholic_artlibrarycafebar
twitter @Aholic_tokyo

19:00-25:00 (月-金) 14:00-25:00 (土・日) 10/30, 31, 11/1. 13休
*急な変更はtwitterをご確認ください。

A'holic営業時間変更のお知らせ

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本日10/1でA'holic開店からちょうど半年が経ちました!
わずか半年ですが、数々の出来事や出会いもありめまぐるしい半年でした。
ご来店頂いた皆さま、本当にありがとうございます。
ここで、お店の営業を少し変えたいと思います。


10月15日より営業時間が変更になります。

変更前(-10/14)
月-木 17:00-25:00 金土 17:00-27:00 日曜及び月曜祝日休み

変更後(10/15-)
月-金 19:00-25:00 土日 14:00-25:00 不定休
10月のお休み 6(日) 13(日) 14(月) 15(火) 30(水) 31(木)

という感じです。
半年やってきてわかったのが、17時からやっても人は来ないということ笑
そして、週末でもほとんどの人が終電で帰っちゃうってこと。
てことで平日は19時から、土日はなんと昼間からやっちゃいます。
うちはあくまでカフェバーなので、カフェ感も欲しいのです。
週末の昼下がりにぜひ!という感じ。
こうしたトライ&エラーも純粋に楽しい。
あと定休日を廃止しして不定休にします。
定休にしちゃうとその曜日にどうしても来られない人もいるかと思って。
10月はちょっと休み多めですが11月からはあまり休みなく開けます。頑張ります。

ということで今後とも末長くよろしくお願い申し上げます。

バスキア「MADE IN JAPAN」@ 森アーツセンター

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話題のバスキア展へ。
こんなに有名な作家なのにここまで大きな日本の美術館での個展ってそうそうない。
僕も実際にバスキアの絵をちゃんと観るのは初めてでとても楽しみにしてた展覧会。
PENのバスキア特集で予習したりして臨みました。
が、そこまで感動はなかった。。。
以前シュナーベルが撮ったバスキアの映画とかも観てたので、描いてるところがそのまま立ち現れるような臨場感があったのだけど、正直彼の絵とどう向き合っていいのやら。。。
そもそもウォーホルもキースも自分は苦手。
やっぱ僕は抽象的な表現じゃないと入ってこないというのがあると思います。
もちろんバスキアにも抽象性はあるんだけど、どうしても冠やら骸骨やらが邪魔をする。
むしろ最後に展示されてた文字だけのやつとかが一番良かったかも。
彼の文字ってとても人柄が表れてて好きなんですよね。
最近大山エンリコイサムの「アゲインスト・リテラシー」を読んで、そこにグラフィティのことが色々書かれてるんだけど、中でも「識字リテラシー」と「文脈リテラシー」という言葉が印象的で、前者はグラフィティの単純に読み方で後者はその意味するところ。
バスキアの場合はSAMO時代から培った複雑な「文脈リテラシー」が最大限生かされてると思う。
正直ちょっと何言ってるかわからないって感じの文章がそこかしこに書かれていて、それがとてもミステリアスだし、バスキアの「識字リテラシー」の美しさもあってそこは本当に魅力的。
特に100YEN 200YEN 300YEN、、、と書き連ねてるだけの作品がとても良かった。
あと日本語が出てきたりするのも興味深かった。
ただね、やっぱ絵画としてのダイナミズムがそれだけでは弱いんですよねぇ。
文字を使ってるという点でよくサイ・トゥオンブリーの名前が出てくるけど、やっぱトゥオンブリーの絵画画面の強さって異常で、それはあの圧倒的な絵の具の存在感にあると思います。
バスキアはどっちかというとイラストなんですよね。
画集でわかっちゃうというか、実際観てもそこまで印象変わらないというか。
トゥオンブリーの絵画はもう現物の強さがすごすぎて画集では全然伝わらない。
フィラデルフィア美術館で観たトゥオンブリールームはいまだに忘れられない。。。
そんなこんなで、とりあえず現物観れたのは良かった、ぐらいの展覧会でした。
とはいえこんな機会本当にそうそうないので少しでも興味のある人は行った方がいいですよー。
もう作品が高騰しすぎてセキュリティチェックとか中々厳しかったです。
かの前澤さんが123億で買った絵も展示されてます。11/17まで。こちら

そしてちょうど今六本木のアートコンプレックスがアツいです。
僕が観たのは以下。

ホンマタカシ@ TARO NASU
グレゴール・シュナイダー@ WAKO
シュテファン・バルケンホール@小山登美夫
戸谷成雄@ ShugoArts
法貴信也@タカイシイ

どれも素晴らしかった!

ホンマタカシは特に好きでもないんだけど、今回の作品はコルビュジエの建築の窓を撮った作品で、すごく新鮮な建築の眼差し。そしてとてもリアルな眼差しでもあって、生活者としての視線というか、体温のある建築写真という感じでとても良かった。

グレゴール・シュナイダーは先日お客さんでドクメンタで彼の作品を体験してその体験が忘れられないと聞いてから気になりまくってる作家。名前はなんとなく聞いたことあったけど、そこまで気にしてなかったので今回実際ギャラリーで鑑賞してとても興味深かった。
以下ギャラリーのサイトから直接引用。

本個展は、ナチス・ドイツの国民啓蒙宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッペルスが実際に生まれた生家で、2014年にシュナイダーが行ったプロジェクトを、立体作品や映像作品によるインスタレーション構成で展示する試みです。同年にワルシャワのザヘンタ国立美術館とベルリンのフォルクスビューネ劇場とで『UNSUBSCRIBE』展として公開されましたが、それ以降は展示されることがなく、本個展で5年ぶりに、アジアでは初めて公開いたします。このプロジェクトは、自らの出生地の近隣にかつてゲッペルスが暮らした家があり、かつ現存している事実を知った作家が家を買取り、家財や目録を丁寧に調べ上げ、そして建物の内部を徹底的に破壊し残骸を廃棄するまでを一連の流れとします。ゲッペルスが去った後、この家屋の歴史が公になることは今までに殆どありませんでした。戦後から約75年間、ゲッペルス一族ではない人々が暮らしながら一般の家として街の中に存在し続けています。

内容からもとても不気味な作品群で、一つ一つのピースが具体的にどういう意味を持つのかまではわからなかったんだけど、断片的に伝わってくる不気味さみたいなのがすごかった。
引用にもある元になった展覧会のカタログを買いました。
神戸で今大規模なグレゴール・シュナイダーの展示をしてるので、観に行くつもりなかったけど行く気満々。楽しみ。

バルケンホールと戸谷成雄が同時にやってるのはアツい。
どっちも木を使った作品だけど、表現方法が全然違うけど、どちらも素晴らしい作品群。
バルケンホールは台座と人物が一体となって、アンソニー・カロ以来の彫刻と台座の関係を考えさせられました。
戸谷さんの作品も今までのような森のような作品ではなく、もはや塊といっていいほどぶっきらぼうな彫刻で、ものすごくかっこよかった。前半の大きなのも後半の小さなのも一つ一つの密度が素晴らしいバランスで感動。

法貴さんの作品は、これまでスッキリした印象だったのに、今回はかなりヌメッとしてるというか、正直「汚い」とすら思ってしまって、それもそのはず今回の作品のテーマの一つが「汚れ」だったから。
「汚れ」をテーマに絵画を描くなんて聞いたことないのでとても面白い主題だとは思うのだけど、絵画として全く気分のいいものではないので、もっと改良の余地があって楽しみな作品。

といった感じ。
バルケンホールが明日(10/5)までなので是非この5つは観て欲しいところ!
森美では塩田千春もやってるし、新美では「話しているのは誰?」もやってるので併せたらかなりのボリュームですが、どれも見逃せない展覧会ばかり!

谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館 by 谷口吉生

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連休で親友と二人旅。
金沢と白川郷に行ってまいりました。
金沢では何と言ってもこの谷口親子の建築館。7月26日に開館しました。こちら
建築家の名前を冠した施設は大三島の伊東豊雄ミュージアム、直島のANDO MUSEUMに継ぐ3つ目かな。海外にもあるんだろうか?ズントーミュージアムなら何がなんでも行きたい。隈研吾には作って欲しくない。
それはともかく、今回はなんと親子です。これはすごい。世界で見てもここまで活躍してる建築家親子ってオルジャッティぐらいなのでは。
谷口吉郎氏の生家跡に建てられたこの建物。設計は息子の谷口吉生で館長も吉生氏が務めます。
建物は異素材の組み合わせに凛とした佇まい、そして水盆。どれも谷口吉生の技がぎっしり詰められてるし、中は父親吉郎の歩んだ軌跡がぎっしりと展示されています。
特に2階に設置された谷口吉郎による迎賓館赤坂離宮別館・游心亭(1974)の再現は白眉。
日本の意匠がこれでもかと発揮されています。
トランプが来日した時に鯉に餌やってたのがここ。いつか本物見に行きたい。
そして地下では吉郎の展覧会が開催されてて、特に墓碑の設計が興味深かった。
こういうモニュメンタルな意匠も手がけてたのはとても面白い。
そして何と言っても最近話題になってるのがホテルオークラのリニューアル。
このあまりに有名なロビーも谷口吉郎によるもの。
そして先日、息子吉生によってまた復活しました!
ってことで行ってきました。

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あー、美しい!美しすぎる。。。
空に溶けるファサードも、中の和の空間も何もかも。
詳しくはCASAの記事へ。こちら


<関連記事>
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東京国立博物館・法隆寺宝物館 by 谷口吉生
東山魁夷せとうち美術館 by 谷口吉生
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京都国立博物館 平成知新館 by 谷口吉生
MoMA & Dia:Beacon



ところで金沢。
21世紀美術館の15周年記念展観にいこうかと思ってたのだけど、連休中日で異常な列の前に断念。。。15年経っても勢いは止まりません。
久々に来たけどすごい美術館だ。。。ってか15年も経ったのか!開館記念展行ったのが懐かしい。。。
学生時代みんなで車で行ってヘトヘトになって行ったなぁ。
ってことで学生時代から続けてるこのブログも今日でちょうど14年目!僕も3x歳になったよ。。。
今後もゆるりと続けてまいります。よろしくお願いします。

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「サタンタンゴ」 by タル・ベーラ



上映時間=7時間18分
フィルムの長さ=4万フィート(約12km)
フィルムの重さ=104kg

数字で見ただけでもこの映画の異常さが伝わる。
1994年に公開され、一躍巨匠に祭り上げられたタル・ベーラの伝説的作品。
ハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースローの小説を元に、タンゴのステップ<6歩前に、6歩後ろへ>に呼応して全12章によって織りなされるストーリーライン。
前半6章と後半6章に分けられ、それぞれ同じ話が視点を変えて繰り広げられます。
そして最後はなんと円環を閉じる見事なラストが。
この度300時間以上をかけて4Kデジタル・リマスター版が完成し日本初お披露目となりました。

というわけで、ものすごく楽しみにしていたこの上映。
もはやこの長さは家で鑑賞するのはほぼ不可能。
映画館という映画を観るための装置に入り浸らないと観られません。
とはいえ7時間18分。。。
ものすごい覚悟を決めて行ってきました。
友人は来日トークにも行ってたので、映画館に12時入り、出たのが21時半という。。。
常軌を逸していますが、なんと連日予約で完売してるんですよ。
日本も捨てたもんじゃないな、って思いますね。

さて、上映。
もうね、始まる時の緊張感が半端なかった笑
もう、出発したら戻れない。。。という緊張感が場内を包みます。
この感じ何かに似てるな、と思ったのですが、長距離の飛行機に乗った時の感覚に近いかも。
実際ハワイぐらいは行ける時間ですものね。。。
とはいえ、ここからはめくるめくタル・ベーラワールドへの旅が待ってます。

のっけの牛のシーンからやられた。
「ニーチェの馬」の馬もそうだったけど、これほど動物たちをドラマチックに撮れる監督っていないんじゃないかしら。
この映画には牛・馬・豚・犬・猫・蠅・蜘蛛といろんな動物出てきますが、どれもしっかり演技指導されてるんじゃないかってぐらい完璧な動きをするんですよね。
この映画で話題に上るのが何と言っても猫のシーンですが。。。
猫好きにはもう拷問のようなシーンでした。
正直このシーン見てる間はこの映画マジクソだなと思ってしまいました。。。
本当に壮絶。
その後ちゃんとタル・ベーラが飼ってると聞いて安心しましたが。
あと蠅や蜘蛛もすごい。虫にまで演技指導ができるのか!
馬が街を駆け抜けるシーンも圧巻。
街を貸し切って撮ったんだろうか?

自然現象とか物の動きとかも綿密すぎて衝撃。
上の予告編の冒頭の風が吹き付ける映像も圧巻。
映像中雨が降りしきってるんだけど、豪雨じゃなくて小糠雨みたいな感じで、すごく嫌な雨なんです。
以前アレクセイ・ゲルマンの「神々のたそがれ」でも小糠雨が降りしきる世界を描いてましたが、僕はその不快感に初めて映画館を途中で出るという経験をしたんですが、タル・ベーラのそれは心地いい不快感というか、あんまり嫌にならないんですよね。なんでだろ。
それにしても誰も傘をささないのが気になった。陽水的世界。
長回しでよくもここまで綿密な画が撮れるな、と。

タル・ベーラの映画って徹底的に無駄な人物が排除されてるのも特徴。
今回もエキストラ的な人物は全くいなくて、この世界はどうなってるんだろうと思う。
街中にも人っ子一人いないし。
こういう「世界の終わり」を撮らせると本当にすごいですね。
こんな監督ほかに思いつかない。
それだけに前作「ニーチェの馬」で引退してしまったのは残念でならない。
正直、「サタンタンゴ」は素晴らしかったけど、やっぱりその後の「ヴェルクマイスター・ハーモニー」や「ニーチェの馬」に比べると無駄な部分が多い印象。
どんどん研ぎ澄ませていって「ニーチェの馬」に至ったと思うと、まあ引退も仕方ないとは思います。
とはいえ新作のない中、しかもこれだけ長尺の伝説的作品を観られる機会はもうそうそうないと思うので時間ある人は是非観にいったほうがいいと思う。
観終わった後の達成感も半端ないです!

公式HP http://www.bitters.co.jp/satantango/
インタビュー https://www.fashionsnap.com/article/2019-09-17/tarr-bela-interview/

大垣美穂子「immortal moment」@ KEN NAKAHASHI / 手塚愛子「Dear Oblivion 親愛なる忘却へ」@ スパイラルガーデン

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昨年東京に出てきてすぐに初めて行ったKEN NAKAHASHI。
真っ暗な中にプラネタリウムのように光る空間。
光源は床に転がった人型の中から発せられてて、それが大垣美穂子の彫刻でした。
そこからこのギャラリーは展示が変わる度にほぼ通わせてもらってるお気に入りのギャラリー。
そんな大垣美穂子の個展がまた開催中です。
正直前述の彫刻にはあまり感心しませんでした。
その光の演出に心打たれることがなかったんですよね。
今回はどうだろうと思いつつ行ったのですが、今回は彫刻ではなくペインティング。
これがものすごく良かった。泣きそうになった。

去る3月、大垣さんのパートナーで、当時KEN NAKAHASHIで個展を開催中だった佐藤雅晴さんがこの世を去りました。
ずっと闘病生活を共にした大垣さん。
その個展の為に佐藤さんが絵を描き始める同じタイミングで大垣さんも絵を描き始めたそうです。
アクリル絵具で打たれた無数の点。
前回の彫刻と通づる部分はあるのですが、この点の一つ一つが物凄い覚悟を持って打たれてるように感じられて、心が動きました。
まるであらゆる感情をその点に込めてるような。
祈りのようでもあり、写経のようでもあり、瞑想のようでもあり、とても神聖なものを感じました。
あまり作家の背景と作品をごっちゃにしてしまうのは良くないと思いつつも、こうした繰り返しの作業を続けることで、大垣さんは自分を保っていたのではないかな、と想像してしまいました。
これまでも生と死をテーマに作品を作ってきた大垣さんだからこそ、この作業は本当に重い。
しかし出来上がった作品が悲しいほど美しいんですよ。
特に上の写真の馬の作品。崇高でした。
他にも手を描いた2点もものすごく感動させるものがありました。
線ではなく点で描かれたそれらのモチーフは、まるで生と死のあわいを描いているようでもあります。
そのまま点が解けて輪郭を失ってしまいそうな危ういモチーフたち。
それでも踏ん張って輪郭を保っている。
途方もないエネルギーを持った作品群です。ぜひ。9/21まで。詳しくはこちら



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続いてベルリン在住の手塚愛子さんの展覧会。
現在東京2箇所とドイツで同時開催中。
そのうちスパイラルの個展とMA2ギャラリーの個展に行ってきました。
スパイラルは2007年の展示以来で、当時の作品は実際には観てないのですが、吹き抜け空間をフルに使った大きな作品で、写真で見てとても印象的でした。
またあの大空間をどう使うのか楽しみにしていました。
行ったらちょうどアーティストトーク中で手塚さんが今回の展覧会の解説をされてました。
今回の展覧会は二つ大きなテーマがあって、一つはレンブラントの「夜警」をテーマにしたものと、もう一つは日本の近代化に着目したもの。
説明はこちらを読んでください。
正直これらの新作で僕はほとんど感動できませんでした。
あまりに背景を重視しすぎているというか、これまでの手塚さんの仕事が孕んでいた普遍性が失われている気がしてとても残念でした。
今回他にもこれまでのように織を解体したものがいくつか展示されてましたが、これがとてもいい。
無名の織物が解体されることで新たな生命を吹き込まれる様はとても美しく、今回のように改めて布を一から製作して解体するのとはコンテキストが全く違ってくると思います。
MA2の方もほとんどスパイラルと変わりないですが、オーガンジーの作品は良かったです。
とはいえ日本で手塚さんのこれほど大きな展示があるのは稀なので、ぜひ足を運んでみてください。
スパイラルは9/18まで。MA2は9/27までです。


この日はさらにスパイラルの近所の渋谷ストリームとワタリウムへ。
店のお客様でジュエリー作家のお二人がそれぞれ展示販売をされていました。
一人は「ててて」という展示会にて、itiitiというブランドを展開している田中典子さん。
下の写真のジュエリーなのですが、なんとい草でできてます!
熊本で製作されていて、熊本ならではのジュエリー。
もう一人はMalaNocheというブランドを展開している中田チサさん。
ワタリウムのon sundaysにて販売中です。
お二方ともそれぞれずっと憧れていた場所での展示だったそうです。
こういう瞬間に立ち会えるのは本当に嬉しい。
お二人ともおめでとうございました。今後のご活躍も楽しみにしております!

itiiti https://www.itiitiitiiti.com
MalaNoche http://malanoche.g.dgdg.jp

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あとついでに、ワタリウム裏にあるpejite青山さんで展示台を購入してしまいました。
以前買った地球儀を置く台をずっと探していたのですが巡り合ってしまった。。。
少し値は張りましたが、こういうのはご縁なので一度逃すと中々出会えないのです。
実際地球儀置いてみると、マジでぴったりサイズでびっくり。
脚の造形が面白いんです。ぜひお店で見てみてください。

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「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」/ クリスチャン・ボルタンスキー展 - Lifetime @ 国立新美術館

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2つの展覧会を観に国立新美術館へ。
1つは「話しているのは誰?」という、文学とアートを手掛かりにしたグループ展。
超絶ハイコンテクストな展示です。

最初の田村友一郎から飛ばしてます。
まず壁にはニューハンプシャー州のナンバープレートが展示されています。
ナンバープレートには州のスローガンである「LIVE FREE OR DIE」というメッセージが書かれていて、山の絵もプリントされています。
この山は地元で「オールド・マン・オブ・ザ・マウンテン」と呼ばれていて、岩の形がおじいさんに見えるとのこと。
更に進むとガラス越しに部屋が見えて、机の上にはファストフード店の模型が置かれている。
また進むと、今度はまたガラス越しに、今回の展示を作るために使った廃材やらダンボールやら、でこぼこのナンバープレートやらが置かれていて、まるで美術館のバックヤードのよう。
またまた進むと天井から吊るされた4台のテレビ画面にCとOが知恵の輪のようにつながったマークがぐるぐる回っていて(このマークは最後まで謎)、その下にはオールがたくさん並び、壁にはコーヒーとミルクとマドラーが写った写真が2枚展示され、それぞれミルクを入れる前と入れてかき混ぜた後の様子。
と、ここまで書き出してみたはいいけれど、全く伝わらないですよね笑
それぞれ「空目」や「聞き間違い」を表してるんだけど、かなり難解。
インスタレーションとしてはとても優れています。

続いてミヤギフトシの作品。
複数の写真と映像、音声で構成されたインスタレーション。
音声は、多分ミヤギさん本人と友人の会話。とても聞き取りづらいので、3つの画面に出てくる英語字幕を手掛かりに聞いてました。
これ、ミヤギさんが今年出した小説「ディスタント」を読んでいった方が理解が深まると思います。
今回の展覧会が文学xアートだったので、まさに自身の文学作品と絡めての展示だったんだろうけど、読んでないと正直なんのこっちゃかもしれません。展示室で読むのはきついけど、「ディスタント」を展示してても良かったんじゃないかな。。。
本の内容にも触れると、沖縄の離島に住んでいた主人公(ミヤギさん?)が、子供時代に双子と仲良くなり、その後本島に渡った主人公はその二人と疎遠になるんだけど、大人になって兄のジョシュに大阪のクラブで再会し一緒に飲んだ後、ジョシュはアメリカへ。主人公もアメリカに留学することになるんだけど結局ジョシュとは会わずじまい。
今回の展示は、当時大阪でジョシュに会った時に使っていたカメラと同じソヴィエト製のレンズで撮影した沖縄の写真と、ジョシュの弟との会話。
大阪でミヤギに会ったジョシュはアメリカに渡る前に沖縄に寄り、公園で弟に自身のセクシャリティをカミングアウトし、それを受けた弟の心情が語られます。
またミヤギは小説を出したことで両親にカミングアウトするべく帰ってきたが、結局原稿を母親に渡すだけで自身の口から言えなかったことを語る。
会話の中でも小説の中でも出てくる、ミヤギと双子3人の思い出の曲、ヴェートーベンの「ピアノソナタ第32番」のレコードが映像から流れ、また別の画面では弟がたどたどしくもその曲を演奏する。
今回は徹底して、自身の物語を紡いでいました。

そして続く小林エリカの展示が圧巻でした。
現在のチェコにあった聖ヨハヒムの谷から展示(物語)は始まります。
ここは銀の採掘で有名で、ここの銀で作られた貨幣は「ヨハヒムスターラー」と呼ばれ、これは現在のアメリカの貨幣ドル(ダラー)の語源だと言われています。
後に採掘場で黒光りする鉱石が採掘されるようになり、採掘場では坑夫達が原因不明の病にかかり、この石は「不幸の石(ビッチブレンド)」と呼ばれることになるが、実はこれはその後ウランと名付けられる物質だった。
このウランを気化させガラスに混ぜると紫外線で緑の蛍光色に発光することから、ヨーロッパ中でこのガラスが大流行するのだけれど、展示室にはそのガラスで作られたドルの形をしたオブジェが展示されています。
更に、ここから周知の通りウランは核爆弾へと使用されていくのだけれど、それとナチス政権下に開催されたベルリンオリンピックと、幻に終わった1940年の東京オリンピックの聖火をたどる物語へとつながっていきます。
聖火リレーは1936年のベルリン大会から採用されていて、この火はプロメテウスの炎の神話から発生しています。
展示では聖火リレーの炎と、プロメテウスの炎、そして人間が手に入れてしまった最大の炎をテーマに物語が丁寧に紡がれていて、展示も本当に美しい素晴らしいインスタレーションとなっています。
惜しむらくは、聖火を待ち望む女たちのイメージをイラストレーションで表現してしまったこと。
このイラストの癖が結構強くて、せっかくの物語のノイズになってしまってました。。。
イラスト、描きたかったのかな。。。
それはともかく今回の展覧会で白眉の展示でした。

その後、豊嶋康子、山城知佳子、北島敬三と続くのですが、最初の3方で繋いできたリレーが完全に断ち切れます。残念極まりない。
多分キュレーターが、このままでは観客が疲れてしまうと危惧したのかと邪推しちゃうほど。
豊嶋さんと北島さんは物語を観客に投げ出しちゃってるし、山城さんに関しては物語を意識しすぎて、超絶中途半端な映画みたいなものを作ってて、あまりに酷いので途中退場しました。無理。
最初の3方のような方向性で最後まで突っ走って欲しかった。他にもいくらでもいい作家いただろうに。
そもそももう田村さんから展示始まってる時点で観客は腹くくりますから。
観客をもっと信じてほしいな、と思いました。
ちなみに自分がキュレーターなら豊嶋さんの代わりに牛島光太郎、山城さんの代わりに荒木悠、北島さんの代わりに木村友紀を、と想像したりして。
とはいえ3方の展示見るだけでも価値はあるのでぜひ。11月11日まで。こちら


さて、ボルタンスキー。
周囲の評判があまりによくなくて、行きたくねー!と思いつつ、まあ観とくべきだろうとのことで、これを観るためだけに国立新美術館まで行くのも嫌なので、上の「話しているのは誰?」展と会期がかぶる8/28-9/2の5日間のうちに行きたかったのです。
で、感想は「そこまで悪くなかった」です。
前回庭園美術館で見た展示があまりにも酷くてもはやブログにも書いてないほどだったので、かなーりハードル低くしてたのが良かったのかも。
とはいえ初っ端の最初期に作られていた映像がとても良かったのです。
ポール・マッカーシーを思わせる超絶気持ち悪い映像で、そのうちの一つ「咳をする男」は咳どころか、口からなんか茶色い液体吐き散らかしてる映像で、驚きなのが1970年に大阪でテレビ放映されたと解説に書いてて、どういう経緯で!?とめっちゃ気になるんですが笑
「なめる男」もキモくて良かった。
とにかく最初期の小作品たちが中々いいのです。
「罠1970/71」という作品の解説が秀逸。

「1968年から72年にかけて、作家はとても孤独な生活を送り、こうした偏執的な作業をやり遂げたのだった。」


何があってんw
とツッコミどころ満載なのですが、こうした無自覚にガムシャラに作ってた時期の作品がとてもいいんです。
その後、大展示室で展開されてる、この作家を一気にスターダムに伸し上げた、写真に照明を当てた祭壇のような作品群「モニュメント」シリーズまでは本当に良かった。
特に配線の処理が本当に上手くて、唸りました。
新聞記事からランダムで死亡写真を選んでるのもすごい。
しかしこの展示室以降の作品はもはや惰性です。
「孤独な生活」からの跳ね返りなのか、もう自意識半端ない。
解説に一切触れられてないんだけど、「アニミタス(白)」の映像の前にある紙丸めたやつ何なの?
友達と自慰行為の産物かな?とか言ってたんだけどそれだったらすごい。キモいけど。
他は一切特筆すべき作品がないです。
作家の高田冬彦氏が呟いてたツイートがまさに言い当ててる気がします。



こないだの塩田千春展もそうなんだけど、空間が大きいとどうしてもスペクタクルを要求されますよね。
作家自身が作っているのか空間に作らされてるのか。
難しいけど、そこをブレずに作るのは確かに至難の業かもしれません。
まあでも見たことなかった初期作品を見られたので良かったです。


ちなみに順序としては、ボルタンスキーを先に見てたんだけど、この二つの展覧会の差がすごくて、改めて現代美術の奥深さを思い知りましたw

A'holic Selection04 "BUILD A DREAM (NOT A DREAM)" 開催のお知らせ。

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9月2日よりA'holic Selection#04を開催します。
第4回は「BUILD A DREAM (NOT A DREAM)」と題して、建築をテーマに選書します。
展示予定書籍は以下。

ル・コルビュジエ「建築をめざして」(1967) 鹿島出版会

「エル・リシツキー 構成者のヴィジョン」(2005) 武蔵野美術大学出版局

磯崎新「建築の解体」(1975) 美術出版社

「アーキラボ 建築・都市・アートの新たな実験 1950-2005」(2005) 森美術館

大髙正人・川添登「メタボリズムとメタボリストたち」(2005) 美術出版社

レム・コールハース、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト「プロジェクトジャパン」(2012) 平凡社

レム・コールハース「錯乱のニューヨーク」(1999) ちくま学芸文庫

ペーター・ツムトア「空気感」(2015) みすず書房

「IN SEARCH OF BAWA」(2016) Laurence King Publishing

「ザハ・ハディド全仕事」(2018) エクスナレッジ

「Thomas Heatherwick Making」(2015) Thames & Hudson

IMPOSSIBLE ARCHITECTURE」(2019) 平凡社

青木淳「原っぱと遊園地」(2004) 王国社

青木淳「原っぱと遊園地2」(2008) 王国社

「UNDER CONSTRUCTION 畠山直哉+伊東豊雄」(2001) 建築資料研究社

「藤本壮介 最新プロジェクト」(2013) エーディーエー・エディタ・トーキョー

「PLOT 08 石上純也」(2018) エーディーエー・エディタ・トーキョー

「a+u サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン」(2013) エー・アンド・ユー

「THE VITRA CAMPUS」(2013) Vitra Design Museum


是非お越しください!

A'holic (エー・ホリック)
東京都新宿区新宿3-11-1 高須ビル3階
*新宿3丁目駅C-6出口より徒歩1分

tel & fax 03-6273-0132
mail info@aholic.com
web http://aholic.tokyo
IG @aholic_artlibrarycafebar
twitter @Aholic_tokyo

17:00-25:00 (月-木) 17:00-27:00 (金・土) 日・ 9/16, 23休
*急な変更はtwitterをご確認ください。

「美学校クロニクル1969-2019 51年目の現在」 @ 美学校

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みなさん、美学校って知ってますか?
僕もぼんやり名前を知ってるぐらいだったのですが、最近美学校出身者(講師は会田誠!)と知り合って、なんとなく興味が湧いてきて、そしたらちょうどが出てるってんで買ってみたわけです。

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僕の認識だと、Bゼミに並んで日本近現代美術史に出て来る歴史上の学校だったのですが、なんとまだ現役!今年で創立50周年という恐ろしい事実が!
本もその50周年を記念しての発行で、なんとその美学校で50周年記念展示をやってるとのこと。
こんな機会でもないとそんなとこ行けないので、行ってきました神保町。
そこは令和とは思えない昭和空間www

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やー、すごかった!ものすごく興奮しました!
なんてったって50年ですよ。歴史の厚みがすごい!
美学校のロゴは赤瀬川原平。
創立時の案内に書いてある講師陣の豪華さが異常。
中西夏之、赤瀬川原平、松沢宥、中村宏、菊畑茂久馬、小杉武久、澁澤龍彦、唐十郎、瀧口修造、土方巽、、、
嘘みたいな本当の話。
赤瀬川さんも捨てがたいけど、松沢宥の授業は受けてみたかったなぁ。。。
本にはこれらの講師陣の貴重な授業の様子などが書かれています。

「澁澤龍彦さんはすごい人気でした。当時はマイクを使わない上、ほとんど聞き取れない蚊の泣くような小さな声でしゃべるので、一生懸命耳を澄まさないと何を言っているのかわからないというような授業でした。それと、どの先生の時もそうですが、横にサントリーレッドとかのウイスキーとちっちゃいグラスが置いてあるんです。先生もだいたい緊張しているので、それを飲みながら話していました。特に澁澤先生は緊張しているように見えました。」

「(土方巽先生の授業は)1回か2回あったと思います。すごく面白い授業で、着流しみたいな格好で座って、わけがわからんことをおっしゃっていました。いまでも覚えているのは藁半紙を七輪でさっさと炙って醤油をつけて食べるんだって言っていて、ああそうですか、と思いました。そんな感じの授業でした。1回休講になったことがありましたけど、「今日は脳の調子が悪いので休講します。」というお知らせがあって、本人がその通りおっしゃったんでしょうけれど、ちょっと不思議な人でした。」

「美学校1969-2019 自由と実験のアカデメイア」 P122より


なんの脚色もなくこんな感じだったんだろうなぁと想像します笑
この美学校は、こうした現役の作家たちが教えてることが何と言っても特徴的。
そして、「美術学校」ではなく「美学校」であることも。
もちろん技術も教えるけれど、ここではもっと精神的な部分を教えて来る場なんだろうな、と想像します。
本当に豊かな空気が流れていました。
会期は8/25とこの記事上げてる当日までですが、間に合う人はぜひ!
歴史の空間に居られるだけで幸せでした。いけてよかった!
ちなみに廊下にあった美術手帖の蔵書はうちの店が勝ってましたw


ところで神保町。
学校のある場所もいいよなーと思う。
何と言っても古書店がひしめき合い、レコード屋もたくさん。
ディスクユニオンに行ったらずっと欲しかったMax Richterの「SLEEP」が売ってた!
しかもやすい!即買い!
これはトータル8時間に及ぶ壮大な音楽で、タイトルの通り、睡眠時に聞く音楽。
買ってから本当にこれかけながら寝てます。幸せ。
古本の収穫はなしでした。

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